2036年までの供給可能量を、仮定ごとに比べる
2026年GEM国別表の稼働・建設・提案を起点に、完成率・退出率・稼働可能率・市場アクセスを変えて計算します。実生産量の一点予測ではなく、どの条件が供給余力を左右するかを確認するモデルです。
範囲は2026年の登録設備群だけです。未登録の将来案件・登録外の設備改良・価格反応・代替燃料・地域間ネットワークを含まず、実際の世界の余剰/不足を予測したものではありません。ケースの確率は未評価で、既存の価格ケース配分を流用していません。
原表41国/地域のうち、今回は31国の記録された能力をモデル化。基準の稼働寄与523.9、建設279.5、提案641.8 Mt/年です。輸送範囲未確認の国や、対象区分に能力記録がない国は未モデル化としています。
モデル lng-registered-cohort-20261025-r1 · 分析 2026-10-25 · 見直し期限 2026-11-25。
中立の比較条件:登録群と参照貿易量
建設能力の85%、提案能力の25%が2036年末までに稼働する独自の比較条件。予測中央値や最頻値ではない。
登録群の供給可能量 参照貿易量
参照貿易量はDISRの2027~2031年見通しを使い、以降は年2.5%で延長しています。数量にCPIを掛けていません。参照量を満たせない条件では、未登録供給・新規投資・価格による需要調整等を追加検討する必要があります。
年末能力と年平均能力、年度別の原計算
2026年10月の登録状態を年末基準として置く独自仮定です。退出と能力立上げを年内で線形近似し、年平均能力×稼働可能率×市場アクセスを年間供給可能量へ換算。年末に完成する設備へ通年分の出荷量を与えません。
| 暦年 | 年末能力 Mt/年 | 年平均能力 Mt/年 | 供給可能量 Mt | 参照貿易量 Mt | カバー余力 Mt |
|---|---|---|---|---|---|
| 2027 | 555.6 | 539.8 | 457.0 | 471.7 | -14.6 |
| 2028 | 587.5 | 571.6 | 483.3 | 478.3 | 5.0 |
| 2029 | 619.5 | 603.5 | 509.7 | 511.9 | -2.3 |
| 2030 | 651.5 | 635.5 | 536.1 | 536.4 | -0.3 |
| 2031 | 683.7 | 667.6 | 562.7 | 562.7 | 0.0 |
| 2032 | 748.1 | 715.9 | 602.2 | 576.8 | 25.4 |
| 2033 | 773.1 | 760.6 | 638.2 | 591.2 | 47.0 |
| 2034 | 798.1 | 785.6 | 657.9 | 606.0 | 51.9 |
| 2035 | 823.2 | 810.6 | 677.7 | 621.1 | 56.6 |
| 2036 | 848.4 | 835.8 | 697.6 | 636.7 | 60.9 |
各国の供給可能量の合計と登録群の総量を照合しています。「能力」はMt/年、「量」は当該暦年のMtです。2026年の年間実績を推定したものではありません。
豪州:この条件で取り得る数量の範囲
2036年の登録群由来の供給可能量は68.4 Mtです。登録群だけへmin(参照貿易量、登録群供給可能量)を配分する場合、この国の数量は7.5~68.4 Mtの範囲を取り得ます。
これは総量制約だけの配分範囲で、実生産の一点予測・確率区間・輸出契約の保証値ではありません。コスト順や比例配分を仮定せず、地域別の輸送や契約も未推定です。幅が狭くても仮定の確実性が高いことは意味しません。各国の下限・上限を足して同時成立するとは扱えません。
供給可能量 登録群内の配分範囲
国別の条件と年度別数量
元データの稼働82.0・建設5.0・提案6.0 Mt/年。—は未記録です。モデルには記録された能力だけを寄与させ、未知の実能力をゼロへ書き換えません。
| 暦年 | 年末能力 Mt/年 | 年平均能力 Mt/年 | 供給可能量 Mt | 総量配分の下限 Mt | 同上限 Mt |
|---|---|---|---|---|---|
| 2027 | 81.5 | 81.7 | 72.9 | 72.9 | 72.9 |
| 2028 | 81.0 | 81.2 | 72.5 | 67.5 | 72.5 |
| 2029 | 80.5 | 80.7 | 72.0 | 72.0 | 72.0 |
| 2030 | 80.0 | 80.3 | 71.6 | 71.6 | 71.6 |
| 2031 | 79.6 | 79.8 | 71.2 | 71.2 | 71.2 |
| 2032 | 79.4 | 79.5 | 71.0 | 45.5 | 71.0 |
| 2033 | 78.6 | 79.0 | 70.5 | 23.5 | 70.5 |
| 2034 | 77.8 | 78.2 | 69.8 | 17.9 | 69.8 |
| 2035 | 77.0 | 77.4 | 69.1 | 12.5 | 69.1 |
| 2036 | 76.2 | 76.6 | 68.4 | 7.5 | 68.4 |
配分対象量をQ、登録群の供給可能量をS、この国の供給可能量をsとすると、下限=max(0,Q−(S−s))、上限=min(s,Q)。ここでQ=min(参照量,S)です。
5条件の入力を確認する
以下はすべて独自の感応度仮定です。観測から校正した確率、予測中央値や最頻値ではありません。供給条件が順調なほど、資源生産企業の利益にも有利とは限りません。
| 条件 | 既存能力の年退出率 | 建設→2036年末稼働 | 提案→2036年末稼働 | 技術的稼働可能率 | 市場アクセス共通値 | 2031年後の実物貿易量伸び |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 供給拡大が最も順調 | 0.5% | 100.0% | 60.0% | 98.0% | 99.0% | 0.0% |
| 供給拡大が順調 | 1.0% | 95.0% | 45.0% | 96.0% | 98.0% | 1.0% |
| 中立の比較条件 | 1.5% | 85.0% | 25.0% | 92.0% | 97.0% | 2.5% |
| 遅延が目立つ | 2.0% | 65.0% | 12.0% | 86.0% | 93.0% | 4.0% |
| 制約が重なる | 3.0% | 40.0% | 3.0% | 75.0% | 85.0% | 5.5% |
開始時期・立上げと国別アクセスの仮定
個別案件の完成日を推定したものではなく、登録群を平均化した立上げです。市場アクセスの国別指定は共通値を置き換え、共通値と重ねて掛けません。
| 条件 | 建設由来:開始/立上げ年数 | 提案由来:開始/立上げ年数 | 市場アクセスの国別指定 |
|---|---|---|---|
| 供給拡大が最も順調 | 2027 / 4年 | 2030 / 5年 | Iran 95% モザンビーク 99% カタール 99% ロシア 90% UAE 99% |
| 供給拡大が順調 | 2027 / 5年 | 2031 / 5年 | Iran 80% モザンビーク 95% カタール 97% ロシア 75% UAE 98% |
| 中立の比較条件 | 2027 / 6年 | 2032 / 5年 | Iran 65% モザンビーク 85% カタール 90% ロシア 50% UAE 93% |
| 遅延が目立つ | 2029 / 6年 | 2033 / 4年 | Iran 40% モザンビーク 65% カタール 70% ロシア 30% UAE 80% |
| 制約が重なる | 2030 / 7年 | 2034 / 3年 | Iran 20% モザンビーク 35% カタール 40% ロシア 15% UAE 55% |
完成率と参照貿易量の伸びの感応度
中立の比較条件の他入力を固定し、建設中能力の2036年末完成率と、2031年後の実物貿易量の伸びだけを変えたカバー余力です。単位はMtで、実際の世界余剰/不足や確率を表しません。
| 建設完成率 \ 実物伸び | 0%/年 | 1%/年 | 2.5%/年 | 4%/年 | 5.5%/年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 40% | 30.4 | 1.7 | -43.5 | -91.5 | -142.3 |
| 65% | 88.4 | 59.7 | 14.5 | -33.5 | -84.3 |
| 85% | 134.9 | 106.1 | 60.9 | 12.9 | -37.9 |
| 100% | 169.7 | 141.0 | 95.7 | 47.7 | -3.1 |
入力の監査と、株主に残る現金の確認
GEMの国別表の公表稼働計524.0と、開始年表の輸出計537.2には13.2Mt/年の差があります。範囲の対応は未確認です。開始年表で国別退出率を校正せず、差を国へ割り振ったり既存能力へ足したりしていません。
バフェット式には、低価格でも固定費・維持投資・借入返済を賄えるか、建設費超過と長期契約の義務がどちらへ残るかを確認します。名目能力の大きさ・完成率・稼働可能量をそのまま利益や企業価値にしません。建設増が実現しても需要が追いつかなければ、設備の稼働率と投資回収が課題になります。
全条件の限界・未推定の項目
- 2026年GEM国別表の稼働・建設・提案の登録群だけを対象とする。開発中列は提案+建設なので加算しない。未登録の設備・2026年後に新たに構想される案件・登録外の能力改善は含まない。
- 空欄は元データでは未記録のまま保持。モデルの加算には記録された能力だけを寄与させる。取消等しか記録がない国と輸送範囲を未確認の国は未モデル化とし、実能力ゼロとしない。
- 退出率、完成割合、平均化した開始・立上げ時期、稼働可能率、市場アクセス率、2031年後の貿易量成長率は独自の感応度仮定。観測から推定した確率や専門家の中央値ではない。
- 年末能力から年平均能力を線形近似し、年平均能力×稼働可能率×市場アクセス率を年間供給可能量にする。年末能力をそのまま年間出荷量にしない。
- 市場アクセス率は輸送・制裁等の条件を表す倍率。国別指定は共通値を置き換え、さらに掛けて控除しない。技術的稼働可能率は原料・保守等の時間率で、両方とも確率ではない。
- 参照貿易量はDISRの2027~2031年LNG貿易見通しを使用し、2032~2036年のみ独自の実物成長率で延長。これは価格反応を含む需要関数ではなく、CPI3%で数量を膨らませていない。
- 登録群の供給可能量−参照貿易量はカバー余力の条件指標。未登録供給・価格反応・燃料代替・地域間の輸送網・輸入受入能力を推定していないので、実際の世界の余剰/不足量や市場価格と断定しない。
- 国の数量幅は、登録群だけでmin(参照量,登録群供給可能量)を配分する総量制約から算出。比例配分やコスト順を仮定した実生産量の一点予測ではなく、価格帯の信頼区間でもない。各国の下限・上限が同時に実現するとは限らない。
- GEM開始年表の輸出計537.2と国別表524.0の差13.2Mt/年の範囲対応は未確認。開始年表から国別寿命・退出率を校正せず、差を国へ割り振ったり既存能力へ足したりしない。
- アジアLNGの2036年5価格、配分、既存の企業利益・株主利益・評価額は改定しない。この供給条件の5ケースへ既存価格ケースの確率を流用しない。
出所:GEM国別輸出能力表、GEM開始年表(Global Gas Infrastructure Tracker, October 2026 release、CC BY 4.0)、DISR 2026年9月版(Commonwealth of Australia、CC BY 4.0、第三者資料を除く)。当サイトが抽出・条件設定・計算・図表化しました。
能力・案件の原表へ · LNGの2036年5価格条件へ。本計算で価格条件・配分・既存の会社分析・評価額を変更していません。
JSON・入力根拠・モデルの数量範囲 · 保存 2026-10-25T07:28:34+00:00。