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4613

関西ペイント 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 塗料・コーティング グローバル展開・M&A成長戦略 R&I A (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
関西ペイントは国内塗料首位級かつアジア・アフリカを含む世界40カ国超に展開するグローバル塗料メーカーで、自動車用・工業用・建築用の幅広いポートフォリオを持つ。原材料コスト上昇を価格転嫁で克服しつつ売上は直近5年で60%超成長しており、新興国都市化・インフラ更新需要を中長期の成長エンジンとする。現在の株価(約¥2,342)は利益水準の変動性を反映してPER・PBR共に割高感はなく、配当引き上げ継続で株主還元強化姿勢も評価できる。
6
競争優位性
業界内MOAT
6
業界成長性
セクター動態
5
リスク耐性
財務・事業安定性
5
株主還元
配当・自社株買い
6
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.6/10
競争優位性
6
業界成長性
6
リスク耐性
5
株主還元
5
見通し
6
📋 事業内容
5,888億円
売上高
FY2025実績
383億円
親会社帰属
純利益
350億円
営業CF
FY2025実績
35.8%
自己資本
比率
14.2%
ROE
FY2025

関西ペイント(4613)は1918年創業の日本大手塗料メーカーで、建築用・自動車用・工業用塗料を幅広く展開する。国内では「カンペ」ブランドで高い認知度を持ち、自動車メーカーへのOEM供給でも国内トップクラスのシェアを誇る。海外ではアジア・中東・アフリカを中心に40カ国超で事業展開しており、積極的なM&A戦略によってグローバル売上比率は過半数に達している。直近7期で売上は3,600億円台から5,800億円台へと拡大し、グループ全体の規模が着実に成長している。塗料は住宅・自動車・インフラ整備に不可欠な素材であり、景気に左右されつつも長期的に安定した需要が見込まれる内需・外需両対応の事業モデルである。

競争優位性(業界内MOAT) 6/10

①「カンペ」ブランドと国内販売網

「カンペ」は国内DIY・プロ向け塗料市場で圧倒的な認知度を誇り、ホームセンターから塗装業者まで広範な流通チャネルを確保している。長年の顧客関係に基づく粘着性の高いビジネス基盤が価格競争への耐性を生む。

②新興国への早期進出と現地シェア

インド・南アフリカ・UAE等の高成長市場に早期参入し、現地ブランドの買収と組み合わせて強固な流通網を構築。後発競合が追随しにくい地位を確保しており、地域ごとの規制・嗜好に対応したローカライズ戦略も差別化要因となっている。

③自動車メーカーとの長期取引関係

トヨタ・日産・ホンダ等の主要自動車メーカーに対するOEM塗料供給実績を持ち、品質認証・色管理技術・納期対応力において高い信頼を獲得。自動車メーカーのサプライヤー切り替えコストは高く、安定した長期契約関係が収益の下支えになっている。

📈 業界の成長性・セクター動態 6/10

中期見通し

今後2〜3年はアジア・中東・アフリカ市場での有機成長とM&A効果の刈り取りが主な成長ドライバーとなる。原材料コスト上昇分の価格転嫁が定着しつつあり、営業利益率の緩やかな改善が期待される。国内では建築用塗料のリニューアル需要や工場向け防錆・機能性コーティングの拡販も見込まれる。EV化に伴い自動車塗料の仕様変更需要も発生しており、技術対応力が中期業績を左右する重要変数となる。年率5〜7%の売上成長と営業利益率9〜10%台への回復が基本シナリオ。

長期構造的トレンド

長期的には新興国の都市化加速・中間層拡大が建築用塗料需要を押し上げる。アフリカ市場は人口増加・インフラ投資拡大が続き、塗料需要の伸びしろが大きい。また環境規制強化により水性塗料・低VOC製品へのシフトが世界的に進み、技術力を持つメーカーが付加価値を高めやすい局面となる。デジタル施工管理・色彩カスタマイズのデータ活用なども新たな収益機会を生む可能性がある。10年スパンでは現在の倍程度の売上規模も視野に入る成長余地がある。

⚠️ リスクファクター分析 5/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク原材料価格の急騰

塗料の主原材料である樹脂・顔料・溶剤は石油化学製品に依存しており、原油価格・ナフサ価格の上昇が直接コストを押し上げる。価格転嫁が遅れると営業利益率が急速に悪化するリスクがある。

高リスク為替変動リスク

売上の過半数が海外であり、インド・南アフリカ・中東等の新興国通貨の対円下落は円換算売上・利益を目減りさせる。特に新興国通貨は急激な減価リスクを内包しており、業績の振れ幅が大きくなりやすい。

中リスクM&Aのれん償却・統合リスク

積極的な海外買収によりのれんが積み上がっており、被買収企業の業績悪化時には減損損失が発生するリスクがある。また文化・経営スタイルの違いによる統合コスト増・シナジー未達も想定される。

中リスク自動車業界の構造変化

EV化の加速により自動車の塗装工程や使用塗料の仕様が変化し、既存製品の需要が減少する可能性がある。技術転換への対応遅れは自動車OEM向け売上の失注につながりかねない。

低リスク環境規制強化への対応コスト

各国でのVOC排出規制・環境ラベル要件の強化により、既存製品の処方変更・設備投資コストが増加する可能性がある。対応が先行する競合との技術格差が生じるリスクも存在する。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 6/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

アフリカ・新興国市場の急拡大

サブサハラアフリカを中心とする人口増加・都市化加速により建築・インフラ向け塗料需要が急拡大する見通し。関西ペイントはすでに南アフリカ等で強固な拠点を持ち、競合が少ない市場での高成長が期待できる。

環境対応製品(水性・機能性塗料)へのシフト

省エネ・低VOCを訴求する水性塗料や遮熱・抗菌コーティング等の機能性製品は単価が高く利益率向上に寄与する。環境規制強化に先行した製品展開が競争優位につながる可能性がある。

デジタル・データ活用による新サービス展開

色彩カスタマイズのデジタル化・施工管理IoT化・AIによる劣化診断サービスなど、塗料周辺のサービスビジネスへの展開が収益多様化の機会となりうる。ただし実現には時間と投資が必要。

💰 株主還元政策 5/10

配当はFY2019の¥30を基点に段階的に引き上げられ、FY2025には¥50に達している。増配継続の方針を明示しており、株主への利益還元姿勢は評価できる。現在の株価(¥2,342)に対する配当利回りは約2.1%で、高配当とは言えないが着実な成長配当銘柄としての性格を持つ。自社株買いの実施は限定的であり、余剰資金はM&A・設備投資に優先的に振り向けられる傾向がある。中長期的には利益成長に伴う配当増額継続が見込まれ、配当再投資戦略との相性は良い。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(機能性化学・電子材料)×1.11
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+5.69%
リスク耐性スコア調整(5/10)+0.00%
MOAT スコア調整(6/10)+0.00%
格付け調整(R&I A)-0.20%
当社中立CoE9.19%
悲観 CoE
12.2%
中立 CoE
9.2%
楽観 CoE
6.7%
リスク耐性スコア(5/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 35%
中立 40%
楽観 25%
悲観 35% — 原材料高騰・新興国通貨安で利益率圧迫
中立 40% — 価格転嫁定着・海外M&A効果で緩やかに増益
楽観 25% — アジア・アフリカ市場急拡大とプレミアム製品シフト加速
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥2,622/株
悲観35% / 中立40% / 楽観25%
リスク耐性スコア 5/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -42億円 / 2024年度 580億円 / 2023年度 396億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥50。成長率は過去DPS CAGR(10年=10.7%、直近3年=18.6%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。

悲観 35%
原材料高騰・新興国通貨安で利益率圧迫
¥630
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト12.2%
ターミナル成長率1.0%
中立 40%
価格転嫁定着・海外M&A効果で緩やかに増益
¥1,205
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト9.2%
ターミナル成長率1.8%
楽観 25%
アジア・アフリカ市場急拡大とプレミアム製品シフト加速
¥2,944
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.7%
ターミナル成長率2.9%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,420、配当性向25%でBPS追跡。

悲観 35%
原材料高騰・新興国通貨安で利益率圧迫
¥647
推定フェアバリュー/株
CoE12.2%
ROE(初年→10年目)-3.9%→8.4%
TV成長率1.0%
中立 40%
価格転嫁定着・海外M&A効果で緩やかに増益
¥1,872
推定フェアバリュー/株
CoE9.2%
ROE(初年→10年目)10.8%→10.8%
TV成長率1.8%
楽観 25%
アジア・アフリカ市場急拡大とプレミアム製品シフト加速
¥4,010
推定フェアバリュー/株
CoE6.7%
ROE(初年→10年目)13.9%→10.6%
TV成長率2.9%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥202、総合スコア5.6から指数関数的に倍率算出。

悲観 35%
原材料高騰・新興国通貨安で利益率圧迫
¥1,818
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥202
想定PER9倍
中立 40%
価格転嫁定着・海外M&A効果で緩やかに増益
¥2,828
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥202
想定PER14倍
楽観 25%
アジア・アフリカ市場急拡大とプレミアム製品シフト加速
¥4,444
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥202
想定PER22倍
PBR法による価値算定を見送り
過去PBR中央値が1.5超のため、PBR法による価値算定は適していません(高ROE/成長銘柄)

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥202。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (17.2) 中央値 (20.7) 上位25% (25.8)
悲観 35%
原材料高騰・新興国通貨安で利益率圧迫
¥3,467
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER17.2倍
中立 40%
価格転嫁定着・海外M&A効果で緩やかに増益
¥4,183
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER20.7倍
楽観 25%
アジア・アフリカ市場急拡大とプレミアム製品シフト加速
¥5,213
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER25.8倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
中立
期待年利が必要利回りを上回る確率: 48.5%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -4.4% / 中央 9.7% / 上振れ 22.9%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥488 / 中央 ¥3,699 / 上振れ ¥14,686
現在 ¥2,344 → 分布の下から 0%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.4%
10年後の状態: 成長48% 横ばい42% 衰退10% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
株主還元強化
51.2%
景気後退・需要減
45.0%
好況・上振れサイクル
35.7%
AI先端パッケージ・材料需要
35.4%
バリュエーション低下
31.9%
利益率改善
29.8%
バリュエーション上昇
29.6%
利益率悪化
17.8%
大幅業績ショック
17.2%
構造的衰退
10.8%
TOB・買収
9.6%
競争優位低下
9.2%
倒産・上場廃止
2.8%
希薄化・増資
2.6%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥2,344(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)6.60%10.10%14.60%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥2,754
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥2,754
スタート時の状態S(名目永続成長率 1.0%、直近売上成長 8.2%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (35%) 中立 (40%) 楽観 (25%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥630 ¥1,205 ¥2,944 ¥1,439
残余利益 ¥647 ¥1,872 ¥4,010 ¥1,978
PERマルチプル ¥1,818 ¥2,828 ¥4,444 ¥2,879
PBR分位法
PER分位法 ¥3,467 ¥4,183 ¥5,213 ¥4,190
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥2,622
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥903 割安
¥1,641
FV¥2,622 割高
¥4,153
¥5,191
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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