株譜kabufu
📊 概要・チャート・財務 📋 銘柄分析スクリーニング一覧へ 🏭 電気機器の業界分析

6890

フェローテック 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 半導体製造装置・材料 シリコン部品・真空技術・グローバル展開 JCR BBB+ (positive)
現在値
時価総額
投資テーゼ
フェローテックは半導体製造に不可欠なシリコン部品、真空シール、石英製品などのコア消耗品を供給し、顧客の装置稼働に直結する高スイッチングコストを持つ。売上高は2019年から3倍超に成長し、半導体投資サイクルの拡大とEV・パワー半導体需要が中長期の追い風となる。FCFは継続的にマイナスだが積極的な設備投資が将来の収益基盤を構築しており、バリュエーションは成長対比で割安圏にある。
6
競争優位性
業界内MOAT
7
業界成長性
セクター動態
4
リスク耐性
財務・事業安定性
5
株主還元
配当・自社株買い
7
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.8/10
競争優位性
6
業界成長性
7
リスク耐性
4
株主還元
5
見通し
7
📋 事業内容
2,744億円
売上高
FY2025実績
157億円
親会社帰属
純利益
261億円
営業CF
FY2025実績
39.4%
自己資本
比率
6.6%
ROE
FY2025

株式会社フェローテック(6890)は半導体製造プロセスに不可欠なシリコン部品(シリコンリング・シリコンフォーカスリング等)、真空シール・磁性流体シール、石英製品、SiC部品、サーモモジュール(熱電変換素子)などを製造・販売するグローバルメーカーである。主要顧客は大手半導体装置メーカーや半導体デバイスメーカーで、エッチング・CVD・イオン注入などの主要製造工程向けに消耗品を供給する。中国・日本・東南アジアに生産拠点を展開し、売上高の大半をアジア市場が占める。FY2019の895億円からFY2025の2,744億円へ約3倍の成長を遂げた。

競争優位性(業界内MOAT) 6/10

①高スイッチングコストの消耗品ビジネス

シリコン部品や真空シールは半導体製造装置の性能・歩留まりに直結するため、顧客は一度採用したサプライヤーを簡単に変更できない。製造装置の認定(qualification)プロセスに時間とコストがかかり、実質的な乗り換え障壁となっている。装置稼働中は定期的な交換需要が発生する反復ビジネスモデルが安定収益を支える。

②真空・精密技術の蓄積

磁性流体シールや真空シールの製造には高度な精密加工技術が必要で、同社は数十年にわたる技術蓄積を持つ。特に磁性流体シール分野は世界トップクラスのシェアを持ち、競合参入が困難な専門領域である。この技術基盤がシリコン・石英・SiCなど周辺材料分野への展開を可能にしている。

③中国生産拠点によるコスト優位

中国に大規模な生産拠点を持ち、労働・用地コストで日系競合に対するコスト優位を確保している。中国ローカル半導体メーカーへの近接性も中国市場でのシェア拡大に有利に働く。ただし地政学リスクおよび中国規制の変化が長期的な優位性の変数となる点には注意が必要。

📈 業界の成長性・セクター動態 7/10

中期見通し

FY2024〜FY2025は半導体投資サイクルの一時的な調整により営業利益が減少したが、AI・データセンター向け先端ロジック半導体の投資再加速が追い風となりFY2026以降の回復が期待される。積極的な設備投資(年間300〜700億円規模のCapEx)による生産能力増強が売上3,000億円超を目指す基盤となる。EV・パワー半導体向けSiC部品の受注拡大も上乗せ要因となる見込みである。

長期構造的トレンド

AIの普及に伴うデータセンター拡張と半導体微細化の継続は、半導体製造消耗品の長期需要を構造的に押し上げる。EV・再生可能エネルギー向けパワー半導体(SiC・GaN)の採用拡大も新たな需要源として5〜10年にわたり成長を支える。さらに半導体製造のリショアリング(日本・欧米での工場建設)もグローバル消耗品市場の拡大に寄与する。技術進化により消耗品の交換サイクルが短縮されるトレンドも単価・ボリューム双方での追い風となる。

⚠️ リスクファクター分析 4/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク半導体投資サイクル急反転

半導体製造装置・材料の需要は設備投資サイクルに強く依存する。景気後退やメモリ過剰在庫局面では顧客の投資削減が消耗品需要を急速に冷やし、売上・利益が大幅に落ち込む可能性がある。FY2023→FY2024の営業利益減少(350→249億円)はその実例である。

高リスク財務レバレッジの高さと流動性リスク

自己資本比率0.4%前後という極めて高い負債依存の財務構造は、金利上昇や業績悪化時に資金繰りを急速に悪化させるリスクを内包する。FCFが長期にわたりマイナスであり、借入の継続的な借り換えが前提となっている点は信用リスクとして留意が必要。

中リスク地政学リスク・中国規制

売上・生産の大半を中国に依存しており、米中技術摩擦の激化や中国当局の規制強化、輸出規制の波及が事業継続に重大な影響を与えるリスクがある。中国ローカル競合の台頭による価格圧力も中期的な懸念材料となる。

中リスク為替変動リスク

売上の大部分を海外(中国・アジア)で計上しており、円高進行時には円換算業績が悪化する。FY2025は円安恩恵があったが、円高反転局面では利益圧迫要因となる。原材料(ポリシリコン等)の調達コストも為替に連動するため収益の振れ幅が大きい。

低リスク技術代替リスク

将来の半導体製造技術(EUV次世代プロセス等)への移行に際して、現行の消耗品が新素材・新構造の部品に置き換えられるリスクがある。ただし同社は新技術への適応投資を継続しており、短期的な代替リスクは限定的とみられる。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 7/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

AI・HBM向け先端半導体投資の加速

生成AI・LLM向けGPU・HBMの需要急拡大に伴い、TSMC・Samsung・SKHynixなどのCapExが急増している。同社のシリコン部品・石英部品はこれら先端プロセスへの消耗品として直接恩恵を受け、単価上昇とボリューム拡大の同時実現が期待される。

SiC・パワー半導体向け部品の成長

EV・産業機器向けSiCパワー半導体の採用が急拡大しており、同社のSiC関連部品の受注増加が見込まれる。従来のシリコン系材料から高付加価値のSiC部品へのプロダクトミックス改善は粗利率向上にも寄与し得る。

半導体製造リショアリングによる市場拡大

日本・欧米での半導体工場建設(ラピダス・TSMC熊本等)が進むことで、国内顧客向けの近接供給機会が拡大する。国内生産拠点を持つ同社にとって地政学的に安全な供給源としての評価が高まり、新規顧客獲得につながる可能性がある。

💰 株主還元政策 5/10

フェローテックの配当政策は成長投資を優先しながらも増配を継続するスタンスで、FY2019の24円からFY2025の141円へ約6倍の増配を実現した。配当性向は明示されていないが、EPSが333円のFY2025に141円の配当は配当性向約42%に相当する。自社株買いは限定的であり株主還元の主軸は配当。FCFマイナスが続く中での積極的な増配は借入依存であるため、業績悪化局面での減配リスクには注意が必要。今後の収益回復と投資一巡によるFCF黒字転換が持続的な還元強化の鍵となる。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(半導体製造装置)×2.35
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+12.07%
リスク耐性スコア調整(4/10)+0.60%
MOAT スコア調整(6/10)+0.00%
格付け調整(JCR BBB+)+0.00%
当社中立CoE16.37%
悲観 CoE
19.4%
中立 CoE
16.4%
楽観 CoE
13.9%
リスク耐性スコア(4/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 37%
中立 26%
楽観 37%
悲観 37% — 半導体投資急減速
中立 26% — 緩やかな回復継続
楽観 37% — AI・EV需要急加速
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥6,793/株
悲観37% / 中立26% / 楽観37%
リスク耐性スコア 4/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -136億円 / 2024年度 -637億円 / 2023年度 -257億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥141。成長率は過去DPS CAGR(10年=31.2%、直近3年=41.3%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。

悲観 37%
半導体投資急減速
¥2,245
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト19.4%
ターミナル成長率2.3%
中立 26%
緩やかな回復継続
¥3,860
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト16.4%
ターミナル成長率3.3%
楽観 37%
AI・EV需要急加速
¥6,538
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト13.9%
ターミナル成長率3.7%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥5,043、配当性向42%でBPS追跡。

悲観 37%
半導体投資急減速
¥2,408
推定フェアバリュー/株
CoE19.4%
ROE(初年→10年目)-0.7%→14.5%
TV成長率2.3%
中立 26%
緩やかな回復継続
¥5,439
推定フェアバリュー/株
CoE16.4%
ROE(初年→10年目)17.1%→17.1%
TV成長率3.3%
楽観 37%
AI・EV需要急加速
¥8,107
推定フェアバリュー/株
CoE13.9%
ROE(初年→10年目)20.8%→16.8%
TV成長率3.7%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥645、総合スコア5.8から指数関数的に倍率算出。

悲観 37%
半導体投資急減速
¥5,803
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥645
想定PER9倍
中立 26%
緩やかな回復継続
¥9,027
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥645
想定PER14倍
楽観 37%
AI・EV需要急加速
¥14,831
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥645
想定PER23倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.05倍、現BPS=¥5,043。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.73) 中央値 (1.05) 上位25% (1.29)
悲観 37%
半導体投資急減速
¥3,682
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.73倍
中立 26%
緩やかな回復継続
¥5,315
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR1.05倍
楽観 37%
AI・EV需要急加速
¥6,505
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR1.29倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥645。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (7.6) 中央値 (13.2) 上位25% (22.0)
悲観 37%
半導体投資急減速
¥4,885
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER7.6倍
中立 26%
緩やかな回復継続
¥8,492
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER13.2倍
楽観 37%
AI・EV需要急加速
¥14,212
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER22.0倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 5.6%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -13.1% / 中央 -2.3% / 上振れ 12.6%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥580 / 中央 ¥3,309 / 上振れ ¥22,791
現在 ¥9,580 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
2.0%
10年後の状態: 成長33% 横ばい55% 衰退11% 倒産・上場廃止2%
事象タグ別の10年発生確率
景気後退・需要減
69.6%
株主還元強化
53.8%
好況・上振れサイクル
48.0%
競争優位低下
43.4%
バリュエーション低下
41.8%
利益率悪化
39.8%
大幅業績ショック
38.2%
AI投資の供給側恩恵
36.3%
利益率改善
33.4%
AI先端パッケージ・材料需要
30.8%
バリュエーション上昇
27.5%
構造的衰退
21.9%
TOB・買収
7.4%
倒産・上場廃止
6.4%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥9,580(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)12.80%16.30%20.80%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥2,961
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥2,961
スタート時の状態成長(名目永続成長率 2.0%、直近売上成長 20.2%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (37%) 中立 (26%) 楽観 (37%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥2,245 ¥3,860 ¥6,538 ¥4,253
残余利益 ¥2,408 ¥5,439 ¥8,107 ¥5,305
PERマルチプル ¥5,803 ¥9,027 ¥14,831 ¥9,982
PBR分位法 ¥3,682 ¥5,315 ¥6,505 ¥5,151
PER分位法 ¥4,885 ¥8,492 ¥14,212 ¥9,274
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥6,793
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥2,093 割安
¥3,805
FV¥6,793 割高
¥10,039
¥12,549
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
利用規約 | プライバシーポリシー | サイトマップ