6473
FY2026実績
純利益
FY2026実績
比率
FY2026
株式会社ジェイテクト(6473)は、軸受(ベアリング)・ドライブシャフト・電動パワーステアリング(EPS)・工作機械を主力事業とする総合自動車部品・機械メーカー。光洋精工と豊田工機が2006年に合併して誕生し、トヨタグループとの連携が深い。売上の過半は自動車向けで、日本・北米・欧州・アジアに広がる生産拠点を持つグローバルサプライヤー。直近FY2025の売上は約1兆8,844億円と高水準だが、営業利益率は約2%にとどまり収益性向上が経営の最重要課題となっている。工作機械事業では高精度研削盤等も展開し、自動車以外の需要を取り込んでいる。
①トヨタグループとの深い取引関係
豊田工機を母体とするグループ企業として、トヨタ・デンソー等との長期的な取引関係を持つ。サプライヤー変更コストが高い自動車部品業界において、設計段階からの共同開発実績は安定受注の基盤となる。ただしコスト要求は厳しく、価格決定力には制約がある。
②軸受・精密機械加工の技術蓄積
光洋精工時代から100年超の軸受製造技術を持ち、超高精度・超低摩擦ベアリングの設計製造ノウハウが蓄積されている。EV用高速回転モーター向け軸受など、新たな用途への展開も進む。ただしグローバル競合との技術差別化は年々難しくなっている。
③電動ステアリング(EPS)の量産実績
電動パワーステアリングは自動運転・ADAS技術の核心部品であり、同社は早期から量産体制を整えてきた。ステアバイワイヤ等の次世代技術への対応も進めており、自動化・電動化対応という構造的需要の恩恵を受けやすい製品群を保有している。
中期見通し
FY2023〜FY2025にかけて売上は高水準を維持しているが、円安効果剥落や原材料・エネルギー費の高止まりにより利益は圧迫されている。2〜3年の視点では、自動車生産台数の回復と電動化関連製品(EPS・電動アクスル)の数量増加により、営業利益率の2〜3%台への回復が期待される。構造改革によるコスト削減も利益改善に寄与する見込みである。
長期構造的トレンド
EVシフトは軸受・ドライブシャフトの従来需要を一部縮小させる一方、電動モーター用高精度軸受・電動アクスル・ステアバイワイヤへの需要を創出する。5〜10年の視野では、CASE(Connected・Autonomous・Shared・Electric)対応部品の需要拡大が事業構造を変革しうる。ロボット・産業機械分野での軸受・精密部品需要も長期的な成長機会となる。製品ポートフォリオの電動化対応が競争力維持の鍵となる。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
売上の大半が自動車向けであり、世界的な景気後退や自動車需要の急減は直接的な売上・利益の急落につながる。FY2020には最終赤字を計上した実績があり、サイクル下落時の収益脆弱性は高い。
営業利益率2%前後という低水準が続いており、原材料・エネルギー・労務費の上昇に対してコスト転嫁が遅れると更なる利益圧迫となる。構造改革の成果が出なければ株価の再評価は難しい。
内燃機関向けのドライブシャフト・ミッション部品はEVシフトとともに需要が縮小する。電動化対応製品への転換が間に合わない場合、売上構成が悪化するリスクがある。
海外売上比率が高く、円高局面では円換算の売上・利益が目減りする。FY2024から FY2025にかけての円安メリット剥落が業績に影響した可能性があり、今後の為替動向が業績の振れ要因となる。
トヨタグループへの依存度が高く、トヨタの生産方針変更や調達戦略の転換が同社業績に大きな影響を与えうる。顧客分散は進んでいるが、トヨタ依存の構造は中長期的なリスク要因として残る。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
電動パワーステアリング・電動アクスル・高速モーター用軸受など、EV普及に伴い需要が拡大する製品群を保有。電動化加速シナリオでは売上ミックス改善と利益率向上が同時に進む可能性がある。
東証の資本コスト意識改革要求を背景に、低PBR銘柄として株主還元強化・資本効率改善の取り組みが進めば、バリュエーション是正による株価上昇が期待できる。現在の株価水準はこの余地を内包している。
製造業の自動化・ロボット化の進展に伴い、精密軸受の産業機械・ロボット向け需要が増加する。自動車依存を低下させる収益多角化の機会として中長期的なアップサイドが見込まれる。
同社の配当は業績連動を基本としつつも、FY2020の赤字期においても配当を維持するなど株主還元への一定のコミットメントを示してきた。FY2025は1株50円と直近最高水準の配当を予定しており、純利益対比では高い配当性向となっている。自社株買いは限定的であり、総還元は配当が中心。ROEは長期的に低水準にあり、資本効率改善に向けた取り組みが株主から求められている状況である。
リスク耐性スコア 5/10 より算出
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2026年度 558億円 / 2025年度 43億円 / 2024年度 831億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥60。成長率は過去DPS CAGR(10年=4.5%、直近3年=26.0%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(10年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,483、配当性向90%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥145、総合スコア5.2から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.10倍、現BPS=¥2,483。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥145。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 6.31% | 9.81% | 14.31% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥1,103 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥1,103 | ||
| スタート時の状態 | C(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 2.2%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (36%) | 中立 (30%) | 楽観 (34%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥578 | ¥1,367 | ¥3,985 | ¥1,973 |
| 残余利益 | ¥1,228 | ¥2,934 | ¥4,901 | ¥2,989 |
| PERマルチプル | ¥1,159 | ¥1,884 | ¥3,043 | ¥2,017 |
| PBR分位法 | ¥1,814 | ¥2,721 | ¥3,634 | ¥2,705 |
| PER分位法 | ¥1,684 | ¥2,488 | ¥4,805 | ¥2,986 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥2,534 | ||
¥1,293 FV¥2,534 割高
¥4,074 ¥5,093