USGS年次資料のFOB年平均。原典はArgus等。現在のスポット/着値や、企業の調達単価ではない。年次更新の参考値で、2036年の予測へ自動接続しない。 原表の推計年:2025。
歴史のケースと国別・工程別の10年需給
レアアース:採掘量より分離・磁石・輸出許可の制約を見る
調査日 2026-10-25 · 見直し期限 2027-01-25 · 調査版 20261025-r1
足元の需給判断と、確認できている範囲
世界の鉱石総量だけで需要超過とは断定できない。中国外の分離・精製・磁石、特に重希土類と輸出許可を通過する供給の不足リスクが残る分断市場として見る。
主に2025年実績・政策、2026年上期の開示。2026年10月時点の元素別在庫・実効稼働率は未接続。
IEAの2035年見通しでは、中国外等の多様化地域における精製・磁石の計画能力は採掘側より手薄。採掘トン数を全元素の需要や磁石生産能力へ直接換算しない。
供給・需要・国別シェアの推移をグラフで見る →
国別の数量データで確認する
対象は 2025年、出典はUSGS 2026年版です。採掘量はREO換算トンで、主に推計値です。年度版の改定値を含み、過去の公表時点の再現ではありません。
この採掘総量はNdPr・Dyや磁石向けの量ではありません。ランタノイドとYを含みScの大部分を除く集計です。能力・実稼働・化合物や磁石の生産を混ぜません。
世界の採掘量:390,000 t REO(丸め値) 原表・注記
国別の採掘量と構成比を見る
| 国・地域 | 2024年 t REO | 2025年 t REO | 世界計比・概算 |
| 中国(推計) | 270,000 | 270,000 | 69.2% |
| 米国(推計) | 45,500 | 51,000 | 13.1% |
| 豪州(推計) | 29,000 | 29,000 | 7.4% |
| ミャンマー(推計)中国の輸入報告に基づく推計。 | 27,000 | 22,000 | 5.6% |
| タイ(推計)中国の輸入報告に基づく推計。 | 2,100 | 4,800 | 1.2% |
| インド(推計) | 2,900 | 2,900 | 0.7% |
| マダガスカル(推計)中国の輸入報告に基づく推計。 | 1,400 | 2,700 | 0.7% |
| ロシア(推計) | 2,600 | 2,600 | 0.7% |
| ブラジル(推計) | 560 | 2,000 | 0.5% |
| ナイジェリア(推計) | 1,500 | 1,500 | 0.4% |
| その他(推計) | 1,000 | 550 | 0.1% |
| ベトナム(推計)中国の輸入報告に基づく推計。 | 300 | 150 | 0.0% |
| マレーシア(推計)中国の輸入報告に基づく推計。 | 140 | 110 | 0.0% |
| カナダ(推計) | 0 | 0 | 0.0% |
| グリーンランド(推計) | 0 | 0 | 0.0% |
| 南アフリカ(推計) | 0 | 0 | 0.0% |
| タンザニア(推計) | 0 | 0 | 0.0% |
世界計は丸め値のため構成比の合計は厳密に100%になりません。構成比は同じ出典版の国別採掘量÷世界計。NdPrや重希土類の生産シェアには読み替えません。「—」は未確認、0は原表のゼロです。
米国だけでも、工程・対象が異なる
| 指標 | 対象年 | 公表値 | 範囲・限界 |
| 米国・化合物/金属の見掛消費 | 2025 | 27,000 t REO | USGS定義の生産+輸入-輸出。世界の需要量や元素別消費量ではない。 原表 |
| 米国・化合物/金属の生産 | 2025 | 8,900 t REO | California/Utahの化合物等。採掘総量と製品組成・対象が異なり、比を分離歩留まりにしない。 原表 |
| 米国・重希土類の輸入 | 2025 | 100 t REO | Yを除く重希土類。出荷記録からの推計で、完成品に含まれる分は含まない。 原表 |
| 米国・重希土類の純輸入依存 | 2025 | 100 % | USGS公表値。数量輸出データは利用できないとの注記があり、完全な貿易収支を再現した値とはしない。 原表 |
同じ元素・品位・工程・地域・期間による世界需要・在庫・実効供給が揃っていないため、採掘総量から余剰/不足を計算しない。 米国の生産と見掛消費の差にも貿易等が関わり、その差を世界の供給不足にしません。
年平均の参考価格:現在スポットとは別
FOB年平均で、原典はArgus等。USGS表だけでは港・取引地域を固定できず、現在のスポットや企業の着値ではありません。年平均は年中の急騰や域内外の価格差を隠すこともあります。ここから2036年の価格や確率は自動計算していません。
供給が応答するまでの時間を分ける
- 2030年ごろまで
- 既存・建設中案件の実稼働、分離歩留まり、磁石の認証、許可の運用を優先する。新鉱山の発表だけで不足解消とはしない。
- 2036年の終点まで
- 採掘→分離→金属/合金→磁石まで中国外の一貫供給が育つかを検証する。省資源・代替モーター・使用済み磁石回収は需要の元素構成も変える。2035年資料を2036年数量へ機械的に延長していない。
国・地域ごとの供給網と需要
5つの終点シナリオに必要な条件
共通条件はCPI年3.0%、日本の短期金利2.0%・長期金利3.0%、10年後ドル円150円。途中のショックと終点の条件を分けます。
- 低価格:分離・磁石の一貫供給が多様化し、省資源・代替と増産が需要増を上回る。過去の高値へ戻る前提を置かない。
- やや低価格:許可運用が安定し、中国外の認証済み供給が増えて供給不安プレミアムが縮む。
- 中立:需要と供給がともに増えるが、重希土類・分離工程の局所的制約は残る。元素別の数量照合を要する仮説。
- やや高価格:許可遅延や分離能力の立上げ遅れが続き、調達地域によるプレミアムが定着する。
- 高価格:特定元素・技術の制限が長期化し、代替・在庫・増産が追いつかない。短期暴騰が2036年にも残るにはこの持続条件が必要。
NdPr酸化物、Nd金属、Dy酸化物、Dy金属を同じ価格にしない。現在の品位・地域別の連続価格は未接続で、歴史的な倍率を掛けた2036年価格・確率は算出していない。
歴史的ケース:高値が生まれ、戻った仕組み
2010〜2012年:中国の輸出枠とレアアース価格急騰
2010〜2012年
指標の対象:レアアース価格の総括(元素・品位を固定した単一系列ではない)
10.00 倍程度・最大との公表
資源エネルギー庁が2010年の規制後について示す総括。全元素が同率上昇したという意味ではない。
- 需給の変化
- 集中した供給に輸出枠縮小と調達不安が重なり、代替供給が短期に応答できなかった。在庫積増しが短期需要を膨らませ得る。2010年の対日出荷の状況には資料間の違いがあり、全元素・全取引の一律禁輸とは書かない。
- 正常化・価格低下
- IRENAは、省資源・代替・在庫管理・供給源追加等による需要と供給の変化を挙げ、2012年には価格上昇が緩和したと整理する。高値が供給応答と需要破壊を促すことにも注意する。
- 2036年にも残る条件
- 2036年まで高い相対価格が残るには、分離・磁石・特定重希土類の制約や取引分断が、増産・代替・回収を上回って残る必要がある。
過去の最大倍率を現在のNdPr/Dy酸化物の価格へ掛けない。途中の価格ピークと10年後の正常価格は別に評価する。
資源エネルギー庁:鉱物資源と供給リスク(2010〜2011年の回顧) IRENA Critical materials 2023(2010〜2012年等の回顧)
履歴の指標は現在価格や2036年の価格予測ではありません。資料で確認した事項と、将来の条件付きの推論を区別しています。途中の暴騰による利益・在庫資金・資金繰りへの数値接続は未完了です。
関連する価格:ネオジム・プラセオジム酸化物 ジスプロシウム酸化物 Dy酸化物(99.5%以上・年平均参考) NdPr酸化物(99%以上・年平均参考)