8804
FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
東京建物は1896年創業の老舗デベロッパーで、東証プライム上場(証券コード8804)。主力事業は八重洲・京橋エリアを中心とした大規模複合再開発・オフィスビル賃貸、Brilliaブランドによる分譲マンション、物流施設開発・ヘルスケア施設運営など。東京駅前という国内最高峰の利便性エリアに集中保有する賃貸ビル群が収益の屋台骨。三井・三菱・住友の大手3社より規模は小さいが、八重洲・京橋特化という差別化戦略で存在感を発揮する。
東京駅前・八重洲エリア集中保有
国内で最も地価・ブランド価値の高い東京駅前エリアにオフィス・商業複合ビル群を集積。再開発による建替え・高度化を繰り返すことで希少立地資産を長期保有し続けており、新規参入が事実上困難な地域での先行優位を持つ。
Brilliaブランドによる分譲住宅認知
首都圏を中心に「Brillia」ブランドで高品質マンションを供給し、デザイン・環境配慮・コミュニティ形成を差別化軸に据える。一定のブランドロイヤルティと価格プレミアムを維持しており、大手に次ぐ認知度を持つ。
再開発ノウハウと行政・地権者との関係資産
大規模再開発には地権者調整・行政折衝・テナント誘致などの長期・複雑なプロセスが伴う。東京建物は八重洲・京橋で複数街区の再開発を主導した実績を持ち、この種の案件推進力は長年の関係構築によるもので模倣困難。
東京駅前八重洲再開発の段階竣工による収益積み上げ
東京ミッドタウン八重洲をはじめとする複数の大規模複合施設が2024〜2027年にかけて順次竣工・稼働する予定。高品質オフィス・商業床の賃料収入が恒常的に積み上がることで、中期的な賃貸収益の底上げが期待できる。
物流・ヘルスケアへの多角化による収益分散と成長
Eコマース需要拡大を背景とした物流施設開発と、高齢化社会に対応したヘルスケア施設への参入により、オフィス・住宅に偏らない収益ポートフォリオを構築中。景気変動に対する耐性を高めながら新規成長領域を取り込む。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
日銀の金融政策正常化が進む局面では、借入金利の上昇が開発コストと保有コストを押し上げる。同時に不動産取引の流動性低下・価格調整が含み益を圧縮し、資産売却益の実現を困難にするリスクがある。
リモートワーク定着やフレキシブルオフィス拡大によるオフィス需要の質的変化は、空室率上昇・賃料頭打ちにつながる可能性がある。高グレードビルへの需要集中が続く限りリスクは限定的だが、景気後退時には下押し圧力が顕在化しやすい。
建設資材価格の高騰・労働力不足を背景に、再開発プロジェクトの工期延長やコスト増加リスクが高まっている。複数街区を同時進行する場合、一案件のトラブルが資金計画全体に波及する恐れがある。
収益の相当部分が東京都心の一エリアに依存しており、大規模災害・インフラ障害・規制変更など局所的なリスクイベントが発生した場合の影響が大手より相対的に大きい。地域分散が限られる点は構造的な脆弱性。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
日本政府の観光立国・グローバルビジネス誘致政策を背景に、東京駅前エリアへの国際的な注目度が高まっている。外資系企業のオフィス需要・インバウンド消費者向け商業需要の拡大は、同エリアに集中する東京建物の賃貸資産の稼働率・賃料水準に直接恩恵をもたらす。
東証による資本効率改善要請を受け、含み益の大きい不動産会社のPBR是正が市場のテーマとなっている。東京建物は保有資産の時価と帳簿価額の乖離が大きく、再開発完成・資産売却・REIT活用などを通じた含み益の顕在化が株価の大幅な上方修正を促す可能性がある。
配当は安定的に支払われており、中期経営計画における増配姿勢も継続。自社株買いも機動的に実施し、株主還元強化の方向性は明確。ただし不動産開発業の性質上、利益は再開発竣工時期に偏在しやすく、年度ごとのブレを考慮した中長期視点の保有が前提。PBR面では含み益資産を内包しているため帳簿上割安に見えることが多く、再開発完成後の資産価値顕在化が株価の再評価契機となり得る。
リスク耐性スコア 5/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -653億円 / 2024年度 -1,232億円 / 2023年度 -335億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥105。成長率は過去DPS CAGR(10年=20.6%、直近3年=17.3%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,842、配当性向37%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥316、総合スコア6.2から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.96倍、現BPS=¥2,842。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥316。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 6.30% | 9.80% | 14.30% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥2,476 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥2,476 | ||
| スタート時の状態 | C(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 11.9%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (35%) | 中立 (40%) | 楽観 (25%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥1,863 | ¥3,412 | ¥8,321 | ¥4,097 |
| 残余利益 | ¥1,315 | ¥3,890 | ¥8,656 | ¥4,180 |
| PERマルチプル | ¥2,840 | ¥4,417 | ¥7,257 | ¥4,575 |
| PBR分位法 | ¥1,970 | ¥2,739 | ¥3,583 | ¥2,681 |
| PER分位法 | ¥3,213 | ¥4,308 | ¥6,148 | ¥4,385 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥3,984 | ||
¥2,240 FV¥3,984 割高
¥6,793 ¥8,491