2670
FY2026実績
純利益
FY2026実績
比率
FY2026
株式会社エービーシー・マートは、スポーツ・カジュアルシューズ専門の小売チェーンとして日本最大規模を誇る。ナイキ・アディダス・コンバース・バンズなどの国際的スポーツブランドを中心に幅広い価格帯で展開し、国内では主要駅周辺や大型ショッピングモールを中心に約1,000店超の直営店を運営。韓国・台湾を含む海外にも展開している。直近7期の業績を見ると、売上高はFY2019の2,667億円からFY2025の3,722億円へ年率約5%で拡大。営業利益率は15〜17%台を維持し、OCFも500億円超と潤沢なキャッシュを創出。配当も段階的な増配を継続しており、安定した株主還元を実施している。
①主要ブランドとの独占・優先仕入れ関係
ナイキ・アディダス・コンバースなどのグローバルスポーツブランドと長期にわたる取引関係を構築しており、人気モデルの優先仕入れや限定品確保が可能。この仕入れ優位性は規模の小さい競合が模倣困難であり、顧客の来店動機を継続的に生み出す強力な参入障壁となっている。
②圧倒的な店舗網と立地優位性
主要商業施設・駅近を中心に国内1,000店超の直営店を展開。出店の歴史的蓄積により主要立地を先占しており、競合他社が同等の立地で同規模の店舗網を構築するには多大な時間とコストが必要。ブランド認知度の高さも集客優位性として機能している。
③自社PBと商品企画力
「Hawkins」などの自社オリジナルブランドを展開し、ブランド品に依存しない独自商品ラインを持つ。高利益率のPB商品の育成はマージン改善と差別化に寄与。MD(マーチャンダイジング)力と在庫回転管理の高さも収益性の裏付けとなっている。
中期見通し
国内は既存店改装・リフォーマットと商品構成最適化を通じた既存店売上底上げが中心戦略。インバウンド消費の回復・拡大も売上押し上げ要因となる見込み。海外(韓国・台湾)事業の拡大と新規エリア開拓が中期的な追加収益源として期待される。FY2025の営業利益626億円を起点に、年率5〜7%程度の増益ペースは維持可能と見込まれる。
長期構造的トレンド
スポーツ・アスレジャー需要は健康意識の高まりを背景にグローバルで拡大基調にあり、専門小売としての需要取り込みが続く見通し。国内は人口減少という逆風があるものの、高価格帯スニーカー市場の拡大や二次流通との連携など新たな収益機会が生まれている。中長期的にはアジア新興国を中心とした海外展開加速が成長持続の鍵となる。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
シューズは嗜好品的な購買も多く、景気後退や実質賃金低下局面では消費者が購買を抑制しやすい。インフレ継続や増税などで可処分所得が圧迫された場合、既存店売上が大きく落ち込むリスクがある。
ナイキ等が自社EC・直販チャネルを強化するトレンドが世界的に進行中。卸売縮小や優先供給条件の変更が生じた場合、仕入れ優位性が損なわれ競争力低下につながるリスクがある。
アマゾン・Zozotown等のオンラインプラットフォームとの競争が激化。店舗集客力を活かしたオムニチャネル化が進まない場合、若年層の取り込みが困難になる可能性がある。
最低賃金の継続的な引き上げと人手不足を背景とした人件費増加が営業コストを圧迫。主要商業立地の賃料も上昇傾向にあり、利益率への影響が懸念される。
韓国・台湾における政治的リスクや通貨変動が海外事業の収益に影響する可能性がある。現状は海外比率が低いため全体業績への影響は限定的だが、拡大に伴い注意が必要。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
韓国・台湾で実績を積んだノウハウを活用し、東南アジア(タイ・ベトナム等)への本格進出が実現すれば、国内成熟市場を補う大きな成長エンジンとなる。中間層の購買力増大とスポーツカルチャーの浸透が追い風。
訪日外国人数の回復・増加に伴い、限定スニーカーや日本限定モデルへの需要増が期待できる。都市型店舗の品揃え強化と多言語対応サービス向上で客単価アップと新規顧客獲得が見込まれる。
スニーカー市場でのプレミアム化・希少性志向の高まりに対応し、高価格帯ブランドや限定コレクション取扱いを拡大することで客単価と粗利率の向上が期待できる。
配当はFY2021〜2022の年間¥57から段階的に増配を継続し、FY2025には¥70まで引き上げた。配当性向は概ね35〜40%の水準で安定しており、増配に対する経営姿勢は明確。FCFは潤沢でFY2025は410億円を確保しており、配当金支払い後も十分な内部留保が積み上がる構造。今後は追加的な自社株買いや特別配当による還元強化も期待される。
リスク耐性スコア 7/10 より算出
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2026年度 264億円 / 2025年度 410億円 / 2024年度 398億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥75。成長率は過去DPS CAGR(10年=8.7%、直近3年=9.8%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,608、配当性向40%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥187、総合スコア6.4から指数関数的に倍率算出。
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(時系列に不連続な急変あり(株式分割の遡及反映が不完全な可能性))
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥187。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 4.90% | 8.40% | 12.90% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥2,521 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥2,521 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 9.0%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (32%) | 中立 (46%) | 楽観 (22%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥1,078 | ¥1,986 | ¥3,271 | ¥1,978 |
| 残余利益 | ¥770 | ¥2,412 | ¥3,615 | ¥2,151 |
| PERマルチプル | ¥1,872 | ¥2,808 | ¥4,492 | ¥2,879 |
| PBR分位法 | — | — | — | — |
| PER分位法 | ¥3,132 | ¥3,609 | ¥4,116 | ¥3,568 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥2,644 | ||
¥1,713 FV¥2,644 割高
¥3,874 ¥4,843
関連: 2670 エービーシー・マート の株価・財務分析(概要ページ) / 銘柄分析ランキング一覧 / 小売業の業界分析