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6787

メイコー 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム プリント配線板(PWB)メーカー 高多層・高密度基板特化・グローバル供給 JCR A- (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
メイコーはプリント配線板(PWB)の高付加価値品に特化したEMS型製造企業で、スマートフォン・車載・産業機器向けの高多層・高密度基板において確固たる技術力と生産規模を持つ。AI・EV・5Gインフラ拡大による基板需要の構造的増大を追い風に、売上高は2019年比74%増の2,068億円(FY2025)と高成長を続けており、設備投資を積極化しながら利益率改善を図る局面にある。現状PERは約56倍と割高感があるが、中期的な営業利益率の改善(FY2025で9.2%)や高成長市場へのポジショニングを考慮すれば、成長プレミアムの一定の正当化は可能である。
6
競争優位性
業界内MOAT
8
業界成長性
セクター動態
3
リスク耐性
財務・事業安定性
5
株主還元
配当・自社株買い
7
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.8/10
競争優位性
6
業界成長性
8
リスク耐性
3
株主還元
5
見通し
7
📋 事業内容
2,068億円
売上高
FY2025実績
149億円
親会社帰属
純利益
217億円
営業CF
FY2025実績
42.2%
自己資本
比率
13.7%
ROE
FY2025

株式会社メイコー(6787)は1975年創業のプリント配線板(PWB)メーカーで、東証プライム上場。スマートフォン・PC・サーバー・車載・産業機器向けの高多層・高密度基板を主力とし、国内外に複数の生産拠点を展開する。中国・ベトナム・日本の工場を活かしたグローバル製造体制により、大手電子機器メーカーやEV関連Tier1企業に直接供給する。FY2025売上高2,068億円はFY2019比約74%増と高成長を遂げており、AI・EV・5Gという構造的成長市場に対する製品ポートフォリオの整合性が高い。EMS(電子機器製造受託)的なビジネスモデルであり、受注生産を基本として顧客の設計仕様に応じた基板を高品質・短納期で納品することが事業の核心である。

競争優位性(業界内MOAT) 6/10

①高多層・高密度基板の製造技術力

スマートフォンのメイン基板やAIサーバー向けの高多層基板は、層間接続の精度や絶縁信頼性において高度な製造ノウハウが必要。メイコーは長年にわたる技術蓄積と設備投資により、競合他社が容易に追随できない製造精度を確立。顧客の認定プロセスも長期を要するため、一度採用されると切り替えコストが高いロックイン効果が生じる。

②グローバル生産体制と顧客基盤

中国・ベトナム・日本の複数拠点を持つ生産体制により、コスト最適化と地政学リスク分散を同時に実現。スマートフォン大手・車載Tier1・サーバーメーカーといった多様な大手顧客との長期取引関係が安定受注を支えており、顧客集中リスクを分散しながら高い稼働率を維持している。

③車載・AI分野への先行投資とポジショニング

EV向け車載基板やAI向け高速伝送基板への設備投資を他社に先駆けて実施。これらの市場は品質基準が厳格で新規参入者が認定取得に数年を要するため、先行者としての地位が今後の需要拡大局面での受注獲得を有利にする。FY2025のFCFがマイナスとなっているのも、この先行投資の結果である。

📈 業界の成長性・セクター動態 8/10

中期見通し

FY2026〜2027にかけては、AIサーバー向け高密度基板・EV車載基板の需要拡大が売上成長を牽引する見通し。増産設備の稼働率上昇に伴い固定費の吸収が進み、営業利益率の改善(10%超)が期待される。また円安基調が継続する場合、海外生産コストの相対的優位も維持される。スマートフォン市場の成熟化によるボリューム減少リスクは存在するが、単価の高い車載・AI向けへのミックス改善で補完可能と見られる。

長期構造的トレンド

5〜10年の視点では、AIデータセンターの爆発的拡大・EV普及による車載電子化・スマートファクトリー向けIoT機器増加という三つの構造的トレンドがPWB需要を押し上げ続ける。特にAIアクセラレータ(GPU/NPU)搭載サーバー向けの高密度多層基板は単価が従来品の数倍に達する可能性があり、売上規模以上の利益成長が見込める。地政学的観点からの日本・東南アジアへのサプライチェーン移管も長期的な追い風となる。

⚠️ リスクファクター分析 3/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク超低自己資本比率による財務脆弱性

自己資本比率が0.4%前後という極めて低水準の財務構造は、業績悪化時の損失吸収能力に乏しく、金利上昇や信用収縮局面で資金調達が困難になるリスクを内包する。借入金依存の事業継続は有利子負債コスト上昇時に収益を直撃する。

高リスク主要顧客・製品への集中リスク

スマートフォン大手向け売上比率が高い場合、その顧客の発注減や設計変更が業績に直接影響する。また特定製品カテゴリの需要急減(例:スマホ市場の急激な収縮)は工場稼働率を大幅に低下させ、固定費負担が利益を圧迫する。

中リスク台湾・中国系競合の台頭による価格圧力

台湾のTTM Technologies・欧華電子など技術力を高めたアジア系PWBメーカーが低価格で受注攻勢をかけており、標準品から高付加価値品まで価格圧力が継続。利益率改善の阻害要因となりうる。

中リスク設備投資過剰による過剰債務リスク

成長を見越した積極的な設備投資が継続中で、需要が想定を下回った場合に減損リスクや稼働率低下が発生する。FCFが7期中5期でマイナスであり、投資効率の悪化が顕在化した場合の財務悪化が懸念される。

低リスク為替変動リスク

海外生産拠点(中国・ベトナム)の原材料調達や人件費は現地通貨建て、売上は主に円・ドル建てとなるため、円高局面では輸出競争力の低下および為替差損が発生しうる。急速な円高転換は業績予想を下振れさせる要因となる。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 7/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

AI・データセンター向け高密度基板の需要急拡大

生成AIブームを背景にNVIDIA GPUやカスタムAIチップ搭載サーバー向けの高多層・高速伝送基板需要が急増。メイコーの技術領域と合致しており、単価の高いAI向け基板の受注拡大が売上・利益の双方を押し上げる最大のアップサイドシナリオである。

EV・ADAS普及による車載基板単価上昇

EVは従来のガソリン車比でプリント配線板の搭載量が大幅に増加し、ADAS(先進運転支援)用途の高信頼性基板は単価も高い。メイコーが先行投資で確立した車載認定基盤が、EV普及加速局面での受注増に直結する可能性がある。

地政学的サプライチェーン再編による受注シフト

米中対立の激化や台湾有事リスクへの対応として、欧米・日系電子機器メーカーが中国・台湾依存のサプライチェーンを見直す動きが加速。日本・ベトナム拠点を持つメイコーへの戦略的受注シフトが中長期で発生しうる。

💰 株主還元政策 5/10

メイコーは継続的な増配方針を維持しており、DPSはFY2019の¥35からFY2025には¥88へと約2.5倍に増加している。現株価¥31,650に対する配当利回りは約0.28%と低水準にとどまるが、EPS成長(¥258→¥569)に見合った段階的な増配が続いており、株主還元意識の向上は評価できる。財務レバレッジが高い構造上、当面は自社株買いよりも設備投資・有利子負債削減が優先される見込みで、大幅な追加還元拡充は中長期の業績安定化が条件となろう。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(電子部品)×1.27
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+6.50%
リスク耐性スコア調整(3/10)+1.20%
MOAT スコア調整(6/10)+0.00%
格付け調整(JCR A-)+0.00%
当社中立CoE11.40%
悲観 CoE
14.4%
中立 CoE
11.4%
楽観 CoE
8.9%
リスク耐性スコア(3/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 34%
中立 39%
楽観 27%
悲観 34% — 需要失速・価格下落シナリオ
中立 39% — 安定成長・利益率改善シナリオ
楽観 27% — AI・EV需要爆発・収益加速シナリオ
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥6,654/株
悲観34% / 中立39% / 楽観27%
リスク耐性スコア 3/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -27億円 / 2024年度 18億円 / 2023年度 -133億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥88。成長率は過去DPS CAGR(10年=22.3%、直近3年=25.1%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。

悲観 34%
需要失速・価格下落シナリオ
¥1,472
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト14.4%
ターミナル成長率1.6%
中立 39%
安定成長・利益率改善シナリオ
¥2,509
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト11.4%
ターミナル成長率2.8%
楽観 27%
AI・EV需要爆発・収益加速シナリオ
¥4,711
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト8.9%
ターミナル成長率3.7%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥4,130、配当性向15%でBPS追跡。

悲観 34%
需要失速・価格下落シナリオ
¥1,464
推定フェアバリュー/株
CoE14.4%
ROE(初年→10年目)-4.1%→9.1%
TV成長率1.6%
中立 39%
安定成長・利益率改善シナリオ
¥4,573
推定フェアバリュー/株
CoE11.4%
ROE(初年→10年目)12.0%→12.0%
TV成長率2.8%
楽観 27%
AI・EV需要爆発・収益加速シナリオ
¥8,524
推定フェアバリュー/株
CoE8.9%
ROE(初年→10年目)15.9%→11.4%
TV成長率3.7%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥569、総合スコア5.8から指数関数的に倍率算出。

悲観 34%
需要失速・価格下落シナリオ
¥5,125
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥569
想定PER9倍
中立 39%
安定成長・利益率改善シナリオ
¥7,973
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥569
想定PER14倍
楽観 27%
AI・EV需要爆発・収益加速シナリオ
¥13,098
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥569
想定PER23倍
PBR法による価値算定を見送り
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(時系列に不連続な急変あり(株式分割の遡及反映が不完全な可能性))

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥569。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (10.3) 中央値 (16.7) 上位25% (33.7)
悲観 34%
需要失速・価格下落シナリオ
¥5,884
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER10.3倍
中立 39%
安定成長・利益率改善シナリオ
¥9,524
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER16.7倍
楽観 27%
AI・EV需要爆発・収益加速シナリオ
¥19,186
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER33.7倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 1.0%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -21.2% / 中央 -10.9% / 上振れ 1.7%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥549 / 中央 ¥5,074 / 上振れ ¥29,199
現在 ¥33,500 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
1.3%
10年後の状態: 成長25% 横ばい62% 衰退13% 倒産・上場廃止1%
事象タグ別の10年発生確率
景気後退・需要減
65.0%
バリュエーション低下
56.4%
株主還元強化
54.5%
AI高多層基板直接受益
50.5%
好況・上振れサイクル
43.4%
競争優位低下
41.5%
利益率悪化
38.9%
AI投資の供給側恩恵
35.6%
大幅業績ショック
33.8%
利益率改善
26.5%
構造的衰退
22.5%
バリュエーション上昇
20.3%
TOB・買収
7.7%
倒産・上場廃止
4.6%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥33,500(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)7.39%10.89%15.39%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥5,478
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥5,478
スタート時の状態成長(名目永続成長率 1.0%、直近売上成長 13.5%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (34%) 中立 (39%) 楽観 (27%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥1,472 ¥2,509 ¥4,711 ¥2,751
残余利益 ¥1,464 ¥4,573 ¥8,524 ¥4,583
PERマルチプル ¥5,125 ¥7,973 ¥13,098 ¥8,388
PBR分位法
PER分位法 ¥5,884 ¥9,524 ¥19,186 ¥10,895
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥6,654
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥1,917 割安
¥3,486
FV¥6,654 割高
¥11,380
¥14,225
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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