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8368  百五銀行 銘柄分析・適正株価

 百五銀行 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 地方銀行 三重県地盤・安定配当・利ざや改善 R&I A (positive)
現在値
時価総額
投資テーゼ
百五銀行は三重県を主要基盤とする地方銀行であり、地域での強固な顧客基盤と預貸金シェアに裏打ちされた安定収益が特徴。日銀の金利正常化局面において利ざや改善が進み、純利益は2019年以降一貫して増益トレンドを描いている。PBR1倍割れの水準で配当利回りも相応に高く、バリュー株としての側面も持つ。
5
競争優位性
業界内MOAT
5
業界成長性
セクター動態
6
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
5
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.4/10
競争優位性
5
業界成長性
5
リスク耐性
6
株主還元
6
見通し
5

5.6Sol 個別レビュー

Claude Opus 5によるシナリオ加重評価
見送り寄り 簡易
5.6Sol乖離率 -19.5% レビュー時株価との比較
妥当価値 1,629円 シナリオ加重平均
基準株価 2,024円 2026-07-21 / kabufu-db
確信度 簡易評価

投資テーゼ

金利上昇で資金運用収益が伸び26年3月期は経常収益1623億円純利益268億円、27年3月期は純利益289億円配当42円を計画。中計はFY29までにROE5%以上、配当性向40%、政策保有株200億円超の削減。ただしPBR-ROE(COE8%、g1%)での適正PBRは0.66前後にとどまり、現値は将来ROE7%超を先取りした水準。追加利上げと政策株売却の加速がなければ正当化が難しい。

主な懸念

予想ROE5.6%に対しPBR約0.95は買われ過ぎ。26年3月期の純利益急増には政策保有株の売却益が含まれ、含み益で膨らんだ自己資本がBPSを押し上げている点にトラップ懸念。

シナリオ内訳

5.6Sol評価のシナリオ、確率、妥当価値、根拠
シナリオ確率妥当価値根拠
悲観 15.0% 1,060円 利上げ打ち止めと与信費用増でROE4.5%、適正PBR0.50。
弱気 25.0% 1,394円 現状の予想ROE5.6%が続き適正PBR0.66にとどまる。
中立 30.0% 1,667円 追加利上げでROE6.5%へ改善し適正PBR0.79。
強気 20.0% 1,970円 政策株売却加速と自社株買いでROE7.5%、適正PBR0.93。
楽観 10.0% 2,270円 ROE8.5%到達と資本コスト低下で適正PBR1.07。
評価日: 2026-07-26 15:25:22
📋 事業内容
1,245億円
売上高
FY2025実績
180億円
親会社帰属
純利益
-7,102億円
営業CF
FY2025実績
5.8%
自己資本
比率
4.1%
ROE
FY2025

百五銀行(8368)は三重県津市に本店を置く地方銀行で、三重県内を主要な営業エリアとする。預金・貸出・為替などの伝統的な銀行業務を中核としつつ、投資信託・保険の窓口販売や事業承継支援、ソリューション営業にも注力している。直近7期の推移を見ると、売上(業務粗利益)は2019年の858億円から2025年の1,245億円へと46%増加しており、純利益も108億円から180億円へ着実に成長している。日銀の金融政策正常化に伴う貸出金利の上昇が利ざや改善を後押しする環境にあり、収益基盤の強化が続いている。

競争優位性(業界内MOAT) 5/10

①地域密着の顧客基盤

三重県内で100年超の業歴を持ち、県内の個人・中小企業・地方公共団体との深い取引関係を築いている。長年の融資実績や事業支援ノウハウはスイッチングコストとして機能し、新規参入者が短期間で代替することは難しい。地元の信頼ブランドとしての地位が競争優位の根幹をなす。

②店舗・ATMネットワーク

三重県内に広く展開する店舗網とATMネットワークは、高齢者層を中心とした対面ニーズに応えるインフラとして機能している。ネット銀行が取り込みにくいシニア層や中小事業者向けの対面チャネルは依然として競争優位として作用する。

③行政・地域経済との連携

三重県・県内市町村の指定金融機関として公的資金の取り扱いや地域振興事業への参画を担い、行政との関係を通じた安定的な資金需要を確保している。地方創生・産業集積支援などの取り組みを通じて地域内での存在感を維持している。

📈 業界の成長性・セクター動態 5/10

中期見通し

日銀による段階的な利上げが継続する場合、貸出利ざやの拡大が純利息収入の増加に直結する。2025年純利益180億円をベースに、利ざや改善効果で2027年度には200億円超が視野に入る。また投資信託・保険販売の増加による役務収益の底上げも期待される。ただし信用コストの増加が一部収益を相殺するリスクも念頭に置く必要がある。

長期構造的トレンド

三重県の人口減少は長期的な貸出需要の頭打ちをもたらすリスクがあり、5〜10年スパンでは構造的な逆風となる可能性がある。一方でDX推進による業務効率化や、相続・資産承継ニーズへの対応、地方移住促進に伴う住宅ローン需要など、変化する需要構造への対応が成長の鍵を握る。地域金融機関の再編・合従連衡が進む中での自立経営維持も重要な課題となる。

⚠️ リスクファクター分析 6/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク信用コスト増加リスク

金利上昇局面では中小企業の借入コスト増加により経営悪化・倒産が増え、貸倒引当金の積み増しが必要になる可能性がある。地域経済の低迷が重なった場合、収益への打撃は大きい。

高リスク金利低下への転換リスク

現在の利ざや改善は日銀の利上げ継続を前提としているが、景気悪化により利上げが停止・反転した場合は運用収益が再び圧迫される。金利環境への依存度が高い収益構造は脆弱性をはらむ。

中リスク有価証券の評価損リスク

保有する国債・外債・株式などの有価証券が金利上昇・市場変動により評価損を抱えるリスクがある。OCFの大幅変動はその一端を示しており、特に長期債保有残高の多寡が財務に影響する。

中リスク人口減少による貸出需要低下

三重県の人口減少・高齢化が続く中、住宅ローンや中小企業向け融資の新規需要は長期的に縮小傾向をたどる可能性がある。地域経済の縮小は収益の持続的な成長を困難にする構造的リスクとなる。

低リスクデジタル化対応コストの増大

ネット銀行・フィンテック企業との競争に対応するためのシステム投資や人材育成コストが増加する可能性がある。DX投資が収益改善に結びつくまでの間、費用増加が利益を圧迫するリスクがある。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 5/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

日銀利上げによる利ざや拡大

日銀が段階的な利上げを継続すれば、変動金利の貸出金利が上昇し純利息収入が大幅に拡大する。地方銀行にとって最大の収益ドライバーであり、純利益200億円超への道筋が開ける可能性がある。

資産運用ニーズの拡大

新NISAの普及や相続対策ニーズの高まりを背景に、投資信託・保険の窓口販売増加が見込まれる。役務収益の拡大は利ざや依存から脱却する収益構造の多様化につながり、評価向上に寄与しうる。

PBR改善・資本効率向上策

現在PBR1倍割れとみられる水準は、増配・自社株買いによる資本効率改善への取り組みが評価されれば株価上昇の余地となる。東証の上場企業に対するPBR改善要請を受けた施策強化が期待される。

💰 株主還元政策 6/10

配当実績は2019年9円から毎年増配を続け、2025年には21円に達している。EPS成長に連動した連続増配方針が示す株主還元姿勢は明確で、配当性向は約29%と地銀の中では保守的な水準にある。今後は金利上昇による収益改善を背景に、配当性向の引き上げや自社株買いの実施による総還元性向向上が期待される。PBR1倍達成に向けた資本効率改善策の一環として、積極的な株主還元強化が検討されるとみられる。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
10年国債利回り(リスクフリーレート)+2.86%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(地方銀行)×0.88
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+4.51%
リスク耐性スコア調整(6/10)+0.00%
MOAT スコア調整(5/10)+0.00%
格付け調整(R&I A)-0.20%
当社中立CoE7.16%
悲観 CoE
10.2%
中立 CoE
7.2%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(6/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 34%
中立 43%
楽観 23%
悲観 34% — 金利上昇一服・信用コスト増
中立 43% — 段階的利上げ・安定増益
楽観 23% — 利ざや急拡大・還元強化
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥1,116/株
悲観34% / 中立43% / 楽観23%
リスク耐性スコア 6/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -7,392億円 / 2024年度 660億円 / 2023年度 -5,178億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥21。成長率は過去DPS CAGR(10年=7.6%、直近3年=24.1%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(10年)でターミナル成長率に収束。

悲観 34%
金利上昇一服・信用コスト増
¥258
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト10.2%
ターミナル成長率-0.2%
中立 43%
段階的利上げ・安定増益
¥636
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.2%
ターミナル成長率1.0%
楽観 23%
利ざや急拡大・還元強化
¥1,412
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.0%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,758、配当性向29%でBPS追跡。

悲観 34%
金利上昇一服・信用コスト増
¥774
推定フェアバリュー/株
CoE10.2%
ROE(初年→10年目)-5.0%→6.4%
TV成長率-0.2%
中立 43%
段階的利上げ・安定増益
¥2,347
推定フェアバリュー/株
CoE7.2%
ROE(初年→10年目)8.6%→8.6%
TV成長率1.0%
楽観 23%
利ざや急拡大・還元強化
¥3,678
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)11.3%→8.6%
TV成長率2.0%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥73、総合スコア5.4から指数関数的に倍率算出。

悲観 34%
金利上昇一服・信用コスト増
¥583
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥73
想定PER8倍
中立 43%
段階的利上げ・安定増益
¥947
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥73
想定PER13倍
楽観 23%
利ざや急拡大・還元強化
¥1,530
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥73
想定PER21倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.41倍、現BPS=¥1,758。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.33) 中央値 (0.41) 上位25% (0.62)
悲観 34%
金利上昇一服・信用コスト増
¥587
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.33倍
中立 43%
段階的利上げ・安定増益
¥726
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR0.41倍
楽観 23%
利ざや急拡大・還元強化
¥1,097
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR0.62倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥73。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (9.5) 中央値 (13.1) 上位25% (24.4)
悲観 34%
金利上昇一服・信用コスト増
¥690
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER9.5倍
中立 43%
段階的利上げ・安定増益
¥955
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER13.1倍
楽観 23%
利ざや急拡大・還元強化
¥1,775
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER24.4倍

10年後の株価を 1000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-07-29)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 11.4%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -11.9% / 中央 -3.4% / 上振れ 7.1%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(1000シナリオ)
下振れ ¥159 / 中央 ¥740 / 上振れ ¥2,860
現在 ¥2,024 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.6%
10年後の状態: 成長22% 横ばい76% 衰退2% 倒産・上場廃止1%
事象タグ別の10年発生確率
financial low-return terminal value discount
90.1%
地銀の預金・店舗網圧力
61.6%
株主還元強化
48.1%
バリュエーション低下
46.7%
景気後退・需要減
44.4%
希薄化・増資
33.5%
好況・上振れサイクル
32.2%
大幅業績ショック
29.5%
構造的衰退
23.1%
利益率改善
22.8%
利益率悪化
21.9%
バリュエーション上昇
21.8%
TOB・買収
19.2%
discounted recap financing
13.2%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(1000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥2,024(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
🍝 トータルリターンの10年推移(1000通りのシナリオ)
横軸 = 経過年 / 縦軸 = 配当込み累積トータルリターン(%)。薄い線1本1本が1回のシミュレーション、 太線が中央シナリオ、帯が下振れ〜上振れ(P10〜P90)。0%(灰線)より上なら投資元本を上回る。
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)3.14%6.64%11.14%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥911
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥911
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 11.1%)

※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (34%) 中立 (43%) 楽観 (23%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥258 ¥636 ¥1,412 ¥686
残余利益 ¥774 ¥2,347 ¥3,678 ¥2,118
PERマルチプル ¥583 ¥947 ¥1,530 ¥957
PBR分位法 ¥587 ¥726 ¥1,097 ¥764
PER分位法 ¥690 ¥955 ¥1,775 ¥1,054
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥1,116
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥318 割安
¥578
FV¥1,116 割高
¥1,898
¥2,373
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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