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8418

山口フィナンシャルグループ 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 地方銀行持株会社 山口・広島・九州圏リージョナルバンク R&I A+ (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
山口フィナンシャルグループは山口・広島・九州を地盤とする中堅地銀持株会社で、傘下に山口銀行・もみじ銀行・北九州銀行を擁する。金利上昇局面において預貸金利鞘の拡大が見込まれ、2025年3月期純利益は353億円と過去最高水準を更新している。配当は連続増配基調にあり、PBR1倍未満という割安水準と金利上昇追い風を背景に、株主価値の改善余地が大きい。
5
競争優位性
業界内MOAT
5
業界成長性
セクター動態
6
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
6
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.6/10
競争優位性
5
業界成長性
5
リスク耐性
6
株主還元
6
見通し
6
📋 事業内容
2,134億円
売上高
FY2025実績
353億円
親会社帰属
純利益
6,151億円
営業CF
FY2025実績
4.7%
自己資本
比率
5.7%
ROE
FY2025

山口フィナンシャルグループ(8418)は山口県を本拠とする地域銀行持株会社で、山口銀行・もみじ銀行・北九州銀行の3行を傘下に持つ。営業エリアは山口県・広島県・北九州市を中心とする西日本一帯で、地域の中小企業・個人向け融資・預金・資産運用を中核事業とする。売上(業務粗利益相当)は2019年1,626億円から2025年2,134億円へと着実に拡大。金利上昇局面の恩恵を受けて純利益は2022年の一時赤字から2025年353億円へと大幅に回復した。役務収益やコンサルティングを強化し非金利収入の拡充にも取り組んでいる。

競争優位性(業界内MOAT) 5/10

①長年の地域顧客基盤

山口・広島・北九州の地場企業・個人との数十年にわたる取引関係は他行が短期間で代替することが難しい参入障壁を形成している。地元シェアの高さは預金調達コストの安定化にも寄与しており、収益の下支えとなっている。

②三行体制による広域ネットワーク

山口・もみじ・北九州銀行の連携により、山口県から広島圏・北九州圏へと広がる営業網を持つ。単独地銀では達成困難な広域カバレッジを実現しており、広域に事業展開する中堅企業へのソリューション提供力を高めている。

③地域密着コンサルティング機能

事業承継・M&A仲介・資産運用など、融資に留まらないコンサルティング収益を強化している。地域情報の蓄積と人的ネットワークを活かした提案力は都市銀行やネット銀行が容易に模倣できない強みである。

📈 業界の成長性・セクター動態 5/10

中期見通し

日銀の金利正常化路線が続く限り、2〜3年の視野では預貸金利鞘の拡大が純利益を押し上げる。2025年3月期の353億円を超えて400億円超を目指す中期計画の実現可能性は高まっている。加えて有価証券運用収益の改善や、役務収益の拡大も収益を後押しする見通しである。コスト面では三行の共通システム化・店舗最適化による経費削減効果も継続する。

長期構造的トレンド

山口・広島・北九州の人口は長期的に減少傾向にあり、融資需要の構造的縮小は避けられない。しかしデジタルトランスフォーメーション推進・地方創生支援・インバウンド関連融資など新たな需要分野もある。また富裕層向け資産運用ニーズの高まりや相続・事業承継ビジネスの拡大は非金利収益の成長ドライバーとして機能する。長期的には再編・統合も視野に入れた業界再構成の中でのポジション強化が鍵となる。

⚠️ リスクファクター分析 6/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク金利反転・低金利長期化リスク

日銀が利上げを停止・撤回した場合、預貸金利鞘の改善が頭打ちとなり収益拡大シナリオが崩れる。特に現在の収益改善の大部分が金利上昇に依存しているため、影響度が大きい。

高リスク地域中小企業の信用コスト増加

景気後退や金利上昇による中小企業の経営悪化が貸倒引当金の増加につながるリスクがある。2022年の最終赤字もクレジットコスト増加が一因であり、地域経済の悪化時に業績が大きく落ち込む可能性がある。

中リスク有価証券ポートフォリオの含み損

過去の低金利環境で積み上げた中長期債・外国債券に含み損が発生するリスクがある。金利上昇局面では逆に債券価格が下落するため、ポートフォリオの構成次第でOCIへの影響が生じる。

中リスクデジタル金融との競争激化

ネット銀行・フィンテック企業が個人・中小企業向け金融サービスに参入を加速しており、預金・決済・小口融資の分野で競合が増す。顧客離れが進むと利鞘・手数料収益の双方に悪影響が及ぶ。

低リスク自然災害・地政学リスク

山口・広島・北九州は豪雨・地震等の自然災害リスクがある地域であり、大規模災害が発生した場合に貸出先の毀損と店舗・システムへのオペレーショナルリスクが生じる可能性がある。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 6/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

日銀追加利上げによる利鞘拡大

日銀がさらなる政策金利引き上げに踏み切った場合、預貸金利鞘が追加的に拡大し純利益400億円超の達成が視野に入る。金利感応度の高い地銀にとって最大のアップサイドドライバーである。

PBR1倍回復に向けた資本効率改善策

現在PBR0.4倍台という割安水準を解消するため、増配・自社株買い拡大・ROE改善目標の明確化などを打ち出した場合、株価の大幅な再評価が起こり得る。市場からの期待値が低い分、サプライズ効果が大きい。

地域内再編・統合によるコスト削減

地銀業界全体で再編が加速する中、近隣地銀との統合・業務提携によるシステム共通化・店舗合理化が実現すれば、固定費削減による収益性向上が期待できる。長期的な株主価値向上につながる選択肢である。

💰 株主還元政策 6/10

配当は2019年22円から2025年60円まで6期連続増配を達成しており、株主還元への積極的な姿勢が示されている。配当性向は概ね30〜40%の範囲を目安としており、増益に応じた増配が期待できる。加えて自己株取得も実施しており、総還元利回りは地銀平均に比べ見劣りしない水準。PBRが0.4倍台と割安なことから、資本効率改善に向けた追加策(増配・自社株買い拡大)の公表が株価のカタリストとなる可能性がある。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(地方銀行)×0.88
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+4.51%
リスク耐性スコア調整(6/10)+0.00%
MOAT スコア調整(5/10)+0.00%
格付け調整(R&I A+)-0.20%
当社中立CoE8.01%
悲観 CoE
11.0%
中立 CoE
8.0%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(6/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 34%
中立 43%
楽観 23%
悲観 34% — 金利反転・不良債権増加
中立 43% — 緩やかな金利上昇・収益改善継続
楽観 23% — 大幅利上げ・資本効率改革加速
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥2,217/株
悲観34% / 中立43% / 楽観23%
リスク耐性スコア 6/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 4,685億円 / 2024年度 -4,618億円 / 2023年度 -2,989億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥60。成長率は過去DPS CAGR(10年=13.1%、直近3年=28.9%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(10年)でターミナル成長率に収束。

悲観 34%
金利反転・不良債権増加
¥842
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト11.0%
ターミナル成長率-0.2%
中立 43%
緩やかな金利上昇・収益改善継続
¥1,938
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト8.0%
ターミナル成長率1.0%
楽観 23%
大幅利上げ・資本効率改革加速
¥4,885
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.0%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,893、配当性向36%でBPS追跡。

悲観 34%
金利反転・不良債権増加
¥1,339
推定フェアバリュー/株
CoE11.0%
ROE(初年→10年目)-5.0%→7.2%
TV成長率-0.2%
中立 43%
緩やかな金利上昇・収益改善継続
¥3,724
推定フェアバリュー/株
CoE8.0%
ROE(初年→10年目)9.5%→9.5%
TV成長率1.0%
楽観 23%
大幅利上げ・資本効率改革加速
¥6,952
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)12.5%→9.5%
TV成長率2.0%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥165、総合スコア5.6から指数関数的に倍率算出。

悲観 34%
金利反転・不良債権増加
¥1,321
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥165
想定PER8倍
中立 43%
緩やかな金利上昇・収益改善継続
¥2,147
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥165
想定PER13倍
楽観 23%
大幅利上げ・資本効率改革加速
¥3,469
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥165
想定PER21倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.50倍、現BPS=¥2,893。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.39) 中央値 (0.50) 上位25% (0.61)
悲観 34%
金利反転・不良債権増加
¥1,125
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.39倍
中立 43%
緩やかな金利上昇・収益改善継続
¥1,460
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR0.50倍
楽観 23%
大幅利上げ・資本効率改革加速
¥1,758
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR0.61倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥165。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (8.1) 中央値 (9.5) 上位25% (12.4)
悲観 34%
金利反転・不良債権増加
¥1,338
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER8.1倍
中立 43%
緩やかな金利上昇・収益改善継続
¥1,570
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER9.5倍
楽観 23%
大幅利上げ・資本効率改革加速
¥2,051
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER12.4倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 6.6%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -8.3% / 中央 -0.3% / 上振れ 7.5%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥396 / 中央 ¥1,295 / 上振れ ¥3,443
現在 ¥2,640 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
4.6%
10年後の状態: 成長19% 横ばい74% 衰退3% 倒産・上場廃止5%
事象タグ別の10年発生確率
株主還元強化
48.6%
景気後退・需要減
43.2%
バリュエーション低下
36.3%
好況・上振れサイクル
32.8%
利益率改善
27.1%
バリュエーション上昇
26.2%
大幅業績ショック
25.0%
構造的衰退
23.0%
利益率悪化
21.1%
競争優位低下
12.5%
TOB・買収
11.5%
倒産・上場廃止
7.1%
希薄化・増資
0.9%
赤字・低収益からの回復
0.0%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥2,640(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)5.46%8.96%13.46%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥1,390
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥1,390
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.0%、直近売上成長 6.5%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (34%) 中立 (43%) 楽観 (23%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥842 ¥1,938 ¥4,885 ¥2,243
残余利益 ¥1,339 ¥3,724 ¥6,952 ¥3,656
PERマルチプル ¥1,321 ¥2,147 ¥3,469 ¥2,170
PBR分位法 ¥1,125 ¥1,460 ¥1,758 ¥1,415
PER分位法 ¥1,338 ¥1,570 ¥2,051 ¥1,602
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥2,217
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥656 割安
¥1,193
FV¥2,217 割高
¥3,823
¥4,779
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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