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6952 カシオ計算機 銘柄分析・適正株価

カシオ計算機 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 家電・AV機器 電卓・時計・楽器・カメラのグローバルブランド R&I A (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
カシオ計算機は電卓・Gショック・電子楽器など独自ブランドを世界展開する老舗メーカーで、Gショックを中心としたウォッチ事業がキャッシュカウとして機能している。近年は営業利益が2020年ピーク比で半減するなど収益力の低下が顕著であり、スマートフォン普及による電卓・関数電卓市場の縮小と競合激化が逆風となっている。株価は過去最高から大幅に下落しており、Gショック高付加価値化・教育向けデジタル製品の需要回復が実現すれば見直し余地がある。
6
競争優位性
業界内MOAT
3
業界成長性
セクター動態
5
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
5
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.0/10
競争優位性
6
業界成長性
3
リスク耐性
5
株主還元
6
見通し
5

5.6Sol 個別レビュー

Claude Opus 5によるシナリオ加重評価
不確実 簡易
5.6Sol乖離率 -1.9% レビュー時株価との比較
妥当価値 1,766円 シナリオ加重平均
基準株価 1,800円 2026-07-21 / kabufu-db
確信度 簡易評価

投資テーゼ

2026年3月期は売上2762億円・営業利益231億円と62%増益、純利益182億円と2.2倍に回復し不正アクセスの影響から立ち直った。牽引役はG-SHOCKでメタル系の高価格帯が伸び、ブランド力と価格決定力は本物。新中期経営計画は2029年3月期に売上3150億円・営業利益350億円・営業利益率11.1%・ROE10%超を掲げる。価値を支えるのは時計事業の反復需要と厚めの手元資金、上値はレガシーの電子辞書・プロジェクターの縮小を時計と教育ビジネスがどれだけ上回れるかで決まる。

主な懸念

2027年3月期の純利益予想185億円は前期比1%増とほぼ横ばいで、PER21倍はすでに中計達成を織り込みつつある。電子辞書の新規開発中止に象徴されるレガシー事業の縮小が時計の成長を食う構図が続くトラップ懸念。

シナリオ内訳

5.6Sol評価のシナリオ、確率、妥当価値、根拠
シナリオ確率妥当価値根拠
悲観 13.0% 1,050円 中国など主要市場の時計需要低迷と円高でEPS60まで減益、手元資金が下値を支える。
弱気 25.0% 1,250円 中計未達でEPS85前後の横ばい、PER14倍にとどまる。
中立 32.0% 1,850円 中計をほぼ達成し2029年3月期EPS110、PER16倍を現在価値に割り戻す。
強気 20.0% 2,250円 メタルG-SHOCKなど高価格帯拡大で営業利益率12%、EPS125にPER18倍。
楽観 10.0% 2,750円 新規事業が寄与しROE12%超、EPS145にPER19倍。
評価日: 2026-07-26 15:30:00
📋 事業内容
2,618億円
売上高
FY2025実績
81億円
親会社帰属
純利益
161億円
営業CF
FY2025実績
65.9%
自己資本
比率
3.6%
ROE
FY2025

カシオ計算機(6952)は1957年創業の電機メーカーで、電卓・時計(Gショック)・電子楽器・デジタルカメラ・教育機器を主要事業として展開する。売上の中心はウォッチ事業と電卓・電子辞書を含むシステム事業で、グローバルに製品を販売している。Gショックは1983年の発売以来、耐衝撃・防水を軸に世界的なブランドを確立し、特に欧米・アジアの若年層を中心に根強い人気を誇る。一方、電卓市場はスマートフォンの普及により縮小傾向が続いており、主力事業の一角を担う関数電卓は教育機関向けの需要を維持しているものの、売上・利益の構造的な縮小圧力にさらされている。楽器事業(電子ピアノ・キーボード)やデジタルカメラ事業も競合が多く、差別化が課題となっている。

競争優位性(業界内MOAT) 6/10

①Gショックのブランド・コミュニティ

Gショックは「落としても壊れない時計」として40年以上にわたりブランドを磨き続け、ミリタリー・アウトドア・ストリートファッションと幅広い層に支持されている。コレクターコミュニティや限定コラボモデルの展開により、単なる時計メーカーを超えたカルチャーブランドとしての地位を確立している。

②教育向け関数電卓のスイッチングコスト

世界各国の教育機関やセンター試験・大学入試での公認使用実績が積み上がっており、一度採用されると生徒・教員双方に使い慣れた機種を継続使用するインセンティブが生まれる。特に理数系教育が盛んな新興国市場では関数電卓の需要が堅調であり、参入障壁として機能している。

③垂直統合による製品開発力

電卓・時計・楽器にわたる長年の製品開発ノウハウと、省電力・超薄型化などの独自技術を保有している。特にソーラー発電・電波時刻合わせを組み合わせたマルチバンド技術は業界内でも高く評価されており、高機能製品の製造コストと品質のバランスを保つ基盤となっている。

📈 業界の成長性・セクター動態 3/10

中期見通し

2〜3年の中期では、Gショックの高価格帯モデル(プレミアムライン)の展開強化と、アジア・中東・アフリカ向けの拡販によって緩やかな売上回復を目指す方向性が示されている。電卓・楽器事業は構造的縮小の中でコスト最適化を進めつつ、教育向けICT機器との融合製品開発が鍵となる。現時点では大幅な利益回復を見込むのは困難であり、営業利益は150〜200億円程度での推移が基本シナリオとなる。

長期構造的トレンド

5〜10年の長期では、スマートウォッチ市場の拡大とGショックのスマート化(G-SHOCK MOVE等)の成否が最重要テーマとなる。ヘルスケア機能・GPS連携を備えたタフネス系スマートウォッチとしての再定義に成功すれば、アップルウォッチとは異なるニッチを守れる可能性がある。また新興国における中間層の拡大と教育水準向上は、関数電卓・電子辞書の長期需要を下支えする構造的トレンドとなりうる。

⚠️ リスクファクター分析 5/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク電卓市場の構造的縮小

スマートフォン・タブレットの普及により一般電卓・関数電卓の市場は先進国を中心に縮小が続いている。主力事業の一角を担うシステム事業の売上減少は、収益基盤の長期的な弱体化に直結するリスクがある。

高リスク為替リスクと原材料コスト上昇

売上の半分以上を海外が占める中、円高局面での収益悪化リスクが高い。また半導体・液晶パネルなど電子部品のコスト上昇が製品コストを圧迫しており、価格転嫁が難しい低価格帯製品では利益率がさらに低下する懸念がある。

中リスクスマートウォッチとの競合激化

Apple Watch・Garmin・Samsungなどのスマートウォッチメーカーが機能・デザインの両面で進化を続けており、従来のGショックユーザー層に食い込む可能性がある。特に健康管理機能を重視する若年層へのアピール力が問われる。

中リスク配当性向超過による財務負担

2025年度のEPS35円に対しDPS45円と配当性向が100%超の状態が続いており、業績低迷が長引けば配当維持のための財務圧力が高まる。減配となれば株価への下押し圧力が生じる可能性がある。

低リスク新興国市場の政治・経済リスク

アジア・中東・アフリカなどの新興国市場は成長ドライバーである一方、為替変動・政治不安・関税政策の変化による需要の急変リスクを内包している。特定市場への依存度が高まると業績のボラティリティが増す懸念がある。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 5/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

Gショックのプレミアム化・コレクター需要

限定コラボモデルや素材・機能にこだわったプレミアムラインの展開が進んでおり、高価格帯モデルの拡売は収益性の改善に直結する。コレクター市場やファッション感度の高い若年層への訴求強化が鍵となる。

新興国での教育用電卓・ICT機器需要

インド・東南アジア・アフリカでは理数系教育の普及に伴い関数電卓の需要が拡大している。現地教育機関との連携強化と現地適合製品の開発により、成熟した先進国市場の縮小を補う成長余地がある。

スマートGショック(G-SHOCK MOVE)の市場開拓

GPS・心拍数モニタリングを搭載したG-SHOCK MOVEシリーズは、タフネスとスマート機能を組み合わせたニッチを狙う製品群である。アウトドア・ミリタリー・スポーツ用途でのニーズが取り込めれば、スマートウォッチ市場での存在感を高められる可能性がある。

💰 株主還元政策 6/10

カシオは7期連続でDPS45円の安定配当を維持しており、株主還元への意志は強い。2025年度はEPS35円に対してDPS45円と配当性向が100%を超えており、内部留保の取り崩しによる維持と見られる。FCFはおおむねプラスであり、短期的な減配リスクは低いが、業績が一段と悪化した場合には配当方針の見直しが必要になる可能性がある。自社株買いの実施実績は限定的であり、総還元利回りは配当がほぼ全てを占める構成となっている。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
10年国債利回り(リスクフリーレート)+2.86%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(家電・AV機器)×1.32
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+6.78%
リスク耐性スコア調整(5/10)+0.00%
MOAT スコア調整(6/10)+0.00%
格付け調整(R&I A)-0.20%
当社中立CoE9.43%
悲観 CoE
12.4%
中立 CoE
9.4%
楽観 CoE
6.9%
リスク耐性スコア(5/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 38%
中立 29%
楽観 33%
悲観 38% — ブランド力低下・構造縮小
中立 29% — Gショック堅調・緩やかな回復
楽観 33% — 高付加価値化加速・新興国拡大
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥1,542/株
悲観38% / 中立29% / 楽観33%
リスク耐性スコア 5/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2025年度 208億円 / 2024年度 303億円 / 2023年度 82億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥45。成長率は過去DPS CAGR(10年=5.4%、直近3年=0.0%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。

悲観 38%
ブランド力低下・構造縮小
¥340
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト12.4%
ターミナル成長率0.0%
中立 29%
Gショック堅調・緩やかな回復
¥580
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト9.4%
ターミナル成長率1.0%
楽観 33%
高付加価値化加速・新興国拡大
¥1,142
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.9%
ターミナル成長率2.0%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥956、配当性向90%でBPS追跡。

悲観 38%
ブランド力低下・構造縮小
¥500
推定フェアバリュー/株
CoE12.4%
ROE(初年→10年目)-4.7%→8.6%
TV成長率0.0%
中立 29%
Gショック堅調・緩やかな回復
¥1,077
推定フェアバリュー/株
CoE9.4%
ROE(初年→10年目)10.5%→10.5%
TV成長率1.0%
楽観 33%
高付加価値化加速・新興国拡大
¥1,750
推定フェアバリュー/株
CoE6.9%
ROE(初年→10年目)13.0%→10.8%
TV成長率2.0%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥120、総合スコア5.0から指数関数的に倍率算出。

悲観 38%
ブランド力低下・構造縮小
¥958
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥120
想定PER8倍
中立 29%
Gショック堅調・緩やかな回復
¥1,437
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥120
想定PER12倍
楽観 33%
高付加価値化加速・新興国拡大
¥2,275
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥120
想定PER19倍
PBR法による価値算定を見送り
過去PBR中央値が1.5超のため、PBR法による価値算定は適していません(高ROE/成長銘柄)

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥120。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (19.8) 中央値 (23.9) 上位25% (29.1)
悲観 38%
ブランド力低下・構造縮小
¥2,369
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER19.8倍
中立 29%
Gショック堅調・緩やかな回復
¥2,858
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER23.9倍
楽観 33%
高付加価値化加速・新興国拡大
¥3,488
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER29.1倍

10年後の株価を 1000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-07-29)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 16.1%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -13.4% / 中央 -1.6% / 上振れ 11.1%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(1000シナリオ)
下振れ ¥223 / 中央 ¥1,021 / 上振れ ¥4,159
現在 ¥1,800 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.4%
10年後の状態: 成長32% 横ばい60% 衰退8% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
日本の家計実質所得圧迫
49.9%
景気後退・需要減
49.1%
株主還元強化
43.3%
好況・上振れサイクル
42.1%
バリュエーション低下
39.8%
構造的衰退
30.3%
rate environment net interest bridge
25.8%
バリュエーション上昇
25.2%
利益率悪化
25.0%
利益率改善
23.8%
大幅業績ショック
21.8%
競争優位低下
15.8%
TOB・買収
15.1%
希薄化・増資
6.1%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(1000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥1,800(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
🍝 トータルリターンの10年推移(1000通りのシナリオ)
横軸 = 経過年 / 縦軸 = 配当込み累積トータルリターン(%)。薄い線1本1本が1回のシミュレーション、 太線が中央シナリオ、帯が下振れ〜上振れ(P10〜P90)。0%(灰線)より上なら投資元本を上回る。
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)4.86%8.36%12.86%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥813
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥795
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.7%、直近売上成長 4.0%)

※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (38%) 中立 (29%) 楽観 (33%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥340 ¥580 ¥1,142 ¥674
残余利益 ¥500 ¥1,077 ¥1,750 ¥1,080
PERマルチプル ¥958 ¥1,437 ¥2,275 ¥1,532
PBR分位法
PER分位法 ¥2,369 ¥2,858 ¥3,488 ¥2,880
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥1,542
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥573 割安
¥1,042
FV¥1,542 割高
¥2,164
¥2,705
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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