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スズキ 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
R&I A+ (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
インド乗用車市場で約四割のシェアを持つマルチ・スズキを中核に、世界最速級の成長市場を内側から取り込む構造的優位性を持つ。日本国内では軽自動車トップクラスのブランド力を維持しつつ、インド中間層の所得拡大が長期的な需要拡大エンジンとなる。
4
競争優位性
業界内MOAT
4
業界成長性
セクター動態
3
リスク耐性
財務・事業安定性
3
株主還元
配当・自社株買い
5
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
3.8/10
競争優位性
4
業界成長性
4
リスク耐性
3
株主還元
3
見通し
5
📋 事業内容
58,252億円
売上高
FY2025実績
4,161億円
親会社帰属
純利益
6,698億円
営業CF
FY2025実績
49.5%
自己資本
比率
14.0%
ROE
FY2025

スズキは軽自動車・小型車・二輪車を主力とする自動車メーカーで、国内では軽自動車カテゴリで高い存在感を持つ。収益の中核はインド子会社マルチ・スズキで、同社はインド乗用車市場でおよそ四割のシェアを長年維持してきた。二輪事業はアジア新興国向けに展開されており、四輪とは異なる顧客層を捕捉している。グローバルには欧米大手と比べて規模で劣るが、特定市場への集中戦略が高い現地競争力を生んでいる。

競争優位性(業界内MOAT) 4/10

マルチ・スズキは数十年をかけてインド全土に張り巡らせたディーラー・サービス網を保有し、農村部を含む幅広い顧客接点が他社の参入障壁となっている。この物理的インフラはブランド信頼と一体化しており、短期間での複製が困難な持続的優位を形成している。

スズキは軽自動車・小型車の長年の開発で培った部品共有・原価低減のノウハウを持ち、新興国の価格感応度が高い消費者層に適した製品を高い採算で供給できる。このコスト競争力は欧米大型車中心の自動車メーカーが容易に模倣できない固有技術の蓄積に裏打ちされている。

国内軽自動車市場でスズキはトップクラスのシェアを長年維持しており、小型・燃費・信頼性という属性でのブランド連想が根強い。軽自動車規格という日本固有の制度的枠組みが参入者を限定する構造的保護としても機能している。

📈 業界の成長性・セクター動態 4/10

インドの乗用車保有率は先進国と比較して依然低く、所得水準の上昇とともに初めてのマイカー購入層が継続的に市場に流入する。マルチ・スズキの強固なブランドと販売網がこの需要を最も効率よく取り込める立場にある。

スズキはインドでのEV投入計画を進めており、インド政府の補助金政策と合わせて先行者優位を確立できる可能性がある。現地生産のEVが普及すれば既存顧客の乗り換え需要を取り込みつつ、平均単価の引き上げが期待できる。

⚠️ リスクファクター分析 3/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク

売上・利益のインド単一市場への依存度が高く、インド景気後退・規制変更・競合激化が業績に直撃する。

中リスク

ルピー安は円換算の利益を圧縮し、ヘッジコストと合わせて収益変動の主因となる。

中リスク

欧米EV市場への対応が競合より遅れており、先進国向けポートフォリオの陳腐化リスクを抱える。

中リスク

インド政府の外資規制強化・関税政策変更がマルチ・スズキの収益送金や現地事業運営に影響しうる。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 5/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

インドGDP・中間層拡大に連動してマルチ・スズキの販売台数が構造的に伸長し、利益成長の主エンジンとなる。

インド政府のEV優遇政策とマルチ・スズキの現地生産基盤を活かし、e-Vitara等でEV移行需要を先取りできる。

東南アジア・南アジアの二輪車普及フェーズで廉価・信頼性訴求モデルが継続的な需要を捉える。

💰 株主還元政策 3/10

現状の株主還元は配当を中心とした保守的な方針だが、インド子会社からの配当収入増加が親会社の還元余力を高める方向にある。PBRは同業他社対比で低く放置されており、資本効率改善や自社株買い拡充が実現すれば株価の再評価余地が大きい。インドでの利益拡大が継続するほど、連結EPS成長率と株主還元の両面でポジティブなスパイラルが生じやすい構造にある。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(自動車メーカー)×1.33
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+6.82%
リスク耐性スコア調整(3/10)+1.20%
MOAT スコア調整(4/10)+0.20%
格付け調整(R&I A+)-0.20%
当社中立CoE11.72%
悲観 CoE
14.7%
中立 CoE
11.7%
楽観 CoE
9.2%
リスク耐性スコア(3/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 39%
中立 34%
楽観 27%
悲観 39% — 悲観シナリオ
中立 34% — 中立シナリオ
楽観 27% — 楽観シナリオ
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥2,135/株
悲観39% / 中立34% / 楽観27%
リスク耐性スコア 3/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 1,942億円 / 2024年度 122億円 / 2023年度 -160億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥41。成長率は過去DPS CAGR(10年=18.6%、直近3年=21.7%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(9年)でターミナル成長率に収束。

悲観 39%
悲観シナリオ
¥492
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト14.7%
ターミナル成長率0.1%
中立 34%
中立シナリオ
¥750
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト11.7%
ターミナル成長率1.0%
楽観 27%
楽観シナリオ
¥1,228
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト9.2%
ターミナル成長率2.0%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,540、配当性向19%でBPS追跡。

悲観 39%
悲観シナリオ
¥576
推定フェアバリュー/株
CoE14.7%
ROE(初年→10年目)-4.8%→9.5%
TV成長率0.1%
中立 34%
中立シナリオ
¥1,500
推定フェアバリュー/株
CoE11.7%
ROE(初年→10年目)11.6%→11.6%
TV成長率1.0%
楽観 27%
楽観シナリオ
¥2,645
推定フェアバリュー/株
CoE9.2%
ROE(初年→10年目)14.2%→11.7%
TV成長率2.0%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥216、総合スコア3.8から指数関数的に倍率算出。

悲観 39%
悲観シナリオ
¥1,510
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥216
想定PER7倍
中立 34%
中立シナリオ
¥2,157
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥216
想定PER10倍
楽観 27%
楽観シナリオ
¥3,666
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥216
想定PER17倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.39倍、現BPS=¥1,540。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (1.20) 中央値 (1.39) 上位25% (1.59)
悲観 39%
悲観シナリオ
¥1,846
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR1.20倍
中立 34%
中立シナリオ
¥2,146
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR1.39倍
楽観 27%
楽観シナリオ
¥2,449
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR1.59倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥216。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (14.4) 中央値 (18.8) 上位25% (24.7)
悲観 39%
悲観シナリオ
¥3,104
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER14.4倍
中立 34%
中立シナリオ
¥4,056
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER18.8倍
楽観 27%
楽観シナリオ
¥5,320
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER24.7倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 8.9%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -8.8% / 中央 0.7% / 上振れ 10.8%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥231 / 中央 ¥640 / 上振れ ¥2,303
現在 ¥1,808 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.4%
10年後の状態: 成長12% 横ばい65% 衰退23% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
好況・上振れサイクル
51.3%
景気後退・需要減
50.6%
株主還元強化
43.0%
バリュエーション低下
34.6%
利益率改善
30.7%
バリュエーション上昇
29.4%
利益率悪化
26.0%
大幅業績ショック
21.8%
競争優位低下
18.9%
構造的衰退
15.9%
希薄化・増資
6.3%
倒産・上場廃止
3.0%
TOB・買収
3.0%
過剰債務・既存株主毀損
2.5%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥1,808(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)7.70%11.20%15.70%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥1,061
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥1,061
スタート時の状態C(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 11.1%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (39%) 中立 (34%) 楽観 (27%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥492 ¥750 ¥1,228 ¥778
残余利益 ¥576 ¥1,500 ¥2,645 ¥1,449
PERマルチプル ¥1,510 ¥2,157 ¥3,666 ¥2,312
PBR分位法 ¥1,846 ¥2,146 ¥2,449 ¥2,111
PER分位法 ¥3,104 ¥4,056 ¥5,320 ¥4,026
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥2,135
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥828 割安
¥1,506
FV¥2,135 割高
¥3,062
¥3,828
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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