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6473

ジェイテクト 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 自動車部品・軸受 グローバルサプライヤー・EV対応 R&I A (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
ジェイテクトは軸受(ベアリング)・ドライブシャフト・操舵システムを中核とする自動車部品大手で、トヨタグループの安定受注基盤を持つ。EV・CASE対応に向けた電動ステアリングや電動アクスル分野への注力が中期成長の柱となる。売上規模に対して営業利益率が低水準にあるため収益改善が課題であり、バリュエーション面では改善余地が大きい。
5
競争優位性
業界内MOAT
5
業界成長性
セクター動態
5
リスク耐性
財務・事業安定性
5
株主還元
配当・自社株買い
6
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.2/10
競争優位性
5
業界成長性
5
リスク耐性
5
株主還元
5
見通し
6
📋 事業内容
19,250億円
売上高
FY2026実績
120億円
親会社帰属
純利益
1,085億円
営業CF
FY2026実績
50.0%
自己資本
比率
1.5%
ROE
FY2026

株式会社ジェイテクト(6473)は、軸受(ベアリング)・ドライブシャフト・電動パワーステアリング(EPS)・工作機械を主力事業とする総合自動車部品・機械メーカー。光洋精工と豊田工機が2006年に合併して誕生し、トヨタグループとの連携が深い。売上の過半は自動車向けで、日本・北米・欧州・アジアに広がる生産拠点を持つグローバルサプライヤー。直近FY2025の売上は約1兆8,844億円と高水準だが、営業利益率は約2%にとどまり収益性向上が経営の最重要課題となっている。工作機械事業では高精度研削盤等も展開し、自動車以外の需要を取り込んでいる。

競争優位性(業界内MOAT) 5/10

①トヨタグループとの深い取引関係

豊田工機を母体とするグループ企業として、トヨタ・デンソー等との長期的な取引関係を持つ。サプライヤー変更コストが高い自動車部品業界において、設計段階からの共同開発実績は安定受注の基盤となる。ただしコスト要求は厳しく、価格決定力には制約がある。

②軸受・精密機械加工の技術蓄積

光洋精工時代から100年超の軸受製造技術を持ち、超高精度・超低摩擦ベアリングの設計製造ノウハウが蓄積されている。EV用高速回転モーター向け軸受など、新たな用途への展開も進む。ただしグローバル競合との技術差別化は年々難しくなっている。

③電動ステアリング(EPS)の量産実績

電動パワーステアリングは自動運転・ADAS技術の核心部品であり、同社は早期から量産体制を整えてきた。ステアバイワイヤ等の次世代技術への対応も進めており、自動化・電動化対応という構造的需要の恩恵を受けやすい製品群を保有している。

📈 業界の成長性・セクター動態 5/10

中期見通し

FY2023〜FY2025にかけて売上は高水準を維持しているが、円安効果剥落や原材料・エネルギー費の高止まりにより利益は圧迫されている。2〜3年の視点では、自動車生産台数の回復と電動化関連製品(EPS・電動アクスル)の数量増加により、営業利益率の2〜3%台への回復が期待される。構造改革によるコスト削減も利益改善に寄与する見込みである。

長期構造的トレンド

EVシフトは軸受・ドライブシャフトの従来需要を一部縮小させる一方、電動モーター用高精度軸受・電動アクスル・ステアバイワイヤへの需要を創出する。5〜10年の視野では、CASE(Connected・Autonomous・Shared・Electric)対応部品の需要拡大が事業構造を変革しうる。ロボット・産業機械分野での軸受・精密部品需要も長期的な成長機会となる。製品ポートフォリオの電動化対応が競争力維持の鍵となる。

⚠️ リスクファクター分析 5/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク自動車生産台数の急減・景気後退

売上の大半が自動車向けであり、世界的な景気後退や自動車需要の急減は直接的な売上・利益の急落につながる。FY2020には最終赤字を計上した実績があり、サイクル下落時の収益脆弱性は高い。

高リスク収益性の低迷・利益率改善の遅れ

営業利益率2%前後という低水準が続いており、原材料・エネルギー・労務費の上昇に対してコスト転嫁が遅れると更なる利益圧迫となる。構造改革の成果が出なければ株価の再評価は難しい。

中リスクEV化による既存製品群の需要縮小

内燃機関向けのドライブシャフト・ミッション部品はEVシフトとともに需要が縮小する。電動化対応製品への転換が間に合わない場合、売上構成が悪化するリスクがある。

中リスク為替変動リスク

海外売上比率が高く、円高局面では円換算の売上・利益が目減りする。FY2024から FY2025にかけての円安メリット剥落が業績に影響した可能性があり、今後の為替動向が業績の振れ要因となる。

低リスク主要顧客集中リスク

トヨタグループへの依存度が高く、トヨタの生産方針変更や調達戦略の転換が同社業績に大きな影響を与えうる。顧客分散は進んでいるが、トヨタ依存の構造は中長期的なリスク要因として残る。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 6/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

EV・電動化部品への需要シフト恩恵

電動パワーステアリング・電動アクスル・高速モーター用軸受など、EV普及に伴い需要が拡大する製品群を保有。電動化加速シナリオでは売上ミックス改善と利益率向上が同時に進む可能性がある。

低PBRからの株価再評価

東証の資本コスト意識改革要求を背景に、低PBR銘柄として株主還元強化・資本効率改善の取り組みが進めば、バリュエーション是正による株価上昇が期待できる。現在の株価水準はこの余地を内包している。

ロボット・産業機械向け軸受拡大

製造業の自動化・ロボット化の進展に伴い、精密軸受の産業機械・ロボット向け需要が増加する。自動車依存を低下させる収益多角化の機会として中長期的なアップサイドが見込まれる。

💰 株主還元政策 5/10

同社の配当は業績連動を基本としつつも、FY2020の赤字期においても配当を維持するなど株主還元への一定のコミットメントを示してきた。FY2025は1株50円と直近最高水準の配当を予定しており、純利益対比では高い配当性向となっている。自社株買いは限定的であり、総還元は配当が中心。ROEは長期的に低水準にあり、資本効率改善に向けた取り組みが株主から求められている状況である。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(自動車部品)×1.05
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+5.39%
リスク耐性スコア調整(5/10)+0.00%
MOAT スコア調整(5/10)+0.00%
格付け調整(R&I A)-0.20%
当社中立CoE8.89%
悲観 CoE
11.9%
中立 CoE
8.9%
楽観 CoE
6.4%
リスク耐性スコア(5/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 36%
中立 30%
楽観 34%
悲観 36% — 自動車需要低迷・コスト高止まり
中立 30% — 緩やかな収益改善・EV対応進展
楽観 34% — 電動化加速・構造改革による利益率急改善
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥2,534/株
悲観36% / 中立30% / 楽観34%
リスク耐性スコア 5/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2026年度 558億円 / 2025年度 43億円 / 2024年度 831億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥60。成長率は過去DPS CAGR(10年=4.5%、直近3年=26.0%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(10年)でターミナル成長率に収束。

悲観 36%
自動車需要低迷・コスト高止まり
¥578
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト11.9%
ターミナル成長率0.4%
中立 30%
緩やかな収益改善・EV対応進展
¥1,367
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト8.9%
ターミナル成長率1.1%
楽観 34%
電動化加速・構造改革による利益率急改善
¥3,985
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.4%
ターミナル成長率2.1%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,483、配当性向90%でBPS追跡。

悲観 36%
自動車需要低迷・コスト高止まり
¥1,228
推定フェアバリュー/株
CoE11.9%
ROE(初年→10年目)-5.0%→8.1%
TV成長率0.4%
中立 30%
緩やかな収益改善・EV対応進展
¥2,934
推定フェアバリュー/株
CoE8.9%
ROE(初年→10年目)10.3%→10.3%
TV成長率1.1%
楽観 34%
電動化加速・構造改革による利益率急改善
¥4,901
推定フェアバリュー/株
CoE6.4%
ROE(初年→10年目)13.3%→10.3%
TV成長率2.1%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥145、総合スコア5.2から指数関数的に倍率算出。

悲観 36%
自動車需要低迷・コスト高止まり
¥1,159
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥145
想定PER8倍
中立 30%
緩やかな収益改善・EV対応進展
¥1,884
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥145
想定PER13倍
楽観 34%
電動化加速・構造改革による利益率急改善
¥3,043
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥145
想定PER21倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.10倍、現BPS=¥2,483。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.73) 中央値 (1.10) 上位25% (1.46)
悲観 36%
自動車需要低迷・コスト高止まり
¥1,814
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.73倍
中立 30%
緩やかな収益改善・EV対応進展
¥2,721
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR1.10倍
楽観 34%
電動化加速・構造改革による利益率急改善
¥3,634
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR1.46倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥145。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (11.6) 中央値 (17.2) 上位25% (33.2)
悲観 36%
自動車需要低迷・コスト高止まり
¥1,684
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER11.6倍
中立 30%
緩やかな収益改善・EV対応進展
¥2,488
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER17.2倍
楽観 34%
電動化加速・構造改革による利益率急改善
¥4,805
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER33.2倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 21.4%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -10.6% / 中央 1.3% / 上振れ 15.4%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥347 / 中央 ¥1,125 / 上振れ ¥4,959
現在 ¥1,925 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.3%
10年後の状態: 成長34% 横ばい21% 衰退45% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
景気後退・需要減
54.7%
好況・上振れサイクル
50.1%
株主還元強化
45.7%
バリュエーション低下
38.9%
利益率改善
31.4%
バリュエーション上昇
25.7%
大幅業績ショック
22.0%
利益率悪化
20.5%
競争優位低下
18.0%
構造的衰退
15.0%
希薄化・増資
13.0%
TOB・買収
12.2%
倒産・上場廃止
2.1%
過剰債務・既存株主毀損
2.1%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥1,925(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)6.31%9.81%14.31%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥1,103
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥1,103
スタート時の状態C(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 2.2%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (36%) 中立 (30%) 楽観 (34%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥578 ¥1,367 ¥3,985 ¥1,973
残余利益 ¥1,228 ¥2,934 ¥4,901 ¥2,989
PERマルチプル ¥1,159 ¥1,884 ¥3,043 ¥2,017
PBR分位法 ¥1,814 ¥2,721 ¥3,634 ¥2,705
PER分位法 ¥1,684 ¥2,488 ¥4,805 ¥2,986
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥2,534
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥711 割安
¥1,293
FV¥2,534 割高
¥4,074
¥5,093
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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