8630 SOMPOホールディングス 銘柄分析・適正株価
SOMPOホールディングス 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム
保険業
損保
JCR AA+ (stable)
投資テーゼ
損保ジャパンを中核に国内損保3メガの一角を占め、Sompo Internationalによる海外比率約4割の収益多様化と、SOMPOケアを軸とした介護事業への構造転換を推進する複合保険グループ。ビッグモーター不正請求問題による信頼毀損と業務停止命令のダメージを抱えるが、正常化後の収益回復力とグローバル展開の蓋然性を見極める局面にある。
5.6Sol 個別レビュー
5.6Solによるシナリオ加重評価
見送り寄り
簡易
5.6Sol乖離率
-0.9%
レビュー時株価との比較
妥当価値
6,570円
シナリオ加重平均
基準株価
6,630円
2026-07-17 / kabufu-db
確信度
高
簡易評価
投資テーゼ
2027年3月期の調整後連結利益5000億円、調整後EPS約568円、年間配当200円は堅いが、6630円は調整後PER約11.7倍でおおむね適正圏。10%集中を正当化する安全余裕はない。
主な懸念
自然災害損失とAspen統合・再保険価格の振れが大きく、政策株売却益を含む純利益PERは基礎収益力を過大評価しやすい。2024年4月1日の1対3分割後の単位で評価した。
シナリオ内訳
5.6Sol評価のシナリオ、確率、妥当価値、根拠
シナリオ 確率 妥当価値 根拠
悲観
10.0%
3,900円
大型自然災害とAspen統合費用が重なり、調整後EPS430円にPER9倍を適用。
弱気
20.0%
5,000円
自然災害損失が高止まりし、調整後EPS500円にPER10倍を適用。
中立
40.0%
6,600円
会社計画の調整後EPS約568円にPER11.6倍を適用し、現値近辺を妥当とする。
強気
20.0%
7,800円
Aspen寄与と国内損保改善で調整後EPS620円、PER12.6倍を想定。
楽観
10.0%
9,800円
シナジー前倒しと資本還元拡大で調整後EPS700円、PER14倍を想定。
評価日: 2026-07-21 07:42:34
📋
事業内容
SOMPO HDは損害保険ジャパン(国内損保)、Sompo International(海外損保・再保険)、SOMPOケア(介護)の3セグメントを擁する複合保険グループ。連結正味収入保険料ベースで海外比率は約4割に達し、国内依存からの分散が進む。国内では自動車・火災・傷害保険を主力とし、代理店チャネルと直販を組み合わせた広範な販売網を持つ。2023年に表面化したビッグモーター不正請求問題では損保ジャパンが修理費水増し請求に関与した疑義を受け、金融庁から業務停止命令を受けるなど信頼基盤に深刻なダメージを被った。同問題を契機にガバナンス・コンプライアンス体制の抜本的再構築を進めている。
⚠️
リスクファクター分析
4/10
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
高リスク ビッグモーター不正請求問題の長期化・追加処分リスク
金融庁の業務停止命令以降もガバナンス・コンプライアンス体制の不備が指摘されており、追加の行政処分や顧客離れによる保険料収入の減少が長期化するリスクがある。信頼回復には相応の時間とコストを要する見込み。
中リスク 海外事業での大規模自然災害損失
北米・欧州を中心に展開するSompo Internationalは気候変動による大規模ハリケーン・洪水等の自然災害リスクにエクスポージャーを持つ。単年度で大幅な保険金支払いが発生し業績を大きく押し下げるリスクがある。
中リスク 国内気候変動リスクによる損害保険支払い増加
国内でも台風・集中豪雨・大雪等の激甚化により火災保険・自動車保険の保険金支払いが増加傾向。保険料料率改定が損害率上昇に追いつかない場合、収益性が悪化するリスクがある。
中リスク 介護事業の慢性的な人材不足と赤字継続リスク
介護業界全体が深刻な人手不足に直面しており、賃金上昇と採用コスト増が収益を圧迫。SOMPOケアが黒字転換できない状況が続けば、事業再編や売却の判断を迫られるシナリオも排除できない。
💡
見通し(上振れ経路と実現確度)
6/10
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
中 介護×保険クロスセルと高齢化市場の深耕
SOMPOケアの介護インフラと損保ジャパンの顧客基盤を組み合わせた介護費用保険・認知症保険等のクロスセルは、国内高齢化の加速とともに市場が急拡大する。グループ内シナジーを最大化できれば、競合他社が模倣困難な保険×介護統合ビジネスモデルとして高い収益性と成長性を実現できる可能性がある。
中 気候変動対応型・パラメトリック保険の拡充
激甚化する自然災害リスクに対応したパラメトリック保険や再生可能エネルギー向け特殊保険は新興市場として急成長している。Sompo Internationalのグローバルネットワークを活用したプロダクト開発・引受拡大が収益多様化に貢献し得る。
💰
株主還元政策
9/10
配当については安定的な増配方針を維持し、損保セクター内での相対的な利回り水準を確保。自社株買いを組み合わせた総還元性向の向上を中期計画に掲げているが、ビッグモーター問題対応費用・業務停止に伴う収益減が短中期の配当余力に影響する可能性がある。PBRはガバナンス問題発覚後に割安水準まで低下しており、信頼回復と業績正常化が進めばバリュエーション是正による株主リターンの上乗せが期待できる。
EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益)
DPS(1株配当年間)
⚖️
内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
10年国債利回り(リスクフリーレート) +2.86%
成熟市場ERP(Damodaran) +4.23%
日本カントリーリスクプレミアム +0.91%
業種ベータ(損害保険) ×1.21
→ 業種調整後の市場リスクプレミアム +6.23%
リスク耐性スコア調整(4/10) +0.60%
MOAT スコア調整(6/10) +0.00%
格付け調整(JCR AA+) -0.80%
当社中立CoE 8.89%
リスク耐性スコア(4/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 38%
— 国内損保規律再建の遅延・追加行政処分と海外大規模自然災害損失が重なり、収益・信頼の二重悪化が長期化するシナリオ
中立 27%
— 損保ジャパンのガバナンス改革が軌道に乗り、海外収益が安定寄与。介護事業の規模拡大で第3の収益柱が育つ中速回復シナリオ
楽観 35%
— 海外プレミアム成長+国内料率改定効果が顕在化し、介護事業の黒字転換が評価されPBR・ROE双方が大幅改善するシナリオ
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥4,221/株
悲観38% / 中立27% / 楽観35%
リスク耐性スコア 4/10 より算出
DCF
配当割引(DDM)
残余利益(RIM)
PERマルチプル
PBR分位法
PER分位法
★MC
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り 直近3期FCF: 2025年度 3,774億円 / 2024年度 -238億円 / 2023年度 1,243億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥132。成長率は過去DPS CAGR(10年=17.4%、直近3年=23.5%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。
悲観 38%
国内損保規律再建の遅延・追加行政処分と海外大規模自然災害損失が重なり、収益・信頼の二重悪化が長期化するシナリオ
¥2,150
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト 11.9%
ターミナル成長率 0.4%
中立 27%
損保ジャパンのガバナンス改革が軌道に乗り、海外収益が安定寄与。介護事業の規模拡大で第3の収益柱が育つ中速回復シナリオ
¥3,924
推定フェアバリュー/株
楽観 35%
海外プレミアム成長+国内料率改定効果が顕在化し、介護事業の黒字転換が評価されPBR・ROE双方が大幅改善するシナリオ
¥8,667
推定フェアバリュー/株
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,689、配当性向53%でBPS追跡。
悲観 38%
国内損保規律再建の遅延・追加行政処分と海外大規模自然災害損失が重なり、収益・信頼の二重悪化が長期化するシナリオ
¥863
推定フェアバリュー/株
CoE 11.9%
ROE(初年→10年目) -3.2%→8.0%
TV成長率 0.4%
中立 27%
損保ジャパンのガバナンス改革が軌道に乗り、海外収益が安定寄与。介護事業の規模拡大で第3の収益柱が育つ中速回復シナリオ
¥2,071
推定フェアバリュー/株
CoE 8.9%
ROE(初年→10年目) 10.3%→10.3%
TV成長率 1.0%
楽観 35%
海外プレミアム成長+国内料率改定効果が顕在化し、介護事業の黒字転換が評価されPBR・ROE双方が大幅改善するシナリオ
¥3,898
推定フェアバリュー/株
CoE 6.4%
ROE(初年→10年目) 13.3%→10.3%
TV成長率 2.1%
PERマルチプル法。ピークEPS=¥420、総合スコア6.0から指数関数的に倍率算出。
悲観 38%
国内損保規律再建の遅延・追加行政処分と海外大規模自然災害損失が重なり、収益・信頼の二重悪化が長期化するシナリオ
¥3,359
推定フェアバリュー/株
中立 27%
損保ジャパンのガバナンス改革が軌道に乗り、海外収益が安定寄与。介護事業の規模拡大で第3の収益柱が育つ中速回復シナリオ
¥5,458
推定フェアバリュー/株
楽観 35%
海外プレミアム成長+国内料率改定効果が顕在化し、介護事業の黒字転換が評価されPBR・ROE双方が大幅改善するシナリオ
¥8,816
推定フェアバリュー/株
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.92倍、現BPS=¥1,689。
PBR推移(月次・全期間)
PBR月次
下位25% (0.82)
中央値 (0.92)
上位25% (1.02)
悲観 38%
国内損保規律再建の遅延・追加行政処分と海外大規模自然災害損失が重なり、収益・信頼の二重悪化が長期化するシナリオ
¥1,384
推定フェアバリュー/株
中立 27%
損保ジャパンのガバナンス改革が軌道に乗り、海外収益が安定寄与。介護事業の規模拡大で第3の収益柱が育つ中速回復シナリオ
¥1,551
推定フェアバリュー/株
楽観 35%
海外プレミアム成長+国内料率改定効果が顕在化し、介護事業の黒字転換が評価されPBR・ROE双方が大幅改善するシナリオ
¥1,727
推定フェアバリュー/株
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥420。
PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次
下位25% (10.4)
中央値 (12.2)
上位25% (24.0)
悲観 38%
国内損保規律再建の遅延・追加行政処分と海外大規模自然災害損失が重なり、収益・信頼の二重悪化が長期化するシナリオ
¥4,350
推定フェアバリュー/株
中立 27%
損保ジャパンのガバナンス改革が軌道に乗り、海外収益が安定寄与。介護事業の規模拡大で第3の収益柱が育つ中速回復シナリオ
¥5,114
推定フェアバリュー/株
楽観 35%
海外プレミアム成長+国内料率改定効果が顕在化し、介護事業の黒字転換が評価されPBR・ROE双方が大幅改善するシナリオ
¥10,072
推定フェアバリュー/株
10年後の株価を 1000通り の未来シナリオでシミュレーション。
業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。
(最終計算: 2026-07-29)
総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
中立
期待年利が必要利回りを上回る確率: 52.0%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -4.2% /
中央 8.4% /
上振れ 20.0%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(1000シナリオ)
下振れ ¥1,488 /
中央 ¥10,567 /
上振れ ¥34,747
現在 ¥6,946 →
分布の下から 0%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.1%
10年後の状態: 成長23% 横ばい72% 衰退6% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
financial low-return terminal value discount
40.3%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(1000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。
現在 ¥6,946 (赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
🍝 トータルリターンの10年推移(1000通りのシナリオ)
横軸 = 経過年 / 縦軸 = 配当込み累積トータルリターン(%)。薄い線1本1本が1回のシミュレーション、
太線が中央シナリオ、帯が下振れ〜上振れ(P10〜P90)。0%(灰線)より上なら投資元本を上回る。
入力値 / 各モデルの結果 下振れ 中央 上振れ
必要利回り(株主資本コスト) 4.45% 7.95% 12.45%
成長持続年数(競争優位性に連動) 7年 10年 13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) ¥8,195
10年後EPS/BPS×出口評価(中央) ¥8,195
スタート時の状態 S(名目永続成長率 1.2%、直近売上成長 10.7%)
※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
評価モデル
悲観 (38%)
中立 (27%)
楽観 (35%)
加重平均
DCF
—
—
—
—
配当割引
¥2,150
¥3,924
¥8,667
¥4,910
残余利益
¥863
¥2,071
¥3,898
¥2,251
PERマルチプル
¥3,359
¥5,458
¥8,816
¥5,836
PBR分位法
¥1,384
¥1,551
¥1,727
¥1,549
PER分位法
¥4,350
¥5,114
¥10,072
¥6,559
モデル平均
↑ 各モデルの確率加重平均
¥4,221
📊
株価チャート
バリュエーションゾーン
¥1,332
割安 ¥2,421
FV¥4,221
割高 ¥6,636
¥8,295
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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