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FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
第四北越フィナンシャルグループは、第四銀行と北越銀行が2018年に経営統合して誕生した新潟県最大の地方銀行持株会社である。新潟県内に100店舗超の店舗網を持ち、個人・中小企業・大企業・公共機関向けの預金・融資・資産運用・決済サービスをワンストップで提供する。売上高は2019年の1,180億円から2025年の1,946億円へと増加し、純利益も293億円と着実に拡大。統合シナジーによるコスト削減と、日銀の金利正常化による資金利益改善が業績を底上げしている。傘下には証券・リースなどの関連事業会社も抱え、グループ総合力で顧客ニーズに応える体制を整備している。
①新潟県内の圧倒的預貸シェア
第四銀行と北越銀行の統合により新潟県内の預金・貸出シェアは約40%前後に達し、競合地銀を大きく引き離す。長年の取引実績に基づく顧客の粘着性は高く、メガバンクやネット銀行が容易に代替できない地域密着型の信頼関係が競争優位の根幹をなす。
②統合によるコスト効率化
2018年の経営統合以降、システム統合・店舗再編・本部機能集約による費用削減が進んでいる。スケールメリットを活かした運営コスト低減は競合地銀に対する収益力の優位性を生み出しており、今後も継続的な効率化余地が残る。
③地域企業への深い融資ノウハウ
新潟県は農業・食品・金属加工・観光など多様な産業が集積しており、長年の取引で蓄積した業種別の審査ノウハウと企業情報は簡単に模倣できない資産。事業承継・M&Aアドバイザリーなど高付加価値サービスの提供基盤にもなっている。
中期見通し
日銀の段階的な利上げ継続を前提とすると、変動金利が大半を占める貸出金利の再プライシングにより資金利益の拡大が続く見通し。2025年度の純利益293億円を起点に、2026〜2027年度も増益基調が維持される可能性が高い。加えて新NISAを契機とした個人の資産運用需要拡大による手数料収入増も中期成長ドライバーとなる。
長期構造的トレンド
新潟県の人口は長期的に減少傾向にあり、貸出残高の有機的な拡大には限界がある。中長期的には県外・隣接地域への事業展開、デジタルバンキングサービスの充実、相続・資産管理ビジネスの拡大が成長の軸となる。また地方創生・インフラ更新・脱炭素関連の設備投資融資など政策連動テーマへの対応も重要。ESG融資やサステナブルファイナンスの拡充によるブランド価値向上も長期的な企業価値に寄与する。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
保有する国債・地方債等の債券ポートフォリオは金利上昇局面で評価損が膨らむリスクがある。急速な利上げが続いた場合、含み損の顕在化が自己資本を圧迫する可能性があり、OCFの大幅なマイナスもこのリスクと無縁ではない。
新潟県経済の低迷や主要取引先企業の経営悪化が生じた場合、不良債権の増加と引当金積み増しが業績を大幅に押し下げるリスクがある。2019年度の純利益568億円が翌年度以降に急減した経緯があり、与信費用の動向は最重要モニタリング指標。
新潟県の人口は長期的に減少が続いており、住宅ローンや中小企業向け運転資金の自然増が期待しにくい構造的課題がある。新規融資先の開拓や取引深耕なしには貸出残高の維持も困難になりうる。
スマートフォンで完結するデジタルバンクやPayPay銀行等のネット専業銀行が低コストの金融サービスを提供することで、特に若年層の顧客離れが加速するリスクがある。デジタルシフトへの投資遅れは競争力低下に直結する。
2018年の経営統合以降、システム統合作業が続いており、移行時のトラブルや障害が発生した場合の顧客信頼損失リスクがある。またサイバー攻撃による情報漏洩や業務停止リスクも金融機関共通の課題として継続的な対策が必要。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
日銀が緩やかな利上げを継続する場合、変動金利ローンの利回り上昇と預金コストの上昇ラグにより、資金利益(貸出金利と預金コストの差)が拡大する。地銀は預貸金の金利感応度が高く、利上げ恩恵を受けやすいビジネス構造。
新NISAの普及・相続税対策需要の増加・退職金運用ニーズの高まりを背景に、投資信託・保険・資産管理サービスの販売手数料が増加する潜在力がある。地元金融機関への信頼を活かした対面型資産運用コンサルティングの強化が収益多様化に寄与する。
現在PBR0.5倍前後で推移しているが、ROE改善・増配・自己株取得の組み合わせによる資本効率向上策が評価されれば株価の再評価余地は大きい。東証のPBR改善要請を追い風に、資本コストを意識した経営への転換が投資家からのバリュエーション見直しを促す可能性がある。
2025年度の1株配当は¥44と、前年度の¥24から大幅増配を実施。2019年度の¥10から着実に増配を重ねており、収益力向上に連動した株主還元強化の方針が明確になっている。今後も配当性向の段階的な引き上げを通じた還元拡充が期待され、自己資本の充実を維持しながらROE・PBR改善を目指す資本政策が軌道に乗りつつある。現状の配当利回りは2%台後半で、地銀セクター平均並みの水準。
リスク耐性スコア 6/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -692億円 / 2024年度 2,042億円 / 2023年度 -7,193億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥44。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,827、配当性向39%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥238、総合スコア5.8から指数関数的に倍率算出。
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(長期データ不足(10年未満))
黒字年の長期データ不足のためPER法による価値算定を見送り
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 5.46% | 8.96% | 13.46% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥871 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥871 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 0.0%、直近売上成長 7.2%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (29%) | 中立 (48%) | 楽観 (23%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥333 | ¥621 | ¥1,357 | ¥707 |
| 残余利益 | ¥850 | ¥2,344 | ¥4,340 | ¥2,370 |
| PERマルチプル | ¥2,141 | ¥3,331 | ¥5,234 | ¥3,424 |
| PBR分位法 | — | — | — | — |
| PER分位法 | — | — | — | — |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥2,167 | ||
¥1,108 FV¥2,167 割高
¥3,644 ¥4,555
関連: 7327 第四北越フィナンシャルグループ の株価・財務分析(概要ページ) / 銘柄分析ランキング一覧 / 銀行業の業界分析