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6728  アルバック 銘柄分析・適正株価

 アルバック 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 半導体製造装置・真空技術 スパッタリング・CVD・グローバルニッチ JCR A (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
アルバックは真空技術を核とする半導体・フラットパネルディスプレイ向け製造装置メーカーで、スパッタリング装置で世界トップクラスのシェアを誇る。半導体の高度化・FPD需要の構造的拡大を背景に受注残が積み上がりやすく、中期的な売上・利益成長が期待できる。現在の株価は直近EPS比で割安感があり、設備投資サイクルの回復局面でのバリュエーション拡大余地が大きい。
7
競争優位性
業界内MOAT
6
業界成長性
セクター動態
6
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
8
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.6/10
競争優位性
7
業界成長性
6
リスク耐性
6
株主還元
6
見通し
8

5.6Sol 個別レビュー

5.6Solによるシナリオ加重評価
不確実 簡易
5.6Sol乖離率 +0.5% レビュー時株価との比較
妥当価値 9,545円 シナリオ加重平均
基準株価 9,499円 2026-07-21 / kabufu-db
確信度 簡易評価

投資テーゼ

半導体製造装置の基準倍率(PER22倍、PBR2.50倍、EV/EBITDA12倍)を用い、利用可能なPER・PBR・EV/EBITDAを組み合わせた5シナリオ評価。確率加重価値は9,545.0円。既存の定量DBを横断した一次スクリーニングであり、10%集中判断には最新IRの追加確認を要する。

主な懸念

 アルバックは基準株価9,499.0円に対し、EPS357.5円、BPS4536.3円、現行EV/EBITDA11.1倍。単年度の正規化前指標を使う軽量レビューのため、業績循環、特殊損益、会計基準差、直近会社計画の変化を完全には反映しない。決算更新時に再評価が必要。

シナリオ内訳

5.6Sol評価のシナリオ、確率、妥当価値、根拠
シナリオ確率妥当価値根拠
悲観 10.0% 5,090円 景気後退・競争激化・倍率縮小が重なり、基準価値の55%まで低下。
弱気 20.0% 7,210円 利益成長が鈍化し、基準倍率を約2割切り下げる弱気ケース。
中立 40.0% 9,250円 PER・PBR・EV/EBITDAを業種基準倍率で評価した中立ケース。
強気 20.0% 11,840円 会社計画達成と資本効率改善により基準価値を28%上回る強気ケース。
楽観 10.0% 15,260円 需要上振れ・利益率改善・株主還元が同時進行する楽観ケース。
評価日: 2026-07-23 09:30:00
📋 事業内容
2,512億円
売上高
FY2025実績
167億円
親会社帰属
純利益
348億円
営業CF
FY2025実績
59.5%
自己資本
比率
7.4%
ROE
FY2025

アルバック(6728)は真空技術を基盤とする産業機器・半導体製造装置メーカー。主力はスパッタリング装置・CVD装置・ドライエッチング装置などの半導体向け成膜・処理装置と、フラットパネルディスプレイ(FPD)向け大型真空装置。さらに太陽電池製造装置、表面処理装置、真空ポンプなど多様な製品群を持つ。売上高の半数以上をアジア向け輸出が占め、特に中国・台湾・韓国の半導体・ディスプレイメーカーが主要顧客。アフターサービスや消耗品・スペアパーツの収入がリカーリング収益として安定性を支える。

競争優位性(業界内MOAT) 7/10

①真空技術の深い蓄積と特許群

1952年の創業以来70年超にわたり真空技術を磨いてきたことで、設計・製造ノウハウと特許ポートフォリオが厚く積み上がっている。半導体の微細化・3D化が進むほど高精度の真空制御が必要となり、長年の知見が競合との差別化要因となっている。

②装置組み込みによる高い切り替えコスト

製造装置は顧客の生産プロセスに深く組み込まれるため、一度採用されると変更に高いコストと時間がかかる。特に量産ラインでは装置のメンテナンス・改造履歴が蓄積されており、競合他社への切り替えは生産停止リスクを伴うため、リテンション率が高い。

③グローバルサービスネットワーク

日本・中国・台湾・韓国・欧米に現地法人・サービス拠点を持ち、装置稼働率を最大化するオンサイトサポートを提供。迅速な保守対応能力は顧客の生産継続に直結するため、納入後の関係維持と追加受注につながっている。

📈 業界の成長性・セクター動態 6/10

中期見通し

2025〜2027年は、AI・HBM向けロジック/メモリ投資の増勢とTSMC熊本・Rapidusなど国内半導体工場建設が受注を押し上げる見込み。FPD向けは中国勢の大型投資一巡で横ばいが続くが、半導体装置の伸びが全体を牽引する。営業利益率は売上増による固定費吸収で10〜13%台への改善が期待でき、EPS400〜500円水準を目指す軌道が視野に入る。

長期構造的トレンド

5〜10年スパンでは、生成AI・自動運転・IoTによる半導体需要の構造的拡大が同社の成長を支える。先端プロセスの微細化・3D積層化では成膜工程が増えるため装置の需要単価も上昇傾向にある。また次世代太陽電池(ペロブスカイト)の量産化や、パワー半導体(SiC/GaN)向け装置は新たな成長市場として期待が高く、長期的な事業領域の拡大が見込まれる。

⚠️ リスクファクター分析 6/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク半導体投資サイクルの急激な悪化

顧客の設備投資計画は景気・需給サイクルに左右されやすく、半導体不況局面では受注急減・キャンセルが発生しうる。FY2023のFCFがマイナス147億円となったように、投資期と収益期のギャップが大きい。

高リスク中国への輸出規制強化リスク

売上の相当部分を中国向けが占めるため、米国輸出管理規制(EAR)の強化や日本政府の追加規制が発動された場合、特定装置の輸出が制限され売上が大幅に落ち込むリスクがある。

中リスクFPD市場の長期縮小

液晶FPD市場は中国メーカーの過剰設備・低価格競争により新規設備投資が鈍化している。FPD向け装置の比率が高い期間は全体の収益性を圧迫する可能性がある。

中リスク為替変動リスク

売上の過半が海外顧客向けのため、円高が進行すると円換算売上・利益が圧縮される。製品は円建てコストで製造されるため、為替ヘッジが不十分な場合の利益影響は大きい。

低リスク人材確保・エンジニア不足

真空・成膜技術に精通したエンジニアの採用難が続く中、技術者の流出や採用コスト増加が将来的な成長の制約となる可能性がある。国内製造業全般の課題と共通する。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 8/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

AI・HBM向け先端半導体投資の拡大

生成AIの急拡大を背景に、TSMC・Samsung・Micronなどが先端ロジック・HBMへの設備投資を加速している。スパッタリング・CVD工程の需要増が直接受注に結び付き、今後2〜3年の業績押し上げが期待される。

国内半導体工場建設(Rapidus・TSMC熊本)の恩恵

日本政府の半導体国産化戦略により国内で大型工場建設が進行中。地理的・言語的優位性を持つアルバックは国内案件を優先的に取り込みやすく、中期的な安定受注源となる可能性がある。

ペロブスカイト太陽電池の量産化

次世代太陽電池として注目されるペロブスカイト型は成膜・真空プロセスが必要であり、アルバックの技術が活用できる新市場。量産化が本格化する2027年以降、新たな収益柱となりうる。

💰 株主還元政策 6/10

アルバックは安定増配を基本方針とし、業績連動型の配当を継続している。FY2025のDPSは164円、FY2024は144円と増配傾向を維持。配当性向は概ね40〜50%前後を意識した運営とみられる。自社株買いも適宜実施しており、資本効率の向上を意識した株主還元姿勢が見られる。設備投資サイクルが落ち込む局面では配当水準を維持する方針を示しており、下方硬直性がある点は評価できる。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
10年国債利回り(リスクフリーレート)+2.86%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(半導体製造装置)×2.35
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+12.07%
リスク耐性スコア調整(6/10)+0.00%
MOAT スコア調整(7/10)-0.30%
格付け調整(JCR A)-0.20%
当社中立CoE14.42%
悲観 CoE
17.4%
中立 CoE
14.4%
楽観 CoE
11.9%
リスク耐性スコア(6/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 32%
中立 33%
楽観 35%
悲観 32% — 半導体投資急減速
中立 33% — 緩やかな設備投資回復
楽観 35% — AIチップ需要爆発・FPD拡大
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥9,152/株
悲観32% / 中立33% / 楽観35%
リスク耐性スコア 6/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 240億円 / 2024年度 -24億円 / 2023年度 -147億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥164。成長率は過去DPS CAGR(10年=30.1%、直近3年=9.8%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。

悲観 32%
半導体投資急減速
¥1,410
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト17.4%
ターミナル成長率2.5%
中立 33%
緩やかな設備投資回復
¥3,120
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト14.4%
ターミナル成長率3.6%
楽観 35%
AIチップ需要爆発・FPD拡大
¥7,162
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト11.9%
ターミナル成長率4.1%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥4,536、配当性向48%でBPS追跡。

悲観 32%
半導体投資急減速
¥2,390
推定フェアバリュー/株
CoE17.4%
ROE(初年→10年目)-1.5%→13.7%
TV成長率2.5%
中立 33%
緩やかな設備投資回復
¥5,448
推定フェアバリュー/株
CoE14.4%
ROE(初年→10年目)16.1%→16.1%
TV成長率3.6%
楽観 35%
AIチップ需要爆発・FPD拡大
¥8,757
推定フェアバリュー/株
CoE11.9%
ROE(初年→10年目)20.7%→16.0%
TV成長率4.1%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥729、総合スコア6.6から指数関数的に倍率算出。

悲観 32%
半導体投資急減速
¥7,287
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥729
想定PER10倍
中立 33%
緩やかな設備投資回復
¥10,930
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥729
想定PER15倍
楽観 35%
AIチップ需要爆発・FPD拡大
¥18,217
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥729
想定PER25倍
PBR法による価値算定を見送り
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(時系列に不連続な急変あり(株式分割の遡及反映が不完全な可能性))

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥729。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (13.7) 中央値 (19.7) 上位25% (26.4)
悲観 32%
半導体投資急減速
¥9,972
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER13.7倍
中立 33%
緩やかな設備投資回復
¥14,390
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER19.7倍
楽観 35%
AIチップ需要爆発・FPD拡大
¥19,246
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER26.4倍

10年後の株価を 1000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-07-29)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 24.2%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -12.8% / 中央 3.3% / 上振れ 21.1%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(1000シナリオ)
下振れ ¥1,445 / 中央 ¥11,209 / 上振れ ¥61,488
現在 ¥9,800 → 分布の下から 0%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.0%
10年後の状態: 成長46% 横ばい44% 衰退10% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
好況・上振れサイクル
56.5%
景気後退・需要減
55.2%
株主還元強化
48.1%
ordinary_nominal_recession_catchup
42.8%
バリュエーション低下
40.0%
AI投資の供給側恩恵
36.8%
rate environment net interest bridge
36.0%
AI先端パッケージ・材料需要
32.3%
利益率改善
31.9%
バリュエーション上昇
27.7%
利益率悪化
23.4%
大幅業績ショック
19.4%
semicap severe-cycle recovery
19.4%
TOB・買収
16.8%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(1000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥9,800(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
🍝 トータルリターンの10年推移(1000通りのシナリオ)
横軸 = 経過年 / 縦軸 = 配当込み累積トータルリターン(%)。薄い線1本1本が1回のシミュレーション、 太線が中央シナリオ、帯が下振れ〜上振れ(P10〜P90)。0%(灰線)より上なら投資元本を上回る。
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)8.87%12.37%16.87%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥4,566
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥5,002
スタート時の状態C(名目永続成長率 2.9%、直近売上成長 2.4%)

※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (32%) 中立 (33%) 楽観 (35%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥1,410 ¥3,120 ¥7,162 ¥3,988
残余利益 ¥2,390 ¥5,448 ¥8,757 ¥5,628
PERマルチプル ¥7,287 ¥10,930 ¥18,217 ¥12,315
PBR分位法
PER分位法 ¥9,972 ¥14,390 ¥19,246 ¥14,676
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥9,152
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥2,896 割安
¥5,265
FV¥9,152 割高
¥13,346
¥16,683
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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