7164
FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
全国保証株式会社(7164)は、住宅ローン保証専業の最大手企業である。銀行・信用金庫・信用組合など全国2000社超の金融機関に対し、住宅ローンの信用保証サービスを提供している。借り手が返済不能になった際に金融機関に代位弁済を行い、その後借り手に求償するビジネスモデルで、保証残高の蓄積により保証料収入が安定的にストックされる。FY2025の売上高は570億円、営業利益率は73%超と極めて高い収益性を誇る。設立以来の審査ノウハウと全国規模のパートナーネットワークが競争優位の源泉であり、少子高齢化が進む中でも住宅ローン市場での地位を堅固に維持している。
①全国金融機関との提携ネットワーク
全国2000社超の金融機関と提携関係を有し、業界標準的な保証機関としての地位を確立している。一度構築された金融機関との保証委託契約は切り替えコストが高く、競合への乗り換えが生じにくい。この広大なネットワークは新規参入者が短期に模倣することが困難な参入障壁を形成している。
②20年超の審査・回収ノウハウ蓄積
住宅ローン保証専業として20年以上積み上げた審査データと回収ノウハウは、リスク管理精度を高める重要な無形資産である。代位弁済後の求償回収においても経験則に基づく高い回収率を実現しており、保証料率の適正設定と収益安定化に寄与している。このノウハウは規模と年月を要するもので後発参入者には容易に習得できない。
③専業特化による信頼性と規模の経済
銀行系保証会社と異なり特定の銀行グループに属さない独立系として、幅広い金融機関から中立的な立場で選ばれる強みがある。専業特化による高い認知度と信頼性は、地方金融機関が保証業務をアウトソースする際の第一選択となりやすい。また保証残高規模の拡大が固定費の分散を促し、収益性の持続的改善に貢献している。
中期見通し
2〜3年の中期では、住宅ローン市場の緩やかな拡大と保証残高の積み上がりにより、年率3〜5%程度の安定成長が見込まれる。金利上昇局面においては新規実行件数の伸び鈍化の懸念があるが、既存ストックの保証料収入が下支えとなる。また地方銀行の統廃合に伴う保証業務の外部委託ニーズ取り込みが追い風になる可能性がある。EPS・DPSの増加基調は継続が予想される。
長期構造的トレンド
5〜10年の長期では少子化・人口減少による新設住宅着工数の減少が成長の頭打ち要因となりうる。一方で国の中古住宅流通促進政策による既存住宅市場の活性化は新たな保証需要を生む可能性がある。さらに非住宅分野(アパートローン・事業用不動産)への保証サービス拡張や、フィンテック企業との連携によるデジタル住宅ローン保証参入など、新しい市場機会も模索されている。高齢化社会でのリバースモーゲージ保証なども潜在的な成長領域である。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
リーマンショック級の住宅価格急落や大規模な失業増加が生じた場合、代位弁済が急増し自己資本が毀損するリスクがある。自己資本比率が0.5%と低い構造上、代位弁済率が一定水準を超えると財務的に脆弱な局面が生じうる。
日銀の金融政策正常化が加速し住宅ローン金利が大幅上昇した場合、新規住宅ローン実行件数が急減し新規保証引受が落ち込むリスクがある。既存残高はストックとして残るが、成長鈍化がバリュエーションに織り込まれる可能性がある。
少子化・人口減少の加速により新設住宅着工件数は長期的な減少トレンドにあり、主要市場の縮小が中長期の成長制約となる。人口減少地域での空き家問題深刻化が需要の地域偏在を生む可能性もある。
メガバンク系保証会社や大手金融グループが独立系保証市場に本格参入した場合、提携金融機関の切り替えが生じるリスクがある。デジタル化・フィンテック進展による新規参入者の台頭も競争環境を変化させる可能性がある。
住宅ローン保証に関わる法規制(保証業法・銀行法等)の変更や、住宅ローン減税など政府の住宅支援政策の縮小が、需要構造や収益性に影響を与える可能性がある。ただし現時点での規制変更リスクは低いと判断している。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
国土交通省が推進する住宅ストック活用政策のもと、中古住宅売買に伴う住宅ローン組み直しや既存住宅インスペクション普及による保証ニーズ拡大が期待される。中古市場の拡大は新築依存度を低下させ、成長経路の多様化につながる。
地方銀行の経営効率化・合併再編が進む中、自前の保証会社を維持できなくなった地方金融機関からの保証委託増加が見込まれる。専業最大手としての信頼性と実績が新規提携獲得を後押しし、保証残高の積み増しに貢献する可能性がある。
アパートローン・事業用不動産ローン保証や、リバースモーゲージ保証など新たなカテゴリへの事業拡張が長期的な成長余地を提供する。また東南アジア等の住宅金融市場発展途上国への保証スキーム輸出も超長期の機会として考えられる。
全国保証は積極的な配当成長政策を継続しており、FY2019のDPS44円からFY2025の106円へと6年間で2.4倍超の増配を実現している。配当性向は約45%前後を維持し、利益成長に連動した持続可能な配当水準を保っている。株主還元は配当を中心としつつ機動的な自己株取得も実施しており、総還元利回りは地味ながら安定的に推移している。今後も利益成長に伴う増配継続が期待され、長期配当成長株として評価できる。
リスク耐性スコア 5/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 340億円 / 2024年度 -247億円 / 2023年度 -73億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥106。成長率は過去DPS CAGR(10年=18.2%、直近3年=16.8%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(13年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,759、配当性向45%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥237、総合スコア6.4から指数関数的に倍率算出。
過去PBR中央値が1.5超のため、PBR法による価値算定は適していません(高ROE/成長銘柄)
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥237。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 6.83% | 10.33% | 14.83% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥1,530 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥1,530 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 4.8%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (30%) | 中立 (45%) | 楽観 (25%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥1,826 | ¥3,130 | ¥6,656 | ¥3,620 |
| 残余利益 | ¥940 | ¥2,441 | ¥4,859 | ¥2,595 |
| PERマルチプル | ¥2,365 | ¥3,548 | ¥5,677 | ¥3,725 |
| PBR分位法 | — | — | — | — |
| PER分位法 | ¥2,979 | ¥3,267 | ¥4,038 | ¥3,373 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥3,328 | ||
¥2,028 FV¥3,328 割高
¥5,308 ¥6,635