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野村ホールディングス 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 証券・商品先物取引業 証券/投資銀行 JCR AA- (stable) R&I A+ (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
野村ホールディングスは日本最大の総合証券グループであり、国内「貯蓄から投資へ」シフトとNISA恒久化を背景とした個人資産流入の構造的追い風を直接受ける主要受益者である。ホールセール部門ではグローバル株式・FICC・投資銀行業務を展開し、市場ボラティリティが高い局面でのトレーディング収益拡大が業績上振れの主要ドライバーとなる。Lehman欧州・アジア部門の買収を起点とした海外プレゼンスは競合国内証券との差別化軸だが、アルケゴス損失等の過去のリスク管理失敗が示す収益変動リスクは依然として評価上の割引要因となっている。
6
競争優位性
業界内MOAT
5
業界成長性
セクター動態
4
リスク耐性
財務・事業安定性
5
株主還元
配当・自社株買い
6
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.2/10
競争優位性
6
業界成長性
5
リスク耐性
4
株主還元
5
見通し
6
📋 事業内容
47,585億円
売上高
FY2026実績
3,621億円
親会社帰属
純利益
-8,430億円
営業CF
FY2026実績
5.9%
自己資本
比率
9.7%
ROE
FY2026

野村ホールディングスはリテール・ホールセール・インベストメントマネジメントの三部門を主軸とする日本最大の証券グループである。リテール部門では全国の個人顧客に対して株式・債券・投資信託・保険の販売および資産管理サービスを提供し、NISAを含む個人資産の投資シフトを取り込む中心的プレイヤーとなっている。ホールセール部門はグローバル市場での株式・FICC(債券・通貨・商品)のトレーディング、ECM・DCM・M&Aアドバイザリーを含む投資銀行業務を展開し、Lehman欧州・アジア部門の買収(2008年)を起点として海外機関投資家向けビジネスの基盤を持つ。インベストメントマネジメント部門は野村アセットマネジメントを中核に国内外の運用資産残高の拡大を図っており、安定的なフィー収入源として機能する。

競争優位性(業界内MOAT) 6/10

①国内リテール顧客基盤と「野村」ブランド

長年にわたる全国展開で構築した富裕層・準富裕層顧客との関係深度と、証券業界における「野村」のブランド認知度は、オンライン証券が模倣しにくい対面コンサルティング型サービスの基盤となっている。個人顧客の預かり資産残高の大きさはスイッチングコストとして機能し、資産管理フィービジネスへの移行局面での粘着性を生む。

②海外インフラとグローバル機関投資家ネットワーク

Lehman欧州・アジア部門の買収を通じて獲得した海外拠点・人材・顧客ネットワークは、純粋な国内証券会社が短期間で構築することが困難なグローバルプレゼンスを形成する。特にアジア太平洋地域での株式引受・ECM業務における地位は、クロスボーダー取引を必要とする発行体・機関投資家の双方に対する差別化要素となっている。

③インベストメントマネジメントの規模と運用ノウハウ

野村アセットマネジメントは国内最大級の運用残高を持ち、ETFを含む多様なプロダクトラインナップと機関投資家・個人投資家双方への販売チャネルを有する。規模に由来するコスト効率と長期にわたる運用実績の蓄積は、新規参入者が容易に追随できない資産運用部門の競争優位として機能する。

📈 業界の成長性・セクター動態 5/10

中期見通し

NISA恒久化・拡充を起点とした個人資産の株式・投資信託シフトは、野村のリテール部門における預かり資産残高の増加と手数料収入の安定化を中期的に後押しする構造的テーマである。資産管理型ビジネスモデルへの転換が進むにつれてフロー依存型収益のボラティリティが低下し、収益の質の改善が見込まれる。ホールセール部門では国内外の株式市場の好調局面における投資銀行・ECM案件の増加が上乗せ要因となり得る。

長期構造的トレンド

日本における個人金融資産の投資シフトは政策的後押しを伴う長期テーマであり、証券業界全体の市場規模拡大という形で野村の成長機会を広げる。アジア新興国の資本市場発展に伴うクロスボーダー投資銀行案件の拡大も、グローバルプレゼンスを持つ野村にとって長期的な収益機会を構成する。一方で国内の人口動態悪化によるリテール顧客層の縮小は中長期的な頭風となるため、富裕層セグメントへの集中と海外顧客獲得のバランスが重要となる。

⚠️ リスクファクター分析 4/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスクリスク管理失敗・突発的大口損失リスク

アルケゴス・ファンド関連損失(2021年)をはじめとする過去の大口損失事例は、プライムブローカレッジや相対デリバティブ取引において集中リスクが顕在化した際の損失規模が経営上の重大事象となり得ることを示している。内部統制とリスクモニタリングの強化が図られているとはいえ、グローバルなホールセールビジネスには同種のリスクが構造的に内在し、市場急変時の損失が業績を突発的に毀損する可能性は排除できない。

高リスク市場環境悪化によるトレーディング・フィー収益の急減

ホールセール部門のトレーディング収益および投資銀行フィーは株式・債券市場の環境に高度に依存しており、市場急落・流動性枯渇・IPO市場の冷え込みが重なった局面では収益が急速に悪化する構造を持つ。リテールのブローキングフィーも市場売買代金の減少局面で圧縮されるため、景気後退・リスクオフ局面における業績下振れ幅は大きくなりやすい。

中リスクネット証券・フィンテック台頭によるリテール手数料の価格圧力

手数料無料化を武器とするネット証券の攻勢とフィンテック企業の参入は、野村のリテール部門における手数料収入の単価を継続的に圧迫する競争環境を形成している。対面コンサルティングの付加価値を資産管理フィーとして顧客に納得させる移行が遅れた場合、収益モデルの構造的な劣化リスクが高まる。

中リスク海外事業における規制・地政学リスク

欧米・アジアにまたがるグローバル事業は、各国の規制強化・税制変更・地政学的緊張の高まりに伴う事業環境の悪化リスクにさらされている。特に米中関係の悪化や欧州の金融規制強化は、それぞれの拠点でのビジネス機会の縮小または追加コストの発生につながる可能性がある。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 6/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

NISA恒久化・拡充による個人資産の証券シフト取り込み

新NISAの恒久化・非課税投資枠の大幅拡充は個人投資家の投資意欲を喚起する政策的後押しとなっており、国内最大のリテール顧客基盤を持つ野村はその恩恵を最大規模で受ける構造にある。預かり資産残高の増加は残高連動フィー収入の拡大をもたらし、フロー依存型から安定的な資産管理型収益への移行を加速させる。

株式市場好調局面でのホールセール収益拡大

国内外の株式市場が好調を維持する局面では、ECM引受・クロスボーダーM&Aアドバイザリー・エクイティトレーディングの収益が連動して拡大する。グローバルな機関投資家へのアクセスと海外拠点を持つ野村は、純粋な国内証券会社と比較して規模感のある案件を取り込む能力が高く、市場活況局面での収益上振れ幅が大きい。

アジア投資銀行・資産運用ビジネスの拡大

アジア太平洋地域の資本市場の発展と機関投資家の増加は、野村の海外ホールセール・インベストメントマネジメント事業にとって中長期的な収益拡大機会を提供する。現地プレゼンスと日系企業の海外展開支援というニッチにおける強みを活かした案件獲得は、競合グローバル投資銀行との差別化軸として機能し得る。

💰 株主還元政策 5/10

野村ホールディングスの配当は業績連動型であり、ホールセールの大幅損失が発生した年度には配当が抑制される局面も過去に存在した。累進配当のコミットメントは明示されておらず、メガバンク等と比較した場合の株主還元の予見可能性は低い。自社株買いについては資本水準や市場環境に応じて機動的に実施されるが、ROEが安定的に10%を超えるまでは高水準の株主還元の持続性には慎重な目線が必要である。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(証券・資産運用)×1.77
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+9.09%
リスク耐性スコア調整(4/10)+0.60%
MOAT スコア調整(6/10)+0.00%
格付け調整(JCR AA- / R&I A+)-0.20%
当社中立CoE13.19%
悲観 CoE
16.2%
中立 CoE
13.2%
楽観 CoE
10.7%
リスク耐性スコア(4/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 37%
中立 37%
楽観 26%
悲観 37% — 市場急落による個人顧客の投資マインド冷え込みとホールセールのトレーディング損失が重なり、リテール手数料・ホールセール収益が同時に悪化
中立 37% — NISA拡充を追い風にリテールの預かり資産残高が着実に積み上がり、ホールセールの市場収益も安定的に推移して持続的な収益基盤を形成
楽観 26% — 株式市場の好調継続とIPO・M&A案件の増加がホールセール収益を押し上げ、リテールの資産管理フィー拡大が重なり大幅な収益・ROE改善が実現
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥1,889/株
悲観37% / 中立37% / 楽観26%
リスク耐性スコア 4/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2026年度 -23,419億円 / 2025年度 -15,273億円 / 2024年度 -7,553億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥51。成長率は過去DPS CAGR(10年=10.3%、直近3年=44.2%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。

悲観 37%
市場急落による個人顧客の投資マインド冷え込みとホールセールのトレーディング損失が重なり、リテール手数料・ホールセール収益が同時に悪化
¥444
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト16.2%
ターミナル成長率0.4%
中立 37%
NISA拡充を追い風にリテールの預かり資産残高が着実に積み上がり、ホールセールの市場収益も安定的に推移して持続的な収益基盤を形成
¥1,189
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト13.2%
ターミナル成長率1.1%
楽観 26%
株式市場の好調継続とIPO・M&A案件の増加がホールセール収益を押し上げ、リテールの資産管理フィー拡大が重なり大幅な収益・ROE改善が実現
¥3,465
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト10.7%
ターミナル成長率2.1%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,260、配当性向41%でBPS追跡。

悲観 37%
市場急落による個人顧客の投資マインド冷え込みとホールセールのトレーディング損失が重なり、リテール手数料・ホールセール収益が同時に悪化
¥579
推定フェアバリュー/株
CoE16.2%
ROE(初年→10年目)-3.6%→11.7%
TV成長率0.4%
中立 37%
NISA拡充を追い風にリテールの預かり資産残高が着実に積み上がり、ホールセールの市場収益も安定的に推移して持続的な収益基盤を形成
¥1,369
推定フェアバリュー/株
CoE13.2%
ROE(初年→10年目)13.9%→13.9%
TV成長率1.1%
楽観 26%
株式市場の好調継続とIPO・M&A案件の増加がホールセール収益を押し上げ、リテールの資産管理フィー拡大が重なり大幅な収益・ROE改善が実現
¥2,154
推定フェアバリュー/株
CoE10.7%
ROE(初年→10年目)16.9%→13.9%
TV成長率2.1%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥159、総合スコア5.2から指数関数的に倍率算出。

悲観 37%
市場急落による個人顧客の投資マインド冷え込みとホールセールのトレーディング損失が重なり、リテール手数料・ホールセール収益が同時に悪化
¥1,272
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥159
想定PER8倍
中立 37%
NISA拡充を追い風にリテールの預かり資産残高が着実に積み上がり、ホールセールの市場収益も安定的に推移して持続的な収益基盤を形成
¥2,067
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥159
想定PER13倍
楽観 26%
株式市場の好調継続とIPO・M&A案件の増加がホールセール収益を押し上げ、リテールの資産管理フィー拡大が重なり大幅な収益・ROE改善が実現
¥3,339
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥159
想定PER21倍
PBR法による価値算定を見送り
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(時系列に不連続な急変あり(株式分割の遡及反映が不完全な可能性))

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥159。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (10.0) 中央値 (16.0) 上位25% (27.4)
悲観 37%
市場急落による個人顧客の投資マインド冷え込みとホールセールのトレーディング損失が重なり、リテール手数料・ホールセール収益が同時に悪化
¥1,592
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER10.0倍
中立 37%
NISA拡充を追い風にリテールの預かり資産残高が着実に積み上がり、ホールセールの市場収益も安定的に推移して持続的な収益基盤を形成
¥2,551
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER16.0倍
楽観 26%
株式市場の好調継続とIPO・M&A案件の増加がホールセール収益を押し上げ、リテールの資産管理フィー拡大が重なり大幅な収益・ROE改善が実現
¥4,351
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER27.4倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 6.4%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -9.0% / 中央 0.9% / 上振れ 11.3%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥124 / 中央 ¥367 / 上振れ ¥1,430
現在 ¥1,229 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
2.4%
10年後の状態: 成長24% 横ばい56% 衰退18% 倒産・上場廃止2%
事象タグ別の10年発生確率
好況・上振れサイクル
54.7%
景気後退・需要減
52.9%
株主還元強化
49.6%
AI代替・知識労働サービス圧迫
41.1%
バリュエーション上昇
37.3%
バリュエーション低下
37.1%
利益率改善
29.1%
大幅業績ショック
28.5%
利益率悪化
26.6%
競争優位低下
16.3%
構造的衰退
14.7%
希薄化・増資
5.1%
倒産・上場廃止
4.6%
TOB・買収
3.9%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥1,229(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)9.90%13.40%17.90%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥655
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥655
スタート時の状態C(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 14.7%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (37%) 中立 (37%) 楽観 (26%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥444 ¥1,189 ¥3,465 ¥1,505
残余利益 ¥579 ¥1,369 ¥2,154 ¥1,281
PERマルチプル ¥1,272 ¥2,067 ¥3,339 ¥2,104
PBR分位法
PER分位法 ¥1,592 ¥2,551 ¥4,351 ¥2,664
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥1,889
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥535 割安
¥972
FV¥1,889 割高
¥3,327
¥4,159
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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