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FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
株式会社しずおかフィナンシャルグループは静岡銀行を中核とする地方銀行持株会社で、静岡県全域を主要営業基盤としている。個人・法人向け預貸金業務を主力とし、有価証券運用や投資信託・保険の窓口販売など非金利収益も手がける。2025年3月期の連結売上高は3,413億円、純利益746億円で増益基調が続いており、日銀の政策金利正常化を追い風に利ざや改善が進んでいる。グループには静岡銀行のほか証券・リース・カード会社などが含まれ、総合金融サービス体制を構築している。
①静岡県内の圧倒的な顧客基盤
静岡銀行は静岡県内の貸出・預金シェアで首位を維持しており、数十年にわたって構築した法人取引先ネットワークと個人顧客基盤は地域内で他行が短期間に代替できない強固な参入障壁を形成している。
②ブランド認知と地域信頼
「しずぎん」ブランドは静岡県民に深く浸透しており、地元中堅・中小企業のメインバンクとしての地位は長期間にわたり維持されてきた。信頼と実績に基づく顧客ロイヤルティは新規参入者に対する有効な競争障壁となっている。
③物理的ネットワークと地域密着体制
県内に張り巡らせた支店・ATMネットワークと地域に根ざした営業担当者網は、デジタルのみのサービスでは代替しにくい利便性と信頼を提供する。地域事業者支援や自治体との連携も競合との差別化要因となっている。
中期見通し
日銀が利上げ路線を継続する場合、2026〜2027年にかけて貸出金利の段階的上昇と有価証券ポートフォリオの利回り改善が純利息収入を押し上げる見通し。2025年3月期の純利益746億円を基準に、2〜3年で800〜900億円台への到達は現実的なシナリオといえる。非金利収入の拡大に向けたフィンテック提携や資産運用サービス強化も中期計画に盛り込まれている。
長期構造的トレンド
静岡県の人口は長期的な減少トレンドにあり、オーガニックな貸出成長の上限は低い。しかし事業承継・M&Aアドバイザリーや資産管理ニーズの拡大は地方銀行に新たな手数料収入機会をもたらす。また脱炭素・グリーンファイナンス分野での融資拡大や、インバウンド需要回復に伴う地域経済活性化は中長期的な貸出需要を下支えすると見られる。デジタルトランスフォーメーション投資による業務効率化もコスト構造改善に寄与する見込みである。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
日銀が利上げを停止または逆転させた場合、利ざや改善効果が剥落し純利息収入が大幅に減少する。現在の収益計画の多くが金利正常化を前提としており、政策変更は業績予想の下方修正につながる可能性が高い。
景気後退局面で静岡県の中小企業を中心に不良債権が増加した場合、貸倒引当金の積み増しが純利益を圧迫する。コロナ禍の政府支援終了後の企業財務悪化が顕在化するタイミングには特に注視が必要である。
保有する国債・株式ポートフォリオは金利上昇局面で含み損が発生しやすく、評価損の拡大が自己資本に影響を与える可能性がある。特に超長期国債の保有比率が高い場合、金利感応度が大きくなる。
フィンテック企業やデジタルバンクが地方銀行の顧客基盤に侵食するリスクが高まっている。若年層を中心とした取引のデジタルシフトに対応できなければ、中長期的な顧客離れが進む可能性がある。
静岡県の人口・事業所数の長期的な減少は貸出需要の構造的な頭打ちをもたらす。ただし短期的なインパクトは小さく、資産規模の維持は当面可能と見られるため低リスクと位置付ける。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
日銀が追加利上げを実施した場合、貸出金利と有価証券利回りの上昇が純利息収入を直撃する形で押し上げる。現状の金融政策正常化トレンドが続けば、2〜3年で純利益が大幅に拡大し株価の再評価につながる可能性がある。
PBR0.6倍前後という低バリュエーションは自己株取得や増配による株主還元強化で解消余地がある。ROE改善に向けた具体的な数値目標を掲げれば機関投資家の評価が高まり、株価の上方修正が期待できる。
地域の事業承継・M&A需要や富裕層向け資産運用ニーズの取り込みにより非金利収入を底上げできれば、金利感応度が低下し収益の安定性が向上する。手数料ビジネスの拡大は長期的な企業価値向上に寄与する。
2025年3月期のDPSは60円で前期比大幅増配を実現した。グループは利益成長に連動した累進的な配当方針を志向しており、配当性向の引き上げも視野に入れている。自己株取得についても機動的な実施を検討しており、PBR改善を意識した資本効率向上策が株主還元の柱となっている。利上げ局面での純利益拡大が配当原資の持続的な増加につながるため、増配余力は中期的に高まる方向と評価できる。
リスク耐性スコア 6/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -5,045億円 / 2024年度 -1,234億円 / 2023年度 -4,993億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥60。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,133、配当性向44%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥136、総合スコア5.8から指数関数的に倍率算出。
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(長期データ不足(10年未満))
黒字年の長期データ不足のためPER法による価値算定を見送り
| 評価モデル | 悲観 (29%) | 中立 (48%) | 楽観 (23%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥471 | ¥891 | ¥1,864 | ¥993 |
| 残余利益 | ¥1,049 | ¥2,869 | ¥4,957 | ¥2,821 |
| PERマルチプル | ¥1,227 | ¥1,909 | ¥3,000 | ¥1,962 |
| PBR分位法 | — | — | — | — |
| PER分位法 | — | — | — | — |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥1,925 | ||
¥916 FV¥1,925 割高
¥3,274 ¥4,093
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