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東京瓦斯 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 電気・ガス業 ガス/電力 JCR AAAp (stable) R&I AA+ (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
国内最大の都市ガス事業者として首都圏に盤石な導管インフラを持ちつつ、海外LNG上流・電力小売・不動産へ多角化。脱炭素移行期においてCN-LNG・水素・合成メタンで既存資産を延命しながら収益基盤を多元化する構造転換銘柄。
8
競争優位性
業界内MOAT
5
業界成長性
セクター動態
6
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
7
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.4/10
競争優位性
8
業界成長性
5
リスク耐性
6
株主還元
6
見通し
7
📋 事業内容
28,347億円
売上高
FY2026実績
2,269億円
親会社帰属
純利益
4,518億円
営業CF
FY2026実績
44.1%
自己資本
比率
13.2%
ROE
FY2026

東京ガスは関東圏を中心に約760万件の供給契約を持つ国内最大の都市ガス事業者。収益の柱はガス販売(家庭用・業務用・工業用)だが、2016年の電力小売全面自由化以降は電力小売にも本格参入し300万件超の契約を獲得。海外では米テキサス州Cameron LNGプロジェクトへ出資し長期供給権益を確保、豪州権益も保有してLNG上流から国内販売まで一貫したバリューチェーンを形成。不動産部門では東京・横浜の旧製造所跡地を活用した大型複合再開発を推進しており、オフィス・住宅・商業施設の竣工が収益多様化に寄与。脱炭素対応としてCN-LNGのトレーサビリティ確保、2030年代の合成メタン商用化、水素混焼・専焼技術の実証を並行して進め、既存ガスインフラをカーボンニュートラル燃料の輸送網として転用する長期戦略を描く。

競争優位性(業界内MOAT) 8/10

首都圏導管インフラの自然独占

約2.4万kmに及ぶ高圧・中圧・低圧導管網は数十年・数兆円規模の投資で構築されたものであり、物理的・規制的・経済的に複製が不可能。ガス小売自由化後も配送インフラは東京ガスが管理し、新規参入者はこのネットワークへのアクセス料を支払う構造となっているため収益基盤が損なわれにくい。

LNG上流〜販売の一貫バリューチェーン

Cameron LNG・豪州権益等の海外上流権益を保有し、調達コストの安定化と市況上昇時のアップサイド取込みを両立。長期売買契約(SPA)によるボリューム保証と、国内需要家向けの原料費調整制度が収益の下振れリスクを低減している。

顧客基盤・ブランドと切替コスト

760万件超の長期顧客との関係性、ガス機器・給湯器の設置・メンテナンスサービス、電力とのセット割引など複合サービスによるバンドル効果が顧客の切替コストを高める。B2Bではガス空調・コージェネ導入先の長期契約が粘着性を生んでいる。

📈 業界の成長性・セクター動態 5/10

電力小売拡大と不動産再開発竣工

電力小売はすでに300万件超の契約を持ち、B2B向けPPAや再エネ電源調達の強化で法人顧客のシェア拡大を狙う。不動産では虎ノ門・横浜みなとみらいの複合再開発が2020年代後半に順次竣工予定で、賃料収入の積み上がりが安定した追加収益を生む見通し。

合成メタン・水素による脱炭素インフラ転用

既存のガス導管は合成メタンや水素混合ガスの輸送に転用可能であり、インフラ再投資不要で活用できる点が他セクターにない強み。政府のGI基金支援を受け2030年代の合成メタン商用供給を目指しており、実現すれば既存顧客への脱炭素燃料切替が新たな収益源となる。

⚠️ リスクファクター分析 6/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

中リスクLNG・電力市場の価格変動リスク

LNG調達コストは国際市況・為替に連動し、燃料費調整制度の時差(タイムラグ)により原料高局面では一時的に収益が圧迫される。電力市場でも卸価格スパイク時に仕入れコストが販売価格を上回るリスクがあり、2021〜22年の電力価格高騰時に追加コストが発生した経験がある。

中リスク脱炭素政策加速による座礁資産リスク

政府のカーボンニュートラル2050目標が厳格化・前倒しされた場合、天然ガスインフラや海外LNG権益が座礁資産化するリスクがある。合成メタン・水素への転換コストが想定以上に膨らむと財務負担が増大し、インフラ減損が発生する可能性がある。

中リスク電力小売競争激化と収益悪化

自由化以降、新電力・大手電力各社が首都圏ガス顧客を狙い打ちにしており、電力とガスのセット販売競争が激化。顧客獲得コストの上昇や値下げ圧力が電力事業の利益率を押し下げるリスクがある。

中リスク海外権益の地政学・為替リスク

Cameron LNG(米国テキサス)は米国のエネルギー政策変更・規制変動の影響を受ける可能性があり、豪州権益も現地環境規制強化リスクを持つ。ドル建て収益の円換算額は為替動向に左右され、円高局面では配当・権益評価額が目減りする。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 7/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

グローバルLNG需要拡大による権益価値上昇

欧州のロシア産ガス脱却・アジア新興国の電化需要拡大を背景にLNGの長期需要は堅調で、Cameron LNG・豪州権益の市場価値と配当ポテンシャルが高まっている。

大型不動産再開発の竣工による収益急拡大

虎ノ門・横浜みなとみらいの旧ガス製造所跡地再開発プロジェクトが2020年代後半に竣工するタイミングで、安定的な賃料収入が積み上がり収益ポートフォリオの質が向上する。

合成メタン・水素の政策支援と先行者優位

グリーンイノベーション基金や水素社会推進法の支援を受け、東京ガスは合成メタン商用化ロードマップで国内最先端の位置にある。2030年代の商用化実現時には既存導管インフラを活用した脱炭素燃料供給事業者として先行者優位を確立できる。

💰 株主還元政策 6/10

配当は安定的に増配基調を維持しており、2024年度実績で1株当たり配当は100円超。配当性向は30〜35%程度で推移し財務健全性を優先する方針。自社株買いは機動的に実施されるが規模は限定的。ROEは公益株として5〜7%台が続くとみられ、大幅な資本効率改善より安定的な株主還元継続が期待される。インフラ維持・海外権益投資・再開発への設備投資が続くためFCFは潤沢ではなく、増配余地は緩やかにとどまる公算が高い。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(ガス)×1.01
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+5.17%
リスク耐性スコア調整(6/10)+0.00%
MOAT スコア調整(8/10)-0.60%
格付け調整(JCR AAAp / R&I AA+)-0.80%
当社中立CoE7.47%
悲観 CoE
10.5%
中立 CoE
7.5%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(6/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 34%
中立 32%
楽観 34%
悲観 34% — ガス需要の急速な電化シフトと電力市場価格競争激化で主力事業の収益が圧迫、海外LNG資産が座礁資産化するリスクが顕在化するシナリオ
中立 32% — 家庭・業務用ガス需要は緩やかに減少するが電力小売・不動産・海外LNG配当でカバーし、合成メタン商用化が2030年代初頭に立ち上がって移行コストを吸収するシナリオ
楽観 34% — Cameron LNG・豪州権益の高配当が継続し国内電力小売シェアが拡大、大型再開発竣工で不動産収益が急拡大、水素サプライチェーン整備の政策支援が追い風となるシナリオ
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥8,499/株
悲観34% / 中立32% / 楽観34%
リスク耐性スコア 6/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2026年度 2,449億円 / 2025年度 996億円 / 2024年度 -308億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥110。成長率は過去DPS CAGR(10年=5.3%、直近3年=19.2%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(13年)でターミナル成長率に収束。

悲観 34%
ガス需要の急速な電化シフトと電力市場価格競争激化で主力事業の収益が圧迫、海外LNG資産が座礁資産化するリスクが顕在化するシナリオ
¥1,293
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト10.5%
ターミナル成長率0.5%
中立 32%
家庭・業務用ガス需要は緩やかに減少するが電力小売・不動産・海外LNG配当でカバーし、合成メタン商用化が2030年代初頭に立ち上がって移行コストを吸収するシナリオ
¥3,136
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.5%
ターミナル成長率1.3%
楽観 34%
Cameron LNG・豪州権益の高配当が継続し国内電力小売シェアが拡大、大型再開発竣工で不動産収益が急拡大、水素サプライチェーン整備の政策支援が追い風となるシナリオ
¥7,964
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.4%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥4,957、配当性向17%でBPS追跡。

悲観 34%
ガス需要の急速な電化シフトと電力市場価格競争激化で主力事業の収益が圧迫、海外LNG資産が座礁資産化するリスクが顕在化するシナリオ
¥2,762
推定フェアバリュー/株
CoE10.5%
ROE(初年→10年目)-3.4%→7.8%
TV成長率0.5%
中立 32%
家庭・業務用ガス需要は緩やかに減少するが電力小売・不動産・海外LNG配当でカバーし、合成メタン商用化が2030年代初頭に立ち上がって移行コストを吸収するシナリオ
¥8,369
推定フェアバリュー/株
CoE7.5%
ROE(初年→10年目)10.1%→10.1%
TV成長率1.3%
楽観 34%
Cameron LNG・豪州権益の高配当が継続し国内電力小売シェアが拡大、大型再開発竣工で不動産収益が急拡大、水素サプライチェーン整備の政策支援が追い風となるシナリオ
¥15,806
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)13.6%→10.1%
TV成長率2.4%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥647、総合スコア6.4から指数関数的に倍率算出。

悲観 34%
ガス需要の急速な電化シフトと電力市場価格競争激化で主力事業の収益が圧迫、海外LNG資産が座礁資産化するリスクが顕在化するシナリオ
¥5,823
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥647
想定PER9倍
中立 32%
家庭・業務用ガス需要は緩やかに減少するが電力小売・不動産・海外LNG配当でカバーし、合成メタン商用化が2030年代初頭に立ち上がって移行コストを吸収するシナリオ
¥9,705
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥647
想定PER15倍
楽観 34%
Cameron LNG・豪州権益の高配当が継続し国内電力小売シェアが拡大、大型再開発竣工で不動産収益が急拡大、水素サプライチェーン整備の政策支援が追い風となるシナリオ
¥15,528
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥647
想定PER24倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.31倍、現BPS=¥4,957。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (1.08) 中央値 (1.31) 上位25% (1.71)
悲観 34%
ガス需要の急速な電化シフトと電力市場価格競争激化で主力事業の収益が圧迫、海外LNG資産が座礁資産化するリスクが顕在化するシナリオ
¥5,351
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR1.08倍
中立 32%
家庭・業務用ガス需要は緩やかに減少するが電力小売・不動産・海外LNG配当でカバーし、合成メタン商用化が2030年代初頭に立ち上がって移行コストを吸収するシナリオ
¥6,514
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR1.31倍
楽観 34%
Cameron LNG・豪州権益の高配当が継続し国内電力小売シェアが拡大、大型再開発竣工で不動産収益が急拡大、水素サプライチェーン整備の政策支援が追い風となるシナリオ
¥8,497
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR1.71倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥647。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (13.5) 中央値 (18.3) 上位25% (24.7)
悲観 34%
ガス需要の急速な電化シフトと電力市場価格競争激化で主力事業の収益が圧迫、海外LNG資産が座礁資産化するリスクが顕在化するシナリオ
¥8,742
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER13.5倍
中立 32%
家庭・業務用ガス需要は緩やかに減少するが電力小売・不動産・海外LNG配当でカバーし、合成メタン商用化が2030年代初頭に立ち上がって移行コストを吸収するシナリオ
¥11,820
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER18.3倍
楽観 34%
Cameron LNG・豪州権益の高配当が継続し国内電力小売シェアが拡大、大型再開発竣工で不動産収益が急拡大、水素サプライチェーン整備の政策支援が追い風となるシナリオ
¥15,999
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER24.7倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 31.3%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -6.3% / 中央 5.2% / 上振れ 16.3%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥1,173 / 中央 ¥6,236 / 上振れ ¥22,285
現在 ¥6,600 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.2%
10年後の状態: 成長40% 横ばい52% 衰退9% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
株主還元強化
49.6%
景気後退・需要減
43.0%
インフレ下の値上げ耐性
33.0%
バリュエーション低下
31.1%
利益率改善
31.1%
バリュエーション上昇
29.6%
好況・上振れサイクル
19.2%
利益率悪化
18.7%
大幅業績ショック
17.5%
構造的衰退
11.3%
競争優位低下
7.9%
過剰債務・既存株主毀損
4.3%
TOB・買収
4.1%
倒産・上場廃止
2.7%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥6,600(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)6.10%9.60%14.10%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥5,452
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥5,452
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 -1.6%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (34%) 中立 (32%) 楽観 (34%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥1,293 ¥3,136 ¥7,964 ¥4,151
残余利益 ¥2,762 ¥8,369 ¥15,806 ¥8,991
PERマルチプル ¥5,823 ¥9,705 ¥15,528 ¥10,365
PBR分位法 ¥5,351 ¥6,514 ¥8,497 ¥6,793
PER分位法 ¥8,742 ¥11,820 ¥15,999 ¥12,194
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥8,499
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥2,637 割安
¥4,794
FV¥8,499 割高
¥12,759
¥15,949
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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