9509 北海道電力 銘柄分析・適正株価
5.6Sol 個別レビュー
投資テーゼ
電力の基準倍率(PER11倍、PBR0.90倍、EV/EBITDA7倍)を用い、利用可能なPER・PBRを組み合わせた5シナリオ評価。確率加重価値は1,815.1円。既存の定量DBを横断した一次スクリーニングであり、10%集中判断には最新IRの追加確認を要する。
主な懸念
北海道電力は基準株価998.1円に対し、EPS158.6円、BPS1992.9円、現行EV/EBITDA10.9倍。単年度の正規化前指標を使う軽量レビューのため、業績循環、特殊損益、会計基準差、直近会社計画の変化を完全には反映しない。決算更新時に再評価が必要。
シナリオ内訳
| シナリオ | 確率 | 妥当価値 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 悲観 | 10.0% | 967円 | 景気後退・競争激化・倍率縮小が重なり、基準価値の55%まで低下。 |
| 弱気 | 20.0% | 1,372円 | 利益成長が鈍化し、基準倍率を約2割切り下げる弱気ケース。 |
| 中立 | 40.0% | 1,759円 | PER・PBRを業種基準倍率で評価した中立ケース。 |
| 強気 | 20.0% | 2,251円 | 会社計画達成と資本効率改善により基準価値を28%上回る強気ケース。 |
| 楽観 | 10.0% | 2,902円 | 需要上振れ・利益率改善・株主還元が同時進行する楽観ケース。 |
FY2026実績
純利益
FY2026実績
比率
FY2026
同社は発電、送配電、小売を通じて地域の暮らしと産業を支える。生活インフラである以上、需要の土台は比較的安定している。いっぽうで燃料、設備、制度の影響を強く受けるため、自由に動ける事業ではない。供給責任の重さが、そのまま事業の安定感と制約の両方を形作っている。
電力会社の堀は、送配電網、顧客基盤、運営体制といった社会インフラそのものにある。大規模な代替は難しく、地域での存在感は厚い。安定供給を続ける経験も、簡単には模倣できない資産だ。ただし規制や政策の影響が大きく、堀の強さが収益の自由度をそのまま意味するわけではない。
大きな高成長を描く業態ではないが、電源構成の改善や周辺サービスの広がりで質の変化は作れる。再生可能エネルギーや効率化の進展は、長い目で見れば重要な追い風になりうる。地域密着の基盤があるぶん、新しいサービスも浸透させやすい。量よりも収益構造の改善に注目したい。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
燃料価格や調達の不安定さが強まると、採算の読みが難しくなる。制度上の対応余地にも限界がある。
事業の自由度が制度に左右されやすく、想定外の負担が生じることがある。企業努力だけでは吸収し切れない場面もある。
安定供給を守るには大きな投資が継続的に必要だ。更新の遅れや事故は信頼に直結しやすい。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
効率の良い供給体制へ進めば、成熟業態でも収益の質を高めやすい。長い目の見通しを支える要素になる。
既存顧客基盤を活かして周辺サービスを広げられれば、電力以外の厚みを作りやすい。基盤の強さが生きやすい。
相場が不安定な時ほど、生活インフラの底堅さは見直されやすい。守りのある銘柄として存在感が出やすい。
公益性の高い事業だけに、資本配分は安定志向になりやすい。還元を見るときも、設備投資や供給責任を果たせる範囲かどうかが大切だ。派手な姿勢より、長く続く配分の方がこの業態には合っている。守りの強さと規律が、そのまま株主への安心感になる。
リスク耐性スコア 5/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2026年度 -985億円 / 2025年度 349億円 / 2024年度 953億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥32。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,154、配当性向15%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥315、総合スコア4.0から指数関数的に倍率算出。
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(時系列に不連続な急変あり(株式分割の遡及反映が不完全な可能性))
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥315。
10年後の株価を 1000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-07-29)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 3.00% | 5.74% | 10.24% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥215 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥225 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 1.1%、直近売上成長 3.2%) | ||
※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (35%) | 中立 (40%) | 楽観 (25%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥345 | ¥599 | ¥881 | ¥581 |
| 残余利益 | ¥891 | ¥2,884 | ¥3,522 | ¥2,346 |
| PERマルチプル | ¥2,208 | ¥3,470 | ¥5,362 | ¥3,501 |
| PBR分位法 | — | — | — | — |
| PER分位法 | ¥3,118 | ¥4,756 | ¥6,721 | ¥4,674 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥2,776 | ||
¥1,641 FV¥2,776 割高
¥4,122 ¥5,153