6368
FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
オルガノ株式会社(東証プライム・6368)は、半導体製造・医薬・食品・発電所向けを中心とした水処理装置・超純水製造装置のエンジニアリング専業メーカーである。事業は大きくFA(機能水・超純水装置)とIA(産業水処理装置)に分類され、装置の設計・製造・施工から運転保守・薬品供給まで一貫して提供する。栗田工業と並ぶ国内二強の一角として高い市場認知度を持ち、特に半導体向け超純水分野では技術品質と納入実績で高い評価を得ている。近年は半導体工場の国内回帰を追い風に業績が急拡大しており、売上・利益ともに最高水準を更新中だ。
①超純水技術の参入障壁
超純水装置は数ppbレベルの不純物管理が要求され、製品認定には半導体メーカーとの長期共同開発と厳格なバリデーション工程が必要。新規参入者が顧客承認を得るには数年単位の実績構築が不可欠であり、オルガノの技術・納入実績は強固な参入障壁を形成している。
②メンテナンス・薬品のスイッチングコスト
装置納入後の定期点検契約・消耗品・処理薬品供給が継続的な収益源となる。稼働中の装置を別メーカーのサポートに切り替えるにはリスクとコストが大きく、顧客の囲い込みが実現している。このストック型収益がEPCビジネスの変動を平滑化し、安定した利益基盤を支えている。
③国内二強の寡占体制
水処理エンジニアリング市場は栗田工業とオルガノの二社が圧倒的シェアを持つ寡占構造であり、価格競争が過度に激化しにくい。大型プロジェクトの実績・技術者の育成・部材調達網の整備など、規模の経済が働く領域であり、中小業者の参入余地は限られている。
中期見通し
TSMC熊本第2工場(2027年稼働予定)・ラピダス千歳(2027年量産目標)・キオクシア四日市増強など国内半導体投資の大型案件が続く見通しで、超純水・廃水処理設備の新規受注は2026〜2028年も高水準を維持する可能性が高い。現在の受注残高が積み上がっている状況下、EPS成長は2桁ペースで継続が期待される。
長期構造的トレンド
半導体の微細化・3D化が進むほど製造工程の水質要件は厳格化し、超純水設備の高度化需要が継続的に生まれる。また水資源の希少化・排水規制強化・カーボンニュートラル対応(水電解・冷却水管理)といった社会課題が水処理全般の市場拡大を後押しする。東南アジアの半導体・製薬工場向け海外展開も5〜10年スパンでの成長ドライバーとなりうる。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
国内半導体工場(TSMC・ラピダス等)の建設遅延や投資縮小が生じた場合、超純水装置の受注・売上が大幅に下振れするリスクがある。業績の半導体依存度が高まっているため、同セクターの景気サイクルの影響を強く受ける。
EPCビジネスは受注時に固定価格を設定するケースが多く、工事期間中の資材費・人件費上昇が採算悪化に直結する。インフレや鋼材・電子部品の価格高騰が利益率を圧迫するリスクは常に存在する。
大型案件が重複した場合、熟練エンジニアや工事会社の確保が困難になり、工期遅延や品質問題が発生しうる。採用難が続く国内建設業界の人手不足は中期的な成長制約要因となる可能性がある。
国内市場の拡大に伴い海外メーカーや新興勢力が参入を試みる可能性がある。また同等技術を持つ栗田工業との価格競争が激化すれば利益率の維持が難しくなる局面もありうる。
海外売上比率は低いものの、輸入部材・海外調達コストへの為替影響は無視できない。円安が続く場合は原価上昇要因となるが、現状の事業構造では為替リスクは限定的。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
政府支援を背景とした半導体工場の追加投資・前倒し稼働が実現すれば、受注残の急増と利益率の大幅改善が期待できる。ラピダス量産化の成功など想定外の需要増は株価の大幅な上振れトリガーになりうる。
水電解による水素製造や燃料電池冷却水管理には超高純度の純水が必要であり、脱炭素政策の加速に伴いオルガノの技術が新市場に展開できる可能性がある。中期的な売上多角化に貢献しうる成長分野。
半導体・製薬工場の建設が活発な東南アジア・インドでの水処理需要は中長期で拡大余地がある。国内実績を背景に海外売上比率を高めることができれば、業績の地域多角化と追加成長が実現する。
オルガノは業績連動型の配当方針を採用しており、FY2019の18円からFY2025の160円まで6年間で約9倍の増配を実現してきた。配当性向は概ね30%台で推移しており、利益成長に伴う増配余地が引き続き大きい。自社株買いは機動的に実施されており、総還元性向の向上が継続的なカタリストになりうる。半導体向け受注が高水準で続く間はFCFの増大が見込まれ、還元強化の原資も確保されやすい状況にある。
リスク耐性スコア 6/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 190億円 / 2024年度 23億円 / 2023年度 -198億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥160。成長率は過去DPS CAGR(10年=24.9%、直近3年=58.7%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(13年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,631、配当性向30%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥525、総合スコア7.2から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.99倍、現BPS=¥2,631。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥525。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 6.59% | 10.09% | 14.59% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥4,031 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥4,031 | ||
| スタート時の状態 | 成長(名目永続成長率 1.0%、直近売上成長 12.3%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (34%) | 中立 (43%) | 楽観 (23%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥4,296 | ¥17,786 | ¥99,354 | ¥31,960 |
| 残余利益 | ¥1,189 | ¥4,119 | ¥9,921 | ¥4,457 |
| PERマルチプル | ¥5,779 | ¥8,931 | ¥14,185 | ¥9,068 |
| PBR分位法 | ¥1,889 | ¥2,603 | ¥3,789 | ¥2,633 |
| PER分位法 | ¥6,760 | ¥9,324 | ¥13,618 | ¥9,440 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥11,512 | ||
¥3,983 FV¥11,512 割高
¥28,173 ¥35,216