株譜kabufu
📊 概要・チャート・財務 📋 銘柄分析スクリーニング一覧へ 🏭 精密機器の業界分析

7729

東京精密 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 精密機器・半導体装置 半導体/FPD計測・CMPスラリー二本柱 R&I A (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
東京精密は半導体製造向け計測・検査装置(ウェーハ研削・CMP関連)と、FPD・自動車向け3D計測機器を両輪とする精密機器メーカー。半導体微細化の深化とAI/HBMメモリ需要拡大を追い風に、計測工程の重要性が高まる構造的恩恵を享受できる。FY2025売上1,505億円・営業利益率約20%の高収益体質と、FCF転換の改善が示す事業成熟度から、同業比で割安感が残るバリュエーションは再評価余地を示唆する。
7
競争優位性
業界内MOAT
6
業界成長性
セクター動態
6
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
7
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.4/10
競争優位性
7
業界成長性
6
リスク耐性
6
株主還元
6
見通し
7
📋 事業内容
1,505億円
売上高
FY2025実績
256億円
親会社帰属
純利益
288億円
営業CF
FY2025実績
73.2%
自己資本
比率
14.7%
ROE
FY2025

東京精密(7729)は1949年創業の精密機器メーカーで、主力は半導体製造向けの「ウェーハ研削・CMP装置」および「計測・検査装置」と、製造業全般向け「3D座標測定機・表面粗さ測定機」の2事業。半導体事業はダイシングソーや研削装置、CMP後のウェーハ厚・形状計測装置を展開し、先端半導体プロセスに不可欠な工程を担う。精密測定事業はエンジンブロック、金型、航空宇宙部品向け精密測定ソリューションを提供。売上規模はFY2025で1,505億円に達し、営業利益率は約20%と業界平均を上回る高収益体質を確立している。消耗品・保守サービスによる安定的なリカーリング収益が業績の底上げに貢献する。

競争優位性(業界内MOAT) 7/10

①半導体CMP・研削装置での高いシェアと技術参入障壁

CMP(化学機械研磨)工程後の厚み・形状計測装置や研削装置において東京精密は高い市場シェアを有し、顧客の製造ラインへの深い組み込みがスイッチングコストを高めている。先端プロセスへの対応実績と継続的な技術開発投資が新規参入を困難にしている。

②顧客との長期取引関係とインストールベースの蓄積

国内外の主要半導体デバイスメーカーや装置メーカーとの長年にわたる取引関係は容易に代替されない無形資産。既存インストールベースからの保守・アップグレード需要が安定収益を生み出し、次世代装置採用においても既存顧客への優先的参入機会を創出する。

③精密測定領域でのブランドとアプリケーション知見

自動車・航空宇宙・金型向け精密3D測定機「ACCRETECH」ブランドは国内外で高い認知度を持つ。各産業向けの測定アプリケーション開発ノウハウの蓄積が競合との差別化を維持し、付加価値の高いソリューション提案を可能にしている。

📈 業界の成長性・セクター動態 6/10

中期見通し

2〜3年の中期では、AI半導体(GPU/HBM)向け先端パッケージング投資の拡大と国内半導体工場(ラピダスなど)の立ち上げが設備投資需要を押し上げる。FY2025のFCF314億円の黒字転換が示す通り、投資負担が一段落した後の利益成長と財務改善が期待される。EPS成長率は年率10〜15%水準が視野に入り、株主還元の拡充余地も生まれよう。

長期構造的トレンド

5〜10年の長期では、半導体微細化(2nm以降)に伴う計測・検査工程の重要性向上と複雑化が東京精密の装置需要を構造的に押し上げる。加えてEV・自動運転の普及による車載半導体増産、データセンター向け先端メモリ投資の継続が業界全体の設備投資規模を底上げする。精密測定事業でもスマートファクトリー・品質管理高度化ニーズが追い風となる。

⚠️ リスクファクター分析 6/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク半導体設備投資サイクルの急激な下降

半導体需要の減速や在庫調整局面では顧客の設備投資が急速に凍結され、装置受注が大幅に落ち込む。FY2024のFCFが−57億円となった実績が示す通り、投資周期のボラティリティが高く業績への影響は甚大となる可能性がある。

高リスク地政学リスク・輸出規制の強化

米中摩擦激化に伴う半導体関連機器の輸出規制強化は、中国向け売上(一定比率を占めるとみられる)に直撃する可能性がある。規制の範囲が精密計測装置に及ぶ場合、売上・収益への下押し圧力が顕在化するリスクがある。

中リスク競合他社との価格競争・技術競争激化

ディスコや海外計測装置大手との競争が激化する場合、価格交渉力の低下や利益率圧迫につながる可能性がある。特に中国系新興メーカーの技術向上が国内外市場でのシェア侵食リスクを高めている。

中リスク為替変動リスク(円高進行)

輸出比率が高い精密機器事業にとって、円高進行は海外売上の円換算額を押し下げ、収益に悪影響を及ぼす。特に対ドル・対ユーロでの急激な円高は営業利益率を数ポイント押し下げる可能性がある。

低リスク技術者・研究開発人材の確保難

半導体・精密機器分野での高度技術者需要は国内外で逼迫しており、優秀な研究開発・エンジニア人材の採用・定着が困難になる可能性がある。人材不足は製品開発スピードの低下や競争優位の侵食につながりうる。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 7/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

AI/HBM・先端パッケージング需要の急拡大

AI向けGPUやHBMメモリの生産拡大に伴い、CMP・研削・計測工程への投資が急増する。東京精密の主力製品が直接恩恵を受ける局面であり、受注拡大と利益率向上が同時に実現する可能性が高い。

国内半導体工場(ラピダス等)立ち上げ特需

政府支援のもと国内で先端半導体工場の建設・立ち上げが進む場合、国内顧客からの装置需要が新たに創出される。地理的な近接性や言語・サービス面での優位性を活かした受注獲得が期待できる。

EV・スマートファクトリー向け精密測定需要の開拓

EV普及に伴う車載部品の精密度要求向上や、製造業全般でのスマートファクトリー化推進により、3D座標測定機・表面粗さ測定機の需要が中長期的に拡大する可能性がある。新規顧客開拓による売上多様化にもつながる。

💰 株主還元政策 6/10

東京精密は安定配当を基本方針とし、配当性向は概ね40%前後を維持。FY2025 DPS ¥253はFY2019比+102%増と、EPS成長に連動した増配を着実に実施している。自社株買いは現状限定的だが、FCFの安定化が進む中で今後の追加的な株主還元強化が期待される。半導体サイクルに応じた利益変動があるも、配当の連続性を重視する姿勢が株主にとっての安心感を提供する。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(精密機器)×1.09
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+5.58%
リスク耐性スコア調整(6/10)+0.00%
MOAT スコア調整(7/10)-0.30%
格付け調整(R&I A)-0.20%
当社中立CoE8.78%
悲観 CoE
11.8%
中立 CoE
8.8%
楽観 CoE
6.3%
リスク耐性スコア(6/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 29%
中立 48%
楽観 23%
悲観 29% — 半導体サイクル下降・設備投資凍結
中立 48% — 半導体需要回復・安定成長継続
楽観 23% — AI/HBM特需加速・新製品採用拡大
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥9,016/株
悲観29% / 中立48% / 楽観23%
リスク耐性スコア 6/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 314億円 / 2024年度 -57億円 / 2023年度 -74億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥253。成長率は過去DPS CAGR(10年=21.9%、直近3年=11.0%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。

悲観 29%
半導体サイクル下降・設備投資凍結
¥3,461
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト11.8%
ターミナル成長率1.2%
中立 48%
半導体需要回復・安定成長継続
¥7,530
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト8.8%
ターミナル成長率2.1%
楽観 23%
AI/HBM特需加速・新製品採用拡大
¥23,026
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.3%
ターミナル成長率3.3%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥4,307、配当性向40%でBPS追跡。

悲観 29%
半導体サイクル下降・設備投資凍結
¥2,114
推定フェアバリュー/株
CoE11.8%
ROE(初年→10年目)-4.0%→8.2%
TV成長率1.2%
中立 48%
半導体需要回復・安定成長継続
¥5,893
推定フェアバリュー/株
CoE8.8%
ROE(初年→10年目)10.6%→10.6%
TV成長率2.1%
楽観 23%
AI/HBM特需加速・新製品採用拡大
¥13,424
推定フェアバリュー/株
CoE6.3%
ROE(初年→10年目)14.2%→10.5%
TV成長率3.3%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥634、総合スコア6.4から指数関数的に倍率算出。

悲観 29%
半導体サイクル下降・設備投資凍結
¥6,338
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥634
想定PER10倍
中立 48%
半導体需要回復・安定成長継続
¥9,506
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥634
想定PER15倍
楽観 23%
AI/HBM特需加速・新製品採用拡大
¥15,210
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥634
想定PER24倍
PBR法による価値算定を見送り
過去PBR中央値が1.5超のため、PBR法による価値算定は適していません(高ROE/成長銘柄)

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥634。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (10.5) 中央値 (15.2) 上位25% (21.7)
悲観 29%
半導体サイクル下降・設備投資凍結
¥6,645
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER10.5倍
中立 48%
半導体需要回復・安定成長継続
¥9,651
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER15.2倍
楽観 23%
AI/HBM特需加速・新製品採用拡大
¥13,752
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER21.7倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 9.1%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -10.1% / 中央 0.3% / 上振れ 9.6%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥2,705 / 中央 ¥13,406 / 上振れ ¥38,118
現在 ¥18,765 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.4%
10年後の状態: 成長39% 横ばい60% 衰退1% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
株主還元強化
50.4%
景気後退・需要減
44.7%
バリュエーション低下
42.1%
AI投資の供給側恩恵
36.2%
好況・上振れサイクル
35.2%
利益率改善
31.6%
AI先端パッケージ・材料需要
25.2%
バリュエーション上昇
22.9%
大幅業績ショック
17.1%
利益率悪化
16.9%
構造的衰退
11.7%
競争優位低下
8.5%
TOB・買収
7.6%
倒産・上場廃止
3.1%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥18,765(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)6.50%10.00%14.50%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥8,803
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥8,803
スタート時の状態S(名目永続成長率 1.0%、直近売上成長 7.1%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (29%) 中立 (48%) 楽観 (23%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥3,461 ¥7,530 ¥23,026 ¥9,914
残余利益 ¥2,114 ¥5,893 ¥13,424 ¥6,529
PERマルチプル ¥6,338 ¥9,506 ¥15,210 ¥9,899
PBR分位法
PER分位法 ¥6,645 ¥9,651 ¥13,752 ¥9,722
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥9,016
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥2,552 割安
¥4,640
FV¥9,016 割高
¥16,353
¥20,441
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
利用規約 | プライバシーポリシー | サイトマップ