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石油資源開発 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 石油・天然ガス開発 国産資源・探鉱開発・長期権益保有 R&I A+ (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
石油資源開発(JAPEX)は国内最大級の石油・天然ガスE&P企業であり、国内外の権益を長期保有する資源安全保障の担い手として独自のポジションを持つ。エネルギー価格が高止まりする局面では収益が大幅に改善し、FY2025には純利益812億円・OCF1,308億円と過去最高水準に近い実績を示した。株価は資産価値・資源価格対比で割安感があり、エネルギー安保重視の政策的追い風も期待できる。
6
競争優位性
業界内MOAT
4
業界成長性
セクター動態
5
リスク耐性
財務・事業安定性
5
株主還元
配当・自社株買い
6
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.2/10
競争優位性
6
業界成長性
4
リスク耐性
5
株主還元
5
見通し
6
📋 事業内容
3,891億円
売上高
FY2025実績
812億円
親会社帰属
純利益
1,308億円
営業CF
FY2025実績
77.4%
自己資本
比率
15.3%
ROE
FY2025

石油資源開発(JAPEX)は1955年設立の国内最大級の石油・天然ガス探鉱・開発・生産(E&P)専業企業で、東証プライム上場。国内では新潟・秋田・北海道の陸上・海上油ガス田を運営し、国産天然ガスの国内シェアは最大級。海外では中東・カナダ・東南アジア・ロシア等に権益を保有する。上流開発に加え、国内の天然ガスパイプライン網・LNG受入基地の運営、石油精製(出光興産との協力)なども手掛ける。売上の大半はガス・石油の販売収益で、資源価格と生産量により業績が大きく変動する構造を持つ。

競争優位性(業界内MOAT) 6/10

①国内E&P独占的地位とインフラ資産

国内で数十年にわたり蓄積した探鉱ライセンス・採掘権・パイプラインインフラは新規参入者が短期間で複製できない希少資産。国産天然ガスの安定供給インフラとして社会的・政策的に重要な位置づけを持ち、参入障壁は極めて高い。

②海外権益の多様化ポートフォリオ

中東(アブダビ等)・カナダ・東南アジア等に分散した海外権益を長期保有しており、単一地域リスクを分散。権益獲得には高度な技術・外交・資金力が必要なため、後発企業が同等のポートフォリオを構築するには長期間を要する。

③技術蓄積と政府との関係性

経済産業省所管のエネルギー政策の担い手として政府・JOGMEC等との緊密な関係を持ち、探鉱支援・低利融資・許認可面で優位性がある。CCSや水素事業でも先行技術開発を進めており、脱炭素時代においても存在感を維持できる可能性がある。

📈 業界の成長性・セクター動態 4/10

中期見通し

2〜3年では原油・LNG価格の動向が業績を左右する。地政学リスクや中東情勢の緊張が続く局面では資源価格が高止まりし、FY2025水準の高収益が継続しうる。一方、国内既存油ガス田の自然減退に対応するための継続的な開発投資が必要で、FCFは安定しにくい。海外新規権益の取得・増産が中期成長の鍵となる。

長期構造的トレンド

5〜10年スパンでは、エネルギー安全保障強化の国家戦略を背景に国産資源開発への政策支援が継続する見通し。一方、再生可能エネルギーの拡大に伴い化石燃料需要は長期的に減少方向であり、事業転換への対応が中長期的な課題。CCS・水素・地熱開発などのグリーン事業への参入を通じてポスト化石燃料時代への橋渡し企業として再評価される可能性がある。

⚠️ リスクファクター分析 5/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク原油・天然ガス価格の急落リスク

収益の大半が資源価格に連動しており、原油・LNG価格が急落するとFY2022のように純損失に転落するリスクがある。世界景気後退やOPECの増産転換が引き金になりうる。

高リスク海外権益の地政学・カントリーリスク

中東・ロシア・東南アジア等に分散した権益は、地政学的緊張・政変・資源国有化リスクにさらされている。権益の損失や操業停止が生じた場合、生産量と収益に直接的な打撃を与える。

中リスク探鉱・開発の失敗リスク

探鉱投資は不確実性が高く、期待した埋蔵量が確認できない場合は多額の探鉱費が損失計上となる。過去にもロシアやカナダで大型損失を計上した実績があり、FCFの振れが大きい。

中リスク脱炭素・エネルギー転換による需要減少リスク

再生可能エネルギーの普及や電動化の加速により、中長期的に石油・天然ガス需要が構造的に減少する可能性がある。既存油ガス田の資産価値毀損(座礁資産化)リスクも増大している。

低リスク為替リスク(円高)

海外権益からの収益は主にドル建てであり、円高が進行すると円換算の収益が減少する。急激な円高局面では収益・EPSが押し下げられる可能性がある。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 6/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

エネルギー安保強化による政策支援・国産資源開発拡大

日本政府のエネルギー安全保障強化策を背景に、国産石油・天然ガスの探鉱・開発への補助金・低利融資・税制優遇が拡充される可能性がある。JAPEXはその最大受益者の一つであり、追加的な収益機会が生まれうる。

CCS(炭素回収・貯留)事業の収益化

国内でCCS事業の先行開発を進めており、2030年代以降の事業化が視野に入る。政府によるCCS支援政策の拡充とともに、新たな収益源として評価されれば株価の再評価につながる可能性がある。

保有権益・資産の再評価・M&A

現在の時価総額は保有する油ガス田権益・インフラ資産のNAV(純資産価値)対比で割安な水準にある可能性がある。資源価格の上昇や海外投資家の参入、M&A等のイベントが株価の大幅な上昇トリガーとなりうる。

💰 株主還元政策 5/10

配当は利益水準に応じて変動し、過去7期で8〜74円と幅がある。FY2025は55円と前年の60円からやや減少したが、業績好調時には増配余地がある。自社株買いは限定的であり、株主還元は主に配当によって行われる。配当性向は利益の増大に対して抑制的に設定されることが多く、余剰キャッシュは権益取得・開発投資に優先配分される傾向がある。エネルギー安保を重視する政策環境下では、将来的な還元拡大への期待も高まりうる。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(石油・天然ガス開発)×1.23
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+6.30%
リスク耐性スコア調整(5/10)+0.00%
MOAT スコア調整(6/10)+0.00%
格付け調整(R&I A+)-0.20%
当社中立CoE9.80%
悲観 CoE
12.8%
中立 CoE
9.8%
楽観 CoE
7.3%
リスク耐性スコア(5/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 35%
中立 40%
楽観 25%
悲観 35% — 原油・ガス価格急落シナリオ
中立 40% — 資源価格安定・安定配当継続シナリオ
楽観 25% — エネルギー安保強化・増産・増配シナリオ
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥3,287/株
悲観35% / 中立40% / 楽観25%
リスク耐性スコア 5/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 237億円 / 2024年度 -91億円 / 2023年度 519億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥55。成長率は過去DPS CAGR(10年=19.1%、直近3年=76.5%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。

悲観 35%
原油・ガス価格急落シナリオ
¥846
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト12.8%
ターミナル成長率-0.3%
中立 40%
資源価格安定・安定配当継続シナリオ
¥4,205
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト9.8%
ターミナル成長率1.0%
楽観 25%
エネルギー安保強化・増産・増配シナリオ
¥22,327
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.3%
ターミナル成長率2.0%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,048、配当性向17%でBPS追跡。

悲観 35%
原油・ガス価格急落シナリオ
¥877
推定フェアバリュー/株
CoE12.8%
ROE(初年→10年目)-5.0%→8.9%
TV成長率-0.3%
中立 40%
資源価格安定・安定配当継続シナリオ
¥2,526
推定フェアバリュー/株
CoE9.8%
ROE(初年→10年目)11.0%→11.0%
TV成長率1.0%
楽観 25%
エネルギー安保強化・増産・増配シナリオ
¥5,065
推定フェアバリュー/株
CoE7.3%
ROE(初年→10年目)13.9%→11.2%
TV成長率2.0%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥199、総合スコア5.2から指数関数的に倍率算出。

悲観 35%
原油・ガス価格急落シナリオ
¥1,591
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥199
想定PER8倍
中立 40%
資源価格安定・安定配当継続シナリオ
¥2,387
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥199
想定PER12倍
楽観 25%
エネルギー安保強化・増産・増配シナリオ
¥3,978
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥199
想定PER20倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.55倍、現BPS=¥2,048。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.38) 中央値 (0.55) 上位25% (0.76)
悲観 35%
原油・ガス価格急落シナリオ
¥783
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.38倍
中立 40%
資源価格安定・安定配当継続シナリオ
¥1,129
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR0.55倍
楽観 25%
エネルギー安保強化・増産・増配シナリオ
¥1,559
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR0.76倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥199。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (7.0) 中央値 (12.5) 上位25% (23.8)
悲観 35%
原油・ガス価格急落シナリオ
¥1,399
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER7.0倍
中立 40%
資源価格安定・安定配当継続シナリオ
¥2,494
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER12.5倍
楽観 25%
エネルギー安保強化・増産・増配シナリオ
¥4,735
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER23.8倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 20.4%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -5.2% / 中央 4.0% / 上振れ 14.4%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥423 / 中央 ¥1,515 / 上振れ ¥5,059
現在 ¥2,155 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.3%
10年後の状態: 成長29% 横ばい66% 衰退5% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
好況・上振れサイクル
57.3%
景気後退・需要減
56.0%
株主還元強化
48.7%
バリュエーション低下
36.9%
利益率改善
32.5%
バリュエーション上昇
26.5%
利益率悪化
22.8%
大幅業績ショック
22.4%
構造的衰退
19.9%
競争優位低下
13.9%
TOB・買収
7.8%
倒産・上場廃止
2.2%
過剰債務・既存株主毀損
2.1%
希薄化・増資
1.5%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥2,155(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)7.20%10.70%15.20%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥1,597
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥1,597
スタート時の状態C(名目永続成長率 0.0%、直近売上成長 5.5%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (35%) 中立 (40%) 楽観 (25%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥846 ¥4,205 ¥22,327 ¥7,560
残余利益 ¥877 ¥2,526 ¥5,065 ¥2,584
PERマルチプル ¥1,591 ¥2,387 ¥3,978 ¥2,506
PBR分位法 ¥783 ¥1,129 ¥1,559 ¥1,115
PER分位法 ¥1,399 ¥2,494 ¥4,735 ¥2,671
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥3,287
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥604 割安
¥1,099
FV¥3,287 割高
¥7,533
¥9,416
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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