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4062 イビデン 銘柄分析・適正株価

イビデン 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 電子部品・セラミックス AI半導体パッケージ基板特化 R&I A (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
イビデンはAIサーバー向け高多層パッケージ基板(ABF基板)で世界トップシェアを持ち、生成AI需要の爆発的拡大が直接の収益ドライバーとなる。設備投資サイクルの重さが短期FCFを圧迫するが、顧客囲い込みと高い技術障壁が中長期の利益率回復を支える。現株価はAIサイクル踊り場を反映した調整局面にあり、次の増産フェーズに向けた仕込み機会と評価できる。
8
競争優位性
業界内MOAT
8
業界成長性
セクター動態
4
リスク耐性
財務・事業安定性
4
株主還元
配当・自社株買い
8
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.4/10
競争優位性
8
業界成長性
8
リスク耐性
4
株主還元
4
見通し
8

5.6Sol 個別レビュー

5.6Solによるシナリオ加重評価
見送り寄り 簡易
5.6Sol乖離率 -13.6% レビュー時株価との比較
妥当価値 13,550円 シナリオ加重平均
基準株価 15,685円 2026-07-21 / kabufu-db
確信度 簡易評価

投資テーゼ

FY2030に売上1兆円・営業利益3000億円・営業利益率30%を目指し、AI GPUに加えてASIC向け基板を拡大する成長余地は大きい。FY2027以降のGama Cell6とOno Cell8の量産が計画通り進めば利益は急拡大し得るが、確率加重価値は現値を下回る。

主な懸念

2027年3月期会社予想EPS207.7円に対し基準株価15685円は予想PER約75.5倍。AI向けICパッケージ基板の需要は強いが、FY2026~28に約5000億円を投じる大型投資の立ち上げ、歩留まり、顧客集中、半導体投資循環を織り込んだ価格であり安全余裕が乏しい。2026年1月1日の1対2分割後の株式単位で評価した。

シナリオ内訳

5.6Sol評価のシナリオ、確率、妥当価値、根拠
シナリオ確率妥当価値根拠
悲観 10.0% 6,500円 大型投資の立ち上げ遅延と顧客需要正常化で正常化EPS300円、成長プレミアム縮小を想定。
弱気 20.0% 9,500円 新工場の稼働率が計画を下回り、FY2030 EPS450円相当を現在価値へ割り引く。
中立 35.0% 13,000円 FY2030営業利益3000億円に近づくが大型投資と集中リスクを踏まえ、EPS600円相当を現在価値換算。
強気 25.0% 17,000円 AI GPU・ASIC向けの高付加価値化と歩留まり改善でEPS750円相当を実現。
楽観 10.0% 22,000円 基板大型化と多層化で供給制約が継続し、EPS900円相当と高い成長倍率を維持。
評価日: 2026-07-23 09:18:00
📋 事業内容
3,694億円
売上高
FY2025実績
337億円
親会社帰属
純利益
1,189億円
営業CF
FY2025実績
45.3%
自己資本
比率
6.8%
ROE
FY2025

イビデン株式会社(東証プライム:4062)は岐阜県大垣市に本社を置く電子部品・セラミックス複合メーカー。主力はABF(味の素ビルドアップフィルム)基板を用いた高多層パッケージ基板で、インテルやNVIDIAの高性能CPU・GPU向けに供給する世界有数のサプライヤー。電子事業のほか、排気系セラミックスや半導体プロセス向けセラミック部品を手がける。FY2025売上は3,694億円で、生成AI需要の踊り場局面を受けて前年比横ばいだが、中長期ではAIサーバー向け基板需要の構造的成長が業績を牽引する見通し。設備増強サイクル中のため営業利益率は約13%に抑制されているが、稼働率改善とともに収益性の向上が期待される。

競争優位性(業界内MOAT) 8/10

①ABF基板における寡占的シェア

ABF基板はフリップチップBGA向けの最先端パッケージ基板で、イビデンと新光電気工業が世界市場を二分する寡占構造。量産技術の難度が高く、設備投資規模・顧客との長期共同開発関係が新規参入を阻む。主要顧客であるインテルとの数十年にわたる取引実績が競合優位の根幹をなす。

②先端パッケージング技術の蓄積

AI・HPC向けに求められる超多層・極薄絶縁層・高精細配線の製造技術は長年の研究開発投資によって蓄積されたノウハウ。次世代の2.5D/3D実装対応に向けた開発も先行しており、技術ロードマップ上での優位性を維持している。

③セラミック事業の技術多様性

ディーゼル排気浄化用DPFや半導体製造装置向け高純度セラミック部品でも高い技術水準を持つ。電子基板事業と補完関係にある複数の高付加価値製品群が、景気サイクルに対するリスク分散と技術力の維持に貢献している。

📈 業界の成長性・セクター動態 8/10

中期見通し

FY2025〜2026はABF基板向け設備投資の稼働率向上フェーズであり、新工場の立ち上がりが完了すれば売上増・利益率改善の双方が見込まれる。生成AIモデルの大規模化に伴うサーバー向けCPU・GPUの出荷増が受注回復のカタリストとなり、FY2027頃にはEPSがFY2023水準(187円)を回復・超過する可能性がある。

長期構造的トレンド

AIの学習・推論コンピューティング需要は今後10年にわたり拡大し続けると予測される。高性能半導体の集積度向上に伴い先端パッケージ基板の重要性は増し、ABF基板市場自体が拡大する構造的恩恵を享受できる。また電気自動車普及によるパワーデバイス・セラミック需要拡大も長期的な追い風となる。

⚠️ リスクファクター分析 4/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスクAI設備投資の急減速・キャンセル

主要顧客の設備投資計画変更やAIブームの想定外の冷え込みが発生した場合、ABF基板の受注が急減し、大規模capex後の固定費負担が利益を大きく圧迫するリスクがある。

高リスク顧客集中リスク(インテル依存)

売上の相当部分をインテル向けが占めるとされ、インテルの市場シェア低下や次世代プロセッサ設計変更(チップレット・パッケージ形態の変化)が直接的な業績下振れ要因となりうる。

中リスク過大な設備投資によるキャッシュフロー悪化

FCFがマイナスとなる年度(FY2025:-453億円、FY2021:-434億円)が繰り返し発生しており、需要回復が遅れた場合に財務負担が長期化するリスクがある。

中リスク競合他社の技術追い上げ・新規参入

台湾・韓国メーカーや国内競合が先端ABF基板市場に参入・増産を進めており、価格競争の激化や市場シェア低下が将来的に収益性を圧迫する可能性がある。

低リスク為替リスク(円高)

売上の大部分が海外向けドル建てであり、急速な円高は円換算売上・利益を目減りさせる。為替ヘッジ対応を行っているものの、長期的な円高トレンドは業績への逆風となる。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 8/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

次世代AI基板(2.5D/3D対応)受注獲得

HBMやチップレット実装向けの次世代パッケージ基板で先行開発を進めており、NVIDIA・AMDなど新規顧客への拡販が実現すれば業績・株価の大幅上昇トリガーとなりうる。

EV・電動化向けセラミック事業の拡大

電気自動車のパワー半導体・モーター向け高機能セラミック部品の需要が世界的に拡大しており、電子事業との収益補完として安定的な成長が見込まれる。

円安継続による業績上振れ

現行の円安環境が継続・深化した場合、輸出主体の収益構造から為替差益が発生し、会社計画を上回るEPS・配当の実現可能性が高まる。

💰 株主還元政策 4/10

配当方針は安定配当を基本とするも、大規模設備投資が続くFY2024・2025は年間20円(FY2023比5円減)に抑制。自社株買いは限定的で、フリーキャッシュフローは積極的な成長投資に充当される方針。配当利回りは約0.15%と市場平均を大きく下回り、株主還元の魅力は低い。業績回復局面での増配再開や、capex縮小期への移行後の還元強化が今後の注目ポイントとなる。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
10年国債利回り(リスクフリーレート)+2.86%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(電子部品)×1.27
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+6.50%
リスク耐性スコア調整(4/10)+0.60%
MOAT スコア調整(8/10)-0.60%
格付け調整(R&I A)-0.20%
当社中立CoE9.16%
悲観 CoE
12.2%
中立 CoE
9.2%
楽観 CoE
6.7%
リスク耐性スコア(4/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 35%
中立 27%
楽観 38%
悲観 35% — AI設備投資の急失速
中立 27% — AI需要の緩やかな回復
楽観 38% — 次世代AI基板フル稼働
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥3,110/株
悲観35% / 中立27% / 楽観38%
リスク耐性スコア 4/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -453億円 / 2024年度 680億円 / 2023年度 217億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥20。成長率は過去DPS CAGR(10年=3.2%、直近3年=0.0%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(13年)でターミナル成長率に収束。

悲観 35%
AI設備投資の急失速
¥170
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト12.2%
ターミナル成長率1.9%
中立 27%
AI需要の緩やかな回復
¥323
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト9.2%
ターミナル成長率3.3%
楽観 38%
次世代AI基板フル稼働
¥741
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.7%
ターミナル成長率3.8%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,756、配当性向17%でBPS追跡。

悲観 35%
AI設備投資の急失速
¥723
推定フェアバリュー/株
CoE12.2%
ROE(初年→10年目)-4.9%→8.3%
TV成長率1.9%
中立 27%
AI需要の緩やかな回復
¥2,650
推定フェアバリュー/株
CoE9.2%
ROE(初年→10年目)11.2%→11.2%
TV成長率3.3%
楽観 38%
次世代AI基板フル稼働
¥6,514
推定フェアバリュー/株
CoE6.7%
ROE(初年→10年目)16.1%→10.6%
TV成長率3.8%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥187、総合スコア6.4から指数関数的に倍率算出。

悲観 35%
AI設備投資の急失速
¥1,869
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥187
想定PER10倍
中立 27%
AI需要の緩やかな回復
¥2,990
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥187
想定PER16倍
楽観 38%
次世代AI基板フル稼働
¥4,859
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥187
想定PER26倍
PBR法による価値算定を見送り
過去PBR中央値が1.5超のため、PBR法による価値算定は適していません(高ROE/成長銘柄)

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥187。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (17.0) 中央値 (28.1) 上位25% (38.4)
悲観 35%
AI設備投資の急失速
¥3,182
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER17.0倍
中立 27%
AI需要の緩やかな回復
¥5,249
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER28.1倍
楽観 38%
次世代AI基板フル稼働
¥7,183
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER38.4倍

10年後の株価を 1000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-07-29)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 0.0%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -25.5% / 中央 -14.6% / 上振れ -5.4%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(1000シナリオ)
下振れ ¥647 / 中央 ¥3,095 / 上振れ ¥9,339
現在 ¥17,415 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.0%
10年後の状態: 成長18% 横ばい79% 衰退3% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
technical growth investment maturity
100.0%
rate environment net interest bridge
79.8%
technical asset utilization maturity
61.6%
AI先端パッケージ直接受益
60.8%
景気後退・需要減
50.2%
バリュエーション低下
49.2%
株主還元強化
48.6%
好況・上振れサイクル
44.4%
durable_technical_recession_catchup
39.1%
ordinary_nominal_recession_catchup
39.1%
AI電力・光通信インフラ需要
38.8%
AI投資の供給側恩恵
38.2%
利益率改善
35.3%
AI先端パッケージ・材料需要
30.1%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(1000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥17,415(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
🍝 トータルリターンの10年推移(1000通りのシナリオ)
横軸 = 経過年 / 縦軸 = 配当込み累積トータルリターン(%)。薄い線1本1本が1回のシミュレーション、 太線が中央シナリオ、帯が下振れ〜上振れ(P10〜P90)。0%(灰線)より上なら投資元本を上回る。
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)4.65%8.15%12.65%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥1,751
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥1,751
スタート時の状態S(名目永続成長率 2.1%、直近売上成長 8.6%)

※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (35%) 中立 (27%) 楽観 (38%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥170 ¥323 ¥741 ¥428
残余利益 ¥723 ¥2,650 ¥6,514 ¥3,444
PERマルチプル ¥1,869 ¥2,990 ¥4,859 ¥3,308
PBR分位法
PER分位法 ¥3,182 ¥5,249 ¥7,183 ¥5,260
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥3,110
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥817 割安
¥1,486
FV¥3,110 割高
¥4,824
¥6,030
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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