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FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
株式会社電通総研(旧:電通国際情報サービス)は、電通グループのITサービス中核子会社として、マーケティング・広告領域のシステム開発から製造・流通・金融・公共向けの基幹システム構築・運用保守まで幅広いITソリューションを提供する。従業員数は約6,000名規模で、電通グループ内需要を基盤としつつ外販比率も拡大傾向にある。FY2019〜2025の7年間で売上高は1,007億円から1,649億円へ約63%増加、営業利益も101億円から229億円へと2倍以上に成長した。DX需要の拡大を背景に全セグメントが堅調に推移しており、業績の安定性と成長性を両立している点が特徴。
①電通グループとの一体的な営業基盤
電通グループの国内外ネットワークと顧客基盤を活かした営業力は最大の競争優位。広告主・大企業向けのマーケティングITニーズに対し、グループ横断でのソリューション提案が可能であり、競合他社が単独でリプレースすることは困難。長期的な取引関係が更新サイクルごとの失注リスクを低減している。
②業界特化の専門ノウハウと実績
広告・マーケティング技術(アドテク、CRM、データマネジメント)における深い業界知識は、汎用SIerとの差別化要因。製造・流通・金融向けにも長年の業種別ソリューションを蓄積しており、要件定義から保守運用まで一気通貫で対応できる体制が顧客の乗り換えコストを高めている。
③保守・運用による安定的な経常収益
構築済みシステムの保守・運用契約は毎年度の安定収益源となっており、売上の一定割合をストック型で確保。既存顧客との深いリレーションシップが新規開発案件の優先受注につながる好循環が成立している。クラウド移行支援やセキュリティ対応需要により、既存顧客からの追加受注も継続的に発生。
中期見通し
国内企業のDX投資は2〜3年の時間軸で引き続き拡大が見込まれる。生成AI活用支援、データ基盤整備、サイバーセキュリティ強化などの新規需要が従来の基幹系刷新需要に加わり、受注単価・件数双方の成長が期待できる。電通グループ全体のDX戦略との連動強化により、大型案件へのアクセス機会も増加する見通し。営業利益率は13〜15%水準の維持・向上が中期目標と推察される。
長期構造的トレンド
日本企業のIT投資対GDP比率は先進国比で依然として低水準にあり、長期的な拡大余地は大きい。2030年に向けてレガシーシステムの刷新需要(いわゆる「2025年の崖」からの継続課題)、AI・機械学習の業務組み込み、データドリブン経営への転換支援などが構造的な成長ドライバーとなる。電通総研はマーケティングとITの融合領域でのポジショニングを強みとして、競合に先んじたAI活用サービスの確立が長期成長の鍵。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
AWS・Salesforce等クラウドベンダーや外資系コンサルのIT参入が加速しており、案件獲得競争の激化による受注単価・利益率の低下リスクが高まっている。特にクラウドネイティブ案件での競争力格差が拡大する可能性がある。
国内ITエンジニア需給の逼迫が続いており、採用コストの上昇と既存人材の離職率上昇が同時に生じるリスクがある。人件費比率の上昇は営業利益率の圧迫要因となり、中長期の収益成長を制約しうる。
電通グループの広告収益が大幅に落ち込む局面では、グループ内IT投資が抑制され電通総研への発注が減少するリスクがある。グループ依存度が高い収益構造は外部環境変化に対する脆弱性を内包している。
SIビジネス特有の案件超過コストリスク(工数見積もり誤り・仕様変更対応)が存在する。大型DXプロジェクトでの不採算発生は単年度業績に対して無視できないマイナスインパクトをもたらす可能性がある。
顧客の機密情報・基幹システムを取り扱うSIerとして、情報漏洩やサイバー攻撃被害が発生した場合の信用失墜リスクは低確率ながら事業継続に深刻な影響を与えうる。セキュリティ投資の継続が必須。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
企業の生成AI導入支援・業務プロセス変革コンサルティングは高単価案件として急速に需要が拡大している。マーケティングとITの融合知見を持つ電通総研は競合優位の立場で大型AI案件を獲得できる可能性が高い。
グループ外顧客向けの受注拡大戦略が奏功すれば、電通グループ依存度の低下と同時に売上規模の大幅拡大が見込める。製造・金融・公共向けの外販強化は中期成長の重要なレバーとなる。
電通グループのグローバルネットワークを活用したアジア・欧米でのITサービス展開が実現すれば、国内市場の成熟化リスクをヘッジしつつ新たな成長ドライバーを獲得できる。現状は限定的だが長期的な可能性として注目。
電通総研は株主還元を経営の重要課題の一つとして位置付け、継続的な増配を実施してきた。DPS(一株配当)はFY2019の¥13からFY2025の¥40へ7年間で約3倍増となっており、配当性向はおよそ45〜50%の範囲で安定推移している。今後も利益成長に連動した増配継続方針を維持する見通しであり、配当利回りは株価¥2,199に対して約1.8%。自社株買いの実施は限定的だが、キャッシュフロー創出力の向上に伴い資本効率改善策の拡充が期待される。
リスク耐性スコア 6/10 より算出
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2025年度 161億円 / 2024年度 118億円 / 2023年度 107億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥40。成長率は過去DPS CAGR(10年=23.4%、直近3年=15.4%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥513、配当性向48%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥84、総合スコア6.4から指数関数的に倍率算出。
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(時系列に不連続な急変あり(株式分割の遡及反映が不完全な可能性))
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥84。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 8.18% | 11.68% | 16.18% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥1,375 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥1,375 | ||
| スタート時の状態 | 成長(名目永続成長率 2.0%、直近売上成長 10.5%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (29%) | 中立 (48%) | 楽観 (23%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥581 | ¥1,132 | ¥2,490 | ¥1,285 |
| 残余利益 | ¥272 | ¥660 | ¥1,186 | ¥668 |
| PERマルチプル | ¥838 | ¥1,257 | ¥2,096 | ¥1,328 |
| PBR分位法 | — | — | — | — |
| PER分位法 | ¥1,290 | ¥1,990 | ¥2,713 | ¥1,953 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥1,309 | ||
¥745 FV¥1,309 割高
¥2,121 ¥2,651