6432
FY2026実績
純利益
FY2026実績
比率
FY2026
株式会社竹内製作所(6432)は長野県塩尻市に本社を置くコンパクト建設機械の専業メーカーである。主力製品はミニショベル(コンパクトトラックエクスカベーター)、クローラーローダー、ホイールローダーなど小型重機全般で、世界で初めてクローラーローダーを商品化した技術的先駆者でもある。売上高の約9割以上を欧米向け輸出が占め、北米・英国・欧州大陸に整備した独自の販売代理店ネットワークを通じて建設業者・農業事業者・造園業者などに直接販売している。直近7期で売上高は約1,100億円から2,100億円超へと倍増し、営業利益率も10%台後半を安定的に維持している。円安の恩恵を受けながら製品競争力の強化を続け、グローバルニッチトップとしての地位を固めている。
①欧米ディーラーネットワーク
1970年代から欧米市場への輸出を続けることで構築した密接なディーラー・販売代理店との関係は、新規参入者が短期間で模倣できない参入障壁となっている。長年の取引実績に基づく信頼関係は部品供給・アフターサービス網にまで及び、顧客の乗り換えコストを高めている。
②コンパクト機械の技術蓄積
世界初のクローラーローダー開発に象徴される独自の油圧・機体設計技術は40年超の開発で深化している。小型化・軽量化・高出力化を両立する設計ノウハウは特許群に裏付けられており、中大型機械メーカーが容易に参入できないニッチ技術領域を形成している。
③専業集中によるコスト競争力
コンパクト建設機械に経営資源を集中することで、部品の標準化・共通化が進み、製造コストの低減と品質の安定化を同時に実現している。大手総合建機メーカーと比較して意思決定が速く、顧客ニーズへの対応スピードでも優位性を持つ。
中期見通し
北米では住宅着工回復とインフラ法による公共投資が小型建機需要を押し上げる見通しである。欧州でも脱炭素目的の土木工事や農業の機械化需要が底堅い。2〜3年の視野では売上2,200〜2,400億円、営業利益380〜420億円程度の漸増が予想されるが、為替次第では上振れ・下振れリスクが大きい。在庫調整局面が一巡すれば、FCFの回復がキャッシュアロケーションの自由度を高める。
長期構造的トレンド
建設現場の省人化・効率化ニーズを背景に、コンパクト重機は中長期的に需要拡大が見込まれる。特に欧米での高齢化に伴う労働力不足は、狭所作業に適した小型機械の普及を加速させる。また電動化・自動化トレンドへの対応として電動ミニショベルの開発・投入が進んでおり、規制強化が進む欧州都市部での競争優位に繋がる可能性がある。新興市場(東南アジア等)への展開余地も長期的な成長オプションとして存在する。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
売上高の約9割が海外向けのため、円高が急速に進行した場合に円換算売上高・利益が大きく目減りするリスクがある。為替ヘッジは限定的で、1円の円高が数億円規模の営業利益減少に直結する構造を持つ。
建設機械はサイクリカル業種であり、北米住宅着工や欧州景況感が悪化した局面では受注が急減しやすい。過去の景気後退時(リーマンショック等)には売上が30〜40%減少した実績もあり、業績変動リスクは高い。
コマツ・ヒタチ・キャタピラー等の大手建機メーカーがコンパクト機械ラインを強化した場合、価格競争・ブランド力で圧力を受けるリスクがある。大手の販売網や資金力は長期的に競争環境を厳しくする可能性がある。
鉄鋼・油圧部品・半導体等の調達コスト上昇は製造原価を押し上げ、利益率を圧縮する。グローバルサプライチェーンの混乱が長期化した場合、生産計画の遅延や追加コストが生じるリスクがある。
欧州を中心に排ガス規制が強化される中で、電動建機への移行対応が競合に対して遅れた場合、中長期的な市場シェア低下リスクがある。電動化には大規模な研究開発投資が必要であり、収益への短期的な重しとなる可能性もある。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
米国のインフラ投資雇用法(IIJA)およびインフレ抑制法(IRA)に基づく公共投資・再生可能エネルギー関連工事が中期的に建設機械需要を下支えする。コンパクト機械は工事の最終段階や狭所作業に不可欠であり、特需の恩恵を受けやすい。
欧州都市部の排ガス規制強化を受け、電動ミニショベル市場が急拡大しつつある。竹内製作所が既に電動機の試作・販売を進めており、早期に市場シェアを確立できれば高付加価値製品での競争優位を獲得できる可能性がある。
インフラ整備が進む東南アジア・南アジア市場では、コンパクト建機の普及余地が大きい。現在の売上は欧米偏重であるため、新興国市場の開拓が成功すれば収益の地域分散と長期的な成長エンジンとなり得る。
竹内製作所は業績に連動した累進配当方針を採用しており、FY2019に45円だったDPSはFY2025には200円と約4.4倍に増加した。配当性向は概ね35〜40%の範囲で管理され、財務の健全性を保ちながら還元を拡充している。株主優待制度は設けていないものの、増配の継続と機動的な自己株式取得を組み合わせた総還元型のアプローチを取っており、中長期投資家にとって魅力的な還元水準を維持している。今後も利益成長が続く限り増配基調が継続する公算が高い。
リスク耐性スコア 5/10 より算出
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2026年度 191億円 / 2025年度 59億円 / 2024年度 169億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥210。成長率は過去DPS CAGR(10年=31.6%、直近3年=28.9%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥4,046、配当性向34%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥612、総合スコア6.2から指数関数的に倍率算出。
過去PBR中央値が1.5超のため、PBR法による価値算定は適していません(高ROE/成長銘柄)
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥612。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 6.59% | 10.09% | 14.59% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥6,877 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥6,877 | ||
| スタート時の状態 | C(名目永続成長率 1.0%、直近売上成長 9.1%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (35%) | 中立 (40%) | 楽観 (25%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥5,883 | ¥10,710 | ¥24,764 | ¥12,534 |
| 残余利益 | ¥1,807 | ¥5,342 | ¥11,216 | ¥5,573 |
| PERマルチプル | ¥5,507 | ¥8,567 | ¥14,074 | ¥8,873 |
| PBR分位法 | — | — | — | — |
| PER分位法 | ¥5,074 | ¥7,247 | ¥9,660 | ¥7,090 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥8,518 | ||
¥4,568 FV¥8,518 割高
¥14,929 ¥18,661