株譜kabufu
📊 概要・チャート・財務 📋 銘柄分析スクリーニング一覧へ 🏭 化学の業界分析

4912

ライオン 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 化学 日用品 R&I A (positive)
現在値
時価総額
投資テーゼ
国内歯磨き粉市場でクリニカ・システマブランドが圧倒的シェアを保持し、ASEAN展開による新興国成長を取り込む。バファリン等の医薬品ポートフォリオが収益を多様化し、花王に次ぐ総合日用品メーカーとして安定したキャッシュフロー創出力を誇る。
7
競争優位性
業界内MOAT
5
業界成長性
セクター動態
6
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
6
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.0/10
競争優位性
7
業界成長性
5
リスク耐性
6
株主還元
6
見通し
6
📋 事業内容
4,221億円
売上高
FY2025実績
276億円
親会社帰属
純利益
406億円
営業CF
FY2025実績
61.0%
自己資本
比率
8.5%
ROE
FY2025

ライオン(東証プライム:四九一二)は花王に次ぐ国内第二位の総合日用品メーカーであり、オーラルケア・ランドリー・医薬品の三軸で事業を展開する。オーラルケアでは「クリニカ」「システマ」が国内歯磨き粉市場トップシェアを維持し、歯科医院チャネルを軸とした専門性ポジショニングで価格プレミアムを確保している。「バファリン」「ストッパ」等の一般用医薬品ブランドは高い認知度を持ち、ドラッグストア棚においても安定した存在感を示す。ASEANでは東南アジア複数国で歯磨き粉の現地生産・販売を行い、中間層の拡大とともにトップライン成長の牽引役としての期待が高まっている。

競争優位性(業界内MOAT) 7/10

オーラルケアブランド資産

クリニカ・システマは数十年にわたる歯科医院チャネルとの協業で「歯科専門家が推奨するブランド」の地位を確立し、消費者の信頼を価格競争から切り離している。このブランド資産の複製には多大な時間と投資が必要であり、新規参入者に対する持続的な参入障壁として機能している。

国内流通網と棚確保力

ドラッグストア・スーパー・コンビニエンスストアにわたる全国的な営業網と長年の取引実績により、優良棚位置の確保で競合に対し構造的優位を保持している。小売チェーンとの深い関係性は新商品の棚導入スピードにも寄与し、マーケティング効率を高める機能を果たす。

ASEAN現地生産・ブランド先行優位

東南アジア主要市場での現地生産体制と早期のブランド投資により、後発グローバル競合が追いにくいコスト・認知の二重優位を築きつつある。現地市場に根ざした製品処方の知見は模倣困難な無形資産として蓄積されている。

📈 業界の成長性・セクター動態 5/10

ASEAN新興国市場の構造的拡大

東南アジアでは所得水準の向上に伴い歯磨き粉の使用頻度・製品単価が上昇するフェーズにあり、ライオンの既存プレゼンスが市場成長を超えるシェア拡大の余地を生んでいる。人口動態と都市化の複合効果により、国内成熟市場とは対照的な高成長ポテンシャルが存在する。

価格改定とプレミアム化による国内収益改善

原材料コスト上昇を背景とした価格改定の浸透と、高付加価値製品へのミックスシフトが国内の実質的な売上単価を押し上げる方向で作用している。機能性・エビデンス訴求型の新製品投入が単価上昇を中期的に持続させる成長ドライバーとなりうる。

⚠️ リスクファクター分析 6/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

中リスク原材料・エネルギーコストの高止まり

パーム油・界面活性剤・プラスチック容器等の主要原材料は国際商品市況と為替に連動しており、円安局面でのコスト圧力は価格改定の速度を超えて利益率を圧迫するリスクがある。サプライチェーンの多様化を進めているものの、短期的なコスト吸収余力には限界が存在する。

中リスク国内市場の構造的縮小

少子高齢化と人口減少により国内日用品市場全体の数量成長は期待しにくく、シェア維持のための販促費増加が収益性の下押し要因となる可能性が高い。プライベートブランド台頭とディスカウント圧力も長期的な平均販売単価を抑制する方向に作用する。

中リスクASEAN事業の地政学・為替リスク

東南アジア各国の政治的安定性・規制変更・現地通貨下落が現地事業の採算性に直結し、海外売上比率の上昇に伴いカントリーリスクへのエクスポージャーが拡大する。現地競合の価格攻勢もシェア防衛コストを押し上げる潜在的リスクである。

中リスク競合激化と花王・グローバルメジャーとの競争

花王・ユニリーバ・P&Gといった資本力の大きい競合がオーラルケア・ランドリーカテゴリで積極的なマーケティング投資を継続しており、ライオンの相対的な広告投資余力の差が長期的なブランドエクイティ格差に転化するリスクを孕む。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 6/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

デジタル・D2Cチャネルによる顧客直接接点の拡大

サブスクリプション型のオーラルケアキットや定期購入モデルをD2Cで展開することで、小売マージンを削減しつつ顧客データを蓄積し、LTVの高いロイヤル顧客層を形成する機会が存在する。パーソナライズドケアへのトレンドはライオンの専門性ブランドと高い親和性を持つ。

医薬品ブランドのOTC市場拡張

セルフメディケーション需要の高まりとドラッグストアの規模拡大を背景に、バファリン・ストッパ等の既存ブランドを軸とした新効能・新剤形の展開が国内医薬品事業の上積みをもたらす機会がある。高齢化社会における慢性症状向けOTC製品は成長性の高いサブカテゴリである。

💰 株主還元政策 6/10

ライオンは長期にわたり安定した配当政策を維持しており、業績変動局面においても減配を抑制する累進的な姿勢が株主から評価されている。ROEは一桁台後半で推移しており、花王や海外同業と比較すると資本効率の改善余地が残存するが、固定費削減と原価低減施策の積み重ねが漸進的なROE改善を支援する方向にある。自己株式取得は機動的に実施される傾向があり、総還元利回りとしての魅力度は配当単独よりも高い水準で評価できる。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(日用品・化粧品)×0.78
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+4.02%
リスク耐性スコア調整(6/10)+0.00%
MOAT スコア調整(7/10)-0.30%
格付け調整(R&I A)-0.20%
当社中立CoE7.22%
悲観 CoE
10.2%
中立 CoE
7.2%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(6/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 29%
中立 48%
楽観 23%
悲観 29% — 原材料インフレ長期化と国内市場縮小が重なり、ASEAN展開コストが利益率を圧迫する局面
中立 48% — コスト転嫁と価格改定が浸透し、ASEAN成長が国内成熟を補完しながら緩やかな増益基調が続く局面
楽観 23% — ASEAN歯磨き粉シェア拡大と医薬品ブランドのリブランドが奏功し、営業利益率が構造的に改善する局面
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥1,610/株
悲観29% / 中立48% / 楽観23%
リスク耐性スコア 6/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -28億円 / 2024年度 360億円 / 2023年度 -47億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥30。成長率は過去DPS CAGR(10年=10.0%、直近3年=6.3%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。

悲観 29%
原材料インフレ長期化と国内市場縮小が重なり、ASEAN展開コストが利益率を圧迫する局面
¥371
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト10.2%
ターミナル成長率0.4%
中立 48%
コスト転嫁と価格改定が浸透し、ASEAN成長が国内成熟を補完しながら緩やかな増益基調が続く局面
¥692
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.2%
ターミナル成長率1.1%
楽観 23%
ASEAN歯磨き粉シェア拡大と医薬品ブランドのリブランドが奏功し、営業利益率が構造的に改善する局面
¥1,220
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.1%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,167、配当性向30%でBPS追跡。

悲観 29%
原材料インフレ長期化と国内市場縮小が重なり、ASEAN展開コストが利益率を圧迫する局面
¥593
推定フェアバリュー/株
CoE10.2%
ROE(初年→10年目)-2.5%→6.7%
TV成長率0.4%
中立 48%
コスト転嫁と価格改定が浸透し、ASEAN成長が国内成熟を補完しながら緩やかな増益基調が続く局面
¥1,645
推定フェアバリュー/株
CoE7.2%
ROE(初年→10年目)9.0%→9.0%
TV成長率1.1%
楽観 23%
ASEAN歯磨き粉シェア拡大と医薬品ブランドのリブランドが奏功し、営業利益率が構造的に改善する局面
¥2,647
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)12.0%→9.0%
TV成長率2.1%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥103、総合スコア6.0から指数関数的に倍率算出。

悲観 29%
原材料インフレ長期化と国内市場縮小が重なり、ASEAN展開コストが利益率を圧迫する局面
¥925
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥103
想定PER9倍
中立 48%
コスト転嫁と価格改定が浸透し、ASEAN成長が国内成熟を補完しながら緩やかな増益基調が続く局面
¥1,439
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥103
想定PER14倍
楽観 23%
ASEAN歯磨き粉シェア拡大と医薬品ブランドのリブランドが奏功し、営業利益率が構造的に改善する局面
¥2,363
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥103
想定PER23倍
PBR法による価値算定を見送り
過去PBR中央値が1.5超のため、PBR法による価値算定は適していません(高ROE/成長銘柄)

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥103。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (19.1) 中央値 (26.0) 上位25% (33.7)
悲観 29%
原材料インフレ長期化と国内市場縮小が重なり、ASEAN展開コストが利益率を圧迫する局面
¥1,966
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER19.1倍
中立 48%
コスト転嫁と価格改定が浸透し、ASEAN成長が国内成熟を補完しながら緩やかな増益基調が続く局面
¥2,668
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER26.0倍
楽観 23%
ASEAN歯磨き粉シェア拡大と医薬品ブランドのリブランドが奏功し、営業利益率が構造的に改善する局面
¥3,467
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER33.7倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 32.4%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -6.0% / 中央 5.0% / 上振れ 14.7%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥290 / 中央 ¥1,514 / 上振れ ¥4,441
現在 ¥1,542 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.3%
10年後の状態: 成長32% 横ばい63% 衰退5% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
株主還元強化
47.3%
景気後退・需要減
37.5%
インフレ下の値上げ耐性
34.3%
利益率改善
31.8%
バリュエーション上昇
30.5%
バリュエーション低下
29.4%
利益率悪化
17.9%
大幅業績ショック
16.0%
好況・上振れサイクル
15.3%
競争優位低下
10.8%
TOB・買収
9.3%
構造的衰退
8.9%
倒産・上場廃止
3.6%
希薄化・増資
1.1%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥1,542(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)4.99%8.49%12.99%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥1,318
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥1,318
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 2.7%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (29%) 中立 (48%) 楽観 (23%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥371 ¥692 ¥1,220 ¥720
残余利益 ¥593 ¥1,645 ¥2,647 ¥1,570
PERマルチプル ¥925 ¥1,439 ¥2,363 ¥1,502
PBR分位法
PER分位法 ¥1,966 ¥2,668 ¥3,467 ¥2,648
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥1,610
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥530 割安
¥964
FV¥1,610 割高
¥2,424
¥3,030
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
利用規約 | プライバシーポリシー | サイトマップ