磁石用レアアースの精製:中国への集中はどれほど変わるか
IEA 2026年版の同一原表にあるNd・Pr・Dy・Tbの4元素合計を使います。世界の精製・分離量と中国の生産量から、中国外の量を世界計−中国として示します。2025年はIEAの公表版に収録された数量、2035年は既存・発表済み案件等に基づくbase caseで、実績の約束ではありません。
世界・中国・中国外の精製量
中国 中国外
| 年 | 世界計 kt | 中国 kt | 中国外 kt | 中国構成比 |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | 89.30 | 74.90 | 14.40 | 83.9% |
| 2030 | 111.00 | 81.10 | 29.90 | 73.1% |
| 2035 | 118.00 | 86.40 | 31.60 | 73.2% |
| 2040 | 118.00 | 86.40 | 31.60 | 73.2% |
中国外は国別行の合計ではなく、原表の世界計から中国行を引いた値です。原表の丸めによる国別合計との差を中国外の特定国へ配賦しません。2035→2040年の原表供給が横ばいでも、未発表の将来投資がゼロになる予測ではありません。国別の増減と世界需要の別グラフを見る。
2035年:中国の精製量が減った場合の代替量
IEAの2035年base caseの中国精製量 86.4 ktのうち、仮に0~40%の生産量が減り、中国外に増産がなければどうなるかを算術比較します。実際の輸出規制は生産量の消失と同じではなく、中国国内の需要や在庫、輸出先別の配分はこの表から分かりません。
| 仮定:中国生産減少 | 失われる精製量 kt | 代替なしの世界精製量 kt | 元の世界量に戻す追加量 kt | 追加量÷中国外の基準量 |
|---|---|---|---|---|
| 0% | 0.00 | 118.00 | 0.00 | 0.0% |
| 5% | 4.32 | 113.68 | 4.32 | 13.7% |
| 10% | 8.64 | 109.36 | 8.64 | 27.3% |
| 20% | 17.28 | 100.72 | 17.28 | 54.7% |
| 40% | 34.56 | 83.44 | 34.56 | 109.4% |
20%減の例では失う量は17.28 ktで、元の世界量を中国外だけで回復するには、その2035年base case量に対し54.7%の追加が必要です。これは設備余力が実際にあるという意味ではありません。ショック率の確率、価格の上昇率、輸入国の不足量は計算していません。
IEAの記述と原表の範囲
IEA報告書121ページは現在の磁石用希土類の分離における中国を約85%と説明し、原表の2025年83.9%と概ね整合します。同報告書の211ページには希土類等の最大精製国が90%超という記述もあります。この記述の対象・分母が磁石用4元素原表と同じか確認できないため、90%超をこの数量表へ代入しません。
同報告書122ページのN−1手法は、最大生産国の供給だけでなく、その国の消費も世界需要から除いて比較します。ここでは中国国内の4元素需要を取得できていないため、N−1需給差を算定しません。総需要と精製量を直接差し引いた不足率や、NdPr・Dy単独の供給不足も作りません。
価格シナリオへの接続には、品位別の調達、輸出許可、中国国内需要、中国外の稼働率・顧客認証、在庫・再生材、利用企業の転嫁契約を確認する必要があります。NdPr・Dyの5価格条件と企業の現金分析へ。中国外で実際に生産したDy/Tb酸化物と双日・JARE契約へ。
IEA Critical Minerals Dataset 2026 · 原表SHA256 43bd9338a08ac8399c65471115f30ffc10dca7117e62f03cca86d49224717935 · 報告書SHA256 722c7333e2100b2404f9fb9b25f693ec1670a6cbd54961a0ee45541cecc43db0 · 計算と解釈範囲のJSON · 保存 2026-10-26T18:03:30+00:00。