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FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
株式会社FUJIは愛知県に本社を置く産業機械メーカーで、電子部品実装装置(表面実装機・マウンター)を中核事業とする。スマートフォン・自動車・産業機器向けの基板実装工程に使用される装置を国内外に供給し、顧客の生産性向上・省人化を支援する。近年は産業用ロボット分野にも注力し、FAシステム全体のソリューション提供企業への転換を目指している。売上高は1,200〜1,500億円規模で、主要顧客はEMS企業・自動車部品メーカー・電機メーカーなど多岐にわたる。
①長年の技術蓄積と製品信頼性
表面実装機メーカーとして数十年の実績を持ち、高精度・高速実装の技術ノウハウが社内に蓄積されている。既存顧客との密着型アフターサービス体制が乗り換えコストを高め、継続受注につながる固有の強みとなっている。
②産業用ロボットとの統合ソリューション
実装装置単体にとどまらず、搬送・検査・ロボットを組み合わせたラインソリューションを提供できる体制を整えている。ワンストップ対応力が顧客のシステムインテグレーション負担を軽減し、競合他社との差別化要因となる。
③国内外サービスネットワーク
アジア・欧米に拠点を持ち、導入後の保守・サービス対応をグローバルに展開。製造装置はダウンタイムが直接損失に直結するため、迅速なサポート体制は競争上重要であり、新規参入者が短期間で構築しにくい参入障壁となっている。
中期見通し
FY2024〜2025は売上1,270〜1,274億円と横ばい推移で調整局面にある。スマートフォン需要の一服やEV生産計画の見直しが設備投資の慎重化につながっている。ただしFY2025〜2026にかけて半導体後工程投資の再加速や自動車電動化向け設備需要の回復が見込まれ、売上の漸増と営業利益率改善が期待される。
長期構造的トレンド
製造業の自動化・省人化ニーズは人口減少が続く日本および人件費上昇が進む新興国において不可逆的なトレンドである。EVシフトに伴うバッテリーパック・パワーエレクトロニクス製造ラインの新設需要、半導体パッケージングのFA化が10年単位の成長ドライバーとなる。産業用ロボット市場の拡大も同社の事業領域拡張を後押しする長期テーマとして注目される。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
顧客の資本投資は景気・需要見通しに連動して大きく振れる。リセッション局面やEV需要の失速が発生した場合、受注が急減し売上・利益が急激に悪化するリスクが高い。FY2023→2025の減益がその典型例。
表面実装機市場はヤマハ発動機・パナソニックなど国内勢に加え、ASMやSIEMENSなどグローバル競合も存在する。価格競争が激化すれば利益率が圧迫され、受注維持のためのディスカウントが財務に悪影響を与えるリスクがある。
売上の一定割合を海外が占めるため、円高局面では海外売上の円換算額が目減りする。また部材の輸入コスト増も円安時に発生しうる。為替ヘッジの状況次第では業績への影響が拡大する可能性がある。
自社製品に搭載する電子部品や制御半導体の調達に支障が生じた場合、製品の出荷遅延や製造コスト増につながるリスクがある。地政学リスクや自然災害によるサプライチェーン断絶が顕在化した場合の影響は中程度と判断。
高精度機械加工・ソフトウェア開発・サービスエンジニアなど専門人材の確保が長期的な課題。少子化に伴う国内採用難や技術者の高齢化が進む中、技術伝承の遅れが製品競争力に影響する可能性はあるが、顕在化は中長期的。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
電気自動車の普及に伴うバッテリーセル・モジュール製造ラインおよびパワーエレクトロニクス基板の実装設備需要は中期的に大幅拡大が期待される。同社の実装装置・搬送ロボットが採用されれば大型受注につながる可能性が高い。
チップレット・HBMなど先端半導体パッケージングの普及に伴い、高精度実装・検査装置への需要が拡大している。同社が技術力を磨き半導体後工程市場へ参入を深化させれば、新たな高付加価値市場の開拓が可能となる。
人手不足が深刻な食品・物流・医療分野向け産業ロボットへの展開が進めば、既存の電子機器製造向け以外の新市場を獲得できる。現在は展開途上だが、長期的には事業ポートフォリオの多様化と収益安定化に貢献しうる機会と捉えられる。
配当はFY2019〜2020は¥50、FY2021に¥50維持後FY2022に¥70へ増配、以降FY2023〜2025は¥80で安定配当を継続している。業績が減益となったFY2024〜2025においても減配せず株主還元の継続を優先する姿勢は評価に値する。自社株買いについては情報が限定的だが、配当利回りは現在株価¥6,068に対して約1.3%程度と高くはないものの、安定性と継続性は確保されている。今後の業績回復局面での増配余地に期待したい。
リスク耐性スコア 5/10 より算出
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2025年度 120億円 / 2024年度 178億円 / 2023年度 72億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥80。成長率は過去DPS CAGR(10年=15.3%、直近3年=4.6%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(10年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,398、配当性向67%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥220、総合スコア5.4から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.03倍、現BPS=¥2,398。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥220。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 6.59% | 10.09% | 14.59% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥1,928 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥1,928 | ||
| スタート時の状態 | C(名目永続成長率 1.0%、直近売上成長 9.7%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (36%) | 中立 (30%) | 楽観 (34%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥761 | ¥1,455 | ¥3,402 | ¥1,867 |
| 残余利益 | ¥1,107 | ¥2,820 | ¥5,007 | ¥2,947 |
| PERマルチプル | ¥1,758 | ¥2,856 | ¥4,614 | ¥3,058 |
| PBR分位法 | ¥2,104 | ¥2,465 | ¥2,754 | ¥2,433 |
| PER分位法 | ¥2,488 | ¥3,362 | ¥5,630 | ¥3,818 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥2,825 | ||
¥1,644 FV¥2,825 割高
¥4,281 ¥5,351