7564
FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
ワークマン(7564)は群馬県に本社を置く作業服・機能性ウェアの専門小売チェーンで、国内に約900店(直営+FC)を展開する。主力ブランド「ワークマン」に加え、2018年開設の「ワークマンプラス」、2020年開設の「#ワークマン女子」など一般消費者向け業態を積極展開し、従来の建設・土木作業者という顧客基盤を大幅に拡張した。SPAモデルによる独自商品開発と低コスト運営で、競合ブランドの半額以下で高機能製品を提供するというコストパフォーマンスの高さが最大の強みである。売上は2019年670億円から2025年1,369億円と約2倍に成長しており、フランチャイズ加盟店からのロイヤルティ収入が収益の安定化に寄与している。
①独自の機能性素材と低価格SPA体制
高耐久・防水・防寒などのプロ用機能素材を自社開発し、専属工場との長期協力関係によって量産コストを極限まで圧縮。競合ブランドの同等品比較で30〜50%安い価格を維持しつつ品質を確保しており、価格競争力が持続的な差別化要因となっている。
②高密度な店舗網とFC主体の軽資産モデル
全国約900店の物理的ネットワークは新規参入者が短期で構築困難な資産。加盟店比率が高いため本部の直接投資は抑制され、安定したロイヤルティ収入が確保できる。既存商圏での認知度の高さが顧客の来店頻度と購買単価を安定させる。
③「プロ品質×カジュアル価格」のブランド認知
SNSを中心に「コスパ最強」として口コミ拡散し、アウトドア愛好家・主婦・学生層へのブランド浸透が急速に進んだ。このブランドポジションは広告費をほとんどかけずに形成された点が特徴で、競合が同じ認知を獲得するには相応の時間とコストが必要となる。
中期見通し
国内では既存店改装やEC強化、新業態の「ワークマン女子」拡充により年率3〜5%程度の緩やか成長が見込まれる。一方で国内店舗数は飽和に近づいており、従来型の出店加速による高成長は期待しにくい。設備投資(物流センター・IT刷新)が一巡すればFCF改善が期待でき、2〜3年後には再び安定したプラスに転じると予想される。
長期構造的トレンド
防災意識の高まりや気候変動に伴う機能性ウェア需要の拡大は長期的な追い風となる。またアウトドア・フィッシング・バイクといった趣味領域での需要拡大も見込まれる。海外展開(タイ・マレーシアなど東南アジア)への本格参入が実現すれば5〜10年単位での成長曲線が大幅に書き換えられる可能性があり、最大のアップサイドシナリオとして注目される。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
ユニクロ・GU・ゼビオ・アウトドアブランドなど機能性ウェア市場への大手参入が続く。価格優位性が相対的に低下すれば既存店売上の減少につながり、収益性を押し下げるリスクがある。
国内への新規出店余地が縮小する中、「ワークマン女子」などの新業態が想定通り集客できなければ成長ドライバーが消失する。既存FC加盟店との業態競合・カニバリゼーションも潜在的な懸念材料。
繊維原材料価格の高騰や海上運賃・国内物流費の上昇は粗利率を圧迫する。低価格戦略を維持するために値上げを回避すると、利益率の低下が避けられない局面が生じうる。
商品の多くをアジア(中国・ベトナム等)から調達しており、円安が進行した場合は仕入コスト増となる。2022〜2025年の円安局面では一定のマージン圧縮が生じており、継続的な課題となっている。
FC主体のモデルでは加盟店の収益悪化が連鎖する場合、ブランド毀損や閉店増につながるリスクがある。現状FC加盟店の収益環境は安定しているが、長期的なモニタリングが必要。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
タイ・マレーシアなど高温多湿環境での機能性ウェア需要は旺盛で、価格競争力も活かしやすい市場。海外1号店の成功事例が積み上がれば、株式市場の再評価につながる可能性が高い。
現状EC比率は低く、デジタル販売強化により地方・都市部双方の非来店層を取り込む余地は大きい。アプリ活用やパーソナライズ提案の強化が客単価向上に寄与する可能性がある。
地震・台風等の自然災害への備えとしての機能性ウェア・防災グッズ需要は安定的に存在する。キャンプ・釣り・ハイキング愛好人口の増加も長期的な需要押し上げ要因となり得る。
ワークマンは安定的な増配方針を採用しており、DPSは2019年36円から2025年73円へと毎年増加を続けている。配当性向は35%前後と保守的で、財務余力から追加増配や機動的な自己株買いが実施される余地は残る。ただし現在の株価水準では配当利回りは約1%にとどまるため、インカム目的の買いよりも成長期待を主軸とした投資スタイルに向いた銘柄である。中長期にわたって増配を継続できる利益基盤があることは評価できる。
リスク耐性スコア 7/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -51億円 / 2024年度 62億円 / 2023年度 90億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥73。成長率は過去DPS CAGR(10年=13.1%、直近3年=2.4%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,658、配当性向35%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥224、総合スコア6.2から指数関数的に倍率算出。
過去PBR中央値が1.5超のため、PBR法による価値算定は適していません(高ROE/成長銘柄)
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥224。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 4.90% | 8.40% | 12.90% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥3,367 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥3,367 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 9.7%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (33%) | 中立 (36%) | 楽観 (31%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥783 | ¥1,736 | ¥3,448 | ¥1,952 |
| 残余利益 | ¥795 | ¥2,422 | ¥3,631 | ¥2,260 |
| PERマルチプル | ¥2,019 | ¥3,364 | ¥5,158 | ¥3,476 |
| PBR分位法 | — | — | — | — |
| PER分位法 | ¥8,423 | ¥12,339 | ¥22,948 | ¥14,336 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥5,506 | ||
¥3,005 FV¥5,506 割高
¥8,796 ¥10,995