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アズビル 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム ビルオートメーション・計装 ストック型保守収益・高参入障壁 R&I A+ (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
アズビルはビルオートメーション(BA)と工場自動化(IA)分野における国内トップクラスのシステムインテグレーターであり、納入後の保守・運用サービスによるストック型収益が安定キャッシュフローを支える。脱炭素・省エネ規制の強化を背景にBAシステムの更新需要が加速し、中長期的な成長余地は大きい。現在株価は過去7期の業績拡大トレンドを十分に織り込んでおらず、割安感が残る。
7
競争優位性
業界内MOAT
6
業界成長性
セクター動態
7
リスク耐性
財務・事業安定性
5
株主還元
配当・自社株買い
7
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.4/10
競争優位性
7
業界成長性
6
リスク耐性
7
株主還元
5
見通し
7
📋 事業内容
3,004億円
売上高
FY2025実績
410億円
親会社帰属
純利益
440億円
営業CF
FY2025実績
75.2%
自己資本
比率
17.2%
ROE
FY2025

アズビルは1906年創業のビルオートメーション(BA)・インダストリアルオートメーション(IA)の専業大手。主力のBA事業では空調・電気・防災システムの設計・施工・保守を一貫提供し、国内オフィスビル・病院・工場等に深く浸透している。IA事業では流量計・調節弁など計装機器とシステムインテグレーションサービスを展開。売上の約6割を保守・サービスが占めるストック型ビジネスモデルにより、景気変動を受けにくい収益構造を確立している。近年は省エネ診断・エネルギーマネジメントサービスへの展開を加速しており、脱炭素トレンドの直接的受益企業として注目度が高まっている。

競争優位性(業界内MOAT) 7/10

①長期顧客関係と高スイッチングコスト

BAシステムは建物竣工時に設置され、以後20〜40年にわたり保守契約が継続する。制御ソフトウェア・独自プロトコルへの依存が高く、競合他社への切り替えには大規模な改修コストが発生するため顧客離れが起きにくい。この「ロックイン効果」が安定した保守収益を支えている。

②全国保守ネットワークと技術人材

全国に張り巡らせた保守拠点と専任技術者による24時間対応体制は、中小競合他社には容易に模倣できない。緊急対応・予防保全の実績積み重ねが顧客信頼を高め、新規受注獲得にも寄与している。技術者育成に要する時間とコストも参入障壁として機能している。

③独自技術・製品ラインナップの垂直統合

流量計・バルブ・コントローラー等の主要機器を自社開発・製造し、システムとの最適統合を実現している。ハードウェアからソフトウェア・クラウドサービスまでの垂直統合により、サードパーティ依存を排除した高品質ソリューションを提供できる点が差別化要因となっている。

📈 業界の成長性・セクター動態 6/10

中期見通し

2〜3年の視点では、2030年省エネ目標に向けた企業・公共施設の設備投資が増加局面にある。既存顧客の老朽化システム更新サイクルが重なり、受注残は積み上がりやすい状況。円安恩恵は輸出比率が低いため限定的だが、原材料コスト正常化によるマージン改善が利益成長を下支えする。EPS成長率は年率10〜15%が視野に入る。

長期構造的トレンド

5〜10年の長期では脱炭素・カーボンニュートラル義務化がBAシステム需要の強力な構造的追い風となる。建築物省エネ法改正・ZEB(ネットゼロエネルギービル)普及政策により、既存ビルストックの大規模改修需要が本格化する見通し。また工場の自動化・デジタル化投資の継続拡大により、IA事業も安定成長が期待できる。少子高齢化による人手不足もオートメーション需要を構造的に押し上げるドライバーとなる。

⚠️ リスクファクター分析 7/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク建設・設備投資の景気敏感性

新築ビル建設や工場の設備投資はマクロ景気に左右されやすく、景気後退局面では受注が急減するリスクがある。リーマンショック時のような大幅な投資凍結が再来すれば売上・利益が短期間で大きく落ち込む可能性がある。

高リスク原材料・電子部品の価格高騰と調達難

半導体・電子部品・銅等の原材料価格上昇や供給制約が発生した場合、コスト増と納期遅延が同時に発生しマージンが圧迫されるリスクがある。2021〜2022年のサプライチェーン混乱の再発が最大の懸念事項となる。

中リスク技術者不足・人件費上昇

全国保守網の維持に必要な技術者の確保が年々困難になっており、人件費上昇と採用コスト増大がコスト構造を悪化させるリスクがある。特に地方拠点での技術者確保は深刻な課題となる可能性がある。

中リスク競合激化・価格競争

ジョンソンコントロールズ・シーメンス等の外資系大手や国内電機メーカーとの競争激化により、受注単価が低下するリスクがある。またIoT・クラウドの普及でソフトウェア系新興企業が一部サービスに参入してくる可能性もある。

低リスク為替リスク(円高)

海外売上比率が比較的低いため為替影響は限定的だが、急激な円高が進行した場合には海外IA事業の円換算収益が減少する。また輸出競争力への間接的影響も無視できない水準になる可能性がある。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 7/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

脱炭素・省エネ規制対応の大型更新需要

建築物省エネ法の段階的義務化とZEB化推進政策により、既存ビルストックの大規模BAシステム更新需要が今後10年間で急増する見通し。国内だけで数兆円規模の潜在市場があり、最大の恩恵を受けるポジションにある。

スマートビル・デジタルサービス展開

クラウドベースのエネルギーマネジメントシステム(EMS)やビルDXソリューションの提供拡大により、ハードウェア依存からサービス収益型ビジネスへの転換が進めば収益性の大幅改善が期待できる。

海外IA事業の拡大

アジア新興国を中心とした工場自動化・省エネニーズの高まりを背景に、海外IA事業の成長ポテンシャルは大きい。現状では国内依存度が高いが、海外展開の加速により売上・利益の多様化と成長加速が実現する可能性がある。

💰 株主還元政策 5/10

アズビルは安定的な増配を継続しており、2019年度のDPS12円から2025年度は24円へと7年間で倍増させてきた。配当性向は概ね25〜35%の範囲で推移しており、利益成長に連動した増配方針を維持している。キャッシュフロー改善に伴い、今後は自社株買いの活用や配当性向引き上げによる追加的な株主還元拡充も期待される。ROE向上に向けた資本効率改善が実現すれば、株主価値の大幅な向上につながる可能性がある。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(機械・産業機器)×1.10
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+5.68%
リスク耐性スコア調整(7/10)-0.40%
MOAT スコア調整(7/10)-0.30%
格付け調整(R&I A+)-0.20%
当社中立CoE8.48%
悲観 CoE
11.5%
中立 CoE
8.5%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(7/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 32%
中立 46%
楽観 22%
悲観 32% — 景気後退・設備投資凍結
中立 46% — 省エネ需要継続・緩やかな成長
楽観 22% — 脱炭素加速・大型更新特需
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥1,151/株
悲観32% / 中立46% / 楽観22%
リスク耐性スコア 7/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2025年度 460億円 / 2024年度 252億円 / 2023年度 111億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥24。成長率は過去DPS CAGR(10年=9.7%、直近3年=17.0%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。

悲観 32%
景気後退・設備投資凍結
¥320
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト11.5%
ターミナル成長率1.2%
中立 46%
省エネ需要継続・緩やかな成長
¥650
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト8.5%
ターミナル成長率2.1%
楽観 22%
脱炭素加速・大型更新特需
¥1,906
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率3.3%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥452、配当性向31%でBPS追跡。

悲観 32%
景気後退・設備投資凍結
¥217
推定フェアバリュー/株
CoE11.5%
ROE(初年→10年目)-5.0%→8.3%
TV成長率1.2%
中立 46%
省エネ需要継続・緩やかな成長
¥676
推定フェアバリュー/株
CoE8.5%
ROE(初年→10年目)10.7%→10.7%
TV成長率2.1%
楽観 22%
脱炭素加速・大型更新特需
¥1,685
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)14.3%→10.6%
TV成長率3.3%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥78、総合スコア6.4から指数関数的に倍率算出。

悲観 32%
景気後退・設備投資凍結
¥780
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥78
想定PER10倍
中立 46%
省エネ需要継続・緩やかな成長
¥1,169
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥78
想定PER15倍
楽観 22%
脱炭素加速・大型更新特需
¥1,949
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥78
想定PER25倍
PBR法による価値算定を見送り
過去PBR中央値が1.5超のため、PBR法による価値算定は適していません(高ROE/成長銘柄)

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥78。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (18.9) 中央値 (24.0) 上位25% (28.3)
悲観 32%
景気後退・設備投資凍結
¥1,475
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER18.9倍
中立 46%
省エネ需要継続・緩やかな成長
¥1,868
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER24.0倍
楽観 22%
脱炭素加速・大型更新特需
¥2,203
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER28.3倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 0.7%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -17.5% / 中央 -9.2% / 上振れ 0.9%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥65 / 中央 ¥253 / 上振れ ¥1,112
現在 ¥1,429 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.2%
10年後の状態: 成長5% 横ばい82% 衰退13% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
好況・上振れサイクル
53.5%
景気後退・需要減
50.9%
株主還元強化
48.8%
バリュエーション低下
45.2%
AI投資の供給側恩恵
35.9%
利益率改善
33.7%
AI電力・光通信インフラ需要
29.6%
利益率悪化
25.2%
バリュエーション上昇
22.3%
大幅業績ショック
20.6%
構造的衰退
12.9%
競争優位低下
12.3%
TOB・買収
8.1%
過剰債務・既存株主毀損
5.4%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥1,429(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)6.59%10.09%14.59%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥285
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥285
スタート時の状態C(名目永続成長率 1.0%、直近売上成長 3.3%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (32%) 中立 (46%) 楽観 (22%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥320 ¥650 ¥1,906 ¥821
残余利益 ¥217 ¥676 ¥1,685 ¥751
PERマルチプル ¥780 ¥1,169 ¥1,949 ¥1,216
PBR分位法
PER分位法 ¥1,475 ¥1,868 ¥2,203 ¥1,816
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥1,151
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥384 割安
¥698
FV¥1,151 割高
¥1,936
¥2,420
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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