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FY2026実績
純利益
FY2026実績
比率
FY2026
コーエーテクモホールディングスは、「三國志」「信長の野望」「無双」シリーズ等の歴史・アクションIPを中核とするゲームソフトウェア企業。家庭用ゲーム、PC向けゲーム、オンライン・スマートフォンゲームのライセンス収入を複合的に展開する。営業利益率は直近で約39%と国内ゲーム大手の中でも屈指の高水準。2025年3月期売上832億円、純利益376億円と堅調で、過去7期を通じて収益力は大幅に向上している。開発力と独自IPの組み合わせにより、グローバル市場でも安定した存在感を示している。
①独自歴史IPの長期ブランド価値
「三國志」「信長の野望」は発売から40年超の歴史を持ち、世代を超えたファンベースを有する。特に中国・台湾・韓国などアジア圏での歴史IP認知度は極めて高く、現地ライセンス展開で継続的な収益源となっている。このIPブランドは容易に模倣できない独自資産である。
②高い開発力と内製エンジン・ツール
長年の開発経験で培ったゲームエンジンおよびアクションゲーム開発ノウハウは強力な競争優位。「仁王」「Wo Long」等のソウルライクアクションは世界市場で評価を獲得。内製開発体制により品質とコストの両立が可能で、外部エンジン依存リスクも小さい。
③アジア市場でのパートナーシップ網
中国大手ゲーム会社との長年の協業関係と、東南アジア展開の実績は新規参入者には容易に構築できない。特に中国市場でのIPライセンス事業は安定的な高マージン収益をもたらしており、競合他社が同様の関係性を一朝一夕に構築することは困難である。
中期見通し
2025年〜2027年にかけては、グローバル向けコンソール・PCタイトルの継続的な投入とオンラインサービスの拡充が収益を牽引する見込み。中国市場でのスマートフォンゲームライセンス案件は規制環境次第でアップサイドとなりうる。開発投資の平準化によりFCFの安定化も期待される。
長期構造的トレンド
グローバルゲーム市場はPC・コンソール・モバイルを合わせて今後も拡大基調が続く見通し。アジア圏における歴史IPコンテンツへの需要増加、サブスクサービスへのタイトル供給拡大、さらにはAI活用による開発効率化が長期的な収益成長を支える構造的トレンドとして存在する。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
ゲームビジネスはヒット作への依存度が高く、期待作の販売不振は売上・利益の大幅な下振れに直結する。開発コスト増加と市場の嗜好変化により、投資回収リスクは年々高まっている。
中国政府によるゲーム規制強化や版号(ライセンス)取得の遅延・拒否は、中国向けIP収益に直接影響する。地政学的リスクや外資規制の変化も潜在的な脅威となる。
「仁王」「Wo Long」が属するアクションRPG市場はFROMSOFTWAREや海外大手が強力なタイトルを投入しており、差別化維持が継続的な課題となる。
グローバル展開に伴い海外売上比率が高まっており、円高局面では円換算の収益が目減りする。特に欧米向けパッケージ・DLC販売やアジアライセンス収入への影響が大きい。
長年のブランドIPも継続的な品質維持とシリーズ進化を怠れば、ファンベースの縮小につながりうる。新規IPへの投資が不十分な場合、中長期的な収益基盤が揺らぐ可能性がある。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
中国・東南アジアの歴史IPコンテンツ市場は依然として大きな成長余地を持つ。新規パートナーとのスマートフォンゲーム・PCオンラインゲームのライセンス契約が締結されれば、高マージン収益が急拡大する可能性がある。
Xbox Game PassやPS Plusへの定番IPタイトル収録が進めば、バックカタログからの継続収益が安定化。ユーザー接点拡大が新作タイトルの販売促進にも寄与する。
ゲームIPのアニメ・映画・グッズ展開は潜在的な収益多様化機会。海外での歴史コンテンツブームを捉えたメディアミックス戦略が成功すれば、非ゲーム収益の柱として育つ可能性がある。
コーエーテクモHDは過去7期連続で増配を実現し、配当性向は概ね50%前後を維持している。2025年3月期のDPSは60円で、2019年比の21円から約3倍に成長した。有利子負債は少なく潤沢なキャッシュを保有しており、FCFが大幅に増加した年度には自社株買いも実施する方針。株主還元の安定性と成長性のバランスが取れた方針を維持している。
リスク耐性スコア 7/10 より算出
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2026年度 209億円 / 2025年度 753億円 / 2024年度 117億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥66。成長率は過去DPS CAGR(10年=15.7%、直近3年=9.7%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(13年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥836、配当性向50%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥107、総合スコア7.0から指数関数的に倍率算出。
過去PBR中央値が1.5超のため、PBR法による価値算定は適していません(高ROE/成長銘柄)
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥107。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 6.71% | 10.21% | 14.71% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥1,607 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥1,607 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 2.0%、直近売上成長 3.6%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (27%) | 中立 (51%) | 楽観 (22%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥955 | ¥2,032 | ¥6,010 | ¥2,616 |
| 残余利益 | ¥425 | ¥1,264 | ¥3,106 | ¥1,443 |
| PERマルチプル | ¥1,073 | ¥1,716 | ¥2,682 | ¥1,755 |
| PBR分位法 | — | — | — | — |
| PER分位法 | ¥1,927 | ¥2,150 | ¥2,394 | ¥2,143 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥1,989 | ||
¥1,095 FV¥1,989 割高
¥3,548 ¥4,435
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