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四国電力 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 電力・エネルギー 四国地盤・規制独占・再エネ転換 JCR AAp (stable) R&I A+ (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
四国電力は四国4県をテリトリーとする地域独占電力会社であり、規制料金制度に支えられた安定収益基盤を持つ。2022〜2023年の燃料費高騰による赤字局面を脱し、2024・2025期は大幅な収益回復を実現、現株価は回復益を十分に織り込んでいない水準にある。伊方原子力発電所の安定稼働と再生可能エネルギーへの投資加速が中長期の利益改善ドライバーとなる。
6
競争優位性
業界内MOAT
3
業界成長性
セクター動態
4
リスク耐性
財務・事業安定性
4
株主還元
配当・自社株買い
5
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
4.4/10
競争優位性
6
業界成長性
3
リスク耐性
4
株主還元
4
見通し
5
📋 事業内容
8,514億円
売上高
FY2025実績
683億円
親会社帰属
純利益
1,298億円
営業CF
FY2025実績
25.9%
自己資本
比率
15.5%
ROE
FY2025

四国電力は愛媛・香川・徳島・高知の四国4県を供給区域とする一般電気事業者。発電・送電・配電・電力小売を一体的に運営し、売上高は年間7,000〜8,500億円規模。主力電源は火力(LNG・石炭)と原子力(伊方発電所)で構成され、再生可能エネルギーの比率を拡大中。2022〜2023年度は燃料費の急騰と燃料費調整制度のタイムラグにより大幅な赤字を計上したが、料金改定と燃料費の落ち着きにより2024〜2025年度は収益が大きく回復。電力小売自由化後も家庭・中小需要家向けの規制料金メニューを維持しており、安定顧客基盤を保持している。

競争優位性(業界内MOAT) 6/10

①地域独占の送配電インフラ

四国全域に張り巡らされた送配電網は数兆円規模の固定資産であり、新規参入者が同等のインフラを複製することは経済的・法規制的に不可能。電力システム改革後も送配電部門は法的分離(四国電力送配電)されたが、グループ内で運営されており競争優位は維持されている。

②伊方原子力発電所の低コスト電源

伊方発電所3号機は出力89万kWの大型原子力プラントであり、稼働時は非常に低い限界費用で電力を供給できる。燃料費が高騰する市場環境下では原発稼働が競争力の源泉となる。再稼働・継続稼働の維持が収益構造の改善に直結しており、他の電源に代替困難な戦略資産である。

③地域密着ブランドと顧客関係

四国電力は四国4県において100年以上の供給実績を持ち、自治体・地域産業との深い関係を構築している。電力自由化後も中小顧客・家庭向けの切り替え率は限定的であり、信頼ブランドが顧客流出の抑止力となっている。法人営業・省エネ提案・スマートエネルギー等の付加価値サービスでの差別化も進める。

📈 業界の成長性・セクター動態 3/10

中期見通し

2025〜2027年度にかけては、燃料費の安定化と伊方3号機の継続稼働を前提に営業利益800〜900億円水準の維持が基本シナリオ。再生可能エネルギー(太陽光・風力)の自社開発拡大や、電気自動車普及に伴う充電インフラ需要増加が新たな収益源として期待される。ただし四国の電力需要は人口減少トレンドにより微減傾向が続くため、量の拡大よりも利益率の改善が鍵となる。

長期構造的トレンド

脱炭素・エネルギー転換の潮流は四国電力にとって二面性を持つ。化石燃料依存の低減は燃料コスト変動リスクの縮小につながる一方、再エネ普及に伴う系統安定化コストの増大が課題となる。5〜10年スパンでは、四国沖の洋上風力ポテンシャル、水素・アンモニア混焼技術の導入、蓄電池事業への参入等が長期の収益多様化シナリオとして浮上。政府のGX政策と電源構成の変化が事業環境を大きく左右する。

⚠️ リスクファクター分析 4/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク伊方原発の予期せぬ長期停止

規制委員会の審査強化・自然災害・設備トラブル等により伊方3号機が長期停止した場合、代替火力の燃料費増大により大幅な収益悪化が生じる。2023年度の赤字はその典型例であり、再現リスクは排除できない。

高リスク燃料費・LNG価格の急騰

LNG・石炭等の化石燃料価格は地政学リスクや需給変動で急騰しやすい。燃料費調整制度によるタイムラグの間は収益が悪化し、2022〜2023年度のような赤字に再度転落する可能性がある。

中リスク金利上昇による財務コスト増大

自己資本比率が極めて低く有利子負債が膨大なため、市場金利の上昇は借入コストを押し上げる。日銀の政策変更による金利環境の変化は収益を直接圧迫するリスク要因となる。

中リスク電力小売競争の激化による顧客流出

電力自由化の進展に伴い、大口需要家・高圧顧客を中心に新電力や他電力会社への切り替えが進む可能性がある。特に産業用大口顧客の流出は収益への影響が大きく、シェア低下が利益を圧迫する。

低リスク自然災害・送配電設備の損傷

四国地方は南海トラフ地震の想定被害エリアに含まれており、大規模地震・台風等の自然災害による設備損傷が発生した場合、多額の復旧費用と供給停止リスクが生じる。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 5/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

伊方原発フル稼働による収益最大化

伊方3号機が安定稼働を継続し、定期検査期間の短縮や利用率向上が実現すれば、低コスト電源の比率上昇により利益が大幅に改善する。原発稼働率の改善はEPS拡大の最大のドライバーである。

再生可能エネルギー事業の拡大

四国沿岸の洋上風力・太陽光発電の自社開発が進み、FIT/FIP制度活用や電力市場への供給拡大が実現すれば、新たな安定収益源となる。カーボンニュートラル需要の高まりを背景に長期契約も見込める。

データセンター・半導体工場誘致による需要増

四国地方への大型データセンターや半導体工場の立地誘致が実現すれば、電力需要が構造的に拡大し収益を底上げする。再エネ豊富な地域特性と電力安定供給能力を活かした産業誘致が期待される。

💰 株主還元政策 4/10

2022年度(30円)・2023年度(無配)と燃料費危機の影響を受けた後、2024年度は30円、2025年度は40円と配当を回復・増額した。会社は安定配当の維持・向上を基本方針とし、業績回復とともに段階的な増配を志向している。FCFは大型設備投資(送配電設備・原発安全対策)の影響で変動が大きいが、中期的に設備投資サイクルの峠を越えれば自由キャッシュフローが改善し、配当余力が高まる見込み。現在の配当利回りは約2.6%(1,556円株価・40円DPS)で利回りとして一定の魅力がある。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(電力)×0.65
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+3.32%
リスク耐性スコア調整(4/10)+0.60%
MOAT スコア調整(6/10)+0.00%
格付け調整(JCR AAp / R&I A+)-0.20%
当社中立CoE7.42%
悲観 CoE
10.4%
中立 CoE
7.4%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(4/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 37%
中立 37%
楽観 26%
悲観 37% — 燃料費再高騰・原発停止
中立 37% — 原発安定稼働・緩やかな回復
楽観 26% — 再エネ拡大・料金改定恩恵
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥3,145/株
悲観37% / 中立37% / 楽観26%
リスク耐性スコア 4/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 369億円 / 2024年度 464億円 / 2023年度 -555億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥40。成長率は過去DPS CAGR(10年=5.8%、直近3年=10.1%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。

悲観 37%
燃料費再高騰・原発停止
¥457
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト10.4%
ターミナル成長率0.0%
中立 37%
原発安定稼働・緩やかな回復
¥860
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.4%
ターミナル成長率1.0%
楽観 26%
再エネ拡大・料金改定恩恵
¥1,566
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.0%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,130、配当性向12%でBPS追跡。

悲観 37%
燃料費再高騰・原発停止
¥840
推定フェアバリュー/株
CoE10.4%
ROE(初年→10年目)-4.2%→6.1%
TV成長率0.0%
中立 37%
原発安定稼働・緩やかな回復
¥2,420
推定フェアバリュー/株
CoE7.4%
ROE(初年→10年目)8.0%→8.0%
TV成長率1.0%
楽観 26%
再エネ拡大・料金改定恩恵
¥4,324
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)10.5%→8.3%
TV成長率2.0%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥332、総合スコア4.4から指数関数的に倍率算出。

悲観 37%
燃料費再高騰・原発停止
¥2,325
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥332
想定PER7倍
中立 37%
原発安定稼働・緩やかな回復
¥3,654
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥332
想定PER11倍
楽観 26%
再エネ拡大・料金改定恩恵
¥5,980
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥332
想定PER18倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.11倍、現BPS=¥2,130。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.72) 中央値 (1.11) 上位25% (1.42)
悲観 37%
燃料費再高騰・原発停止
¥1,541
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.72倍
中立 37%
原発安定稼働・緩やかな回復
¥2,362
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR1.11倍
楽観 26%
再エネ拡大・料金改定恩恵
¥3,027
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR1.42倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥332。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (14.2) 中央値 (20.5) 上位25% (26.0)
悲観 37%
燃料費再高騰・原発停止
¥4,706
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER14.2倍
中立 37%
原発安定稼働・緩やかな回復
¥6,804
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER20.5倍
楽観 26%
再エネ拡大・料金改定恩恵
¥8,625
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER26.0倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 37.2%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -5.8% / 中央 4.8% / 上振れ 15.5%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥267 / 中央 ¥977 / 上振れ ¥3,769
現在 ¥1,518 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
1.0%
10年後の状態: 成長17% 横ばい63% 衰退18% 倒産・上場廃止1%
事象タグ別の10年発生確率
株主還元強化
47.2%
バリュエーション上昇
46.9%
景気後退・需要減
38.7%
インフレ下の値上げ耐性
34.1%
利益率改善
29.6%
AI電力・光通信インフラ需要
24.9%
バリュエーション低下
24.2%
利益率悪化
18.3%
TOB・買収
18.3%
大幅業績ショック
17.6%
好況・上振れサイクル
16.8%
競争優位低下
11.5%
構造的衰退
10.1%
過剰債務・既存株主毀損
8.7%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥1,518(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)4.30%7.80%12.30%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥1,489
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥1,489
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 3.2%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (37%) 中立 (37%) 楽観 (26%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥457 ¥860 ¥1,566 ¥894
残余利益 ¥840 ¥2,420 ¥4,324 ¥2,330
PERマルチプル ¥2,325 ¥3,654 ¥5,980 ¥3,767
PBR分位法 ¥1,541 ¥2,362 ¥3,027 ¥2,231
PER分位法 ¥4,706 ¥6,804 ¥8,625 ¥6,501
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥3,145
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥1,086 割安
¥1,974
FV¥3,145 割高
¥4,704
¥5,880
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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