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FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
株式会社安藤・間は、安藤建設(1897年創業)と間組(1919年創業)が2013年に経営統合して誕生した準大手ゼネコン。建築(オフィス・物流・病院・マンション等)と土木(道路・橋梁・トンネル・海洋構造物等)の両分野を主力とし、国内外の官民問わず幅広い工事を手掛ける。売上の大半は国内だが、東南アジアを中心とした海外展開にも注力している。FY2025は売上4,252億円・営業利益352億円・純利益264億円と過去最高圏の業績を達成しており、中期経営計画では収益性向上と財務体質改善を重点テーマに掲げている。
①土木分野の高難度施工実績
海洋土木・山岳トンネル・地下構造物など高難度施工における豊富な実績と独自工法は、新規参入者が短期に模倣困難なノウハウの蓄積を示す。長年にわたる発注官庁・公団との関係性も案件獲得に寄与しており、大型公共インフラ案件での競争優位に繋がっている。
②建築・土木両輪の総合力
建築と土木の双方に強みを持つ総合建設会社としてのポジションは、複合開発案件や大規模プロジェクトへの一括対応を可能にする。単一分野特化の中堅ゼネコンと比較して受注機会が広く、景気サイクルに対するリスク分散効果も発揮している。
③統合シナジーと技術継承
旧安藤建設と旧間組それぞれが培った施工技術・顧客ネットワーク・技術者人材を統合したことにより、技術・営業両面でのシナジーが蓄積されてきている。設計・施工一括(DB方式)対応やBIM/CIM推進によるデジタル施工管理強化も競争力向上に貢献している。
中期見通し
今後2〜3年は国内インフラ老朽化更新(道路・橋梁・上下水道)や国土強靭化予算拡充、大型都市再開発・物流施設需要の継続により受注環境は堅調に推移する見込み。資材・労務費の高止まりは利益率圧迫要因となるが、コスト転嫁の浸透と生産性向上施策の推進により、営業利益率の水準維持・微改善が期待される。EPS成長率は年率5〜10%程度を想定。
長期構造的トレンド
5〜10年スパンでは、老朽インフラの大規模更新需要が本格化する局面を迎える。国交省試算によれば橋梁・トンネル等の更新コストは今後急増が見込まれており、安藤・間の土木施工能力はこのトレンドに直結する。加えて防衛インフラ整備・エネルギー関連施設(洋上風力基礎工事等)・デジタルインフラ(データセンター建設)など新領域での需要拡大も長期成長を下支えすると考えられる。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
鉄骨・生コン・木材等の資材価格と建設労働者の人件費が高止まりまたは再騰した場合、受注済み案件の採算が悪化するリスクがある。固定価格型(ランプサム)契約案件では特にコスト転嫁が困難で、利益率を大きく圧迫する可能性がある。
自己資本比率が0.5%前後と極めて低く、財務レバレッジが非常に高い。景気悪化や大型損失工事が発生した場合に財務的耐性が乏しく、信用格付けや借入条件に影響を与えるリスクがある。業績が下振れた際の株価への影響も大きくなりやすい。
ゼネコンは一件の大型工事で大幅な損失が発生するリスクがある。設計変更・地盤問題・工期延長等に起因する追加コストが発生した場合、単体工事が数十億円規模の損失に膨らむケースもあり、業績の不確実性を高める要因となる。
建設技能労働者の高齢化と若手入職者の減少が業界全体の課題となっており、安藤・間においても技術者・施工管理者の確保・育成が収益拡大の制約となる可能性がある。外国人労働力への依存度上昇に伴うリスクも存在する。
東南アジアを中心とした海外事業は、現地の政治リスク・為替変動・法制度変更の影響を受けうる。海外事業の比率は国内比較で小さいため全社業績への直接影響は限定的だが、一部の大型案件での損失が発生した場合は無視できない規模になりうる。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
政府の国土強靭化基本計画に基づく予算措置と、近年の自然災害頻発を背景とした防災インフラ整備加速が受注機会を拡大させる。道路・河川・港湾・鉄道インフラの更新・強化工事は安藤・間が強みを持つ土木分野に直結し、受注残の積み上げと収益安定化に貢献することが期待される。
国内洋上風力発電の大規模展開に伴い、基礎工事・港湾整備・陸上工事など建設会社への需要が見込まれる。海洋土木に実績を持つ安藤・間にとって参入余地があり、新たな成長領域として収益貢献が期待できる。政府の再エネ目標に沿って中長期的な受注機会が広がる見通し。
デジタル技術(BIM/CIM・ドローン・ロボット施工)の活用推進により、施工効率の向上と原価低減が図られ、利益率の構造的改善につながる可能性がある。業界全体のDX遅れが大きい中、先行導入企業は受注競争でも有利な立場を得られる可能性がある。
安藤・間は中期経営計画において安定配当の継続と配当性向の向上を株主還元の基本方針として掲げている。DPSはFY2019の30円からFY2025の70円へと段階的に引き上げられており、増配トレンドは明確。FY2025時点の配当利回りは株価1,904円に対し約3.7%と、市場平均を上回る水準にある。自社株買いについては断続的に実施されているが金額はやや限定的。今後もEPS成長に連動した増配が続くと見込まれ、インカム投資家にとっても魅力的なプロファイルを維持している。
リスク耐性スコア 4/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 128億円 / 2024年度 -172億円 / 2023年度 275億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥70。成長率は過去DPS CAGR(10年=26.7%、直近3年=20.5%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(10年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,093、配当性向41%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥169、総合スコア5.4から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.19倍、現BPS=¥1,093。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥169。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 4.77% | 8.27% | 12.77% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥1,225 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥1,225 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 6.6%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (37%) | 中立 (37%) | 楽観 (26%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥1,340 | ¥2,551 | ¥5,753 | ¥2,935 |
| 残余利益 | ¥416 | ¥1,262 | ¥2,381 | ¥1,240 |
| PERマルチプル | ¥1,350 | ¥2,194 | ¥3,544 | ¥2,233 |
| PBR分位法 | ¥1,004 | ¥1,300 | ¥1,737 | ¥1,304 |
| PER分位法 | ¥1,465 | ¥1,952 | ¥2,601 | ¥1,941 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥1,931 | ||
¥1,115 FV¥1,931 割高
¥3,203 ¥4,004