6103
FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
オークマ株式会社(6103)は愛知県丹羽郡に本社を置く工作機械の総合メーカー。マシニングセンタ、旋盤、複合加工機などを主力とし、自動車部品・航空機・半導体製造装置・医療機器など幅広い産業向けに供給する。最大の特徴は、工作機械を制御するCNCコントローラ「OSP」を自社開発・内製している点であり、ハードウェアとソフトウェアの一体設計による高精度・高信頼性が顧客から支持されている。直近7期の売上高は1,234億円(FY2021)から2,280億円(FY2024)まで大きく変動しており、製造業の設備投資サイクルへの依存度が高い事業構造を持つ。FY2025は2,068億円と前期比減収となり、景気調整局面にある。
①CNCコントローラ内製化による技術優位
国内工作機械メーカーの大半がファナック等外部製CNCを採用する中、オークマは「OSP」を独自開発・内製。機械設計と制御ソフトを一体最適化できるため、精度・応答速度・使い勝手で差別化を図る。顧客側の操作習熟・ライン組み込みノウハウが積み上がるほどスイッチングコストが上昇する。
②グローバルサービスネットワーク
日本・北米・欧州・アジアに展開するアフターサービス網は、工作機械の稼働率を最大化したい製造業ユーザーにとって重要な購買決定要因。導入後の定期保守・遠隔診断・部品供給体制が競合との差別化につながり、安定した保守収入も業績のバッファとなる。
③スマートファクトリー対応「Connect Plan」
IoT連携プラットフォーム「Connect Plan」による工場全体の生産管理・予知保全サービスは、単なる機械販売からソリューション提供への転換を図るもの。デジタル付加価値による競争力強化と継続課金収入の創出が、将来の収益構造改善に寄与する可能性がある。
中期見通し
FY2025の受注鈍化・減収は景気調整局面と自動車EV移行の不確実性が背景。ただし自動車部品以外の航空機・防衛・医療・半導体装置分野からの受注は底堅く、2〜3年の視野では製造業設備更新需要の回復とともに売上・利益の回復が見込まれる。営業利益率の回復(目標10%以上)が株価再評価の鍵を握る。
長期構造的トレンド
製造業のスマートファクトリー化・自動化加速、インド・東南アジアなど新興国の工業化進展、航空機生産の本格回復、再生可能エネルギー設備(風力・水力)部品加工需要の拡大など、5〜10年単位での工作機械需要の構造的底上げが期待される。特にインド市場での現地生産・販売強化が次の成長軸として注目される。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
景気後退や地政学リスクによる製造業の設備投資抑制は、受注・売上の急激な落ち込みに直結する。FY2021には売上が2年前比40%超減少した実績があり、業績のボラティリティが高い。
内燃機関部品の加工需要はEV普及とともに長期的に縮小する見込み。エンジン・トランスミッション向け工作機械需要の代替として電池・モーター部品向けへの転換が求められるが、移行期の需要空白リスクが存在する。
中国・韓国の工作機械メーカーが技術力を高め、中価格帯市場でのコスト競争が激化している。新興国市場でのシェア維持には価格競争力強化と現地調達コスト削減が不可欠となる。
鋼材・鋳物・電子部品など主要材料の価格上昇が製造コストを押し上げる。半導体不足の再燃や地政学的リスクによるサプライチェーン混乱が生産計画に影響を及ぼす可能性がある。
輸出比率が高く、円高進行は海外売上の円換算額を押し下げる。一方、円安は輸出競争力向上に寄与するため、為替変動の影響は二方向性を持つが、急激な円高は短期的な業績下振れ要因となりうる。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
工場自動化・IoT化の加速により、単体機械販売からシステム・ソリューション提供への移行が進む。「Connect Plan」などデジタルサービスの拡充により高付加価値化と継続収入の確保が期待される。
インドの製造業振興政策「Make in India」やASEANの工業化加速を受け、現地での工作機械需要が拡大中。現地拠点整備と販売網強化による新興国市場シェア拡大が中期成長ドライバーとなりうる。
民間航空機の生産回復と防衛費増加を背景に、チタン・炭素繊維複合材等の高難易度加工向け高精度工作機械の需要拡大が期待される。付加価値の高い航空・防衛向け製品比率の向上が収益性改善に寄与する。
オークマの配当政策は業績連動を基本としつつも、急激な減配を避ける安定配当志向を持つ。FY2021の業績急落時でもDPS¥18を維持し、FY2023〜FY2024の好業績期には¥90〜¥100に引き上げた。FY2025もDPS¥100を予定し、配当利回りは約2.2%。自社株買いは機動的に実施される場合があるが規模は限定的。中長期的な利益成長に伴う増配継続が株主還元の主軸となる方針。
リスク耐性スコア 6/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 25億円 / 2024年度 -73億円 / 2023年度 95億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥100。成長率は過去DPS CAGR(10年=12.9%、直近3年=30.5%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥3,759、配当性向63%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥315、総合スコア6.0から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.09倍、現BPS=¥3,759。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥315。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 6.59% | 10.09% | 14.59% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥2,370 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥2,370 | ||
| スタート時の状態 | C(名目永続成長率 1.0%、直近売上成長 7.0%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (35%) | 中立 (33%) | 楽観 (32%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥1,440 | ¥3,501 | ¥10,885 | ¥5,143 |
| 残余利益 | ¥1,839 | ¥4,782 | ¥9,064 | ¥5,122 |
| PERマルチプル | ¥2,834 | ¥4,409 | ¥7,243 | ¥4,765 |
| PBR分位法 | ¥3,380 | ¥4,094 | ¥5,302 | ¥4,231 |
| PER分位法 | ¥3,609 | ¥4,977 | ¥6,760 | ¥5,069 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥4,866 | ||
¥2,620 FV¥4,866 割高
¥7,851 ¥9,814