電力の10年需要・供給力と供給信頼度
増える需要に、どれだけ使える供給力がついてくるか。OCCTOの2026年度供給計画を地域別に確認します。
公表:2026-03-30 · 調査:2026-10-25 · 次回見直し期限:2026-11-25
2026年3月時点の計画を保存したものです。その後の建設・休廃止・補修・追加対策を織り込んだ現時点の運用予測ではありません。2035年度末は2036年3月で、価格シナリオの2036年10月とは終点が異なります。
9社合計:需要と供給力の推移
送電端の最大需要と供給力を、同じ表の年度・断面で比較します。基本は8月、沖縄は2026・2027年度が最小予備率断面、以降は指定断面です。沖縄を含む10社合計も、この区分を引き継ぎます。
● 最大需要● 供給力
2028年度の供給力減少には、新エネルギー等の調整係数の算定方法の違いも含まれます。設備が同じだけ物理的に減るという意味ではありません。年間に使う電力量は地域別の需要電力量・LNG燃料費で確認できます。
年度別の需要・供給力と計算上の余裕
| 年度 | 需要 万kW | 供給力 万kW | 差分 万kW | 差分÷需要 |
|---|---|---|---|---|
| 2026 | 15,800 | 18,527 | 2,727 | +17.3% |
| 2027 | 15,838 | 18,667 | 2,829 | +17.9% |
| 2028 | 15,888 | 17,620 | 1,732 | +10.9% |
| 2029 | 15,981 | 17,756 | 1,775 | +11.1% |
| 2030 | 16,076 | 18,021 | 1,945 | +12.1% |
| 2031 | 16,143 | 18,528 | 2,385 | +14.8% |
| 2032 | 16,196 | 18,825 | 2,629 | +16.2% |
| 2033 | 16,251 | 18,866 | 2,615 | +16.1% |
| 2034 | 16,273 | 18,990 | 2,717 | +16.7% |
| 2035 | 16,289 | 19,028 | 2,739 | +16.8% |
差分と比率は表示された原数値から当サイトが計算。公表の月別予備率や年間EUEと同一の評価指標とは扱いません。地域ピークを同時刻の全国ピークともみなしません。原表:PDF68ページ、別2-1・別2-2。
年間の供給信頼度:EUEと年ごとの基準
EUEは供給不足電力量を規模で規格化した指標で、数値が大きいほど供給信頼度が悪化する評価です。停電の発生確率や電力価格ではありません。計画の見直しや追加供給力の確保によって結果は変わります。
● 計画に基づく年間EUE● 適用される目標値
| 年度 | 年間EUE | 目標値 | 表示精度での比較 |
|---|---|---|---|
| 2026 | 0.024 | 0.058 | 目標以下 |
| 2027 | 0.010 | 0.059 | 目標以下 |
| 2028 | 0.179 | 0.054 | 目標超過 |
| 2029 | 0.153 | 0.038 | 目標超過 |
| 2030 | 0.149 | 0.038 | 目標超過 |
| 2031 | 0.076 | 0.041 | 目標超過 |
| 2032 | 0.055 | 0.041 | 目標超過 |
| 2033 | 0.058 | 0.041 | 目標超過 |
| 2034 | 0.054 | 0.040 | 目標超過 |
| 2035 | 0.052 | 0.039 | 目標超過 |
単位 kWh/kW・年。原表の小数3桁を保持し、0.000も厳密なゼロとは扱いません。沖縄と9エリアの目標値を分け、9エリアの基準は年度ごとの値を使います。PDF13ページ、表2-4。
月別の需要・供給力に余裕が見えても、年間EUEが目標を超える場合があります。停止・補修・季節変動等を評価する指標が違うためです。9エリア合計のEUEも地域値の単純合計ではありません。
全国の設備容量:使える供給力とは分けて見る
下図は設備容量の大分類だけを表示し、子分類を重ねて合計しません。設備の計画・長期停止分を含むため、上の供給力や年間発電量とは異なります。
● 火力● 原子力● 新エネルギー等● その他
原子力の3,308万kWには再稼働時期未定の設備も含まれます。未定分は供給力でゼロ計上され、全量の稼働を意味しません。蓄電池の容量はkWで、何時間使えるかを示すkWh・持続時間はこの表にはありません。
電源別の原表と丸め差
| 区分 | 2025年度 万kW | 2026年度 万kW | 2030年度 万kW | 2035年度 万kW |
|---|---|---|---|---|
| 火力 | 14,203 | 14,137 | 14,054 | 14,315 |
| 内訳:石炭 | 5,138 | 5,104 | 4,590 | 4,558 |
| 内訳:LNG | 7,845 | 7,903 | 8,380 | 8,697 |
| 内訳:石油他 | 1,220 | 1,130 | 1,084 | 1,059 |
| 原子力 | 3,308 | 3,308 | 3,308 | 3,308 |
| 新エネルギー等 | 14,623 | 15,142 | 17,728 | 19,323 |
| 内訳:一般水力 | 2,214 | 2,219 | 2,231 | 2,236 |
| 内訳:揚水 | 2,734 | 2,734 | 2,736 | 2,736 |
| 内訳:風力 | 684 | 768 | 1,535 | 1,792 |
| 内訳:太陽光 | 8,019 | 8,359 | 9,642 | 10,922 |
| 内訳:地熱 | 51 | 52 | 55 | 55 |
| 内訳:バイオマス | 718 | 727 | 754 | 740 |
| 内訳:廃棄物 | 135 | 116 | 116 | 113 |
| 内訳:蓄電池 | 66 | 167 | 631 | 660 |
| 内訳:水素 | 0 | 0 | 0 | 15 |
| 内訳:アンモニア | 0 | 0 | 30 | 54 |
| その他 | 231 | 262 | 80 | 80 |
| 合計 | 32,365 | 32,849 | 35,171 | 37,026 |
内訳は親分類に含まれます。原数値を変更せず、合計との小さな丸め差も保持しています。新設計画が全て実現することを保証しません。PDF23ページ、表3-1。
株主に残る現金へつなぐときの確認点
需要増に必要な発電所・系統・蓄電池への追加投資と維持更新投資を分け、資本コストを上回る現金収益が残るかを確かめる。地域需要増だけで企業価値を引き上げない。
調達契約・燃料費調整・小売価格転嫁の時間差、発電所の停止、担保や運転資金の増加を確認する。市場価格上昇が株主の手取り増になるとは限らない。
料金規制・容量収入・長期契約の安定性と負債返済を確認し、維持投資後の現金が未確認ならowner earningsは算定しない。
地域の需要・供給は各地域の事業者全体です。上場電力会社の保有電源・販売量・利益と同一視せず、企業ごとの契約と投資計画を照合するための入口にします。
原表の区分差と解釈の範囲
- 2028年度の新エネルギー等の供給力減少には調整係数の算定方法等の違いを含む(本文16頁)。全てを物理的な設備減少とは解釈しない。
- 再稼働時期未定の原子力は供給力ではゼロ計上される一方、設備容量には含まれる(本文9・17・18頁)。原子力設備3,308万kWを全量稼働と扱わない。
- 表別2の沖縄2026・2027年度は最小予備率断面。本文の全国8月H3最大需要2026年度15,963万kWと別2の10社計15,961万kWを同一断面へ丸め補正しない。
- 年間EUEと月別H3予備率は別指標。表別3のEUE入力需要は離島除外・一部地域1月断面であり、別2の需要と接合しない。
- 9エリアのEUEは地域別EUEの単純合計・平均ではない。沖縄と9エリアから全国EUEを合成しない。
- 年間使用端需要は別の需要想定ページに掲載。送電端・使用端の差を需要の上方修正とみなさない。
- 地域全体の事業者計画であり、東京・関西などの名前を持つ上場電力会社の保有電源や販売量ではない。
- 計画には追加供給力確保・補修調整・運用等の対応余地がある。EUEの目標超過を将来の停電やJEPX高騰の確定と扱わない。
最新観測:電力JEPX(全国システム)
21.37 JPY/kWh · 対象 2026-11-03。対象日の48コマ平均で、小売料金ではありません。現在の価格と保存済み価格条件
観測データ更新時は画面に反映します。EUEから将来のJEPX価格を換算していません。
出所:OCCTO 2026年度供給計画の取りまとめ、原本PDF。当サイトが抽出・換算・図表化。原数値482セル。保存 2026-10-25T11:45:02+00:00 · JSON・原本ハッシュ