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十六フィナンシャルグループ 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 地方銀行 岐阜・東海地盤の中堅地銀持株会社 JCR A+ (stable) R&I A+ (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
十六フィナンシャルグループは岐阜県を中心に東海地方で強固な地盤を持つ地方銀行持株会社であり、製造業集積地の旺盛な資金需要と手数料収入の多様化を成長ドライバーとする。日銀の金利正常化局面において利鞘改善が期待でき、配当利回り水準(約1.7%)と安定した増配姿勢はインカム投資家にも魅力的である。PBR0.5倍台と依然として簿価割れが続いており、資本効率改善策の具体化次第で再評価余地がある。
6
競争優位性
業界内MOAT
5
業界成長性
セクター動態
5
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
6
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.6/10
競争優位性
6
業界成長性
5
リスク耐性
5
株主還元
6
見通し
6
📋 事業内容
1,363億円
売上高
FY2025実績
208億円
親会社帰属
純利益
29億円
営業CF
FY2025実績
5.5%
自己資本
比率
4.9%
ROE
FY2025

十六フィナンシャルグループは岐阜県岐阜市に本拠を置く地方銀行持株会社で、傘下に十六銀行を中心とする金融グループを形成する。東海地方の製造業・中小企業を主要顧客とし、預貸業務を軸に、リース、証券仲介、資産運用など幅広い金融サービスを展開する。売上高(経常収益ベース)は直近4期で1,127〜1,363億円と増収傾向を維持。純利益は172〜208億円で安定的に推移しており、EPSも着実に改善している。日銀の金融政策正常化による利鞘改善効果が今後の収益を下支えする見通しで、地域密着型の総合金融グループとして存在感を発揮している。

競争優位性(業界内MOAT) 6/10

①岐阜県内の高いシェアと地域密着力

十六銀行は岐阜県内で最大規模の金融機関であり、県内企業・個人との長年の取引関係が深い参入障壁を形成している。地域の経済団体・自治体との連携も厚く、行政系資金調達や公共事業融資での優位性を持つ。新興プレイヤーが短期間で同等の信頼関係を構築することは容易ではない。

②東海製造業集積地における専門知見

岐阜・愛知を中心とする東海地方は自動車・精密機械等の製造業が集積する日本有数の産業圏。十六銀行は製造業向け融資・ファクタリング・事業継承支援で業界特有のノウハウを蓄積しており、企業の設備投資サイクルに沿ったソリューション提供が可能なことが競争優位となっている。

③多角的な手数料ビジネスの展開

預貸業務に依存しすぎない収益構造の構築を進めており、証券仲介・投資信託・保険販売・相続・事業承継コンサルティングなど非金利収益の多様化を推進。これらは利鞘縮小局面でも安定した収益貢献が期待でき、業績の下支え効果をもたらしている。

📈 業界の成長性・セクター動態 5/10

中期見通し

2025〜2027年度にかけては日銀の政策金利引き上げに伴う貸出利鞘改善が主要な収益押し上げ要因となる見通し。東海地方の設備投資需要は底堅く、製造業向け運転・設備資金の需要拡大が融資残高増加を支援する。また増配基調の継続と資本政策の改善が株価評価を下支えし、純利益220〜240億円水準への到達も視野に入る。

長期構造的トレンド

長期的には岐阜県の人口減少・高齢化が地域の資金需要を徐々に圧縮するリスクがある一方、相続・事業承継市場の拡大と中小企業の事業再構築支援ニーズは増加傾向にある。デジタル化推進によるコスト削減や、広域提携・合併による規模拡大戦略が持続的成長の鍵となる。カーボンニュートラル関連の設備投資融資やESG対応商品も長期成長の布石となる。

⚠️ リスクファクター分析 5/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク金利急騰による債券評価損拡大

日銀が政策金利を急速に引き上げた場合、保有国債・地方債の評価損が拡大し、その他有価証券評価差額金のマイナス転落や自己資本への悪影響が生じるリスクがある。特に長期保有の固定利付債が多い場合、損失規模が大きくなる可能性がある。

高リスク地域経済悪化による不良債権増加

東海地方の主要産業である自動車・製造業の業況悪化や中小企業の倒産増加が信用コスト上昇につながるリスクがある。景気後退局面では貸倒引当金の積み増しが必要となり、純利益を大幅に圧迫する可能性がある。

中リスク人口減少による地域の資金需要縮小

岐阜県の人口は長期的に減少傾向にあり、住宅ローン・消費者ローン・中小企業融資の市場規模が縮小していく構造的課題がある。融資残高の有機的成長が難しくなれば、収益拡大ペースが鈍化するリスクがある。

中リスクデジタル化・ネット銀行との競争激化

ネット銀行やフィンテック企業が地方の個人・法人顧客向けに低コストのサービスを提供することで、手数料収入や預金基盤が侵食されるリスクがある。デジタル対応の遅れは特に若年層・中小企業顧客の流出につながる可能性がある。

低リスク自然災害・気候変動リスク

東海地方は南海トラフ地震や集中豪雨リスクが高い地域であり、大規模災害発生時には融資先企業の経営悪化・不良債権急増が生じる可能性がある。また気候変動関連リスクへの対応遅れがESG投資家からの評価低下を招く懸念もある。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 6/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

金利上昇局面での利鞘改善

日銀の金融政策正常化が進む中、貸出金利の上昇は預金金利の上昇を上回るペースで推移することが多く、貸出利鞘の改善が地銀収益を大幅に押し上げる。10bp程度の政策金利引き上げごとに数十億円規模の収益改善効果が期待できる。

事業承継・相続マーケットの取り込み

東海地方の中小企業経営者の高齢化が進む中、後継者不足による事業承継ニーズが急速に拡大している。M&Aマッチングや事業承継ファンドの活用、遺産相続コンサルティングは高付加価値な手数料ビジネスとして成長が期待される。

PBR改善に向けた資本政策強化

現在PBR0.5倍台で推移しており、東証の要請もあり資本効率改善への取り組みが求められている。自社株買いの積極化、配当性向引き上げ、ROE目標の明確化などの資本政策発表が株価の大幅再評価トリガーとなり得る。

💰 株主還元政策 6/10

配当は2022年の¥14から2025年の¥36へと4期間で2.5倍超に増配しており、増配の継続性に対する経営の意志が明確に示されている。配当性向は純利益の拡大に合わせて適切な水準に設定されており、財務健全性を維持しながらの株主還元が基本方針。現行株価での配当利回りは約1.7%。今後は自己資本の積み上がりに伴いPBR改善に向けた自社株買いの活用や配当性向引き上げが期待される。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(地方銀行)×0.88
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+4.51%
リスク耐性スコア調整(5/10)+0.00%
MOAT スコア調整(6/10)+0.00%
格付け調整(JCR A+ / R&I A+)-0.20%
当社中立CoE8.01%
悲観 CoE
11.0%
中立 CoE
8.0%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(5/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 30%
中立 45%
楽観 25%
悲観 30% — 金利低迷・不良債権増加
中立 45% — 金利正常化・安定成長
楽観 25% — 資本効率改善・M&A戦略加速
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥1,751/株
悲観30% / 中立45% / 楽観25%
リスク耐性スコア 5/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 1,107億円 / 2024年度 2,274億円 / 2023年度 -13,774億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥36。

悲観 30%
金利低迷・不良債権増加
¥274
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト11.0%
ターミナル成長率-0.2%
中立 45%
金利正常化・安定成長
¥512
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト8.0%
ターミナル成長率1.0%
楽観 25%
資本効率改善・M&A戦略加速
¥1,119
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.0%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,322、配当性向31%でBPS追跡。

悲観 30%
金利低迷・不良債権増加
¥1,063
推定フェアバリュー/株
CoE11.0%
ROE(初年→10年目)-5.0%→7.2%
TV成長率-0.2%
中立 45%
金利正常化・安定成長
¥3,008
推定フェアバリュー/株
CoE8.0%
ROE(初年→10年目)9.5%→9.5%
TV成長率1.0%
楽観 25%
資本効率改善・M&A戦略加速
¥5,714
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)12.5%→9.5%
TV成長率2.0%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥115、総合スコア5.6から指数関数的に倍率算出。

悲観 30%
金利低迷・不良債権増加
¥924
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥115
想定PER8倍
中立 45%
金利正常化・安定成長
¥1,501
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥115
想定PER13倍
楽観 25%
資本効率改善・M&A戦略加速
¥2,425
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥115
想定PER21倍
PBR法による価値算定を見送り
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(長期データ不足(10年未満))
PER法による価値算定を見送り
黒字年の長期データ不足のためPER法による価値算定を見送り

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 7.0%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -6.5% / 中央 0.8% / 上振れ 7.8%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥348 / 中央 ¥1,011 / 上振れ ¥2,540
現在 ¥2,060 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
3.0%
10年後の状態: 成長20% 横ばい76% 衰退1% 倒産・上場廃止3%
事象タグ別の10年発生確率
株主還元強化
49.4%
景気後退・需要減
44.6%
バリュエーション低下
34.8%
好況・上振れサイクル
34.3%
バリュエーション上昇
30.9%
利益率改善
28.7%
構造的衰退
23.7%
大幅業績ショック
21.2%
利益率悪化
17.7%
TOB・買収
12.2%
競争優位低下
10.8%
倒産・上場廃止
4.7%
希薄化・増資
0.9%
赤字・低収益からの回復
0.0%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥2,060(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)5.46%8.96%13.46%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥1,217
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥1,217
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.0%、直近売上成長 14.0%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (30%) 中立 (45%) 楽観 (25%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥274 ¥512 ¥1,119 ¥592
残余利益 ¥1,063 ¥3,008 ¥5,714 ¥3,101
PERマルチプル ¥924 ¥1,501 ¥2,425 ¥1,559
PBR分位法
PER分位法
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥1,751
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥415 割安
¥754
FV¥1,751 割高
¥3,086
¥3,858
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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