8366
FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
株式会社滋賀銀行(8366)は滋賀県彦根市に本店を置く地方銀行で、滋賀県全域を主要営業基盤としている。預金・貸出業務を中核とした伝統的な銀行業務に加え、投資信託・保険商品の窓口販売、法人向けコンサルティングなど非金利収益の拡充にも取り組む。県内の製造業・中小企業向け融資に強みを持ち、地域密着型の営業スタイルで長年にわたる顧客基盤を構築している。直近の純利益はFY2025に187億円を達成し、金利環境の好転も追い風となっている。時価総額は約4,628億円。
①滋賀県内トップクラスの預金シェアと顧客基盤
滋賀県内において長年にわたり積み上げた個人・法人顧客との取引関係は容易に代替されない資産であり、地域における認知度と信頼性が参入障壁を形成する。地元行としての安心感と支店ネットワークが競合他行に対する優位性を維持している。
②製造業集積地への法人取引ネットワーク
滋賀県は大手メーカーの工場・研究施設が集積しており、こうした法人顧客との深いリレーションシップが安定的な貸出需要と手数料収益をもたらす。長期的な取引実績に基づく与信ノウハウも競争力の源泉となっている。
③地域密着型の情報優位性とコンサルティング力
地域の産業動向・企業情報・不動産市況に関する知見の蓄積は域外金融機関には模倣困難な情報優位性を生む。事業承継・M&Aアドバイザリーなど高付加価値サービスへの展開が収益多様化と顧客囲い込みに寄与している。
中期見通し
日銀の金融政策正常化に伴う段階的な利上げは、貸出金利と預け金利の利鞘改善をもたらし、2〜3年にわたって純金利収益の上乗せが期待される。滋賀県内の設備投資需要やM&A関連融資の増加が貸出残高拡大に寄与する見込みであり、手数料収益の継続的な積み上げと相まって純利益は現状水準からの緩やかな増益基調が続くと予想される。
長期構造的トレンド
5〜10年の時間軸では少子高齢化に伴う滋賀県内の人口減少が資金需要の頭打ちにつながるリスクがある。一方でデジタルトランスフォーメーションによる業務効率化・コスト削減、および広域連携やフィンテック企業との協業による新たな収益源の開拓が長期的な競争力維持の鍵となる。東京圏への人口集中が緩和される場合、滋賀県への移住・企業誘致が下支え要因となる可能性もある。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
地域中小企業の経営悪化や不動産市況の下落が生じた場合、与信コストが急拡大し純利益を大幅に圧迫するリスクがある。コロナ融資の返済本格化期における借り手の財務悪化も懸念材料。
日銀の政策変更が停滞したり長短金利差が縮小した場合、貸出金利収益の改善シナリオが崩れ収益力が低下する。ネット銀行や大手銀行との金利競争激化による貸出利回りの低下圧力も継続している。
フィンテック企業やネット銀行の台頭により、個人向け預金・ローン市場での競争が激化している。地理的優位性が薄れる中でシステム投資コストが増大し、収益性を圧迫する可能性がある。
主要取引先である滋賀県内製造業の業況悪化や工場移転が生じた場合、法人向け貸出需要が減少し収益基盤が縮小するリスクがある。自動車産業のEVシフトに伴うサプライヤー再編も注視が必要。
金利上昇局面では保有債券の含み損が拡大し、自己資本に影響を与える可能性がある。運用資産の構成見直しが遅れた場合には財務指標への悪影響も想定される。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
日銀が追加利上げを実施した場合、変動金利型貸出の金利改定により純金利収益が顕著に拡大する。現在の低い利鞘水準からの改善幅が大きく、利益の大幅な上振れが期待できる局面にある。
東証の要請を受けた自社株買い強化・増配実施によりROEが改善し、長年続くPBR1倍割れの解消が進む可能性がある。機関投資家の注目度向上により株価の見直し買いが入ることが期待される。
滋賀県内の中小企業オーナーの高齢化を背景に事業承継ニーズが増加しており、M&Aアドバイザリーや再生支援での手数料収益拡大が見込まれる。非金利収益の多様化に寄与する中長期的な機会。
配当はFY2019の8円からFY2025の18円へと着実に増配を重ねており、利益成長に連動した株主還元方針が定着している。配当性向は利益水準に対して保守的に設定されており、内部留保による自己資本充実と株主還元のバランスを重視した運営が続く。東証の資本コスト・株価を意識した経営の要請を背景に、自社株買いの活用も含めた総還元率の引き上げが今後の焦点となる。PBR是正に向けた取り組みの一環として還元強化の可能性がある。
リスク耐性スコア 6/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -4,533億円 / 2024年度 1,647億円 / 2023年度 -5,414億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥18。成長率は過去DPS CAGR(10年=10.2%、直近3年=4.0%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(10年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,899、配当性向23%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥80、総合スコア5.4から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.55倍、現BPS=¥1,899。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥80。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 5.46% | 8.96% | 13.46% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥671 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥671 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 0.0%、直近売上成長 8.2%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (29%) | 中立 (48%) | 楽観 (23%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥178 | ¥334 | ¥683 | ¥369 |
| 残余利益 | ¥851 | ¥2,494 | ¥4,859 | ¥2,561 |
| PERマルチプル | ¥640 | ¥1,039 | ¥1,679 | ¥1,070 |
| PBR分位法 | ¥715 | ¥1,040 | ¥1,323 | ¥1,011 |
| PER分位法 | ¥810 | ¥1,450 | ¥2,246 | ¥1,447 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥1,292 | ||
¥639 FV¥1,292 割高
¥2,158 ¥2,698