COUNTRY × SUPPLY × DEMAND
鉱物の国別供給と世界需要
今どの国に生産が集中し、公表済みプロジェクトが進むと10年で何が変わるか。2026年版IEAの同じ原表から、国別数量・構成比・需要を比較します。
公表版 2026年7月27日 · 数量の起点2025年、10年比較2035年。2036年の公表値はありません。2025年の値もこの公表版の数値で、確定実績とは断定しません。
コバルト:世界の供給と需要
供給は稼働中・公表済みプロジェクトを国別に積み上げ、資金調達・許認可・FS等から稼働可能性を評価したIEA base case。追加投資が一切ない未来を保証するものではない。
供給は固定のbase case、需要は3条件。需給が整合した3つの完全な経済シナリオではない。総需要には二次供給で満たせる分を含むため、採掘量との差を不足量とはしない。 精製側の原表合計名は「Total clean technologies」。全用途の総需要と同一範囲と断定しない。
総需要:Stated Policies scenario 採掘:base case 精製:base case
| 年 | 世界の総需要 | 世界の採掘 | 精製側の原表合計 |
|---|
| 2025 | 259.00 | 320.00 | 238.00 |
| 2030 | 298.00 | 252.00 | 295.00 |
| 2035 | 322.00 | 225.00 | 323.00 |
| 2040 | 334.00 | 200.00 | 335.00 |
単位 kt(IEA原表の数量基準)。合計は原表の丸め値を保持。総需要と採掘の差には二次供給等の確認が必要なため、不足率・価格倍率は計算しません。IEAの3条件は当サイトの5ケースや発生確率とは別です。
2035年:採掘供給と一次供給必要量を比べる
一次供給必要量は総需要から二次供給等を控除し、採掘基準では精製損失等も考慮する。総需要−採掘の差とは別の数量。 以下は供給と必要量を同じIEA原図で比較した値です。対象:採掘供給(元素含有量)。
IEAのbase・高生産の両方がDRコンゴの輸出枠の継続を前提としている。国別の追加減産感応度はこの公表基準からの変化。輸出枠を採掘量と同一視したり、同じ規制の影響をもう一度差し引いたりしない。
| 2035年の需要条件 | 一次必要量 kt | base供給 kt | base供給−必要量 kt | base供給÷必要量 | 高生産ケースの差 kt |
|---|
| 現行政策 | 277.0 | 225.0 | -52.0 | 81.2% | -15.0 |
| 公表政策 | 306.0 | 225.0 | -81.0 | 73.5% | -44.0 |
| 高需要 | 323.0 | 225.0 | -98.0 | 69.7% | -61.0 |
原図CSVの丸め済み数量から再計算。報告書の整数%表記と差が出る場合がある。国別量を合計へ合わせて拡縮しない。 報告書p111のSTEPS充足比率は整数で 74%表記です。上表は公開CSVからの計算値を保持しています。
公表済みプロジェクトに対する条件付きの2035年断面。負の差は追加投資・再生・代替・需要調整が必要な量であり、現時点の品切れ、将来の未充足需要、価格上昇率ではない。 高生産ケースも確約された供給ではありません。
国別の採掘が減る場合:STEPSの必要量を固定
世界供給は原図の丸め値、減少量はExcelの国別量を使用。国別量を合計値に合わせて拡縮しない。減少率は年間生産の感応度であり、輸出減少率・発生確率ではない。 図の世界計とExcelの世界計の差は 0.00 ktです。以下は選択した需要条件にかかわらず、STEPSで比較する固定の感応度です。
| 対象の国・地域 | 2035年の採掘 kt | 5%減:必要量との差 | 10%減:必要量との差 | 20%減:必要量との差 | 50%減:必要量との差 | 余裕がなくなる減少率 |
|---|
| コンゴ民主共和国 | 106.00 | -86.30 | -91.60 | -102.20 | -134.00 | 算定対象外 |
| インドネシア | 69.10 | -84.46 | -87.91 | -94.82 | -115.55 | 算定対象外 |
| ロシア | 8.29 | -81.41 | -81.83 | -82.66 | -85.15 | 算定対象外 |
| 中国 | 7.36 | -81.37 | -81.74 | -82.47 | -84.68 | 算定対象外 |
| 豪州 | 3.94 | -81.20 | -81.39 | -81.79 | -82.97 | 算定対象外 |
| ザンビア | 7.49 | -81.37 | -81.75 | -82.50 | -84.75 | 算定対象外 |
| その他の国・地域 | 23.40 | -82.17 | -83.34 | -85.68 | -92.70 | 算定対象外 |
差の単位はkt。元から不足する条件や、その国の全量が止まっても余裕が残る条件では、余裕消失率を表示しません。世界の生産を変えない輸出規制には使えません。在庫・契約・地域別配分・代替・価格調整を含む計算ではありません。
6鉱種を同じ2035年・公表政策ケースで比較
各鉱種内で工程を合わせた比較です。黒鉛は天然・人造合計、レアアースは磁石用4元素、リチウムはLi含有量。ktが同じでも用途・品位・工程が異なるため、鉱種間の不足量を合算しません。
| 鉱種 | 供給の対象 | base供給 kt | STEPS一次必要量 kt | baseとの差 kt | 高生産との差 kt | base供給÷必要量 |
| コバルト | 採掘供給(元素含有量) | 225.0 | 306.0 | -81.0 | -44.0 | 73.5% |
| 銅 | 採掘供給(元素含有量) | 20,700.0 | 27,300.0 | -6,600.0 | -2,800.0 | 75.8% |
| 黒鉛 | 天然鱗状黒鉛+人造黒鉛の原料供給 | 10,200.0 | 10,500.0 | -300.0 | 1,100.0 | 97.1% |
| リチウム | 採掘供給(元素含有量) | 510.0 | 760.0 | -250.0 | -209.0 | 67.1% |
| ニッケル | 採掘供給(元素含有量) | 4,950.0 | 5,370.0 | -420.0 | 300.0 | 92.2% |
| 磁石用レアアース | 採掘供給(元素含有量) | 104.0 | 97.0 | 7.0 | — | 107.2% |
マイナスは公表プロジェクトの供給が一次必要量を下回る条件。プラスも将来の価格下落や全地域での調達可能性を保証しません。レアアースの高生産の差は原図の不整合のため保留です。
平常時の供給が不足しそうでも、増産企業が必ず高い利益を得るとは限りません。追加の開発費、資本コスト、稼働までの期間と値下がり後の採算を確認します。増産に大きな現金を使い続ける企業では、売上成長と株主に残る現金を分けます。
原図の単位 kt をktへ換算。高生産はbaseに追加分を足し、STEPSはCPSに追加分、高需要はさらにHDS追加分を足す構成です。問題がある追加分は保留。公式CSVの原図 · IEA報告書 p358 · 原図の更新日欄 2026-07-09。CC BY 4.0、抜粋・再計算。
採掘:国別の供給推移と10年変化
コンゴ民主共和国 インドネシア その他の国・地域 ロシア ザンビア 中国 豪州
| 国・地域 | 2025年 | 2030年 | 2035年 | 2040年 | 2025年構成比 | 2035年構成比 | 10年の数量変化 | 10年の変化率 |
|---|
| コンゴ民主共和国 | 210.00 | 121.00 | 106.00 | 88.10 | 65.6% | 47.1% | -104.00 | -49.5% |
| インドネシア | 48.30 | 69.10 | 69.10 | 66.80 | 15.1% | 30.7% | 20.80 | +43.1% |
| その他の国・地域複数国の合計 | 38.60 | 33.60 | 23.40 | 20.50 | 12.1% | 10.4% | -15.20 | -39.4% |
| ロシア | 7.69 | 8.26 | 8.29 | 8.29 | 2.4% | 3.7% | 0.60 | +7.8% |
| ザンビア | 4.33 | 7.49 | 7.49 | 5.61 | 1.4% | 3.3% | 3.16 | +73.0% |
| 中国 | 7.38 | 7.36 | 7.36 | 7.36 | 2.3% | 3.3% | -0.02 | -0.3% |
| 豪州 | 4.15 | 4.98 | 3.94 | 3.69 | 1.3% | 1.8% | -0.21 | -5.1% |
同じ10年で世界総需要は +24.3%、世界の採掘は -29.7%。各国の需要はこの表にはなく、世界総需要との比較です。
上位3国構成比(IEA原表):2025年 83.0% → 2035年 81.3%。構成比は同じ工程・同じ年の世界計が分母です。工程をまたいで比較・合算しません。
原表との照合・丸め差
供給表 2 Total supply for key minerals、合計行25。原表で丸められた国別量の和と世界計は一致しないことがあります。世界計を国別合計で書き換えていません。
国別和−原表世界計:2025年 0.450 kt 2030年 -0.210 kt 2035年 0.580 kt 2040年 0.350 kt
原ファイルのNoticeの引用年は2024表記のまま。製品ページの2026年7月公表版とファイルSHAで版を識別する。
株主に残る現金に結び付ける
増産予定が多い国でも、許認可・電力・水・選鉱・製錬・輸送がそろわなければ販売できません。発表した能力を全て生産とみなさず、生産開始・稼働率・自然減と費用超過を追います。
供給が増えても、資源保有企業の利益が増えるとは限りません。販売価格の低下、権益・ロイヤルティ、自然減を補う投資、運転資金まで見て判断します。需要家では品位・調達国・契約・価格転嫁の遅れが重要です。
原表の2025・2030・2035・2040年の点を表示。線は点を結ぶ補助線で、間の年の予測ではない。2036年の公表値を作らない。 数量は価格へ自動反映していません。国別の不足・品質・在庫・代替を検討し、独自の価格シナリオへ接続する作業を続けます。
IEA, Critical Minerals Dataset, July 2026, CC BY 4.0. 表の抽出・表示・比率計算は当サイト。 公式データ・利用条件 · 元数値・出典セルのJSON