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8227 しまむら 銘柄分析・適正株価

しまむら 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 衣料品専門チェーン 低価格・高回転・全国展開
現在値
時価総額
投資テーゼ
しまむらは「低価格・高品質・高回転」を軸とした独自のSPAモデルで、デフレ環境下でも安定成長を続けてきた衣料品小売の王者。売上は2020年比34%増と拡大し、営業利益率は8-9%と業界水準を上回る収益性を維持している。現在のPBR・PERは市場平均に比べ割安感があり、インフレ環境下での低価格ニーズ回帰と地方消費の底堅さを勘案すると中長期的なバリュー投資妙味がある。
8
競争優位性
業界内MOAT
6
業界成長性
セクター動態
6
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
5
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.2/10
競争優位性
8
業界成長性
6
リスク耐性
6
株主還元
6
見通し
5

5.6Sol 個別レビュー

5.6Solによるシナリオ加重評価
不確実 簡易
5.6Sol乖離率 +24.1% レビュー時株価との比較
妥当価値 4,186円 シナリオ加重平均
基準株価 3,374円 2026-07-21 / kabufu-db
確信度 簡易評価

投資テーゼ

専門店の基準倍率(PER18倍、PBR1.80倍、EV/EBITDA10倍)を用い、利用可能なPER・PBR・EV/EBITDAを組み合わせた5シナリオ評価。確率加重価値は4,186.0円。既存の定量DBを横断した一次スクリーニングであり、10%集中判断には最新IRの追加確認を要する。

主な懸念

しまむらは基準株価3,374.0円に対し、EPS215.9円、BPS2353.1円、現行EV/EBITDA7.3倍。単年度の正規化前指標を使う軽量レビューのため、業績循環、特殊損益、会計基準差、直近会社計画の変化を完全には反映しない。決算更新時に再評価が必要。

シナリオ内訳

5.6Sol評価のシナリオ、確率、妥当価値、根拠
シナリオ確率妥当価値根拠
悲観 10.0% 2,230円 景気後退・競争激化・倍率縮小が重なり、基準価値の55%まで低下。
弱気 20.0% 3,160円 利益成長が鈍化し、基準倍率を約2割切り下げる弱気ケース。
中立 40.0% 4,060円 PER・PBR・EV/EBITDAを業種基準倍率で評価した中立ケース。
強気 20.0% 5,190円 会社計画達成と資本効率改善により基準価値を28%上回る強気ケース。
楽観 10.0% 6,690円 需要上振れ・利益率改善・株主還元が同時進行する楽観ケース。
評価日: 2026-07-23 09:30:00
📋 事業内容
7,000億円
売上高
FY2026実績
445億円
親会社帰属
純利益
481億円
営業CF
FY2026実績
88.0%
自己資本
比率
9.1%
ROE
FY2026

株式会社しまむらは、低価格帯の衣料品・ファッション雑貨を全国約2,300店舗で展開する日本最大級の衣料品チェーン。「しまむら」「アベイル」「バースデイ」等の複数業態を持ち、郊外ロードサイドを中心に幅広い年齢層に支持されている。独自の物流・情報システムと協力工場ネットワークを活かした高効率な調達・販売モデルにより、売上高7,000億円超・営業利益600億円超の規模に成長。2020年比で売上34%増、営業利益は2.7倍と大幅に業績を拡大させており、コロナ禍後の消費回復と節約志向の高まりを追い風に収益力を高めている。

競争優位性(業界内MOAT) 8/10

①全国2,300店舗の物理的ネットワーク

長年の出店戦略で構築した全国規模の店舗網は容易に模倣できない参入障壁。郊外ロードサイドの好立地を早期に押さえ、地方消費者の生活圏に深く根ざした存在感を確立。新規参入者がゼロから同等の規模を構築するには膨大な時間と資本が必要であり、地理的モートとして機能している。

②独自の物流・IT基盤と調達効率

自社物流センターと独自の情報システムにより、多品種小ロット商品の高速回転を実現。協力工場との長期的なパートナーシップに基づく調達コスト優位性も持ち、競合と比較して高い粗利率を確保している。このサプライチェーン体制の構築には長年の投資と関係構築が必要であり、競合の追随は容易でない。

③「しまパト」文化に代表される顧客ロイヤルティ

頻繁に入れ替わる品揃えを目当てに顧客が定期的に来店する「しまパト(しまむらパトロール)」という消費行動が定着している。この高頻度来店習慣はブランドロイヤルティの一形態であり、顧客の生活習慣に組み込まれた固定客基盤を形成。SNSでの口コミ伝播も若年層への認知拡大に寄与している。

📈 業界の成長性・セクター動態 6/10

中期見通し

FY2026以降2-3年の成長は年率4-6%程度の売上増と営業利益の着実な拡大が基本シナリオ。既存店の改装・大型化や新業態「バースデイ」の出店拡大、ECチャネルの本格強化が主な成長ドライバー。国内の節約・コスパ意識の高まりとしまむらの低価格提案の親和性は高く、インフレ環境下でも安定した集客が見込まれる。デジタル投資の成果が顕在化すれば、既存店の客単価・回転率改善を通じて利益率の更なる向上が期待できる。

長期構造的トレンド

国内少子高齢化・人口減少という逆風はあるものの、高齢者向け衣料品需要の維持・拡大と低価格ニーズの持続性が下支えとなる。長期的な成長の鍵は海外展開の成否にある。台湾での展開を足がかりに東南アジアへの本格進出が実現すれば、日本の人口動態リスクを海外成長でオフセットできる。また、サステナビリティ対応(リユース・リサイクル)への取り組みが消費者意識の変化に対応し、ブランド価値向上につながる可能性もある。

⚠️ リスクファクター分析 6/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク消費マインド悪化・節約疲れによる客足鈍化

景気後退や消費増税等で消費者マインドが大幅に悪化した場合、衣料品支出の削減が進み既存店売上高が低下するリスク。過去のコロナ禍では底堅さを示したが、長期的な消費低迷は収益に直撃する。

高リスク調達コスト・原材料費の高騰

円安や原綿・化学繊維価格の上昇により調達コストが増加した場合、価格転嫁が難しい低価格帯主力のしまむらにとって利益率の圧縮要因となる。中国・東南アジアの労働コスト上昇も継続的なリスク。

中リスク国内競合激化・ZARA・H&M等グローバルSPA攻勢

ユニクロ・GU、ZARA、H&M等の競合が低価格帯に攻勢をかけた場合、しまむらの顧客基盤が侵食されるリスク。特に若年層・都市部でのシェア維持が課題となる可能性がある。

中リスクEC・オムニチャネル対応の遅れ

デジタル化への対応が競合に比べて遅れた場合、オンライン需要の取り込みに失敗し成長機会を逃すリスク。実店舗主体のビジネスモデルがECシフトの波に対応できるかが問われている。

低リスク自然災害・サプライチェーン途絶リスク

大規模自然災害や地政学的リスク(中国・東南アジアでの生産障害)によりサプライチェーンが途絶した場合、商品調達が困難になるリスク。ただし多拠点分散調達で一定のリスク分散は図られている。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 5/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

インフレ環境下での低価格ニーズ拡大

物価上昇が続く中、消費者の節約志向・コスパ重視の傾向が強まり、低価格高品質を強みとするしまむらへの需要シフトが加速する可能性がある。実質賃金の伸び悩みが続く限りこの追い風は持続性が高い。

海外展開(東南アジア)の本格化

台湾での展開実績を活かし、東南アジア各国への多店舗展開が実現すれば、国内成熟市場への依存を低下させ大幅な成長加速が見込まれる。中間所得層の拡大する新興国市場での低価格衣料品ニーズは大きい。

ECおよびデジタルマーケティング強化による新規顧客獲得

ECチャネルの本格投資とSNS活用による若年層・都市部顧客の開拓が進めば、既存の郊外・中高年顧客基盤を補完し、長期的な顧客ポートフォリオの若返りが実現できる。

💰 株主還元政策 6/10

しまむらは増益基調に連動した連続増配を基本方針とし、配当性向35-40%程度での還元を継続している。DPSはFY2020の33円からFY2026の72円へ6年で約2.2倍に増加。EPS成長(60円→202円)に対して着実に配当を引き上げており、増配の持続性は高い。自社株買いも適宜実施し、総還元性向の向上に取り組む姿勢も見られる。現在の株価水準(¥3,274)に対する配当利回りは約2.2%と市場平均並みで、増配継続により将来利回りの上昇が見込まれる。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
10年国債利回り(リスクフリーレート)+2.86%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(専門店)×0.77
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+3.93%
リスク耐性スコア調整(6/10)+0.00%
MOAT スコア調整(8/10)-0.60%
当社中立CoE6.19%
悲観 CoE
9.2%
中立 CoE
6.2%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(6/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 29%
中立 48%
楽観 23%
悲観 29% — 消費低迷・競合激化
中立 48% — 安定成長継続
楽観 23% — 海外展開・EC拡大加速
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥3,073/株
悲観29% / 中立48% / 楽観23%
リスク耐性スコア 6/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2026年度 -183億円 / 2025年度 574億円 / 2024年度 -460億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥72。成長率は過去DPS CAGR(10年=7.0%、直近3年=18.3%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(13年)でターミナル成長率に収束。

悲観 29%
消費低迷・競合激化
¥1,045
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト9.2%
ターミナル成長率0.4%
中立 48%
安定成長継続
¥2,609
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.2%
ターミナル成長率1.2%
楽観 23%
海外展開・EC拡大加速
¥4,710
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.2%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,224、配当性向35%でBPS追跡。

悲観 29%
消費低迷・競合激化
¥995
推定フェアバリュー/株
CoE9.2%
ROE(初年→10年目)-5.0%→5.8%
TV成長率0.4%
中立 48%
安定成長継続
¥3,412
推定フェアバリュー/株
CoE6.2%
ROE(初年→10年目)8.2%→8.2%
TV成長率1.2%
楽観 23%
海外展開・EC拡大加速
¥4,163
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)11.0%→8.1%
TV成長率2.2%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥202、総合スコア6.2から指数関数的に倍率算出。

悲観 29%
消費低迷・競合激化
¥2,024
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥202
想定PER10倍
中立 48%
安定成長継続
¥3,035
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥202
想定PER15倍
楽観 23%
海外展開・EC拡大加速
¥4,857
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥202
想定PER24倍
PBR法による価値算定を見送り
過去PBR中央値が1.5超のため、PBR法による価値算定は適していません(高ROE/成長銘柄)

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥202。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (13.7) 中央値 (16.5) 上位25% (25.8)
悲観 29%
消費低迷・競合激化
¥2,775
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER13.7倍
中立 48%
安定成長継続
¥3,341
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER16.5倍
楽観 23%
海外展開・EC拡大加速
¥5,217
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER25.8倍

10年後の株価を 1000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-07-29)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
中立
期待年利が必要利回りを上回る確率: 44.5%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -9.0% / 中央 4.7% / 上振れ 17.9%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(1000シナリオ)
下振れ ¥846 / 中央 ¥4,558 / 上振れ ¥16,370
現在 ¥3,341 → 分布の下から 0%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.0%
10年後の状態: 成長34% 横ばい61% 衰退5% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
地域人口減による数量下押し
52.4%
株主還元強化
48.9%
日本の家計実質所得圧迫
47.7%
景気後退・需要減
44.0%
好況・上振れサイクル
36.6%
バリュエーション低下
32.5%
利益率改善
31.1%
バリュエーション上昇
27.4%
利益率悪化
16.5%
大幅業績ショック
15.8%
TOB・買収
15.5%
構造的衰退
11.7%
競争優位低下
8.1%
希薄化・増資
4.0%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(1000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥3,341(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
🍝 トータルリターンの10年推移(1000通りのシナリオ)
横軸 = 経過年 / 縦軸 = 配当込み累積トータルリターン(%)。薄い線1本1本が1回のシミュレーション、 太線が中央シナリオ、帯が下振れ〜上振れ(P10〜P90)。0%(灰線)より上なら投資元本を上回る。
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)3.00%6.21%10.71%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥3,082
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥3,015
スタート時の状態S(名目永続成長率 1.1%、直近売上成長 4.7%)

※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (29%) 中立 (48%) 楽観 (23%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥1,045 ¥2,609 ¥4,710 ¥2,639
残余利益 ¥995 ¥3,412 ¥4,163 ¥2,884
PERマルチプル ¥2,024 ¥3,035 ¥4,857 ¥3,161
PBR分位法
PER分位法 ¥2,775 ¥3,341 ¥5,217 ¥3,608
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥3,073
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥941 割安
¥1,710
FV¥3,073 割高
¥4,737
¥5,921
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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