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日産自動車 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム
輸送用機器
自動車
JCR BBB+ (stable)
R&I BBB+ (stable)
投資テーゼ
ルノーとの資本関係対称化で自律性を回復しつつも、中国・北米・欧州の三大市場で同時に競争力低下が進む構造的苦境にあり、リバイバルプランの実効性と固定費削減の進捗が株価回復の鍵を握る。ホンダとの統合協議解消により単独再建路線を余儀なくされ、EV転換の遅れとガバナンス改革の不完全さが中長期リスクとして残存する。
📋
事業内容
日産自動車は国内販売台数第三位のグローバル自動車メーカーであり、ルノー・三菱自動車とともに三社連合を形成する。北米・中国・欧州・日本の四極体制で事業を展開するが、特に中国では現地OEMの台頭と電動化シフトへの対応遅延により市場シェアが急速に低下している。ゴーン氏失脚後の経営混乱を経て複数回のリバイバルプランを策定し、生産拠点の統廃合と固定費削減を推進しているが、収益体質の抜本的改善には至っていない。ホンダとの経営統合協議は2025年に解消され、単独での競争力再構築が急務となっている。
⚡
競争優位性(業界内MOAT)
3/10
①e-POWER独自技術 エンジンを発電専用に用いるシリーズハイブリッドのe-POWERは日産独自の電動化アーキテクチャであり、新興国市場での燃費訴求において差別化要因となっている。ただし完全EVへの移行局面では技術的優位の持続期間が限定される可能性がある。
②新興国低価格帯モデル群 インドや中東・アフリカ向けの低価格帯モデルラインアップは現地生産体制と組み合わせることでコスト競争力を発揮し、先進国市場での苦戦を一定程度補完している。三菱自動車との連合を通じたプラットフォーム共有がこの戦略を支えている。
③ルノー連合によるスケール 部品共通化・プラットフォーム共有・調達一元化による固定費分散は依然として相応のコスト優位をもたらしており、連合解体よりも関係正常化を選択したことはこのスケールメリット維持を優先した判断とみなせる。
📈
業界の成長性・セクター動態
2/10
中期見通し インドネシアを中心としたアセアン市場では日系ブランドの信頼性が依然として高く、三菱自動車との連合を活用したSUV・MPVラインアップの拡充により中長期の販売台数成長が見込める地域として残っている。
長期構造的トレンド 完全EV普及の速度鈍化を背景にハイブリッド車への需要が再加速しており、e-POWERを中核とした製品戦略が短中期の販売回復の触媒となりうる。特に北米市場での規制環境変化はHEVに有利に働く可能性がある。
⚠️
リスクファクター分析
3/10
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
高リスク 中国市場の構造的シェア喪失
BYDをはじめとする現地EVメーカーの台頭により日産の中国合弁販売台数は継続的に減少しており、価格競争の激化が採算性をさらに圧迫している。中国事業の抜本的な規模縮小なしには固定費回収が困難な状況が続くリスクがある。
高リスク 北米関税・通商政策リスク
北米での生産・販売体制はメキシコ工場への依存度が高く、米国の輸入関税強化は製造コストと販売価格競争力に直接的な打撃を与える。北米は日産の数少ない収益基盤であり、ここでの悪化は全社損益に非線形な影響を与えうる。
中リスク ホンダ統合解消による単独再建リスク
2025年に解消されたホンダとの経営統合協議は、規模の経済による研究開発費分散と調達力強化という成長シナリオを消滅させた。単独でのEVプラットフォーム開発には巨額投資が必要であり、財務余力が限られる中での投資優先順位の設定が経営の試金石となる。
中リスク ガバナンス・経営安定性リスク
ゴーン氏失脚以降、複数のCEO交代と戦略の頻繁な見直しが続いており、組織の実行力と外部からの信頼性が毀損したままとなっている。ルノーとの資本関係見直しプロセスにおける意思決定の複雑さも、迅速な構造改革の障害となりうる。
💡
見通し(上振れ経路と実現確度)
4/10
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
中 リストラ進捗による損益分岐点引き下げ
リバイバルプランに基づく生産拠点集約と固定費削減が計画通りに進捗した場合、現状の販売台数水準でも営業黒字を安定的に維持できる体質転換が実現しうる。株価がバリュエーション的に底値圏にある現局面では、リストラ進捗の確認が株価再評価の最初のトリガーとなる可能性が高い。
💰
株主還元政策
3/10
営業利益率は直近期において一パーセントを下回る水準まで悪化しており、配当維持・増配の財務余力は実質的に枯渇した状態にある。ルノーとの持分対称化に伴う自社株買い等の資本政策変化が一時的なカタリストとなりうるものの、持続的な株主還元の回復には損益分岐点の大幅切り下げを先行させる必要がある。自動車セクター平均と比較してPBRは解散価値に近い水準で推移しており、リストラの具体的進捗が確認されるまでバリュエーション面での再評価は限定的とみる。
EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益)
DPS(1株配当年間)
⚖️
内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート) +3.70%
成熟市場ERP(Damodaran) +4.23%
日本カントリーリスクプレミアム +0.91%
業種ベータ(自動車メーカー) ×1.33
→ 業種調整後の市場リスクプレミアム +6.82%
リスク耐性スコア調整(3/10) +1.20%
MOAT スコア調整(3/10) +0.50%
格付け調整(JCR BBB+ / R&I BBB+) +0.00%
当社中立CoE 12.22%
リスク耐性スコア(3/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 39%
— 中国販売の底割れと北米関税強化が重なり固定費カバレッジが臨界点を突破、財務体力が急速に毀損
中立 34%
— リバイバルプラン下で生産台数を適正水準に圧縮しながら損益分岐点を引き下げ、営業黒字を細く維持
楽観 27%
— ルノー持分対称化後の資本効率改善と日産独自のハイブリッド技術が新興国で再評価され、収益性と信用格付けが同時回復
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥1,334/株
悲観39% / 中立34% / 楽観27%
リスク耐性スコア 3/10 より算出
DCF
配当割引(DDM)
残余利益(RIM)
PERマルチプル
PBR分位法
PER分位法
★MC
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り 直近3期FCF: 2025年度 -2,175億円 / 2024年度 1,482億円 / 2023年度 7,740億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=—。
悲観 39%
中国販売の底割れと北米関税強化が重なり固定費カバレッジが臨界点を突破、財務体力が急速に毀損
—
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト 15.2%
ターミナル成長率 -0.3%
中立 34%
リバイバルプラン下で生産台数を適正水準に圧縮しながら損益分岐点を引き下げ、営業黒字を細く維持
—
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト 12.2%
ターミナル成長率 1.0%
楽観 27%
ルノー持分対称化後の資本効率改善と日産独自のハイブリッド技術が新興国で再評価され、収益性と信用格付けが同時回復
—
推定フェアバリュー/株
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,383、配当性向45%でBPS追跡。
悲観 39%
中国販売の底割れと北米関税強化が重なり固定費カバレッジが臨界点を突破、財務体力が急速に毀損
¥533
推定フェアバリュー/株
CoE 15.2%
ROE(初年→10年目) -4.8%→9.5%
TV成長率 -0.3%
中立 34%
リバイバルプラン下で生産台数を適正水準に圧縮しながら損益分岐点を引き下げ、営業黒字を細く維持
¥1,223
推定フェアバリュー/株
CoE 12.2%
ROE(初年→10年目) 11.3%→11.3%
TV成長率 1.0%
楽観 27%
ルノー持分対称化後の資本効率改善と日産独自のハイブリッド技術が新興国で再評価され、収益性と信用格付けが同時回復
¥1,972
推定フェアバリュー/株
CoE 9.7%
ROE(初年→10年目) 13.5%→11.7%
TV成長率 2.0%
PERマルチプル法。ピークEPS=¥166、総合スコア3.0から指数関数的に倍率算出。
悲観 39%
中国販売の底割れと北米関税強化が重なり固定費カバレッジが臨界点を突破、財務体力が急速に毀損
¥830
推定フェアバリュー/株
中立 34%
リバイバルプラン下で生産台数を適正水準に圧縮しながら損益分岐点を引き下げ、営業黒字を細く維持
¥1,328
推定フェアバリュー/株
楽観 27%
ルノー持分対称化後の資本効率改善と日産独自のハイブリッド技術が新興国で再評価され、収益性と信用格付けが同時回復
¥2,323
推定フェアバリュー/株
PBR法による価値算定を見送り
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(時系列に不連続な急変あり(株式分割の遡及反映が不完全な可能性))
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥166。
PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次
下位25% (6.7)
中央値 (9.3)
上位25% (10.8)
悲観 39%
中国販売の底割れと北米関税強化が重なり固定費カバレッジが臨界点を突破、財務体力が急速に毀損
¥1,117
推定フェアバリュー/株
中立 34%
リバイバルプラン下で生産台数を適正水準に圧縮しながら損益分岐点を引き下げ、営業黒字を細く維持
¥1,541
推定フェアバリュー/株
楽観 27%
ルノー持分対称化後の資本効率改善と日産独自のハイブリッド技術が新興国で再評価され、収益性と信用格付けが同時回復
¥1,794
推定フェアバリュー/株
10年後の株価を 5000通り の未来シナリオでシミュレーション。
業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。
(最終計算: 2026-05-10)
総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 14.5%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -21.8% /
中央 0.1% /
上振れ 13.4%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥0 /
中央 ¥269 /
上振れ ¥1,016
現在 ¥346 →
分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
17.4%
10年後の状態: 成長0% 横ばい26% 衰退56% 倒産・上場廃止17%
事象タグ別の10年発生確率
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。
現在 ¥346 (赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果 下振れ 中央 上振れ
必要利回り(株主資本コスト) 7.70% 11.20% 15.70%
成長持続年数(競争優位性に連動) 7年 10年 13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) ¥148
10年後EPS/BPS×出口評価(中央) ¥148
スタート時の状態 L(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 6.0%)
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
評価モデル
悲観 (39%)
中立 (34%)
楽観 (27%)
加重平均
DCF
—
—
—
—
配当割引
—
—
—
—
残余利益
¥533
¥1,223
¥1,972
¥1,156
PERマルチプル
¥830
¥1,328
¥2,323
¥1,402
PBR分位法
—
—
—
—
PER分位法
¥1,117
¥1,541
¥1,794
¥1,444
モデル平均
↑ 各モデルの確率加重平均
¥1,334
📊
株価チャート
バリュエーションゾーン
¥455
割安 ¥827
FV¥1,334
割高 ¥2,030
¥2,538
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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