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FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
日本製鋼所(JSW)は1907年創業の重工業メーカーで、主力3事業を擁する。①産業機械・プラスチック機械事業では二軸スクリュー押出機などを世界市場に供給。②素材・エネルギー事業では大型鍛鋼品(原子力圧力容器、石油精製装置向け)を製造し、世界屈指の鍛造能力を保有。③防衛事業では陸上自衛隊向け戦車砲・艦艇用砲システムを国内唯一の主要サプライヤーとして供給する。売上は2,000〜2,500億円台で推移し、防衛費増額と原子力回帰を追い風に収益拡大局面にある。
①大口径砲身・鍛鋼品の唯一無二の製造能力
艦艇用・戦車用大口径砲身は国内で日本製鋼所のみが量産できる。高圧・高温に耐える大型鍛鋼品の製造には専用の設備と数十年にわたる技術蓄積が不可欠で、新規参入は現実的でない。防衛省との長年の取引関係が認定・仕様策定面でも優位性を高めている。
②原子力圧力容器製造の世界的認定資格
原子炉圧力容器の製造には国際規格(ASME等)の認証と厳格な品質管理が必要。JSWは世界で数少ない認定取得メーカーとして、国内外の原子力プロジェクトに採用実績を持つ。一度確立したサプライヤー地位は規制上・品質保証上の理由から容易に代替されない。
③二軸スクリュー押出機のグローバルシェア
プラスチック機械事業で展開する二軸スクリュー押出機は、樹脂コンパウンド・電池材料・食品加工向けに世界上位シェアを持つ。素材との相性を熟知した設計力と長年の顧客関係がリプレース需要を取り込み続けており、後発参入者が模倣困難なアプリケーション知見が差別化要因となっている。
中期見通し
2〜3年の視点では防衛費増額(GDP比2%目標)を背景に砲身・弾薬関連の受注残が急拡大しており、売上・利益ともFY2025比で10〜20%超の上積みが期待される。原子力分野でも既存炉の長期運転認可に伴うメンテナンス需要が増加し、圧力容器の更新・補修案件が顕在化しつつある。プラスチック機械もEV・軽量化素材向けの旺盛な設備投資需要を取り込み安定成長が続く見通し。
長期構造的トレンド
5〜10年スパンでは、脱炭素政策下での原子力新設・SMR(小型モジュール炉)普及が圧力容器需要を構造的に押し上げる。防衛面では安全保障環境の緊迫化により同盟国・友好国への装備移転が拡大し、砲身・艦砲の輸出市場が開かれる可能性がある。素材のハイエントロピー合金・複合材料への応用展開も中長期の収益源として育成中。これらは現在の事業規模を大きく超えるアドレス可能市場を示唆する。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
政権交代や財政悪化により防衛費増額計画が見直された場合、砲身・防衛システムの発注が急減する。売上の2割超を占めるとみられる防衛事業への依存は業績変動を増幅させる可能性がある。
自己資本比率が極めて低水準で、FY2025のOCF・FCFがマイナスに転じている。設備投資の拡大が長期化した場合、外部資金調達コスト上昇や財務制約が経営の機動性を損なうリスクがある。
大規模事故や政権交代で原子力推進政策が後退すれば、圧力容器需要が長期停滞する。電力会社の再稼働判断の遅れも設備投資抑制につながり、素材・エネルギー事業の収益を圧迫する。
鍛鋼品製造はエネルギー集約型であり、電力・天然ガス価格の高騰は製造コストを直撃する。原材料となる特殊鋼価格の上昇分を価格転嫁できない場合、利益率が圧縮されるリスクがある。
プラスチック機械の輸出比率は高く、円高進行時には海外売上の円換算額が目減りする。ただし為替ヘッジや現地調達の活用により、影響は他の輸出製造業と比較して限定的とみられる。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
防衛装備移転三原則の緩和・解禁が進めば、同盟国・友好国向けに砲身・艦砲システムの輸出が可能になる。国内生産能力を活かした輸出拡大は売上規模を大幅に引き上げるポテンシャルを持つ。
小型モジュール炉(SMR)の商用化が進めば、圧力容器の新規需要が世界規模で創出される。認定済みサプライヤーとしての先行優位を活かして、国内外プロジェクトへの採用拡大が期待できる。
航空宇宙・エネルギー分野向けハイエントロピー合金や炭素繊維複合材の量産技術開発を推進している。実用化が加速すれば既存鍛鋼品に次ぐ新たな高付加価値収益源となる可能性がある。
配当はFY2019の55円を底に、FY2021の35円(減配)を経てFY2025の86円まで回復・増配基調が続いている。業績連動型の配当方針を採用しており、利益成長に応じた増配が期待できる。自社株買いは大規模なものは実施されていないが、今後の財務体質改善と利益積み上げ次第では還元強化の余地がある。株主優待制度は設定されておらず、配当利回りは現在株価比で約0.9%と低水準にとどまる。
リスク耐性スコア 5/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -168億円 / 2024年度 149億円 / 2023年度 0億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥86。成長率は過去DPS CAGR(10年=7.9%、直近3年=14.7%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(14年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,625、配当性向35%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥272、総合スコア6.8から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.49倍、現BPS=¥2,625。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥272。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 6.59% | 10.09% | 14.59% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥3,008 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥3,008 | ||
| スタート時の状態 | C(名目永続成長率 1.0%、直近売上成長 7.3%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (30%) | 中立 (45%) | 楽観 (25%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥1,136 | ¥2,530 | ¥7,665 | ¥3,396 |
| 残余利益 | ¥1,297 | ¥4,304 | ¥10,996 | ¥5,075 |
| PERマルチプル | ¥2,717 | ¥4,347 | ¥7,064 | ¥4,537 |
| PBR分位法 | ¥3,050 | ¥3,919 | ¥6,583 | ¥4,324 |
| PER分位法 | ¥4,919 | ¥7,785 | ¥12,374 | ¥8,072 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥5,081 | ||
¥2,624 FV¥5,081 割高
¥8,936 ¥11,170