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FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
原油を調達・精製して石油製品を国内外に供給する川中・川下統合型の石油元売りであり、ガソリン・軽油・灯油・重油・ジェット燃料が収益の主軸をなす。昭和シェル石油との経営統合により、apollo・出光・シェルの三系統サービスステーション網を有し、国内ブランド多様性では業界随一のポジションを確立している。潤滑油・液晶配向膜・SAF・石炭・LNGなど非精製事業が収益分散に貢献しており、全固体電池材料は将来の高付加価値事業として開発投資が進む。
三ブランドSS網
apollo・出光・シェルの異なる顧客層・立地特性を持つサービスステーション網は、統合後も独立ブランドを維持することで地域シェアを最大化する戦略的資産である。新規参入者が同等の物理インフラを短期間で構築することは経済的に非現実的であり、規模の参入障壁として機能する。
精製インフラと技術蓄積
国内主要拠点に配置された大規模精製設備は、高付加価値製品への転換オプションを内包するコア資産である。液晶配向膜・潤滑油添加剤など機能化学品の製造技術は長年の研究開発投資によって蓄積されており、容易に模倣できない知的資産として差別化を支える。
LNG・石炭サプライチェーン
長期契約に基づくLNG・石炭の上流権益と調達網は、エネルギー安全保障の観点から国内顧客への供給安定性を担保し、スイッチングコストを高める。エネルギー転換期においても電力・産業用途でのLNG需要は相当期間持続すると見込まれる。
SAF・全固体電池材料への転換
バイオ由来持続可能航空燃料は国際航空脱炭素規制の強化を追い風に需要拡大が見込まれ、既存の精製インフラを活用した製造は競合優位を生む可能性がある。全固体電池向け硫化物系電解質材料は次世代EV普及と連動するグロースドライバーであり、量産化が実現すれば精製事業の収益低迷を補う高マージン事業へと育つポテンシャルを秘める。
海外・機能化学品事業の拡張
液晶配向膜は国内外の液晶パネル向けに高いシェアを有しており、次世代ディスプレイ材料への展開が成長の継続性を支える。新興国を中心とした海外石油需要は先進国よりも緩やかな減衰が見込まれ、輸出・現地事業の拡張が国内需要減少をある程度緩和する。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
原油調達コストはドル建てであり、販売価格との時間的ズレが在庫評価損益を生む構造は不変である。円安局面ではコスト増が利幅を圧迫し、逆に円高では売上高の目減りが生じるため、為替ヘッジのコストと有効性が常に経営課題となる。
国内外のカーボンプライシング強化・EV普及加速・省エネ規制は石油製品需要の長期的な逓減を不可逆的なトレンドとして固定化しつつある。精製設備の稼働率低下は固定費負担を増大させ、大規模な減損計上リスクを内包する。
出光興産と昭和シェル石油は企業文化・意思決定プロセスが異なる組織であり、統合後のシナジー実現には継続的な組織マネジメントコストが伴う。大株主間の利害調整が戦略的意思決定の機動性を制約するリスクも否定できない。
中東・ロシアなど地政学的緊張地域からの原油・LNG調達に依存する構造は、供給途絶・価格急騰のテールリスクを恒常的に内包する。エネルギー安全保障を巡る国際情勢の不安定化は調達コストの予測可能性を低下させる。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
硫化物系固体電解質は全固体電池の実用化に向けた重要部材であり、出光の材料化学技術が量産コスト競争力を持つ水準に達した場合、EV市場の拡大と直結した急成長事業に転化する。国内外の電池メーカーとの戦略的パートナーシップ締結は事業化加速の鍵となる。
航空業界の脱炭素義務化に伴うSAF需要は中長期で急拡大が見込まれており、既存精製インフラを活用したバイオ由来SAF製造は投資効率の高い転換戦略となりうる。政府のSAF普及支援策・国際航空燃料規制は追い風として作用し、早期の商業量産体制確立が市場シェア獲得の前提条件となる。
配当政策は原油価格サイクルに対して一定の安定性を意識した設計となっており、高配当利回りがバリュー投資家にとっての下値サポートとして機能する局面が多い。資本配分においては設備更新・脱炭素転換投資と株主還元のバランスが課題であり、ROEの安定的改善には非燃料事業の利益貢献拡大が不可欠である。セクター平均と比較したPBRの低位は解散価値との乖離を示唆する一方、精製資産の座礁リスクが割引要因として市場に織り込まれている。
リスク耐性スコア 4/10 より算出
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2025年度 3,582億円 / 2024年度 3,116億円 / 2023年度 372億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥36。成長率は過去DPS CAGR(10年=11.9%、直近3年=1.9%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(8年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,287、配当性向46%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥188、総合スコア3.2から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.68倍、現BPS=¥1,287。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥188。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 6.86% | 10.36% | 14.86% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥599 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥599 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 0.0%、直近売上成長 1.9%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (41%) | 中立 (27%) | 楽観 (32%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥262 | ¥462 | ¥878 | ¥513 |
| 残余利益 | ¥550 | ¥1,261 | ¥2,189 | ¥1,266 |
| PERマルチプル | ¥1,128 | ¥1,692 | ¥2,632 | ¥1,762 |
| PBR分位法 | ¥727 | ¥872 | ¥1,050 | ¥870 |
| PER分位法 | ¥1,055 | ¥1,418 | ¥2,581 | ¥1,641 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥1,210 | ||
¥744 FV¥1,210 割高
¥1,866 ¥2,333