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キユーピー 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 食料品 マヨネーズ/ドレッシング R&I A+ (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
国内マヨネーズ市場で圧倒的シェアを持つブランド資産を基盤に、高付加価値製品への値上げ転嫁と中国・東南アジアへの海外展開で中期的な収益拡大が期待できる。原材料コスト上昇は短期的な逆風だが、価格決定力の強さがその影響を吸収しうる。
8
競争優位性
業界内MOAT
5
業界成長性
セクター動態
6
リスク耐性
財務・事業安定性
5
株主還元
配当・自社株買い
6
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.0/10
競争優位性
8
業界成長性
5
リスク耐性
6
株主還元
5
見通し
6
📋 事業内容
5,134億円
売上高
FY2025実績
305億円
親会社帰属
純利益
318億円
営業CF
FY2025実績
67.4%
自己資本
比率
9.4%
ROE
FY2025

キユーピーは国内マヨネーズ・ドレッシング市場において圧倒的なブランド力と流通網を持つ食品メーカーである。主力の調味料事業に加え、サラダ・カット野菜の加工食品事業、乳幼児向け離乳食および高齢者向け介護食事業を展開し、ライフステージ全般に対応した製品ポートフォリオを構築している。海外では中国市場でKEWPIE中国を中核に事業を拡大するほか、東南アジア各国でも現地の食文化に合わせた展開を進めている。

競争優位性(業界内MOAT) 8/10

「キユーピー」ブランドはマヨネーズの代名詞として消費者に深く浸透しており、国内家庭用市場での指名買い率は競合他社を大きく上回る。長年の広告投資と品質管理の積み重ねにより、ブランド資産は模倣困難な無形の競争優位として機能している。

全国の小売・外食・給食チャネルにわたる強固な流通網を持ち、業務用市場でも揺るぎない地位を確立している。チャネル各所での棚の優先確保は新規参入者にとって高い障壁となっており、販売力の模倣には多大な時間とコストを要する。

創業以来培った卵の加工・利用技術は同社の核心的なケイパビリティであり、マヨネーズ品質の差別化要因となっている。この技術蓄積は離乳食・介護食への応用にも活かされており、競合が容易に再現できない独自の製品開発力を支えている。

📈 業界の成長性・セクター動態 5/10

中国では現地化した製品展開とチャネル開拓を進め、東南アジアでも食の洋風化を背景に新たな需要を取り込んでいる。海外売上比率の向上は国内市場の成熟を補うグロースドライバーとして中期的な収益拡大に寄与しうる。

健康志向の高まりを受けた低カロリー・機能性製品の投入や、原材料コスト上昇を背景とした段階的な価格改定が平均単価を引き上げている。数量成長が限られる国内市場において、価格ミックス改善が収益成長の主要な経路となっている。

⚠️ リスクファクター分析 6/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

中リスク鶏卵・原材料価格の高騰

主原料である鶏卵および植物油脂の価格は鳥インフルエンザや国際商品市況・為替の影響を受けやすく、コスト上昇が利益率を直接圧迫する。短期間での価格転嫁には限界があり、タイムラグが生じる局面では収益性が大きく低下するリスクがある。

中リスク値上げによる需要減退

消費者物価全般の上昇局面での重複的な価格改定は、消費者のプライベートブランドや廉価品への切替行動を促す可能性がある。ブランド力で一定の価格決定力を持つ一方、過度な値上げは数量を毀損し売上・利益のトレードオフとなるリスクがある。

中リスク中国事業の地政学・景気リスク

中国事業は現地の消費動向や日中関係の変化、規制環境の変動に左右されるリスクを抱えている。中国景気の減速や消費マインドの悪化が続く場合、海外成長戦略の根幹を担う同市場での収益貢献が計画を下回る可能性がある。

中リスク国内人口減少と市場縮小

少子高齢化による国内人口の長期的な減少は、食品全般の国内消費量の漸減につながる構造的リスクである。主力の家庭用マヨネーズ・ドレッシングは生活必需品性が高いものの、市場規模の天井が徐々に低下していく中での成長維持が課題となる。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 6/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

高齢化社会における介護・ケア食品需要

日本の高齢化加速により、嚥下困難者向けや栄養管理食品の需要は構造的に拡大している。同社は離乳食で培った技術とブランドを介護食領域に応用しており、病院・施設・在宅の各チャネルで市場拡大の恩恵を受けやすいポジションにある。

原材料コスト緩和による利益レバレッジ

価格改定効果が浸透した後に原材料コストが落ち着く局面では、売価維持とコスト低下が同時に作用し営業利益率が急回復する可能性がある。このコストレバレッジは市場の業績期待の修正を伴う株価の再評価トリガーとなりうる。

💰 株主還元政策 5/10

配当は長期にわたり安定的に支払われており、株主還元への意識は食品セクター内でも評価できる水準にある。ただし原材料コストの変動が利益の振れ幅を大きくするため、増配の持続性は原材料相場の動向に左右される面がある。バリュエーションは国内食品大手として概ね妥当な水準にあり、コスト環境の改善局面での利益回復が株価再評価のカタリストとなる可能性がある。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(食品)×0.39
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+2.01%
リスク耐性スコア調整(6/10)+0.00%
MOAT スコア調整(8/10)-0.60%
格付け調整(R&I A+)-0.20%
当社中立CoE4.91%
悲観 CoE
7.9%
中立 CoE
4.9%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(6/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 34%
中立 43%
楽観 23%
悲観 34% — 卵・油脂等の原材料高騰が長期化し、値上げ転嫁が消費者離れを招いて国内数量が減少、海外事業も中国経済の停滞で伸び悩む局面
中立 43% — 原材料コストが緩やかに落ち着き、段階的な価格改定で採算が回復、国内シェア維持と海外事業の着実な拡大が続く局面
楽観 23% — 原材料コストの急落と価格維持が同時に実現し利益率が大幅改善、海外事業が高成長軌道に乗り国内の介護・離乳食事業も高齢化需要で加速する局面
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥3,237/株
悲観34% / 中立43% / 楽観23%
リスク耐性スコア 6/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2025年度 149億円 / 2024年度 392億円 / 2023年度 60億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥64。成長率は過去DPS CAGR(10年=8.5%、直近3年=10.8%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(13年)でターミナル成長率に収束。

悲観 34%
卵・油脂等の原材料高騰が長期化し、値上げ転嫁が消費者離れを招いて国内数量が減少、海外事業も中国経済の停滞で伸び悩む局面
¥1,182
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.9%
ターミナル成長率0.4%
中立 43%
原材料コストが緩やかに落ち着き、段階的な価格改定で採算が回復、国内シェア維持と海外事業の着実な拡大が続く局面
¥2,669
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト4.9%
ターミナル成長率1.1%
楽観 23%
原材料コストの急落と価格維持が同時に実現し利益率が大幅改善、海外事業が高成長軌道に乗り国内の介護・離乳食事業も高齢化需要で加速する局面
¥2,781
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.1%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,344、配当性向29%でBPS追跡。

悲観 34%
卵・油脂等の原材料高騰が長期化し、値上げ転嫁が消費者離れを招いて国内数量が減少、海外事業も中国経済の停滞で伸び悩む局面
¥1,091
推定フェアバリュー/株
CoE7.9%
ROE(初年→10年目)-4.5%→4.8%
TV成長率0.4%
中立 43%
原材料コストが緩やかに落ち着き、段階的な価格改定で採算が回復、国内シェア維持と海外事業の着実な拡大が続く局面
¥4,068
推定フェアバリュー/株
CoE4.9%
ROE(初年→10年目)7.0%→7.0%
TV成長率1.1%
楽観 23%
原材料コストの急落と価格維持が同時に実現し利益率が大幅改善、海外事業が高成長軌道に乗り国内の介護・離乳食事業も高齢化需要で加速する局面
¥3,505
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)10.0%→7.0%
TV成長率2.1%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥221、総合スコア6.0から指数関数的に倍率算出。

悲観 34%
卵・油脂等の原材料高騰が長期化し、値上げ転嫁が消費者離れを招いて国内数量が減少、海外事業も中国経済の停滞で伸び悩む局面
¥1,986
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥221
想定PER9倍
中立 43%
原材料コストが緩やかに落ち着き、段階的な価格改定で採算が回復、国内シェア維持と海外事業の着実な拡大が続く局面
¥3,309
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥221
想定PER15倍
楽観 23%
原材料コストの急落と価格維持が同時に実現し利益率が大幅改善、海外事業が高成長軌道に乗り国内の介護・離乳食事業も高齢化需要で加速する局面
¥5,074
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥221
想定PER23倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.31倍、現BPS=¥2,344。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (1.16) 中央値 (1.31) 上位25% (1.60)
悲観 34%
卵・油脂等の原材料高騰が長期化し、値上げ転嫁が消費者離れを招いて国内数量が減少、海外事業も中国経済の停滞で伸び悩む局面
¥2,711
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR1.16倍
中立 43%
原材料コストが緩やかに落ち着き、段階的な価格改定で採算が回復、国内シェア維持と海外事業の着実な拡大が続く局面
¥3,070
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR1.31倍
楽観 23%
原材料コストの急落と価格維持が同時に実現し利益率が大幅改善、海外事業が高成長軌道に乗り国内の介護・離乳食事業も高齢化需要で加速する局面
¥3,755
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR1.60倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥221。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (17.9) 中央値 (20.8) 上位25% (27.3)
悲観 34%
卵・油脂等の原材料高騰が長期化し、値上げ転嫁が消費者離れを招いて国内数量が減少、海外事業も中国経済の停滞で伸び悩む局面
¥3,952
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER17.9倍
中立 43%
原材料コストが緩やかに落ち着き、段階的な価格改定で採算が回復、国内シェア維持と海外事業の着実な拡大が続く局面
¥4,584
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER20.8倍
楽観 23%
原材料コストの急落と価格維持が同時に実現し利益率が大幅改善、海外事業が高成長軌道に乗り国内の介護・離乳食事業も高齢化需要で加速する局面
¥6,016
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER27.3倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
中立
期待年利が必要利回りを上回る確率: 50.0%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -6.1% / 中央 6.5% / 上振れ 16.4%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥866 / 中央 ¥5,226 / 上振れ ¥14,802
現在 ¥3,995 → 分布の下から 0%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.2%
10年後の状態: 成長45% 横ばい50% 衰退5% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
株主還元強化
48.2%
景気後退・需要減
36.3%
インフレ下の値上げ耐性
33.7%
バリュエーション低下
31.7%
利益率改善
29.2%
バリュエーション上昇
29.0%
利益率悪化
18.1%
好況・上振れサイクル
15.1%
大幅業績ショック
13.4%
競争優位低下
11.4%
構造的衰退
8.6%
TOB・買収
7.7%
倒産・上場廃止
2.7%
希薄化・増資
1.4%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥3,995(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)3.03%6.53%11.03%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥4,395
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥4,395
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 5.0%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (34%) 中立 (43%) 楽観 (23%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥1,182 ¥2,669 ¥2,781 ¥2,189
残余利益 ¥1,091 ¥4,068 ¥3,505 ¥2,926
PERマルチプル ¥1,986 ¥3,309 ¥5,074 ¥3,265
PBR分位法 ¥2,711 ¥3,070 ¥3,755 ¥3,105
PER分位法 ¥3,952 ¥4,584 ¥6,016 ¥4,698
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥3,237
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥1,201 割安
¥2,184
FV¥3,237 割高
¥4,226
¥5,283
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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