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中部電力 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 電気・ガス業 電力 JCR AA+ (stable) R&I AA- (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
中部圏の電力独占インフラとJERA通じたグローバルLNG調達力を核に、トヨタ・デンソーら大口需要を背景に安定キャッシュを確保。水素・アンモニア燃料協業で脱炭素移行を先取りしつつ、浜岡原発の再稼働遅延リスクを規制緩和・再エネ拡充でヘッジする中長期バリュー銘柄。
4
競争優位性
業界内MOAT
2
業界成長性
セクター動態
3
リスク耐性
財務・事業安定性
3
株主還元
配当・自社株買い
4
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
3.2/10
競争優位性
4
業界成長性
2
リスク耐性
3
株主還元
3
見通し
4
📋 事業内容
35,460億円
売上高
FY2026実績
2,278億円
親会社帰属
純利益
3,344億円
営業CF
FY2026実績
41.0%
自己資本
比率
7.2%
ROE
FY2026

中部電力は愛知・岐阜・三重・長野・静岡の中部圏を地盤とする一般電気事業者であり、同地域の産業・家庭向け電力供給を担う。東京電力との火力発電合弁であるJERAに持分を有し、世界最大級のLNG調達・発電ポートフォリオへのアクセスを持つ。トヨタ・デンソーをはじめとする製造業大手を大口顧客に抱え、中部圏の経済活動と強く連動した収益構造を持つ。

競争優位性(業界内MOAT) 4/10

送配電網の法的独占

中部圏の送配電インフラは法規制のもと実質的な独占を維持しており、競合他社が同等の配電網を構築するコストと時間は参入障壁として機能する。この構造的優位性は自由化後も送配電分離規制の枠組みの中で継続する。

JERA経由のLNG調達スケールメリット

JERAは世界最大級のLNGバイヤーであり、その規模を活かした長期契約と価格交渉力は燃料調達コストで単独事業者には再現困難な優位性を生む。中部電力はこの調達力を持分通じて享受できる立場にある。

大口産業顧客との長期関係

トヨタ・デンソー等の中部圏製造業大手との長期供給関係は、需要の安定性と顧客離脱コストの高さを同時にもたらす。これらの顧客は電力品質・安定供給を最優先するため、価格競争だけで代替電力会社に乗り換えにくい構造がある。

📈 業界の成長性・セクター動態 2/10

水素・アンモニア燃料協業による新収益軸

トヨタおよびJERAとの水素・アンモニア燃料協業は、発電燃料の脱炭素化にとどまらず中部圏の産業向け水素インフラ事業という新市場を開拓する潜在性を持つ。商用化フェーズに入れば、規制料金外の成長収益源として業績の多角化に寄与する。

中部圏の電力需要構造変化への対応

EV普及・データセンター需要拡大・工場の電化加速など、既存顧客基盤における電力消費パターンの変化は単価向上や新サービス提供の機会をもたらす。中部圏製造業の電化ニーズに先行して対応することで、需要減少圧力を一部相殺できる。

⚠️ リスクファクター分析 3/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

中リスク浜岡原発の長期停止リスク

南海トラフ直上に位置する浜岡原発は再稼働の見通しが立たず、固定維持費が収益を継続的に圧迫している。再稼働断念の判断が下された場合、廃炉費用の一括計上リスクがある。

中リスクLNG・燃料価格の国際市況変動

火力発電への依存度が高い現状では、LNG・石炭の国際価格急騰が燃料費調整制度の遅延ラグを通じて短期的に利益を直撃する。地政学的混乱によるエネルギー市場の不安定化が最大の業績変動要因の一つである。

中リスク電力自由化による大口顧客の離脱

大口需要家向け市場の競争激化により、製造業顧客の一部が新電力や自家発電に移行するリスクが継続的に存在する。特にトヨタグループが自社エネルギー自給率を高める動きは、中部電力の主要収益源を縮小させる可能性を秘める。

中リスクカーボンニュートラル規制強化による設備更新負担

政府の脱炭素政策の加速に伴い、石炭・LNG火力の段階的退出と再エネ・水素設備への大規模投資が義務的な性格を帯びつつある。この資本支出の増加がバランスシートを圧迫し、財務柔軟性を低下させるリスクがある。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 4/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

中部圏の水素インフラ拠点化

トヨタ・JERAとの水素・アンモニア協業を軸に、中部圏を日本の水素産業クラスターとして確立できれば電力会社の枠を超えたエネルギー総合企業としての評価替えが起こりうる。政府の水素基本戦略との整合性も高く、政策補助金の獲得余地が大きい。

再エネ電源の積み上げによる燃料費構造改善

洋上風力・太陽光の国内開発加速と電源ミックスの再エネ比率向上は、長期的に変動費である燃料費を固定費化された再エネコストに代替することで収益の安定性と予測可能性を高める。

💰 株主還元政策 3/10

規制料金制度のもとで一定のROEが保証される構造は安定配当の継続を支えており、インカムゲイン目的の長期投資家にとって魅力的な特性を持つ。一方でインフラ更新・脱炭素投資の増加がフリーキャッシュフローを圧迫するため、キャピタルゲイン期待は浜岡原発の再稼働または水素事業の商用化といったカタリストが顕在化するまで限定的と見るべきである。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(電力)×0.65
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+3.32%
リスク耐性スコア調整(3/10)+1.20%
MOAT スコア調整(4/10)+0.20%
格付け調整(JCR AA+ / R&I AA-)-0.50%
当社中立CoE7.92%
悲観 CoE
10.9%
中立 CoE
7.9%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(3/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 39%
中立 34%
楽観 27%
悲観 39% — 浜岡原発の再稼働断念・燃料費高騰・再エネ競争激化により収益圧迫が長期化するシナリオ
中立 34% — 現行料金規制のもと安定配当を維持しながら水素・再エネ投資を段階的に積み上げるシナリオ
楽観 27% — 浜岡原発の一部再稼働実現とトヨタ向け水素インフラ商用化が重なり、コスト構造が大幅改善するシナリオ
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥3,366/株
悲観39% / 中立34% / 楽観27%
リスク耐性スコア 3/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2026年度 -163億円 / 2025年度 -904億円 / 2024年度 -443億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥70。成長率は過去DPS CAGR(10年=11.6%、直近3年=11.9%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(9年)でターミナル成長率に収束。

悲観 39%
浜岡原発の再稼働断念・燃料費高騰・再エネ競争激化により収益圧迫が長期化するシナリオ
¥901
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト10.9%
ターミナル成長率-0.3%
中立 34%
現行料金規制のもと安定配当を維持しながら水素・再エネ投資を段階的に積み上げるシナリオ
¥1,530
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.9%
ターミナル成長率1.0%
楽観 27%
浜岡原発の一部再稼働実現とトヨタ向け水素インフラ商用化が重なり、コスト構造が大幅改善するシナリオ
¥2,737
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.0%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥4,155、配当性向23%でBPS追跡。

悲観 39%
浜岡原発の再稼働断念・燃料費高騰・再エネ競争激化により収益圧迫が長期化するシナリオ
¥1,591
推定フェアバリュー/株
CoE10.9%
ROE(初年→10年目)-4.2%→6.1%
TV成長率-0.3%
中立 34%
現行料金規制のもと安定配当を維持しながら水素・再エネ投資を段階的に積み上げるシナリオ
¥4,097
推定フェアバリュー/株
CoE7.9%
ROE(初年→10年目)7.9%→7.9%
TV成長率1.0%
楽観 27%
浜岡原発の一部再稼働実現とトヨタ向け水素インフラ商用化が重なり、コスト構造が大幅改善するシナリオ
¥8,000
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)10.1%→8.3%
TV成長率2.0%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥318、総合スコア3.2から指数関数的に倍率算出。

悲観 39%
浜岡原発の再稼働断念・燃料費高騰・再エネ競争激化により収益圧迫が長期化するシナリオ
¥1,907
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥318
想定PER6倍
中立 34%
現行料金規制のもと安定配当を維持しながら水素・再エネ投資を段階的に積み上げるシナリオ
¥2,861
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥318
想定PER9倍
楽観 27%
浜岡原発の一部再稼働実現とトヨタ向け水素インフラ商用化が重なり、コスト構造が大幅改善するシナリオ
¥4,450
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥318
想定PER14倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.76倍、現BPS=¥4,155。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.64) 中央値 (0.76) 上位25% (1.24)
悲観 39%
浜岡原発の再稼働断念・燃料費高騰・再エネ競争激化により収益圧迫が長期化するシナリオ
¥2,656
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.64倍
中立 34%
現行料金規制のもと安定配当を維持しながら水素・再エネ投資を段階的に積み上げるシナリオ
¥3,152
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR0.76倍
楽観 27%
浜岡原発の一部再稼働実現とトヨタ向け水素インフラ商用化が重なり、コスト構造が大幅改善するシナリオ
¥5,161
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR1.24倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥318。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (9.6) 中央値 (14.7) 上位25% (21.5)
悲観 39%
浜岡原発の再稼働断念・燃料費高騰・再エネ競争激化により収益圧迫が長期化するシナリオ
¥3,064
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER9.6倍
中立 34%
現行料金規制のもと安定配当を維持しながら水素・再エネ投資を段階的に積み上げるシナリオ
¥4,675
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER14.7倍
楽観 27%
浜岡原発の一部再稼働実現とトヨタ向け水素インフラ商用化が重なり、コスト構造が大幅改善するシナリオ
¥6,830
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER21.5倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 10.1%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -9.5% / 中央 -1.2% / 上振れ 7.9%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥351 / 中央 ¥956 / 上振れ ¥3,062
現在 ¥2,698 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.9%
10年後の状態: 成長7% 横ばい69% 衰退23% 倒産・上場廃止1%
事象タグ別の10年発生確率
バリュエーション上昇
41.9%
株主還元強化
41.0%
景気後退・需要減
40.0%
インフレ下の値上げ耐性
34.9%
利益率改善
28.2%
バリュエーション低下
26.9%
AI電力・光通信インフラ需要
23.2%
利益率悪化
21.9%
大幅業績ショック
19.0%
好況・上振れサイクル
16.5%
競争優位低下
14.6%
構造的衰退
9.7%
TOB・買収
9.3%
過剰債務・既存株主毀損
8.5%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥2,698(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)4.30%7.80%12.30%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥1,488
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥1,488
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 -3.8%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (39%) 中立 (34%) 楽観 (27%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥901 ¥1,530 ¥2,737 ¥1,611
残余利益 ¥1,591 ¥4,097 ¥8,000 ¥4,173
PERマルチプル ¥1,907 ¥2,861 ¥4,450 ¥2,918
PBR分位法 ¥2,656 ¥3,152 ¥5,161 ¥3,501
PER分位法 ¥3,064 ¥4,675 ¥6,830 ¥4,629
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥3,366
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥1,113 割安
¥2,024
FV¥3,366 割高
¥5,436
¥6,795
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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