8334
FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
群馬銀行(8334)は群馬県前橋市に本店を置く、北関東最大の地方銀行である。群馬・栃木・埼玉・東京を中心に約130店舗を展開し、預金・貸出・有価証券投資を軸とした伝統的な銀行ビジネスを営む。売上高は連結ベースで2,204億円(FY2025)と、低金利時代の2019年(1,487億円)から大幅に拡大。日銀の金融正常化を受けた利ざや拡大が収益回復を牽引しており、純利益は439億円と過去最高水準を更新した。個人向け住宅ローン・資産運用サービスおよび地元企業向け融資・ソリューションが中核事業。近年はデジタルバンキングの強化や広域連携による収益多様化にも取り組んでいる。
①地域フランチャイズと顧客関係の深さ
群馬県での百年を超える営業歴に基づく地元企業・自治体・個人との長期取引関係は容易に代替できない。地域経済の動向を熟知したリレーションシップバンキングが強みであり、法人融資における主力行シェアは高い水準を維持。地元産業(製造業・農業・観光)との密接な連携が新規融資案件の安定的な獲得につながっている。
②低コスト資金調達基盤
地域住民・法人からの安定的な預金基盤を保有しており、調達コストが低位に抑えられている。特に個人の普通・定期預金は粘着性が高く、金利上昇局面においても預金コストの上昇は緩慢であるため、利ざやの拡大効果が大きい。安定した低コスト負債は収益の安定性を支える重要な経済的堀となっている。
③行政・地域エコシステムとの連携
群馬県・各市町村との指定金融機関契約や公金取扱いは参入障壁が高く、安定した手数料収入と信用力の源泉となっている。地元商工会議所・産業支援機関との連携を通じた事業承継・M&Aアドバイザリーなど、コンサルティング型サービスへの展開もモート強化に寄与している。
中期見通し
日銀の利上げサイクル継続を前提とすると、向こう2〜3年は貸出利回りの緩やかな上昇が期待される。一方、預金コスト上昇は時間差を伴うため、利ざやは拡大傾向を維持しやすい。FY2025純利益439億円をベースとして、FY2027には500億円超の利益水準も視野に入る。配当の継続引き上げと自社株買い実施による一株当たり価値向上も中期的な成長ドライバーとなる。
長期構造的トレンド
長期的には群馬県の人口減少・高齢化が融資需要の頭打ちにつながるリスクがある。これに対し同行は北関東の製造業・物流ハブとしての経済圏維持、および資産運用・相続ニーズの取り込みで対応を図る。さらに地方銀行の再編・連携トレンドの中で、広域ブロック内での主導的役割を担う可能性がある。フィンテック協業やデジタル融資サービスの拡充が次世代の成長基盤を形成しつつある。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
現在の収益改善は金利上昇に大きく依存している。日銀が再び緩和方向に転換した場合、利ざやが縮小し純利益が急減するリスクがある。外部環境依存度の高さが収益の安定性を損なう最大のリスクファクターである。
地元中小企業の業況悪化や不動産市況の調整が生じた場合、与信コストが急増するリスクがある。特に金利上昇に伴う借入企業の資金繰り悪化が連鎖すると、貸倒引当金の積み増しが必要となり利益を大きく圧迫する。
群馬県の人口減少・少子高齢化は中長期的に預貸金残高の伸び悩みをもたらす。地域の税収・産業基盤の縮小は融資需要の構造的な低下につながり、本業収益の持続的成長を難しくする。
ネット銀行や大手行のデジタルサービス拡張により、個人・中小企業向け金融サービスの競争が激化している。顧客基盤の侵食が進んだ場合、手数料収入・預金シェアの低下が収益に影響する可能性がある。
保有する国債・株式等の有価証券は金利・株価変動による含み損拡大リスクを内包している。特に急激な金利上昇局面では債券価格が下落し、その他有価証券評価差額金がマイナスに転じる可能性がある。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
日銀の段階的な利上げが続けば、貸出利回り上昇と預金コスト上昇のラグにより利ざやが継続拡大する。FY2025に実現した純利益439億円からさらなる上振れが期待でき、EPSの成長が株価の再評価につながる可能性が高い。
現在のPBRは1倍を大幅に下回る割安水準にある。自社株買いの積極化・ROE改善計画の開示・増配継続が投資家の再評価を促し、株価の大幅な修正アップサイドが期待できる。東証の資本効率改善要請も追い風となる。
北関東の地方銀行再編が進む場合、規模・信用力で優位な群馬銀行が統合の中核となる可能性がある。経営統合・業務提携によるコスト削減効果と広域での収益機会拡大が中長期的な企業価値向上に寄与し得る。
配当政策は明確な増配傾向を示しており、DPSはFY2019の13円からFY2025には45円へと約3.5倍に増加した。配当性向は直近で40%程度と地銀平均を上回る水準に移行しており、株主還元への意識が高まっている。今後もROE改善・余剰資本の活用を通じた自社株買いの実施が期待される。PBR1倍回復に向けた資本効率改善計画の開示・実行が株主価値向上の鍵を握る。
リスク耐性スコア 5/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -5,422億円 / 2024年度 165億円 / 2023年度 -8,095億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥45。成長率は過去DPS CAGR(10年=10.6%、直近3年=47.6%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,460、配当性向40%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥114、総合スコア5.8から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.66倍、現BPS=¥1,460。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥114。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 5.46% | 8.96% | 13.46% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥900 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥900 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 0.0%、直近売上成長 9.4%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (35%) | 中立 (40%) | 楽観 (25%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥595 | ¥2,180 | ¥8,769 | ¥3,273 |
| 残余利益 | ¥679 | ¥1,917 | ¥3,485 | ¥1,876 |
| PERマルチプル | ¥1,024 | ¥1,593 | ¥2,504 | ¥1,622 |
| PBR分位法 | ¥710 | ¥971 | ¥1,343 | ¥973 |
| PER分位法 | ¥1,170 | ¥1,488 | ¥2,458 | ¥1,619 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥1,873 | ||
¥836 FV¥1,873 割高
¥3,712 ¥4,640