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FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
大成建設は建築・土木の両輪を持つスーパーゼネコンであり、国内外の超大型プロジェクトを主力とする。建築部門では複合再開発・物流施設・データセンターの受注が拡大し、土木部門ではリニア中央新幹線・海洋土木・橋梁が柱となる。木質ハイブリッド構造「T-Wood」など独自技術でカーボンニュートラル対応建築市場にも積極的に展開している。
技術・施工ノウハウの蓄積
海洋土木・超高層・地下大深度など難度の高い案件の豊富な施工実績が参入障壁を形成する。独自開発の免震・制振技術や木質ハイブリッド工法は模倣に時間とコストを要する差別化資産である。長期にわたる技術者育成と暗黙知の蓄積が競合優位の根幹を成す。
顧客基盤と受注ネットワーク
官庁・大手デベロッパー・鉄道・エネルギーなど多様なセクターに深い顧客関係を持つ。大型プロジェクトでの元請け実績がブランド信頼性を高め、後継案件の受注連鎖を生み出す。国際部門でもアジアを中心に施工実績を積み重ねており、顧客分散が安定収益の基盤となる。
選別受注による採算管理
収益性の低い案件を意図的に回避する選別受注方針が、業界共通の資材高騰局面において相対的な利益率防衛力を発揮している。この規律ある受注姿勢は財務健全性の維持に直結し、長期的な投資余力を確保する経営文化として定着しつつある。
中期見通し
リニア中央新幹線関連工事の本格化と都市部の大型再開発案件が中期の受注残を支える。データセンター・物流施設向け建築需要は旺盛であり、施工キャパシティが許す範囲で高採算案件を積み増す余地がある。一方で技能労働者不足と資材価格の高止まりが利益成長のペースを抑制する構造的制約として継続する。
長期構造的トレンド
老朽インフラの更新需要・国土強靱化投資・カーボンニュートラルビル移行は数十年単位の需要を創出し、ゼネコンにとって安定した市場基盤となる。洋上風力発電の基礎工事や水素インフラ整備など、エネルギー転換に伴う新規土木需要への技術展開が長期の成長シナリオを補強する。建設DXによる生産性向上が人手不足を部分的に緩和し、潜在的な採算改善余地を生む。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
鉄鋼・セメント・エネルギーコストの上振れが続く場合、固定価格契約案件での利益圧縮が不可避となる。スライド条項の適用拡大が業界全体で進むものの、交渉タイムラグが短期収益に影響を与えるリスクは残存する。
少子高齢化に伴う建設技能者の絶対数減少が工期延伸・労務費上昇として顕在化するリスクがある。複数大型案件が同時進行する局面では施工リソースの配分が逼迫し、遅延損害や追加コストが発生し得る。
アジア・中東での海外工事は為替変動・政情不安・現地規制変更などの地政学リスクにさらされる。現地サプライチェーンの脆弱性が大規模な追加コスト発生につながる可能性があり、影響額が大きくなりやすい構造を持つ。
金利上昇局面では大手デベロッパーの開発計画が延期・縮小される可能性があり、建築部門の受注減につながりやすい。オフィス需要の構造変化が大都市圏の商業ビル着工計画を下押しするリスクも中長期的に無視できない。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
リニア開業に向けた土木工事の受注は中期の業績を下支えし、開業後の沿線再開発需要が建築部門の追加機会となる。名古屋・大阪延伸区間の施工参画が実現すれば、受注残の積み増しと技術実績の蓄積を同時に達成できる。
政府の洋上風力導入目標達成に向けた港湾・基礎工事需要は海洋土木に強みを持つ大成建設にとって参入余地が大きい。エネルギー転換関連インフラの施工実績を積むことで、今後数十年の成長市場への足がかりを早期に確立できる。
ZEB義務化の法的強化が進む中、独自の木質ハイブリッド工法「T-Wood」や高性能断熱技術が差別化要素として機能する。環境性能要件の高いプロジェクトでは入札競争が限定的になりやすく、採算性の高い受注獲得につながり得る。
配当性向の引き上げと機動的な自己株買いにより株主還元の透明性は向上しており、受注残消化に伴うフリーキャッシュフロー増加が還元拡大の余地を担保する。ROEは低資産効率の業種特性から二桁到達には課題があるが、選別受注と原価管理の強化により緩やかな改善トレンドを維持している。
リスク耐性スコア 5/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -33億円 / 2024年度 -981億円 / 2023年度 160億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥210。成長率は過去DPS CAGR(10年=17.2%、直近3年=17.3%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥4,776、配当性向31%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥683、総合スコア5.4から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.27倍、現BPS=¥4,776。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥683。
10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 4.77% | 8.27% | 12.77% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥5,588 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥5,588 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 6.4%) | ||
※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (35%) | 中立 (40%) | 楽観 (25%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥4,007 | ¥6,999 | ¥11,593 | ¥7,100 |
| 残余利益 | ¥2,026 | ¥6,347 | ¥10,395 | ¥5,847 |
| PERマルチプル | ¥5,462 | ¥8,876 | ¥14,338 | ¥9,047 |
| PBR分位法 | ¥4,336 | ¥6,056 | ¥8,407 | ¥6,042 |
| PER分位法 | ¥7,387 | ¥13,384 | ¥18,359 | ¥12,529 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥8,113 | ||
¥4,644 FV¥8,113 割高
¥12,618 ¥15,773