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8804

東京建物 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 不動産業 不動産 JCR A (positive)
現在値
時価総額
投資テーゼ
八重洲・京橋の大規模再開発を核に、賃貸・分譲・物流・ヘルスケアへ多角展開する中堅デベロッパー。東京駅前という希少立地に集中保有するオフィスビル群が長期的な収益基盤を形成し、再開発竣工による資産価値向上と賃料上昇が今後の評価修正の触媒となる。
7
競争優位性
業界内MOAT
6
業界成長性
セクター動態
5
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
7
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.2/10
競争優位性
7
業界成長性
6
リスク耐性
5
株主還元
6
見通し
7
📋 事業内容
4,746億円
売上高
FY2025実績
589億円
親会社帰属
純利益
321億円
営業CF
FY2025実績
26.0%
自己資本
比率
9.9%
ROE
FY2025

東京建物は1896年創業の老舗デベロッパーで、東証プライム上場(証券コード8804)。主力事業は八重洲・京橋エリアを中心とした大規模複合再開発・オフィスビル賃貸、Brilliaブランドによる分譲マンション、物流施設開発・ヘルスケア施設運営など。東京駅前という国内最高峰の利便性エリアに集中保有する賃貸ビル群が収益の屋台骨。三井・三菱・住友の大手3社より規模は小さいが、八重洲・京橋特化という差別化戦略で存在感を発揮する。

競争優位性(業界内MOAT) 7/10

東京駅前・八重洲エリア集中保有

国内で最も地価・ブランド価値の高い東京駅前エリアにオフィス・商業複合ビル群を集積。再開発による建替え・高度化を繰り返すことで希少立地資産を長期保有し続けており、新規参入が事実上困難な地域での先行優位を持つ。

Brilliaブランドによる分譲住宅認知

首都圏を中心に「Brillia」ブランドで高品質マンションを供給し、デザイン・環境配慮・コミュニティ形成を差別化軸に据える。一定のブランドロイヤルティと価格プレミアムを維持しており、大手に次ぐ認知度を持つ。

再開発ノウハウと行政・地権者との関係資産

大規模再開発には地権者調整・行政折衝・テナント誘致などの長期・複雑なプロセスが伴う。東京建物は八重洲・京橋で複数街区の再開発を主導した実績を持ち、この種の案件推進力は長年の関係構築によるもので模倣困難。

📈 業界の成長性・セクター動態 6/10

東京駅前八重洲再開発の段階竣工による収益積み上げ

東京ミッドタウン八重洲をはじめとする複数の大規模複合施設が2024〜2027年にかけて順次竣工・稼働する予定。高品質オフィス・商業床の賃料収入が恒常的に積み上がることで、中期的な賃貸収益の底上げが期待できる。

物流・ヘルスケアへの多角化による収益分散と成長

Eコマース需要拡大を背景とした物流施設開発と、高齢化社会に対応したヘルスケア施設への参入により、オフィス・住宅に偏らない収益ポートフォリオを構築中。景気変動に対する耐性を高めながら新規成長領域を取り込む。

⚠️ リスクファクター分析 5/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

中リスク金利上昇による調達コスト増と不動産市況悪化

日銀の金融政策正常化が進む局面では、借入金利の上昇が開発コストと保有コストを押し上げる。同時に不動産取引の流動性低下・価格調整が含み益を圧縮し、資産売却益の実現を困難にするリスクがある。

中リスクオフィス需要の構造変化

リモートワーク定着やフレキシブルオフィス拡大によるオフィス需要の質的変化は、空室率上昇・賃料頭打ちにつながる可能性がある。高グレードビルへの需要集中が続く限りリスクは限定的だが、景気後退時には下押し圧力が顕在化しやすい。

中リスク大規模再開発の工期遅延・コスト超過

建設資材価格の高騰・労働力不足を背景に、再開発プロジェクトの工期延長やコスト増加リスクが高まっている。複数街区を同時進行する場合、一案件のトラブルが資金計画全体に波及する恐れがある。

中リスク八重洲・京橋への地理的集中リスク

収益の相当部分が東京都心の一エリアに依存しており、大規模災害・インフラ障害・規制変更など局所的なリスクイベントが発生した場合の影響が大手より相対的に大きい。地域分散が限られる点は構造的な脆弱性。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 7/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

東京駅前エリアのグローバル拠点化とインバウンド需要

日本政府の観光立国・グローバルビジネス誘致政策を背景に、東京駅前エリアへの国際的な注目度が高まっている。外資系企業のオフィス需要・インバウンド消費者向け商業需要の拡大は、同エリアに集中する東京建物の賃貸資産の稼働率・賃料水準に直接恩恵をもたらす。

PBR1倍割れ是正圧力と含み益顕在化による株価再評価

東証による資本効率改善要請を受け、含み益の大きい不動産会社のPBR是正が市場のテーマとなっている。東京建物は保有資産の時価と帳簿価額の乖離が大きく、再開発完成・資産売却・REIT活用などを通じた含み益の顕在化が株価の大幅な上方修正を促す可能性がある。

💰 株主還元政策 6/10

配当は安定的に支払われており、中期経営計画における増配姿勢も継続。自社株買いも機動的に実施し、株主還元強化の方向性は明確。ただし不動産開発業の性質上、利益は再開発竣工時期に偏在しやすく、年度ごとのブレを考慮した中長期視点の保有が前提。PBR面では含み益資産を内包しているため帳簿上割安に見えることが多く、再開発完成後の資産価値顕在化が株価の再評価契機となり得る。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(不動産開発)×1.05
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+5.37%
リスク耐性スコア調整(5/10)+0.00%
MOAT スコア調整(7/10)-0.30%
格付け調整(JCR A)-0.20%
当社中立CoE8.57%
悲観 CoE
11.6%
中立 CoE
8.6%
楽観 CoE
6.1%
リスク耐性スコア(5/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 35%
中立 40%
楽観 25%
悲観 35% — 金利急騰・オフィス空室率上昇で含み益剥落、再開発コスト膨張
中立 40% — 再開発竣工に伴う賃料収入増と分譲住宅の堅調販売で緩やかな利益成長
楽観 25% — 東京駅前エリアの地価上昇加速・インバウンド需要拡大で保有資産が大幅評価益、再開発テナント埋まり賃料プレミアム実現
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥3,984/株
悲観35% / 中立40% / 楽観25%
リスク耐性スコア 5/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -653億円 / 2024年度 -1,232億円 / 2023年度 -335億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥105。成長率は過去DPS CAGR(10年=20.6%、直近3年=17.3%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。

悲観 35%
金利急騰・オフィス空室率上昇で含み益剥落、再開発コスト膨張
¥1,863
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト11.6%
ターミナル成長率0.7%
中立 40%
再開発竣工に伴う賃料収入増と分譲住宅の堅調販売で緩やかな利益成長
¥3,412
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト8.6%
ターミナル成長率1.6%
楽観 25%
東京駅前エリアの地価上昇加速・インバウンド需要拡大で保有資産が大幅評価益、再開発テナント埋まり賃料プレミアム実現
¥8,321
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.1%
ターミナル成長率2.8%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,842、配当性向37%でBPS追跡。

悲観 35%
金利急騰・オフィス空室率上昇で含み益剥落、再開発コスト膨張
¥1,315
推定フェアバリュー/株
CoE11.6%
ROE(初年→10年目)-5.0%→8.0%
TV成長率0.7%
中立 40%
再開発竣工に伴う賃料収入増と分譲住宅の堅調販売で緩やかな利益成長
¥3,890
推定フェアバリュー/株
CoE8.6%
ROE(初年→10年目)10.4%→10.4%
TV成長率1.6%
楽観 25%
東京駅前エリアの地価上昇加速・インバウンド需要拡大で保有資産が大幅評価益、再開発テナント埋まり賃料プレミアム実現
¥8,656
推定フェアバリュー/株
CoE6.1%
ROE(初年→10年目)14.0%→10.3%
TV成長率2.8%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥316、総合スコア6.2から指数関数的に倍率算出。

悲観 35%
金利急騰・オフィス空室率上昇で含み益剥落、再開発コスト膨張
¥2,840
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥316
想定PER9倍
中立 40%
再開発竣工に伴う賃料収入増と分譲住宅の堅調販売で緩やかな利益成長
¥4,417
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥316
想定PER14倍
楽観 25%
東京駅前エリアの地価上昇加速・インバウンド需要拡大で保有資産が大幅評価益、再開発テナント埋まり賃料プレミアム実現
¥7,257
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥316
想定PER23倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.96倍、現BPS=¥2,842。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.69) 中央値 (0.96) 上位25% (1.26)
悲観 35%
金利急騰・オフィス空室率上昇で含み益剥落、再開発コスト膨張
¥1,970
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.69倍
中立 40%
再開発竣工に伴う賃料収入増と分譲住宅の堅調販売で緩やかな利益成長
¥2,739
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR0.96倍
楽観 25%
東京駅前エリアの地価上昇加速・インバウンド需要拡大で保有資産が大幅評価益、再開発テナント埋まり賃料プレミアム実現
¥3,583
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR1.26倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥316。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (10.2) 中央値 (13.7) 上位25% (19.5)
悲観 35%
金利急騰・オフィス空室率上昇で含み益剥落、再開発コスト膨張
¥3,213
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER10.2倍
中立 40%
再開発竣工に伴う賃料収入増と分譲住宅の堅調販売で緩やかな利益成長
¥4,308
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER13.7倍
楽観 25%
東京駅前エリアの地価上昇加速・インバウンド需要拡大で保有資産が大幅評価益、再開発テナント埋まり賃料プレミアム実現
¥6,148
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER19.5倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 15.3%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -5.8% / 中央 3.0% / 上振れ 11.5%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥511 / 中央 ¥1,871 / 上振れ ¥5,592
現在 ¥3,475 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.4%
10年後の状態: 成長30% 横ばい66% 衰退4% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
好況・上振れサイクル
53.6%
景気後退・需要減
50.6%
株主還元強化
48.0%
バリュエーション低下
41.9%
利益率改善
30.7%
バリュエーション上昇
27.5%
大幅業績ショック
23.6%
利益率悪化
23.0%
構造的衰退
12.8%
競争優位低下
11.9%
過剰債務・既存株主毀損
8.2%
TOB・買収
8.1%
倒産・上場廃止
2.6%
希薄化・増資
1.7%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥3,475(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)6.30%9.80%14.30%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥2,476
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥2,476
スタート時の状態C(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 11.9%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (35%) 中立 (40%) 楽観 (25%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥1,863 ¥3,412 ¥8,321 ¥4,097
残余利益 ¥1,315 ¥3,890 ¥8,656 ¥4,180
PERマルチプル ¥2,840 ¥4,417 ¥7,257 ¥4,575
PBR分位法 ¥1,970 ¥2,739 ¥3,583 ¥2,681
PER分位法 ¥3,213 ¥4,308 ¥6,148 ¥4,385
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥3,984
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥1,232 割安
¥2,240
FV¥3,984 割高
¥6,793
¥8,491
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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