株譜kabufu
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7984

コクヨ 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 文具・オフィス用品 ブランド力×BtoB直販モデル
現在値
時価総額
投資テーゼ
コクヨは「ノート」「バインダー」等の高認知文具ブランドを核に、オフィス家具・法人向け直販チャネルを組み合わせた複合型オフィスソリューション企業。国内文具市場での圧倒的シェアと流通網が参入障壁を形成しており、テレワーク定着後の法人リフォーム需要やオフィス再設計トレンドが中期成長ドライバーとなる。株価783円・PER約16倍水準は同業比で割安感があり、配当利回り改善余地も考慮すると下値リスクは限定的と判断できる。
7
競争優位性
業界内MOAT
5
業界成長性
セクター動態
6
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
5
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.8/10
競争優位性
7
業界成長性
5
リスク耐性
6
株主還元
6
見通し
5
📋 事業内容
3,599億円
売上高
FY2025実績
215億円
親会社帰属
純利益
144億円
営業CF
FY2025実績
70.8%
自己資本
比率
8.5%
ROE
FY2025

コクヨ株式会社(7984)は1905年創業の文具・オフィス用品・オフィス家具メーカー。主力事業は「ステーショナリー事業」と「ファニチャー事業」の二本柱で構成される。ステーショナリー事業では「Campus」ノートをはじめとするブランド文具が国内トップシェアを保持。ファニチャー事業では法人向けオフィス家具・空間デザインを手掛け、大型企業の移転・リニューアル案件を中心に展開。直近7期の売上は3,000〜3,600億円で推移し、営業利益率7〜8%の安定した収益構造を維持している。海外では中国・インド・東南アジアへの展開を進めており、新興国の文具・オフィス市場開拓が中長期課題となっている。

競争優位性(業界内MOAT) 7/10

①コクヨブランドの圧倒的認知度

「Campus」ノートに代表されるブランド力は日本国内で数十年にわたり構築されてきた無形資産であり、消費者・法人バイヤー双方の信頼度が高い。新規参入者が短期間で同等の認知を獲得することは極めて困難で、価格プレミアムを維持できる要因となっている。

②全国販売網と直販チャネルの統合

系列販売会社・文具専門卸を通じた全国流通網に加え、法人向け直販部隊を持つ。この二重チャネルにより大手企業から中小まで幅広い顧客に対応でき、競合他社がワンストップで代替することは容易ではない。オフィス移転・空間設計の一括受注も強みとなっている。

③製品開発力と用途特化ラインアップ

教育市場向けから法人市場向けまで細分化された製品ラインアップを保有し、特定用途での乗り換えコストが高い。継続的な製品改良と規格標準化(バインダー穴間隔等)により、一度導入した顧客の囲い込みが可能で、リピート受注率が高い構造を持つ。

📈 業界の成長性・セクター動態 5/10

中期見通し

2〜3年の中期では国内文具市場の緩やかな縮小を法人オフィス事業の成長で補完する展開が見込まれる。企業の出社回帰・ハイブリッドワーク対応に伴うオフィスリフォーム需要が追い風となり、ファニチャー事業での大型案件獲得が増収を牽引するシナリオが基本線。ステーショナリー事業はECシフトによる直販比率向上で利益率改善が期待できる。全体として売上高3,700〜4,000億円、営業利益270〜300億円程度を目指す軌道と想定される。

長期構造的トレンド

5〜10年の長期では、①アジア新興国(インド・東南アジア)での文具需要拡大、②日本国内でのウェルネス・クリエイティブオフィスへの移行、③サステナビリティ対応製品(再生紙・バイオプラスチック)の需要増が構造的成長トレンドとして挙げられる。デジタルノートとの競合は短期的脅威だが、手書き文化の根強さと学校教育での紙使用維持が国内需要の底支えとなる。グローバルでのブランド浸透が実現すれば長期的な業績ステップアップが見込める。

⚠️ リスクファクター分析 6/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク国内文具市場の構造的縮小

デジタル化・ペーパーレス推進により国内文具市場は長期的な縮小トレンドにある。特にオフィス向け文具消費の減少は収益の主柱であるステーショナリー事業に直接影響し、代替策が遅れた場合は業績悪化圧力が強まるリスクがある。

高リスク原材料コスト上昇の価格転嫁困難

紙・金属・樹脂等の原材料価格は資源価格動向や円安に連動して変動する。競合との価格競争が激しい市場では値上げが遅れ、コスト上昇分を吸収できず利益率が圧迫されるリスクがある。2022〜2023年はこの問題が顕在化した。

中リスク海外事業の成長遅延

中国・インド等の海外市場は現地競合の低価格攻勢が激しく、コクヨブランドの認知浸透には時間とコストを要する。新興国での需要取り込みが計画通りに進まない場合、海外成長戦略の見直しが必要となりうる。

中リスクオフィス需要の景気連動リスク

ファニチャー事業は企業の設備投資・移転需要に連動するため、景気後退局面では受注が急速に落ち込むリスクがある。2020年のコロナ禍では売上・利益ともに大幅下落した実績があり、外部環境変化への脆弱性が示されている。

低リスク競合海外ブランドの国内参入強化

3M・レゴ等の海外文具・オフィス用品メーカーが日本市場でのシェア拡大を図る動きは継続的なリスク。特にデザイン性・機能性で差別化した高付加価値製品での競合は、コクヨのプレミアム帯市場を侵食する可能性がある。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 5/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

オフィス再設計・ハイブリッドワーク対応需要

企業の出社回帰とハイブリッドワーク定着により、コラボレーションスペースやフレキシブルオフィスへのリニューアル需要が拡大している。法人向けオフィス家具・空間設計を手掛けるコクヨにとって大型案件獲得の好機であり、ファニチャー事業の収益拡大ドライバーとなる。

アジア新興国での文具需要拡大

インド・東南アジアでは中間所得層の拡大と教育投資の増加により文具需要が急成長している。現地生産・流通網の構築に成功すれば、コクヨブランドの新たな収益源となり中長期の業績押し上げに貢献する。

サステナビリティ製品での差別化

ESG意識の高まりにより、再生紙・バイオマス素材を使用した環境配慮型文具への需要が増している。この分野での製品ラインアップ強化と認証取得は、企業顧客の調達方針に合致し受注獲得の競合優位を高める機会となる。

💰 株主還元政策 6/10

配当政策は安定増配を基本とし、直近5年間でDPSは10円→24円と2.4倍に拡大。配当性向は30〜40%程度で維持しており、利益成長に連動した継続的な増配が期待できる。自社株買いも機動的に実施しており、総還元性向の向上姿勢が見られる。株主還元の充実は経営陣の優先課題の一つに位置づけられており、ROEの改善とともに配当利回りの更なる向上が中期的な株主価値向上のドライバーとなる。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(専門店)×0.77
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+3.93%
リスク耐性スコア調整(6/10)+0.00%
MOAT スコア調整(7/10)-0.30%
当社中立CoE7.33%
悲観 CoE
10.3%
中立 CoE
7.3%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(6/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 29%
中立 48%
楽観 23%
悲観 29% — 国内需要縮小・値下げ競争悪化
中立 48% — 安定成長・配当増配継続
楽観 23% — オフィス再設計需要爆発・海外展開加速
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥805/株
悲観29% / 中立48% / 楽観23%
リスク耐性スコア 6/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2025年度 98億円 / 2024年度 286億円 / 2023年度 309億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥25。成長率は過去DPS CAGR(10年=17.0%、直近3年=19.8%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。

悲観 29%
国内需要縮小・値下げ競争悪化
¥478
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト10.3%
ターミナル成長率0.3%
中立 48%
安定成長・配当増配継続
¥892
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.3%
ターミナル成長率1.0%
楽観 23%
オフィス再設計需要爆発・海外展開加速
¥1,585
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.0%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥566、配当性向51%でBPS追跡。

悲観 29%
国内需要縮小・値下げ競争悪化
¥265
推定フェアバリュー/株
CoE10.3%
ROE(初年→10年目)-5.0%→6.6%
TV成長率0.3%
中立 48%
安定成長・配当増配継続
¥741
推定フェアバリュー/株
CoE7.3%
ROE(初年→10年目)8.9%→8.9%
TV成長率1.0%
楽観 23%
オフィス再設計需要爆発・海外展開加速
¥1,158
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)11.6%→8.9%
TV成長率2.0%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥48、総合スコア5.8から指数関数的に倍率算出。

悲観 29%
国内需要縮小・値下げ競争悪化
¥435
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥48
想定PER9倍
中立 48%
安定成長・配当増配継続
¥676
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥48
想定PER14倍
楽観 23%
オフィス再設計需要爆発・海外展開加速
¥1,063
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥48
想定PER22倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.86倍、現BPS=¥566。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.62) 中央値 (0.86) 上位25% (1.00)
悲観 29%
国内需要縮小・値下げ競争悪化
¥349
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.62倍
中立 48%
安定成長・配当増配継続
¥487
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR0.86倍
楽観 23%
オフィス再設計需要爆発・海外展開加速
¥564
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR1.00倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥48。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (15.8) 中央値 (21.6) 上位25% (46.1)
悲観 29%
国内需要縮小・値下げ競争悪化
¥764
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER15.8倍
中立 48%
安定成長・配当増配継続
¥1,046
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER21.6倍
楽観 23%
オフィス再設計需要爆発・海外展開加速
¥2,228
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER46.1倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 31.1%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -8.8% / 中央 3.4% / 上振れ 15.9%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥126 / 中央 ¥670 / 上振れ ¥2,703
現在 ¥812 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.2%
10年後の状態: 成長36% 横ばい51% 衰退12% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
日本の家計実質所得圧迫
47.4%
株主還元強化
44.6%
景気後退・需要減
44.6%
好況・上振れサイクル
34.0%
バリュエーション低下
31.8%
利益率改善
29.7%
バリュエーション上昇
28.2%
利益率悪化
17.8%
大幅業績ショック
17.6%
構造的衰退
13.7%
競争優位低下
10.2%
TOB・買収
7.9%
希薄化・増資
3.1%
倒産・上場廃止
2.7%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥812(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)4.90%8.40%12.90%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥607
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥607
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 6.1%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (29%) 中立 (48%) 楽観 (23%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥478 ¥892 ¥1,585 ¥931
残余利益 ¥265 ¥741 ¥1,158 ¥699
PERマルチプル ¥435 ¥676 ¥1,063 ¥695
PBR分位法 ¥349 ¥487 ¥564 ¥465
PER分位法 ¥764 ¥1,046 ¥2,228 ¥1,236
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥805
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥252 割安
¥458
FV¥805 割高
¥1,320
¥1,650
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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