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1801

大成建設 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
JCR AA- (stable) R&I A+ (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
リニア中央新幹線・再開発・海洋インフラを三本柱に安定受注を積み上げるスーパーゼネコン。技術差別化と選別受注戦略により採算性を重視した成長軌道を描く。
6
競争優位性
業界内MOAT
5
業界成長性
セクター動態
5
リスク耐性
財務・事業安定性
5
株主還元
配当・自社株買い
6
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.4/10
競争優位性
6
業界成長性
5
リスク耐性
5
株主還元
5
見通し
6
📋 事業内容
21,542億円
売上高
FY2025実績
1,238億円
親会社帰属
純利益
-138億円
営業CF
FY2025実績
35.6%
自己資本
比率
14.2%
ROE
FY2025

大成建設は建築・土木の両輪を持つスーパーゼネコンであり、国内外の超大型プロジェクトを主力とする。建築部門では複合再開発・物流施設・データセンターの受注が拡大し、土木部門ではリニア中央新幹線・海洋土木・橋梁が柱となる。木質ハイブリッド構造「T-Wood」など独自技術でカーボンニュートラル対応建築市場にも積極的に展開している。

競争優位性(業界内MOAT) 6/10

技術・施工ノウハウの蓄積

海洋土木・超高層・地下大深度など難度の高い案件の豊富な施工実績が参入障壁を形成する。独自開発の免震・制振技術や木質ハイブリッド工法は模倣に時間とコストを要する差別化資産である。長期にわたる技術者育成と暗黙知の蓄積が競合優位の根幹を成す。

顧客基盤と受注ネットワーク

官庁・大手デベロッパー・鉄道・エネルギーなど多様なセクターに深い顧客関係を持つ。大型プロジェクトでの元請け実績がブランド信頼性を高め、後継案件の受注連鎖を生み出す。国際部門でもアジアを中心に施工実績を積み重ねており、顧客分散が安定収益の基盤となる。

選別受注による採算管理

収益性の低い案件を意図的に回避する選別受注方針が、業界共通の資材高騰局面において相対的な利益率防衛力を発揮している。この規律ある受注姿勢は財務健全性の維持に直結し、長期的な投資余力を確保する経営文化として定着しつつある。

📈 業界の成長性・セクター動態 5/10

中期見通し

リニア中央新幹線関連工事の本格化と都市部の大型再開発案件が中期の受注残を支える。データセンター・物流施設向け建築需要は旺盛であり、施工キャパシティが許す範囲で高採算案件を積み増す余地がある。一方で技能労働者不足と資材価格の高止まりが利益成長のペースを抑制する構造的制約として継続する。

長期構造的トレンド

老朽インフラの更新需要・国土強靱化投資・カーボンニュートラルビル移行は数十年単位の需要を創出し、ゼネコンにとって安定した市場基盤となる。洋上風力発電の基礎工事や水素インフラ整備など、エネルギー転換に伴う新規土木需要への技術展開が長期の成長シナリオを補強する。建設DXによる生産性向上が人手不足を部分的に緩和し、潜在的な採算改善余地を生む。

⚠️ リスクファクター分析 5/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

中リスク

鉄鋼・セメント・エネルギーコストの上振れが続く場合、固定価格契約案件での利益圧縮が不可避となる。スライド条項の適用拡大が業界全体で進むものの、交渉タイムラグが短期収益に影響を与えるリスクは残存する。

中リスク

少子高齢化に伴う建設技能者の絶対数減少が工期延伸・労務費上昇として顕在化するリスクがある。複数大型案件が同時進行する局面では施工リソースの配分が逼迫し、遅延損害や追加コストが発生し得る。

中リスク

アジア・中東での海外工事は為替変動・政情不安・現地規制変更などの地政学リスクにさらされる。現地サプライチェーンの脆弱性が大規模な追加コスト発生につながる可能性があり、影響額が大きくなりやすい構造を持つ。

中リスク

金利上昇局面では大手デベロッパーの開発計画が延期・縮小される可能性があり、建築部門の受注減につながりやすい。オフィス需要の構造変化が大都市圏の商業ビル着工計画を下押しするリスクも中長期的に無視できない。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 6/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

リニア開業に向けた土木工事の受注は中期の業績を下支えし、開業後の沿線再開発需要が建築部門の追加機会となる。名古屋・大阪延伸区間の施工参画が実現すれば、受注残の積み増しと技術実績の蓄積を同時に達成できる。

政府の洋上風力導入目標達成に向けた港湾・基礎工事需要は海洋土木に強みを持つ大成建設にとって参入余地が大きい。エネルギー転換関連インフラの施工実績を積むことで、今後数十年の成長市場への足がかりを早期に確立できる。

ZEB義務化の法的強化が進む中、独自の木質ハイブリッド工法「T-Wood」や高性能断熱技術が差別化要素として機能する。環境性能要件の高いプロジェクトでは入札競争が限定的になりやすく、採算性の高い受注獲得につながり得る。

💰 株主還元政策 5/10

配当性向の引き上げと機動的な自己株買いにより株主還元の透明性は向上しており、受注残消化に伴うフリーキャッシュフロー増加が還元拡大の余地を担保する。ROEは低資産効率の業種特性から二桁到達には課題があるが、選別受注と原価管理の強化により緩やかな改善トレンドを維持している。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(建設・ゼネコン)×0.74
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+3.81%
リスク耐性スコア調整(5/10)+0.00%
MOAT スコア調整(6/10)+0.00%
格付け調整(JCR AA- / R&I A+)-0.20%
当社中立CoE7.31%
悲観 CoE
10.3%
中立 CoE
7.3%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(5/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 35%
中立 40%
楽観 25%
悲観 35% — 悲観シナリオ
中立 40% — 中立シナリオ
楽観 25% — 楽観シナリオ
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥8,113/株
悲観35% / 中立40% / 楽観25%
リスク耐性スコア 5/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -33億円 / 2024年度 -981億円 / 2023年度 160億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥210。成長率は過去DPS CAGR(10年=17.2%、直近3年=17.3%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。

悲観 35%
悲観シナリオ
¥4,007
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト10.3%
ターミナル成長率0.4%
中立 40%
中立シナリオ
¥6,999
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.3%
ターミナル成長率1.1%
楽観 25%
楽観シナリオ
¥11,593
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.1%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥4,776、配当性向31%でBPS追跡。

悲観 35%
悲観シナリオ
¥2,026
推定フェアバリュー/株
CoE10.3%
ROE(初年→10年目)-5.0%→6.5%
TV成長率0.4%
中立 40%
中立シナリオ
¥6,347
推定フェアバリュー/株
CoE7.3%
ROE(初年→10年目)8.8%→8.8%
TV成長率1.1%
楽観 25%
楽観シナリオ
¥10,395
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)11.8%→8.8%
TV成長率2.1%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥683、総合スコア5.4から指数関数的に倍率算出。

悲観 35%
悲観シナリオ
¥5,462
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥683
想定PER8倍
中立 40%
中立シナリオ
¥8,876
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥683
想定PER13倍
楽観 25%
楽観シナリオ
¥14,338
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥683
想定PER21倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=1.27倍、現BPS=¥4,776。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.91) 中央値 (1.27) 上位25% (1.76)
悲観 35%
悲観シナリオ
¥4,336
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.91倍
中立 40%
中立シナリオ
¥6,056
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR1.27倍
楽観 25%
楽観シナリオ
¥8,407
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR1.76倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥683。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (10.8) 中央値 (19.6) 上位25% (26.9)
悲観 35%
悲観シナリオ
¥7,387
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER10.8倍
中立 40%
中立シナリオ
¥13,384
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER19.6倍
楽観 25%
楽観シナリオ
¥18,359
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER26.9倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 7.0%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -17.1% / 中央 -5.9% / 上振れ 6.7%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥656 / 中央 ¥3,625 / 上振れ ¥20,914
現在 ¥17,215 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.3%
10年後の状態: 成長26% 横ばい53% 衰退21% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
バリュエーション低下
53.0%
景気後退・需要減
50.9%
株主還元強化
50.7%
好況・上振れサイクル
44.9%
利益率改善
32.7%
大幅業績ショック
27.8%
利益率悪化
22.3%
バリュエーション上昇
19.9%
競争優位低下
12.5%
構造的衰退
12.2%
過剰債務・既存株主毀損
8.3%
希薄化・増資
6.0%
倒産・上場廃止
3.1%
TOB・買収
2.3%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥17,215(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)4.77%8.27%12.77%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥5,588
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥5,588
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 6.4%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (35%) 中立 (40%) 楽観 (25%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥4,007 ¥6,999 ¥11,593 ¥7,100
残余利益 ¥2,026 ¥6,347 ¥10,395 ¥5,847
PERマルチプル ¥5,462 ¥8,876 ¥14,338 ¥9,047
PBR分位法 ¥4,336 ¥6,056 ¥8,407 ¥6,042
PER分位法 ¥7,387 ¥13,384 ¥18,359 ¥12,529
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥8,113
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥2,554 割安
¥4,644
FV¥8,113 割高
¥12,618
¥15,773
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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