10年の価格確率を点検する
過去の10年変化を再利用すれば、次の10年も同じ確率で予測できるか。学習を各起点年までに制限し、後の実績と比べます。
現在版の価格・CPI履歴を時間で切った疑似検証です。改訂前の当時公表データは再現できていません。下の結果は単純な過去分布再利用法の検証で、既存の資源別5価格やその主観的配分を検証したものではありません。将来の価格確率は未校正です。ココアとトウモロコシの長期履歴でも点検する →
Brent原油:中心80%として設定した区間に入ったか
「80%」は過去データの10~90パーセンタイルから作る名目の区間です。この検証で得た割合を、そのまま将来の的中確率にはしません。学習期間も検証期間も大きく重なっています。
区間の平均対数幅 1.440、幅と外れを合わせたWinkler指標 3.235。後者も小さいほど良い指標です。範囲を広げるだけで的中件数を増やす方法を評価しないため、幅を併記します。対数値をパーセント誤差とは表示しません。
この範囲では10件中8件が下側10%境界より下振れしました。単純な過去分布の再利用では下落局面を捉えられておらず、この配分を将来の確率として採用する根拠にはできません。
5つの価格帯に、実績はどう分かれたか
各起点で学習した10・30・70・90パーセンタイルを境界として区切った、この再利用法専用の価格帯です。現在の5つの代表価格と同じ範囲ではありません。
| 過去分布の区分 | 名目上の配分 | 検証実績件数 |
|---|---|---|
| 下位10%未満 | 10% | 8 |
| 10~30% | 20% | 1 |
| 30~70% | 40% | 1 |
| 70~90% | 20% | 0 |
| 90%超 | 10% | 0 |
境界と一致したケースは別扱い(0件)。件数を独立試行とみなす二項信頼区間や、銅と原油を合算した成功率は計算しません。
起点ごとの予測・実績・学習範囲
| 起点→終点 | 学習10年区間の本数 | 最後の学習終点 | 下側10% | 中央値 | 上側90% | 実績倍率 | 区間内 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2006→2016 | 10 | 2006 | 0.715 | 0.970 | 2.466 | 0.566 | 外 |
| 2007→2017 | 11 | 2007 | 0.727 | 1.007 | 2.487 | 0.633 | 外 |
| 2008→2018 | 12 | 2008 | 0.728 | 1.157 | 2.897 | 0.624 | 外 |
| 2009→2019 | 13 | 2009 | 0.729 | 1.329 | 2.895 | 0.869 | 内 |
| 2010→2020 | 14 | 2010 | 0.730 | 1.587 | 2.869 | 0.447 | 外 |
| 2011→2021 | 15 | 2011 | 0.731 | 1.897 | 3.311 | 0.527 | 外 |
| 2012→2022 | 16 | 2012 | 0.732 | 2.055 | 3.546 | 0.700 | 外 |
| 2013→2023 | 17 | 2013 | 0.733 | 2.226 | 3.539 | 0.580 | 外 |
| 2014→2024 | 18 | 2014 | 0.734 | 2.142 | 3.533 | 0.616 | 外 |
| 2015→2025 | 19 | 2015 | 0.735 | 2.061 | 3.526 | 0.971 | 内 |
各学習区間の終点は起点年以下です。最低10本に満たない初期起点は評価から除き、除外した全起点と理由もJSONに保存しています。10年区間は重なるため、学習本数も独立標本数ではありません。
方法と、これで分からないこと
世界銀行の月平均から完全な暦年平均を作り、実績米CPIで物価調整します。10年差の実質価格比を対数に変換し、その起点までに終わった区間だけで分位点を再計算します。特定日の現物価格や期間中の最大下落はこの検証の対象外です。
銅は1986年7月の品位定義変更を確認し、最初の完全暦年1987年から。古いwirebar価格を混ぜて長い経験年数を作りません。2025年CPIの10月は欠測で、BLS方式の11か月平均を使い、補完していません。将来の共通CPI3%・金利・ドル円150円は変更していません。
- 検証区間は重なり、銅と原油にも共通する景気・金融環境がある。件数を独立標本数へ読み替えず、両資源を合算した成功率や二項信頼区間は計算しない。
- 1987年以降・最低10本という方法を固定して比較する診断。短い学習期間・レジーム変化に弱く、この履歴を将来の母集団や確定した価格確率とは扱わない。
- 中心80%区間が多くの実績を含んでも、極端に幅が広いだけの可能性がある。幅と外れを合わせたWinkler指標、中央値と実質横ばいの誤差を併記する。
- 2025年の実績CPIは10月が欠測。BLS方式の11か月平均を使い、10月は補完しない。過去の米国実績物価調整であり、将来の別の米国インフレ率を導入しない。
- 既存の個別資源5価格や主観的配分を過去に公表した予測として再現していない。この単純な過去分布再利用法の結果で既存モデルの確率を変更しない。
- 現在版の履歴には遡及改訂があり得る。情報の時系列順序は守るが、当時の公表データでの真正なリアルタイム検証ではない。
価格予測が外れても競争力を維持する投資と資金繰りを賄える企業かを先に確認する。広い確率帯や中央値だけで企業価値を確定せず、低価格時の現金と過剰投資を点検する。
出所・再計算と原本ハッシュ
World Bank Commodity Trade and Price Trends 1989–91 edition, 1993, PDF101頁/印刷86頁の銅定義取得 2026-10-25 · SHA256 7087d310ec2fc22d248e6ca9e621817144dd2cd04009bd98708cd20617d1d3f1
米BLS CPIAUCNS、FRED経由・季節調整なし取得 2026-10-25 · SHA256 c5d9ef83952568acba2c0b020718de6a32b71df6ba1218a22f15fc0021039dd1
World Bank Pink Sheet monthly, 2026-09までの現行版取得 2026-10-25 · SHA256 ea1c350827878ea3bbe30e3cda16a13fd3bd5b409b8458940dc94a36b5a33154
銅定義の旧原表はPDF101ページ・印刷86ページの脚注。現行価格の再計算には最新Pink Sheetを使用し、旧資料の価格表は転載していません。方法の参考:Hyndman & Athanasopoulos, Forecasting: Principles and Practice。グラフ・計算・解釈は当サイト独自です。
調査 2026-10-25 · 見直し期限 2027-02-28 · 保存 2026-10-25T12:23:23+00:00 · JSON・除外起点・全学習窓