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8524 北洋銀行 銘柄分析・適正株価

北洋銀行 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 地方銀行 北海道地盤・安定預貸基盤 JCR A+ (stable) R&I A- (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
北洋銀行は北海道最大の地方銀行として、道内屈指の預金・貸出シェアを背景に安定した利鞘収益を確保している。金利上昇局面においては資金利益の改善が期待され、2025年3月期には純利益が206億円と過去7期で最高水準に達した。PBR0.4倍台の低バリュエーションと増配姿勢を踏まえると、長期的な株主還元拡充余地は大きい。
5
競争優位性
業界内MOAT
4
業界成長性
セクター動態
5
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
5
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.0/10
競争優位性
5
業界成長性
4
リスク耐性
5
株主還元
6
見通し
5

5.6Sol 個別レビュー

Claude Opus 5によるシナリオ加重評価
不確実 簡易
5.6Sol乖離率 -1.8% レビュー時株価との比較
妥当価値 1,171円 シナリオ加重平均
基準株価 1,193円 2026-07-21 / kabufu-db
確信度 簡易評価

投資テーゼ

道内メインバンクシェアが圧倒的で預金超過幅が大きく、政策金利の上昇がそのまま利ざやに効く高感応度の銀行。2027年3月期は経常444億円・純利益294億円と4期連続増益予想で、半導体関連融資を2030年度まで累計3000億円計画するなど貸出量の伸びも見込める。ただし現値はROE9%相当を織り込んでおり、ROEが会社計画の7.6%どまりなら適正PBRは0.95倍前後にとどまる。

主な懸念

予想ROE7.6%に対しPBR1.16倍は先取り気味。ラピダスと道内半導体集積の期待が既に織り込まれており、利上げが止まれば調整リスク。

シナリオ内訳

5.6Sol評価のシナリオ、確率、妥当価値、根拠
シナリオ確率妥当価値根拠
悲観 12.0% 735円 ラピダス計画が失速し道内与信費用が増加、ROEが6%まで低下して適正PBRは0.71倍。
弱気 23.0% 971円 追加利上げがなく会社計画どおり予想ROE7.6%にとどまり、適正PBRは0.94倍。
中立 32.0% 1,177円 政策金利1.25%程度まで上昇し預金超過の利ざや効果でROE9%、適正PBR1.14倍。
強気 23.0% 1,398円 半導体・データセンター向け貸出の伸びと自己株取得でROE10.5%、適正PBR1.36倍。
楽観 10.0% 1,618円 政策金利1.75%まで上昇しROE12%が定着、適正PBR1.57倍。
評価日: 2026-07-26 15:33:05
📋 事業内容
1,506億円
売上高
FY2025実績
206億円
親会社帰属
純利益
-675億円
営業CF
FY2025実績
2.8%
自己資本
比率
5.4%
ROE
FY2025

北洋銀行(8524)は北海道を地盤とする道内最大規模の地方銀行。1917年創業の旧北海道拓殖銀行系統を引き継ぎ、道内170超の店舗網を通じて個人・法人向け預金・融資・資産運用サービスを展開する。売上高(経常収益)は2025年3月期に1,506億円と近年最高水準を更新し、純利益も206億円と過去7期で最大となった。主な収益源は預貸金利鞘から生じる資金利益で、手数料収入や投資信託販売による非資金利益の拡大にも注力している。北海道経済の主要産業である農業・水産・観光・公共投資向け融資を軸に、再生可能エネルギーやデジタルトランスフォーメーション関連の新規融資分野にも進出している。

競争優位性(業界内MOAT) 5/10

①北海道における圧倒的な店舗・顧客基盤

道内170超の店舗と長年の顧客関係資産は容易に模倣できない参入障壁を形成する。特に中小企業・農業法人との長期取引関係は、他行やネット銀行が短期間では代替しにくい固有の競争優位となっている。

②北海道経済に精通したリレーションシップバンキング

農業・水産・観光といった北海道固有産業への深い知見と融資実績が差別化源泉。地域経済の動向を熟知したソリューション提案力は、全国展開のメガバンクが補完しにくい領域であり、融資案件の獲得力に直結している。

③北洋銀行ブランドの地域信頼性

北海道最大の地方銀行としてのブランド認知は、預金集積コストを低減し安定した資金調達基盤を支える。道内自治体・公的機関との指定金融機関契約も多く、パブリックセクターとのネットワークが収益安定性に寄与している。

📈 業界の成長性・セクター動態 4/10

中期見通し

2025〜2027年の中期では、日本銀行の利上げサイクルを背景に預貸金利鞘の拡大が資金利益を押し上げると見られる。EPSは2025年¥54から¥60〜70台への緩やかな増加が想定される。北海道内のデータセンター建設需要・食品輸出向け設備投資融資・洋上風力プロジェクトファイナンスが新たな収益貢献源として顕在化する見込み。一方、人口減少に伴う住宅ローン・個人向け貸出の自然減が成長を抑制する。

長期構造的トレンド

5〜10年スパンでは北海道の人口減少・高齢化が継続するため、貸出残高の量的拡大には限界がある。しかし気候変動対応(再エネ・脱炭素融資)・農業DX・インバウンド観光復活など質的転換が収益構造を支える。また金融庁が推進するリレーションシップバンキング強化の流れは地方銀行に追い風。デジタルチャネル投資によるコスト構造改革が中長期の利益率改善につながる可能性がある。

⚠️ リスクファクター分析 5/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク北海道経済の地域集中リスク

収益基盤が北海道に一極集中しており、道内景気の悪化・農業不振・観光減少が直接的に信用コスト増加と貸出残高減少をもたらすリスクが高い。地域分散が困難な地方銀行特有の弱点。

高リスク金利上昇局面での保有債券含み損拡大

長年の低金利環境下で積み上げた有価証券ポートフォリオは金利上昇時に時価評価損が拡大するリスクを内包する。特に超長期国債・地方債の評価損が自己資本に影響を与える可能性がある。

中リスク不良債権比率の悪化リスク

北海道の中小企業・農業法人向け融資比率が高く、コロナ禍対応の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済本格化に伴う信用コスト増加が2025〜2026年に顕在化するリスクがある。

中リスクデジタルバンキング台頭による預金・収益競争激化

ネット銀行や大手行のデジタルサービス拡充により、若年層・法人顧客の離脱リスクが高まっている。預金金利競争の激化は調達コスト上昇につながり、資金利鞘の縮小要因となり得る。

低リスク人口減少による長期的な市場縮小

北海道の人口は今後も減少が続く見通しであり、住宅ローンや個人向け貸出の潜在需要が構造的に縮小する。10年超の長期では貸出残高の維持自体が課題となる可能性がある。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 5/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

政策金利正常化による資金利益の大幅改善

日銀の利上げサイクルが継続した場合、変動金利貸出の利回り上昇により資金利益が大幅に拡大する。金利1%上昇あたりの利益インパクトは数十億円規模と試算され、純利益の飛躍的成長が期待できる。

北海道再生可能エネルギー・脱炭素投資関連融資

北海道は日本最大級の洋上風力ポテンシャルを持ち、大規模再エネプロジェクトへのプロジェクトファイナンス需要が拡大中。地域金融機関として案件組成に参画できれば収益多様化と優良貸出残高の積み上げが同時に実現できる。

低PBR是正・資本効率改善によるバリュー株再評価

東証の低PBR是正要請を受けた増配・自社株買いの積極化により、株価の水準訂正が起きる可能性がある。ROEの継続的な改善と株主対話強化が機関投資家の再評価トリガーとなり得る。

💰 株主還元政策 6/10

配当政策は安定増配を基本方針とし、DPSは2024年¥10から2025年¥19へと大幅に引き上げられた。純利益の回復を反映した還元強化の姿勢が鮮明であり、配当性向は純利益比35%前後と地方銀行としては保守的な水準にある。今後の金利上昇による利益拡大局面では、さらなる増配と自社株買いの組み合わせによる資本効率改善が期待される。現時点では自己株式取得の実績は限定的だが、低PBR是正に向けた取締役会の意識向上が還元拡充の契機となり得る。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
10年国債利回り(リスクフリーレート)+2.86%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(地方銀行)×0.88
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+4.51%
リスク耐性スコア調整(5/10)+0.00%
MOAT スコア調整(5/10)+0.00%
格付け調整(JCR A+ / R&I A-)+0.00%
当社中立CoE7.36%
悲観 CoE
10.4%
中立 CoE
7.4%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(5/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 35%
中立 40%
楽観 25%
悲観 35% — 北海道景気悪化・信用コスト急増
中立 40% — 緩やかな金利上昇と安定収益継続
楽観 25% — 政策金利正常化加速・資金利益大幅改善
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥1,499/株
悲観35% / 中立40% / 楽観25%
リスク耐性スコア 5/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -3,960億円 / 2024年度 2,851億円 / 2023年度 -15,341億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥19。成長率は過去DPS CAGR(10年=10.3%、直近3年=23.9%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(10年)でターミナル成長率に収束。

悲観 35%
北海道景気悪化・信用コスト急増
¥251
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト10.4%
ターミナル成長率-0.4%
中立 40%
緩やかな金利上昇と安定収益継続
¥584
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.4%
ターミナル成長率1.0%
楽観 25%
政策金利正常化加速・資金利益大幅改善
¥1,267
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.0%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥995、配当性向35%でBPS追跡。

悲観 35%
北海道景気悪化・信用コスト急増
¥433
推定フェアバリュー/株
CoE10.4%
ROE(初年→10年目)-5.0%→6.4%
TV成長率-0.4%
中立 40%
緩やかな金利上昇と安定収益継続
¥1,230
推定フェアバリュー/株
CoE7.4%
ROE(初年→10年目)8.5%→8.5%
TV成長率1.0%
楽観 25%
政策金利正常化加速・資金利益大幅改善
¥2,021
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)11.1%→8.6%
TV成長率2.0%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥194、総合スコア5.0から指数関数的に倍率算出。

悲観 35%
北海道景気悪化・信用コスト急増
¥1,551
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥194
想定PER8倍
中立 40%
緩やかな金利上昇と安定収益継続
¥2,326
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥194
想定PER12倍
楽観 25%
政策金利正常化加速・資金利益大幅改善
¥3,683
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥194
想定PER19倍
PBR法による価値算定を見送り
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(時系列に不連続な急変あり(株式分割の遡及反映が不完全な可能性))

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥194。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (7.6) 中央値 (9.3) 上位25% (12.0)
悲観 35%
北海道景気悪化・信用コスト急増
¥1,475
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER7.6倍
中立 40%
緩やかな金利上昇と安定収益継続
¥1,795
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER9.3倍
楽観 25%
政策金利正常化加速・資金利益大幅改善
¥2,318
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER12.0倍

10年後の株価を 1000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-07-29)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 25.4%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -11.0% / 中央 -0.9% / 上振れ 12.8%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(1000シナリオ)
下振れ ¥143 / 中央 ¥699 / 上振れ ¥3,243
現在 ¥1,193 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.7%
10年後の状態: 成長29% 横ばい68% 衰退3% 倒産・上場廃止1%
事象タグ別の10年発生確率
financial low-return terminal value discount
75.6%
地銀の預金・店舗網圧力
61.6%
株主還元強化
50.2%
景気後退・需要減
43.4%
バリュエーション低下
40.8%
好況・上振れサイクル
34.9%
希薄化・増資
34.9%
大幅業績ショック
28.8%
利益率改善
24.7%
構造的衰退
22.9%
バリュエーション上昇
20.9%
利益率悪化
17.8%
ordinary dilution financing
15.7%
TOB・買収
14.4%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(1000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥1,193(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
🍝 トータルリターンの10年推移(1000通りのシナリオ)
横軸 = 経過年 / 縦軸 = 配当込み累積トータルリターン(%)。薄い線1本1本が1回のシミュレーション、 太線が中央シナリオ、帯が下振れ〜上振れ(P10〜P90)。0%(灰線)より上なら投資元本を上回る。
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)3.14%6.64%11.14%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥666
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥666
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.4%、直近売上成長 8.8%)

※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (35%) 中立 (40%) 楽観 (25%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥251 ¥584 ¥1,267 ¥638
残余利益 ¥433 ¥1,230 ¥2,021 ¥1,149
PERマルチプル ¥1,551 ¥2,326 ¥3,683 ¥2,394
PBR分位法
PER分位法 ¥1,475 ¥1,795 ¥2,318 ¥1,814
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥1,499
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥510 割安
¥928
FV¥1,499 割高
¥2,322
¥2,903
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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